快感アプリ☆DREAMBOMB ~6:マッチョなランジェリーイケメンをイジめたい~

keino

文字の大きさ
31 / 49
4 茉帆の場合

2 物欲しそうな表情をしている女が映っていた

しおりを挟む

 好きな夢が見られるアプリ?
 なにこれ胡散クサ。
 シリアルにヨーグルトとミックスフルーツを少しのせた、簡単なブランチを食べながら、訝しみながら読む。
 しかし読めば読むほどに引き込まれていく。

 だって昨日、エッチなサンプルショット見ながら、夢心地でイジって寝ちゃったら、ちょっとエッチな夢見ちゃったもん。
 これってアリなんじゃ?
 今日は日曜日で予定がないし、しかも雨。お出掛けどころか家事もしたくない。

 雅斗は付き合いがあるって言ってたから、スカイブは夜までおあずけ。
 暇だしサンプル試してみようかな……。
 ドキドキしながらサンプルダウンロードボタンを押した。



________ ___ __ _




 昨日の夜は結局、雅斗とはスカイブしなかった。
 少し飲みで遅くなるとメッセしてきた雅斗に、気にしないで、今日は疲れたから早めに寝るから、と言う主旨で返信したのだ。
 時差は日本の方が2時間遅いから申し訳ない気持ちになるけれど、飲みに行くのだから構わないだろう。

 罪悪感があった。
 あのアプリだ。
 あのアプリは凄い物だった。
 まさにリアルかのような臨場感溢れるセックスを繰り広げられ、もう少しで私の待ち望んでいた、人の手によって極めるというところで目が覚めてしまった。
 私はその夢の中の人の名を呼びながら、夢中でバイブとローターを動かしてなんとか果てた。

 夢から覚めてのこれは、夢で昂っていたとはいえ、結局自らの手によってイったのと変わりなく、数時間後に目覚めた私は、罪悪感でいっぱいになってしまったのだった。
 もう忘れてしまったけれど、夢の中とはいえ、雅斗じゃない人の名を呼びながらイくなんて。
 そして、あの夢の中の快感を忘れられず、まだソフトは買ってはいないけれど、有料会員登録をしたのも罪悪感に拍車をかけていた。



 でも、やっぱりあれは、すごかった。
 満員電車に潰されているのも忘れて、思わず赤面し腿を擦り合わせてしまう。
 慌てて気を引き締めて、窓の外を見つめた。
 満員電車通勤も3ヶ月。
 雅斗の転勤が決まったときに結婚も決まり、2部屋家賃を払うのはもったいないからと、まず私の方を引き払うことになった。

 私が日本にいて仕事場へ通うんだから、雅斗の部屋の方を解約したかったけれど、部屋の大きさやセキュリティ面、仕事の資料の多さで、出国までに片付ける目処もないということで、私の方が引っ越してきたのだった。
 高校までは自転車、大学は一人暮らしを始めてバス、通勤は再び自転車にした私は、満員電車初心者だった。

 雅斗のマンションから、職場まで特急で30分。初めの頃は泣きそうだったけど今じゃさすがに慣れた。雨の日はまだ泣きたいけれど。
 その時だった。違和感を感じたのは。

 びくんっと体が波打つ。
 痴漢? ちょっと止めてよ、気持ち悪い!
 乗客に押し潰されて腕も動かせない私は、その手から逃れようと体をひねろうとした。
 けれど、くにくにと腰が振れるばかりで逃れられない。

「ひゃうっ」

 私があげた小さな悲鳴は、すれ違う電車との騒音にかき消される。
 柔らかいフレアスカートだったのがアダになり、お尻の割れ目から前方へ、指がすっと入ってきて上へ――つまりアソコへクッと押し込まれたのだった。

「えっ……」

 あまりのことに絶句する。
 嘘でしょ? 痴漢なんて私とは縁のない世界で、話を聞くと腹立つものの、現実味なく漠然とでしかわかっていなかった。
 一旦は手が引っ込んだものの、私が体を固めている間に、痴漢は再び触ってきてより大胆になっていく。
 痴漢ってこんなにも性急でこうも図々しいの!?
 ふざけんなと声を上げようとした瞬間、ビリッと快感が走って口を引き結んだ。

 何、今の? まさか感じたの!?
 ガクガクと震えてきて、心臓が早鐘を打つ。
 思わず手すりに両手で縋り付いて、ぎゅうっと目を固くつむる。
 次触ってきたら、絶対大声出してやるんだからッ!

 ピトッとスカート越しにではなく、ストッキング越しに太ももを触られ、びっくりしてまた固まってしまった。
 だっていつの間にスカートをめくりあげてた。
 驚いてる間に指先が肌をなぞり始めて――――

「痴漢ですね。次、降りてください」

 その声にビクッと大きく体を震わせた。

「な! 何を言っているんだ! そんなわけないだろう!!」

 ドスンと体を押されて隣の人の胸に飛び込んでしまった。
 注意されたらしき人物は、無理やり隣の車両に移っって行った。

「す、すみません」

「いいえ、大丈夫ですか?」

 胸に飛び込んでしまった人が助けてくれた人だった。
 慌てて離れて――と言ってもぎゅうぎゅうに混んでいるから、離れるというより寄りかかってしまっていたのを、ただ自分の足で立つというだけだけどとりあえず離れる。

「あ、ありがとうございました」

 お礼を言って相手の顔を見たら、自分と同世代で2、3コ上くらいのスーツ着用の男性だった。
 柔らかなイケメンで、でも芯はしっかりして真面目そうな男性だ。
 その男性が、ひゅっと息を呑む。
 なんだ?と思って瞬きしたら、ポロポロと涙がこぼれた。

「あっ、あぁ、ごめんなさい……」

 バッグからハンカチを取り出そうとするも、手が震えて覚束ない。
 すると男性が自分のハンカチを差し出してくれた。

「自分ので悪いけど、良かったら」

「重ね重ねすみません……」

「いいえ」

 助けてもらったのに断れる雰囲気じゃなかった。
 そのハンカチで涙を吸わせる。

「あの、すみません……、洗って返しますから」

「いいえ、そんなのお気になさらずに。
 あ、いいえその……、良かったら、これから一緒に乗りませんか」

「そんな、とんでもないです。今助けてもらったのだけで充分です」

「俺、毎朝これくらいの時間でこの路線なんです、ついでみたいなものですから。
 とりあえず明日、ハンカチを洗って返してくれるんでしょう? この電車、最後尾で待ってます」

 その時大きく電車が揺れた。
 その人は私を囲むようにドアに手をつく。

「それに、そんな無防備な顔で、電車に乗っちゃ駄目だ」

 目を眇められて見下ろされ、思わずサッと目を背けた。
 電車が地下に入る。

「し、失礼なこと言わないでください」

「ご自分の顔を見てみるといいですよ」

 顔を逸らして彼の方にむき出しになってしまった耳に囁かれる。
 また体がビクついて首を竦める。
 フッと小さく息を吐く音が聞こえた。

「ホラ、またそんな顔をする……。心配で心配で、たまらなくなります」

 軽くあごを持たれてドアの方を向かせられた。
 地下に入り鏡のようになったドアの窓には、真っ赤になって目を潤ませた、まるで物欲しそうな表情かおをしている女が映っていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

乳首当てゲーム

はこスミレ
恋愛
会社の同僚に、思わず口に出た「乳首当てゲームしたい」という独り言を聞かれた話。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

【短編集】こども病院の日常

moa
キャラ文芸
ここの病院は、こども病院です。 18歳以下の子供が通う病院、 診療科はたくさんあります。 内科、外科、耳鼻科、歯科、皮膚科etc… ただただ医者目線で色々な病気を治療していくだけの小説です。 恋愛要素などは一切ありません。 密着病院24時!的な感じです。 人物像などは表記していない為、読者様のご想像にお任せします。 ※泣く表現、痛い表現など嫌いな方は読むのをお控えください。 歯科以外の医療知識はそこまで詳しくないのですみませんがご了承ください。

処理中です...