泣き虫王女、異世界で推し騎士に拾われて人生チート化しました

タマ マコト

文字の大きさ
15 / 20

第15話:世界の終わり、心の始まり

しおりを挟む


空が、音を失って砕けていく。
色はあるのに、意味がない。
雲は綿ではなく、裂かれた羊皮紙の裏面に戻り、風は吹くのではなく、古い巻物の端でめくられている。
遠くで鐘がたたらを踏み、近くでは石段が呼吸を忘れ、足元の紋様が“上”と“下”の相談をやめた。

神殿の階段を駆け上がった私たちの前で、扉は自分の役目に倦み、蝶番が「休みたい」と呟く。
ノアは躊躇わず肩で押し開け、崩れかけた外気をひと息、胸に入れた。
世界は傾ぎ、都市の輪郭は薄紙の後ろで明滅し、メルヴァの塔の先端は水面に投げた針のように揺れている。

「外へ出る。風を読む」
ノアの声は低く、しかし確かな柱だった。
私は頷き、彼の背にぴたりとつく。背中の温度は人の温度。剣を持つ手は“殺さない”角度の記憶をまだ握っている。

外は、昼でも夜でもない薄灰色の沼。
地平線が丸められ、視線は何度も小さくつまずいた。
通りの端で、屋台の天幕が風ではなく“昔の約束”に引かれてばさりと翻る。
「続ける姫!」誰かが叫ぶ。「灯りの姫!」
人々の声は確かにそこにあるのに、辿れば途中で“どちらでもない”に吸い込まれてしまう。
因果希釈――禁呪の二段目が街を食べていた。

黒衣の列が、遠くの交差に滲んで見える。
円盤は割れ、短杖の符は湿っている。それでも彼らは輪唱で世界に命令を流し込む。
命令は細く、無数、しつこい。雨の、あと少し硬い版。

「ノア」
「いる」
「わたし、また泣くかもしれない」
「やめろ」
彼は振り向かずに言った。声が硬い石に触れて火花を散らすみたいに、短く跳ねる。
「俺が消えても、泣くな。……お前が泣けば、世界が壊れる」

体の中心に楔が打ち込まれた気がした。
言葉は刃じゃないのに、切った。
胸の奥、涙の壺に無数のひびを入れて、それでもこぼさせないための角度で。
私は無意識に喉を押さえ、息の節を数える。
吸って。止めて。吐く。
いつもと同じ三拍子なのに、今日のそれは重心が違った。泣かないための筋肉が、はじめて働く。

(泣かない。泣かない。泣かない――)
脳内で反芻するうち、反芻自体が涙を呼ぶ。
私は歯を軽く噛み、舌で「ここにいる」と口蓋を押す。
ティグがいつの間にか足元に戻り、二本の尻尾で短く“打音”を刻んだ。
“立て”。“いまは”。“泣くな”。

「俺は前を開く。お前は後ろを見ろ」
ノアが言う。
「“帰る人間”が道に迷わないように、声を出せ。方向を言え。名を呼べ。――“ただいま”の場所を、声で作れ」

「わかった」

泣かない、と決めるだけでは足りない。
“何をするか”。
私は胸の琥珀に指先を添え、声の置き場を定める。
喉ではない。胸骨の裏。
そこから、世界へ縄を投げる。

「ここが帰り道! “東門から二筋目、青い天幕の角を曲がって、噴水の手前”! 聞こえる人は、声を出して!」
叫ぶと、いくつも返事が弾んだ。
「ここにいる!」「子どもが二人!」「足を挫いた!」
声は命令に強い。
禁呪の“どちらでもない”の網目に、声は引っ掛かる。
私は返す。
「待ってて、行くから!」
ノアが一歩、二歩、三歩――崩れた石畳の穴を飛び越え、剣の腹で落ちてくる建材を弾く。
破片は私たちの肩に塵だけ置いて、すぐに意味を失って消えた。

黒衣の一団が輪唱を強める。
“従え”。“忘れろ”。“眠れ”。
輪唱は歌の形をしていない。帳簿みたいな声色。
ノアは最短の軌跡で間合いに入り、符を切り落とす。
刃は正確、動作は静か。
怒りはそこにあるのに、暴れない。
彼は私を庇いながら、ほんの一拍だけ首を傾けた。
崩れていく街の絵がその角度で読み取れるのだ、と私は分かる。
彼の戦場の目は、いま“生還の設計図”を見ている。

「リシェル」
「いる」
「泣くな」
「泣かない」

告げて、私は唇を結んだ。
涙腺の扉に手をかけたまま、鍵を回さない。
それは“我慢”ではない。
我慢は、あとで大きく破裂する。
今しているのは、配分。
涙という燃料を、今はタンクに残す選択。
――はじめて、私の涙が“使わない強さ”に変わった。

「こっち! こっちよ!」
両手で旗のように腕を振る。
瓦礫の向こうから現れたのは、子どもを抱えた母と、脚に板を縛り付けた老人。
彼らの背後で、舗道がひとつ“どちらでもない”に溶け、薄紙の池になりかけている。
私は距離を測り、声で橋を架ける。
「“ただいま”まで十歩! 数えて! いっしょに!」
「いち!」「に!」「さん!」
声は歩幅になる。
七で母子がこちら側へ。
八で老人の足がもつれ、九で私が走り、十でノアがその肩を支えた。

「ありがとう」「生きてる」「生きてる」
息が胸の内側で弾けそうになった。
泣きたい。
でも、――泣かない。
喉の奥で涙を折り畳み、そこへ“帰るべき人の数”を重石にして載せた。
重い。けれど、持てる。
私は、持てる。

「次は?」
ノアが問う。
「北。鐘のほう」
「行く」

その時。
空のひだが内側へ折れ、街の上空に巨大な“折り目”ができた。
折り目は、世界の罅の中でもっとも性格が悪い。
そこへ街の音――笑い、怒り、すすり泣き、ささやき――全部が吸い寄せられ、くしゃくしゃに潰れる。
メルヴァの塔が悲鳴を上げ、魔導炉の呼吸が浅くなり、共鳴器が助けを求めて薄く鳴いた。

「ノア!」
「わかっている」

彼は走る。
私はついていく。
足元の石畳は時々“水”になり、“風”になり、“思い出”になる。
踏むとひやりとする。滑る。転ぶ――転ばない。
呼吸の節が、世界の節と噛み合わない。
私は胸を叩く。
吸って。止めて。吐く。
世界よ、こっちへ。半歩でいい。
導の針が胸の琥珀の裏でかすかに鳴り、折り目がわずかに迷う。

そこへ、黒衣の長が現れた。
外套の内側に、無色の封蝋――忘却の札を束でぶらさげ、手には古い鍵盤のような符板。
「無駄だ」
声は冷たい井戸の底から響いてきたように乾いている。
「世界は希釈される。選び直す道は消える。泣き虫姫、君の涙も、やがて“どちらでもない”になる」

私は深く息を吸い、胸に納めた涙の壺を手で覆うように押さえた。
「泣かないよ」
男の眉が、わずかに上がる。
「泣かなければ、鍵は動かない。君はただの人間に戻る」
「うん。――いまは、それでいい」
喉が震えたが、崩れなかった。
「泣かないことを選ぶ。あなたの禁呪の“希釈”に、私の“選択”で線を引く。世界がどちらでもないに落ちるなら、私は“はい”と“いいえ”を、声で、身体で、決め続ける」

「決め続ける?」
「そう。いまは“進む”。次は“止まる”。ここで“助ける”。あそこで“任せる”。――泣くよりも先に、決める」

ノアの口元がわずかに笑った。戦場の只中で、短く、乾いた、それでも温度のある笑み。
「適切だ」

黒衣の長は符板を叩き、忘却の札を空に放った。
札は白い羽虫の群れのように舞い、折り目に集まり、世界の輪郭を削る薬となる。
ノアが動く。
刃が、風の筋をなぞる。
札は割れ、紙に戻り、灰に変わり、風へ散った。
しかし、数が多い。
彼の剣は早い。早いが、尽きる。
私は声で補う。

「“ただいま”はここ! “おかえり”はわたしが言う!」
叫ぶと、折り目の縁で空気がふるえた。
“ただいま/おかえり”は、約束の呼び名。
禁呪の命令列には存在しない“情動のプロトコル”。
プロトコルが違えば、命令は躊躇する。
札の群れがわずかに方向を失い、ノアの刃が追いつく。

「リシェル」
「いる」
「背を」
「預けて」

私は後ろを振り向く。
崩れた屋根の下、子どもが一人、両手で耳を塞いで震えている。
母の姿は――ない。
胸が痛む。涙が壺の蓋を揺らす。
(だめ。いまは。泣かない)
私は駆け寄り、しゃがみ、目の高さで言う。
「数えよう。いち、に――」
「さん」
子どもが震えながら続ける。
「し、ご、ろく」
数は道になる。
七、八、九、十――抱き上げる。
軽い。けれど、その軽さが重い。
私は子どもを胸に抱え、ノアの傍へ戻る。

「よく耐えた」
ノアが短く言う。
「泣いてない」
「うん。――いまは」

折り目がさらに深くなり、空の中心に黒い“無”が露出した。
世界の裏側。
命令が生まれる場所。
そこから、忘却の風が吹く。
風は暖かくも冷たくもなく、ただ“色がない”。
声から意味を剥がし、目から表情を剥がし、指先から温度を剥がす。

「下がれ!」
ノアが私と子どもを背に隠す。
外套の裾が風で鳴る。
私は首を振った。
「下がらない。――声は前へ届く」

私は空に向かって叫ぶ。
「ただいま!」
意味を剥がす風が、言葉を白骨にしようとする。
私はもう一度、言う。
「ただいま!」
三度目。
「ただいま!」
――返ってくる。
遠く、近く、さまざまな喉から。
「おかえり!」
声は意味の骨に肉を戻す。
色がわずかに戻り、折り目の縁が“迷う”。

黒衣の長が忌々しげに符板を叩き折り、外套の胸から最後の封蝋を取り出す。
黒――最初と同じ色。
だが、刻まれた紋は針でも涙でもない。
断。
切断の呪。
「この騎士を中心から切り離す。命令からも、約束からも」

男が呪文を切ると同時に、ノアの足元に黒い線が走った。
線は彼の影を二つに分け、影は彼の心に手を伸ばす。
私は息を呑む。
彼の瞳に、一瞬、封印の氷が戻った。
命令と約束の綱引き。
刹那、命令が勝つ。
刃の角度が“殺す”の方向へ半度だけ傾き――。

(泣け)
胸の奥で、別の私が囁く。
(いま泣けば、届く)
(でも)
(泣くな)
ノアの声が重なる。
「俺が消えても、泣くな。……お前が泣けば、世界が壊れる」

私は歯を食いしばった。
泣きたさは海になって押し寄せた。
母の琥珀を胸に、灯りの街を背に、推しの騎士の背に片手を置いて、私は――はじめて、涙を止めた。

「ノア!」
声が裂ける。
「帰れなくなっても、私は待つ! “ただいま”ってあなたが言う未来を、私が残す! だから、今は――泣かない!」

壺の蓋に、重い錘を載せる。
重石の名前は“約束”。
涙は静かに揺れ、しかし溢れない。
その瞬間、世界の折り目が躊躇した。
泣きが起こすはずだった導の針の跳ねが起きず、禁呪の回路は入力待ちに落ちる。
黒衣の長が一瞬、計算を見失う。

ノアが、その一拍を掴んだ。
刃が、断の符を縫う。
“切る”ための呪を、“結ぶ”ための動きで封じる。
ありえない角度。
命令の剛性の外側、約束の柔らかさの側。
彼は自分自身の影を踏み越え、線を跨ぐ。
目から氷が消え、灰の奥に火が戻る。

「……帰る」
彼が言う。
「生きて、帰る。――命令ではなく、俺の選択で」

私は笑った。
泣かずに、笑えた。
喉に熱が残っていたが、それは涙ではなかった。
熱は前へ進む燃料。
私は子どもを抱く腕を少し持ち直し、叫んだ。

「道は開いた! “噴水へ、そして東門へ!”」
声が街の骨に触れ、共鳴器が微かに応じる。
灯りの基台がかすかに明るみ、足元の“どちらでもない”が“たぶん上”へ戻る。
人々の足音が重なり、輪唱の毒が薄まる。
黒衣の長は後退し、遠い塔のほうへ手を上げた。
輪唱はまだ途切れない。
世界は、まだ壊れている。
でも――止まり方を、学び始めている。

ノアが肩で息をし、私を見る。
その視線は、剣と同じくらい、まっすぐで、しかし斬らない。
「耐えたな」
「うん。――泣かなかった」
「強い」
「初めて、そう言われた」
「事実だ」

頬に、風がやさしく触れる。
さっきまで“色がない”だった風に、うっすらと蜜の匂いが混じった。
街はまだ灰色だが、灰の奥に糖が残っている。
泣いたら甘さはすぐに燃えてしまう。
今は燃やさない。
今は、運ぶ。

「次へ行く」
ノアが言う。
「王都の塔、国境の塔――禁呪の輪唱を止めねば、世界は戻らない」
「行こう。わたし、泣かない練習、続ける」
「要るのは、泣かないだけではない。――“泣きを、選ぶ”だ。使うべき場所まで、連れて行け」
「うん」

私は子どもを母のもとへ渡し、手を強く握り合った。
「ただいま」「おかえり」
短い儀式が、崩れた街の真ん中に小さな島を増やす。
島と島が、声で橋をかけ合う。
ノアが私の手を取る――ではなく、私がノアの手を取る。
前に出る。
世界の終わりの縁に、心の始まりの線を引きながら。

空の折り目が少しだけ閉じ、遠くの塔の鐘が三度、不揃いに鳴った。
私は胸の琥珀を押さえ、深く吸い、長く吐く。
涙は、まだそこにある。
でも、それは脅しでも、弱さでもない。
“選択の予備”。
“未来の燃料”。

「ノア」
「なんだ」
「わたし、強い?」
「強い」
「なら、行ける」
「行こう」

足元の“どちらでもない”は、私たちが踏むたび“たぶん上”になり、やがて“上”へと戻っていく。
人々の息がそれに続き、街は呼吸を取り戻しながら、まだ崩れ続ける空の下で、かろうじて歌を思い出す。
世界の終わりは、まだ止まっていない。
けれど、心の始まりは、もう、ここにある。

ただいま。
おかえり。
泣き虫の姫は、はじめて涙を止めて、前を向いた。
その“止める”は、門を閉ざすことじゃない。
次に開けるための、選ぶ強さだった。
崩れゆく空の底で、私たちは歩き出す。
終わりから、始まりへ。
針は、確かに――こちら側へ、ひと目盛り。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない

しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。

向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。 それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない! しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。 ……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。 魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。 木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

記憶喪失となった転生少女は神から貰った『料理道』で異世界ライフを満喫したい

犬社護
ファンタジー
11歳・小学5年生の唯は交通事故に遭い、気がついたら何処かの部屋にいて、目の前には黒留袖を着た女性-鈴がいた。ここが死後の世界と知りショックを受けるものの、現世に未練があることを訴えると、鈴から異世界へ転生することを薦められる。理由を知った唯は転生を承諾するも、手続き中に『記憶の覚醒が11歳の誕生日、その後すぐにとある事件に巻き込まれ、数日中に死亡する』という事実が発覚する。 異世界の神も気の毒に思い、死なないルートを探すも、事件後の覚醒となってしまい、その影響で記憶喪失、取得スキルと魔法の喪失、ステータス能力値がほぼゼロ、覚醒場所は樹海の中という最底辺からのスタート。これに同情した鈴と神は、唯に統括型スキル【料理道[極み]】と善行ポイントを与え、異世界へと送り出す。 持ち前の明るく前向きな性格の唯は、このスキルでフェンリルを救ったことをキッカケに、様々な人々と出会っていくが、皆は彼女の料理だけでなく、調理時のスキルの使い方に驚くばかり。この料理道で皆を振り回していくものの、次第に愛される存在になっていく。 これは、ちょっぴり恋に鈍感で天然な唯と、もふもふ従魔や仲間たちとの異世界のんびり物語。

辺境ぐうたら日記 〜気づいたら村の守り神になってた〜

自ら
ファンタジー
異世界に転移したアキト。 彼に壮大な野望も、世界を救う使命感もない。 望むのはただ、 美味しいものを食べて、気持ちよく寝て、静かに過ごすこと。 ところが―― 彼が焚き火をすれば、枯れていた森が息を吹き返す。 井戸を掘れば、地下水脈が活性化して村が潤う。 昼寝をすれば、周囲の魔物たちまで眠りにつく。 村人は彼を「奇跡を呼ぶ聖人」と崇め、 教会は「神の化身」として祀り上げ、 王都では「伝説の男」として語り継がれる。 だが、本人はまったく気づいていない。 今日も木陰で、心地よい風を感じながら昼寝をしている。 これは、欲望に忠実に生きた男が、 無自覚に世界を変えてしまう、 ゆるやかで温かな異世界スローライフ。 幸せは、案外すぐ隣にある。

辺境伯の溺愛が重すぎます~追放された薬師見習いは、領主様に囲われています~

深山きらら
恋愛
王都の薬師ギルドで見習いとして働いていたアディは、先輩の陰謀により濡れ衣を着せられ追放される。絶望の中、辺境の森で魔獣に襲われた彼女を救ったのは、「氷の辺境伯」と呼ばれるルーファスだった。彼女の才能を見抜いたルーファスは、アディを専属薬師として雇用する。

処理中です...