過ぎ去りし幼き日々

keino

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 健ちゃんは胸の先を、ちゅうちゅうと音を響かせて吸っては、れろれろと舌で弾いた。

「ひあああっ、やめてっ恥ずかしいよぉっ」

「お前感じすぎ……もっと啼かせたくなるな」

 片方は吸われ、片方は摘ままれ、顔を覗かれる。
 恥ずかしすぎて涙が溢れる程なのに、私の身体ははしたなく跳ね続けた。
 そして健ちゃんの手が、するっと私の女性の部分に触れた。

「ひゃうっっ」

 何かヌルヌルとしたものを塗り付けられて、頭の中が白く痺れていく。

「すげぇよ菜摘のここ……どんどん溢れてくる」

 ヌルヌルは、私から溢れているの?
 私は空ろを見て、あっあっと情けない声をあげることしかできなかった。

「やめて……やめて……そこはだめ……」

 健ちゃんが、何かこりこりと指を動かすたびに目の前に花火が散って、これ以上は駄目だと脳が訴える。
 けれどこのまま理性を飛ばしてしまえと訴える部位もあった。

「やだ……やだ……怖いよぉ!」

「イくの菜摘? 大丈夫、俺が押さえててやるからイけよ……菜摘がイくとこ見たい」

 健ちゃんは私の首の下に腕を入れて、顔をつき合わせ視線を絡ませると、私にコリコリをしたまま、ゆっくりと指を私のナカに挿し入れてきた。

「ひうっっ」

 なにこの感じ……。
 私のナカに、入ってる!
 私のナカが、異物を押し出そうときゅいきゅいと動くのが判る。

「すっげキツいよ菜摘のココ。
 俺の指に食い付いてくる……」

 ゆっくりと出し入れされて、体験したことのない変な感覚が気持ち悪いのに、コリコリするやつは気持ちよくて、脳の処理能力を麻痺させていく。

「やべぇ、指挿れてるだけなのに俺がイっちゃいそう……」

 私の首に顔を埋めて、荒い息の健ちゃんが呟く。
 私の腿の辺りには、何か熱くて硬いゴリゴリとしたものが擦り付けられていて、それはだんだんと速く強くなっていく。

「我慢できねぇ!」

 健ちゃんはガバッと顔を上げると、私の脚の間に移動し脚を抱えあげて、ソコに口を付けた。

「やだぁ! 止めて健ちゃん! 恥ずかしいっ、汚いよ! ふぁああんっっ」

 自分でもよく触ったことすらない、恥ずかしいところをべろべろと舐められてずずっと啜られる。
 コリコリと歯で転がされては、高速で振動も加えられて思考が強制停止させられる。

「やめっひゃああっ出ちゃう! おしっこ出ちゃうからあっっ!」

 動く上半身を精一杯ばたつかせて訴えても、健ちゃんは止めてくれないばかりか、更に私を追い立てる。

「だめっだめっ本当に出ちゃっあぁんっああああーー!!!」

 私の股から何かがじゅわっと弾けて、それが頭まで弾けさせた。
 治まらない荒い息を騙して、重たい頭を上げれば、健ちゃんはまだ私のソコを啜っていた。

「やめ……やめて、もう駄目……ふぁあっ」

 ビクビクと震える私の腰を押さえて健ちゃんが笑う。

「菜摘の蜜、めちゃくちゃ甘い。
 ……イったとこ、すげぇ可愛かったよ菜摘」

 健ちゃんは私のソコから口を離し、再び手を這わしてくる。
 今の私はどこを触れられても、声を上げることと、身体をくねらすことしかできなかった。

「あっあっやめっああっあぁあんっっ」

 健ちゃんの指が、肉を割って入ってくる。

「1回イったのにやっぱ堅いな……2本が限界か。
 でも悪ぃ、俺も限界なんだ」

 3本目をねじ込まれて、私のナカを確かめるようにそれらがバラバラに蠢いている。

「ぐぅっっ、やっあっっひぃっっ。き、気持ち悪いよ、うぅっ」

 健ちゃんは指を引き抜くと、熱く猛々しいそれを当てがった。

「やっ! やめ――――!!!」

 ぎっ!っと射し込まれたそれに身体が強ばり、痛さのあまりに声も出ない。
 健ちゃんは、反った私の腰を抱き締めて、首筋に顔を埋めた。

「凄い菜摘のナカ……熱くてドクドクいってる」

「おね……がい、抜い……て」

 私は金魚のように口をパクパクとさせながら言った。

「それは無理。
 それにまだ全部挿ってねぇし――いくぞ、力抜け」

「ひぎぃっっ!!」

 ガツンと腰を打ち付け、そのままの勢いでガツガツと私を揺さぶる。

「いぎぃっ! あぐぅっ!」

 奥へ挿し込まれるたびに、人から発せられる声とは思えない声が、私の口から出た。

「菜摘凄いよ……よすぎて何も、考えらんねぇ……もう出るっ……愛してる……愛してるよ菜摘、愛してる」

 額の髪をかき上げ、健ちゃんはいくつものキスを降らせる。
 身体が真っ二つに切り裂かれるような律動の中、それでも私は健ちゃんを抱き締めた。

「健ちゃん……健ちゃん! ――好き、好きなの。私も――私も愛してるの……っ!」

 愛してる――その言葉一つで、呆気なく私の心の蓋は開けられて、破瓜の痛みすらも愛しさに変わっていく。
 今の私には、妹のこととか家のこととか、一欠片も頭になかった。
 健ちゃんの繰り返す、愛していると言う言葉だけが全てだった。

 そして、太ももに熱い飛沫が飛んだ――――。



________ ___ __ _




 そらは染み一つなく、高く澄みわたって、あの夜を見透かしているかのようだった。
 同じく曇り一つない白無垢に包まれたこの日の舞は、輝く美しさで溢れる幸せを皆に振る舞った。

 隣に佇む健ちゃんは、ただむっつりと押し黙り、にこりともしない。
 それが大黒柱のように頼もしくも見えた。

 幼き日に、無意識に閉められた蓋を、あの夜抉じ開けられたが、また再び私は蓋をする。
 お互い、忘れましょう――その言葉一つ、置き土産に。

 今思えば、私が看護婦を志して東京へ出たのも、健ちゃんを慕う舞から身を引くため――いや、これはおこがましい言い方だ。

 ただ私は逃げたのだ。自分の気持ちを明かす勇気もなく、健ちゃんを慕う舞を見たくないがため。
 隠すならば墓場まで持っていけばいいものを――私は浅ましくも健ちゃんを受け入れた。

 なんと言う裏切り。

「綺麗よ舞。世界中の誰よりも」

 裏切りだと自覚していても私は、それに固く蓋をして、舞を、健ちゃんを、皆を――私を欺き続ける。


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