22 / 22
エピローグ
エピローグ
しおりを挟む
僕には、好きな女の子がいる。もちろん、異性として。僕にとって彼女の存在は特別で、僕がこの先の人生において彼女以外を好きになることなんてあり得ない。
彼女――小春と出会ったのは、僕が年中組のとき。幼等部を見学に来ていて迷子になってしまった小春は小さな少女。
目に涙をいっぱいに溜めて僕を見上げるその姿に、僕は恋をした。もっと声が聞きたい、もっといろんな表情を見せてほしい。僕の手で保護して家に連れて帰って、甘やかして構い倒して僕だけの女の子にしたい。
そんな僕の心を知った天からの罰か、それとも小春を手にするための試練なのか、小春は重度の男性恐怖症だった。
僕のことも始めは女の子だと思っていた。僕を見て、違う人だって。
でも、覚えていてくれたんだ。長い時間をかけてあのときの僕と今までの僕が、小春の中で同じ人物になった。
僕と小春、2人だけの小さな思い出。大人に近づいた今でも、鮮明に残る思い出。
あの日突然始まった、長い長い僕の片想いは、長い長い時間をかけてゆっくりと進みだした。
ゆっくりと、ゆっくりと、ようやく触れ合える距離に近づいた。
これから先も、ゆっくりと、小春のペースで進んでいこう。待つことには、慣れているから。僕はいつまででも待つよ。小春に1番近い場所で。
僕の片想いは、長い長い時間をかけて、今ようやく進み始めた。
*** 中原マナの片想い 終 ***
彼女――小春と出会ったのは、僕が年中組のとき。幼等部を見学に来ていて迷子になってしまった小春は小さな少女。
目に涙をいっぱいに溜めて僕を見上げるその姿に、僕は恋をした。もっと声が聞きたい、もっといろんな表情を見せてほしい。僕の手で保護して家に連れて帰って、甘やかして構い倒して僕だけの女の子にしたい。
そんな僕の心を知った天からの罰か、それとも小春を手にするための試練なのか、小春は重度の男性恐怖症だった。
僕のことも始めは女の子だと思っていた。僕を見て、違う人だって。
でも、覚えていてくれたんだ。長い時間をかけてあのときの僕と今までの僕が、小春の中で同じ人物になった。
僕と小春、2人だけの小さな思い出。大人に近づいた今でも、鮮明に残る思い出。
あの日突然始まった、長い長い僕の片想いは、長い長い時間をかけてゆっくりと進みだした。
ゆっくりと、ゆっくりと、ようやく触れ合える距離に近づいた。
これから先も、ゆっくりと、小春のペースで進んでいこう。待つことには、慣れているから。僕はいつまででも待つよ。小春に1番近い場所で。
僕の片想いは、長い長い時間をかけて、今ようやく進み始めた。
*** 中原マナの片想い 終 ***
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
幼馴染の許嫁
山見月 あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
雪の日に
藤谷 郁
恋愛
私には許嫁がいる。
親同士の約束で、生まれる前から決まっていた結婚相手。
大学卒業を控えた冬。
私は彼に会うため、雪の金沢へと旅立つ――
※作品の初出は2014年(平成26年)。鉄道・駅などの描写は当時のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる