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第17話 『拒絶されても、泣き虫の意地で』
しおりを挟む翌朝、空はやけに青かった。
昨日の夜、地面の下を覗き込んだときの重苦しさとは違って、見た目だけならのどかな山村の朝だ。
子どもたちの笑い声。
鶏の鳴き声。
洗濯物を干す音。
でも、地面は、かすかに揺れ続けていた。
カタ……カタ……
皿がほんの少し鳴る。
水桶の水面が、細かく波打つ。
「やっぱり、収まってないね」
エリーナは、村の外れから畑を眺めて、ぽつりと呟いた。
井戸のある東側の地面から伝わる「うめき声」は、昨夜視たときと、そう変わっていない。
むしろ、ほんの少しだけ強くなっている気がする。
(放っといたら、多分もっとひどくなる)
頭では分かっている。
でも、「どうするか」の答えはまだ出ていない。
竜魔法で地殻を、少しだけ撫でるように調整することは可能だ。
アークヴァンと一緒なら、もっと精密にできる。
──その代償として、「竜の力を使った」という事実だけが、この国で重く積み上がる。
(“竜を禁じる国”で、竜の力を使う)
その行為が、どれだけ危ういかはよく分かっていた。
それでも。
「……やっぱり、見て見ぬふり、できないんだよなぁ」
エリーナは、自分の胸をこつんと指先で叩いた。
泣き虫で、怖がりで、拒絶を異様に痛がるくせに。
それでも、「助けられたかもしれない何か」を見逃すほうが、もっと怖い。
『主』
頭の奥で、アークヴァンの声がした。
『まだ揺れは続いているな』
(うん)
『地の下を探るのか』
(……うん)
少しの間を置いて頷く。
(あの村長さんたちには、ちゃんと“地震が起きるかもしれない”って伝えなきゃいけないけど……
“竜魔法で視ました”って言った時点でアウトなんだよね、たぶん)
『この国の法律ではな』
(アークヴァンのせいじゃないのに、また“竜のせいだ”って言われるの、正直腹立つ)
『主』
(でも、それ以上に……なにも言わずに、後で家が潰れて泣いてる人を見るのが嫌)
そこだけは、揺るがなかった。
『……分かった』
アークヴァンが、短く息を吐く気配。
『主が決めたなら、我は目を貸す』
(ありがとう)
◆
村の東側。
古井戸のあるあたりは、人通りが少ない時間帯を狙っても、それなりに視線があった。
畑に向かう農夫。
水を汲みに来る子ども。
家畜の世話をする人。
エリーナは、カイと相談した結果、「早朝、人が少ない時間」を狙うことにした。
「ほんとに行くの?」
「行く」
「一応聞くけど、“やめとく”って選択肢は」
「ない」
即答だった。
カイは、「だよね」と苦笑する。
「じゃあせめて、人目だけはできる限り避けよう。
見つかったら、最悪俺が“俺の術です”って被るから」
「それはそれで嫌なんだけど」
「どっちみち同罪だし」
さらっと言わないでほしい。
◆
朝の光が、東の山肌から零れ落ちてくる。
村の東端。
古井戸。
井戸の石組みは、ところどころひびが入り、かなり古びていた。
その少し離れた地面に、エリーナはそっと膝をつく。
土に、手をあてる。
ひんやりとした感触。
その奥に、鈍くうごめく大地の気配。
(今度は、昨日より深く)
『主』
アークヴァンの声が静かに寄り添う。
『我が感覚を、少し強く流す。
耐えられぬと思ったらすぐに切れ』
(わかった)
胸の紋章が、じわ、と熱を帯びる。
視界の端が、すこし白っぽく揺れる。
でも、意識ははっきりしている。
(大丈夫……いける)
竜の視線が、地面の下に潜る。
土、砂利、岩。
地下水の細い流れ。
さらに、ずっと下。
大地の“板”が、ぶつかり合う境目。
そこが、ゆっくりと軋んでいる。
(やっぱり、竜じゃない)
怒りも意志もない。
ただ、自然の動き。
でも、このままいけば──
やがて、大きな揺れになる。
(ほんの少しだけ、魔力を流して……)
地殻の隙間に、水を滑り込ませるみたいに、わずかな竜魔法を染み込ませる。
力で押さえつけるのではなく、流れを変えてやるイメージ。
大きな“ずれ”になる前に、細かく力を逃がしてしまう。
『慎重に、主』
(分かってる……)
額に、薄く汗が滲む。
指先が、微かに震えたその時──
「なにしてるの」
頭上から、声が降ってきた。
反射的に魔力を引っ込める。
地面の中の感覚が、ぶつりと途切れた。
「あ」
振り向くと、井戸のほうから、数人の村人がこちらを見ていた。
水桶を持った少年。
布袋を抱えた若い娘。
そして──皺だらけの手をした、中年の女性。
その目に、警戒と嫌悪が浮かんでいる。
「……なにしてるの」
女性が、もう一度、低く問いかけた。
その声には、怒りが張り詰めていた。
「えっと、その……」
エリーナは、手のひらについた土を見つめながら、言葉を探す。
「ちょ、ちょっと地面の様子を……」
「魔法だろう」
少年が、怯えと好奇心の混じった目で言う。
「さっき、光った。
地面から、白いのが、少し──」
エリーナの心臓が、ぎゅっと縮まる。
(まずい)
この国で、「地面に手をあてて光る」行為がどう見えるかなんて、考えるまでもない。
「禁じられた力を──」
女性の声が、震えた。
「ここで、使うな!」
次の瞬間、彼女は駆け寄ってきて、エリーナの手を乱暴に叩いた。
「っ……!」
ぱしん、と痛い音がする。
手の甲が、じん、と痺れた。
「なに考えてるの!」
女性の目は、血走っていた。
怒りと、恐怖と、憎しみがごちゃごちゃに混ざった色。
「この土地が、どうしてこんなふうになったか知っててやってるの!?」
「ま、待ってください、私は──」
「魔法で地面をいじるな!」
吐き捨てるような声。
「竜の力を使って、また大地を裂くつもり!?
わたしたちの家族を奪って、まだ足りないの!?」
その言葉は、エリーナに向けられたというより、過去の「竜」全てに向けられているようだった。
(あ……)
分かってしまう。
この人は、おそらく──あの「大災厄」で、大切な誰かを失ったのだ。
家族か。
子どもか。
恋人か。
目の奥に、それがべったりと張り付いている。
「わ、たしは……」
喉が、ひゅ、と鳴った。
「違うんです、わたしは、ただ……」
「ただ?」
女性の声が、刺すように高くなる。
「“ただ”って何?
“ただ”この村のことを想って?
“ただ”優しいふりをして?」
「ふりなんかじゃ……」
「竜の主なんて、二度とこの土地に足を踏み入れないで!」
その一言は、鋭い刃だった。
エリーナの心臓に、ぐさりと突き刺さる。
竜の主。
その呼び名を、この国で聞くことになるとは思っていなかった。
(知られてる……?)
いや、違う。
この女性が、本当に「彼女が竜の主だ」と確信しているわけではないかもしれない。
「禁じられた魔法を地面に使おうとする者」を、一括りにそう呼んでいるだけかもしれない。
それでも、その言葉は──
(“わたしなんて、いらない”って言われたみたい)
胸の奥の一番柔らかい場所を、直に殴られた感覚だった。
「やめろ」
そのとき、後ろからカイが飛び出してきた。
エリーナの肩を庇うように前に立ち、女性と向き合う。
「この人は──」
「どきなさい」
女性は、カイを睨みつける。
「“竜の主の仲間”ね」
「違います」
カイの声は静かだった。
「彼女は、竜を連れているから危険なんじゃない」
ゆっくりと、言葉を選ぶ。
「危険だからこそ、その力を、誰かを守るために使おうとしてるんです」
「綺麗事を言わないで」
女性は、吐き捨てるように言う。
「“誰かを守るため”なんて、もう何度も聞いた。
“国を守るため”“家族を守るため”“未来を守るため”」
そのたびに。
「そのたびに、誰かの家が焼けて、誰かの子どもが死んで、誰かの人生が壊れていった」
声が震えている。
拳が、握りしめられている。
「うちの息子も、“国を守るための兵士”だった。
でも、竜の炎に飲まれたとき、国も未来も守れなかった」
エリーナの胸が、ぎゅう、と痛くなる。
「“守るために力を使う”って言葉は、もう聞きたくない」
女性は、エリーナを睨みつけた。
「竜の主がどんな顔をしてても、どれだけ泣きそうな目をしてても──
竜の力をここで使うってだけで、わたしたちには“脅威”なの」
「……」
エリーナは、何も言えなかった。
否定する言葉が、喉に詰まる。
「わたしは違う」と言う資格が、今、この場であるだろうか。
王宮を吹き飛ばした夜の白炎が、脳裏に蘇る。
あのとき、自分は確かに「誰かを守るためにも」力を使った。
でも、何もかも綺麗に守れたわけじゃない。
崩れた壁。
瓦礫の下で泣いていた誰かの声。
恐怖に震えた人々の顔。
(“守るために使った”って、言い切れるのかな)
胸の奥で、言葉が絡まる。
うまく、ほどけない。
『主』
アークヴァンの声が、静かに震えた。
『この場から離れろ』
(でも──)
『主』
いつになく強い調子で呼びかける。
『これ以上、心を傷つけられても、何も変わらぬ』
(……)
分かっている。
今、この女性を言い負かしたところで、何かが癒えるわけではない。
むしろ、傷をえぐるだけだ。
それでも。
「……ごめんなさい」
エリーナは、絞り出すように言った。
「わたし、あなたの息子さんの代わりにはなれない。
竜が奪ったものを、全部返すなんてできない」
認めることしかできない。
「でも、ここで、またなにか起きているなら──」
細い声。
「それを何もしないで見てるだけは、嫌なんです」
「“嫌”?」
女性の目が、怒りで揺れる。
「あなたの“嫌”ひとつで、この村がまた危険に晒されるの!?
そんな勝手な感情で、禁じられた力を使わないで!」
「勝手、なのは分かってます」
喉が焼けるように痛い。
涙が、目の縁でぐらぐらと揺れている。
「でも……」
言葉が、そこから先に進めない。
「でも何?」
「でも助けたいから?」
「でも、見ているだけは嫌だから?」
その全部が、あまりにも自分本位に思えて、口から出せない。
女性は、もうエリーナを正面から見るのも嫌だと言わんばかりに、顔を背けた。
「竜の主は、この土地にいらない」
その一言を置き捨てて、彼女は井戸のほうへと歩き去っていく。
少年も、若い娘も、複雑そうな顔で彼女の後に続いた。
残されたのは、エリーナとカイだけ。
静寂。
地面の、かすかな揺れだけが残る。
◆
「……っ」
堪えていたものが、喉の奥で爆ぜた。
「ぅ、あ……」
エリーナは、顔を歪めて、唇を噛む。
噛んでも、どうにもならない。
溢れてくるものは止められない。
目から、ぽろりと涙が落ちた。
「ごめ……ん……」
「なんでエリーナが謝るの」
カイが、そっと肩に手を置く。
「悪いのは、エリーナじゃない」
「でも、わたし……」
自分の腕を抱きしめるようにして、震える声を押し出す。
「わたし、“竜の主だから”ってだけで、あの人の傷、全部思い出させちゃって……
それなのに、“それでもやりたいことある”とか、言おうとして……」
声が詰まる。
「やっぱり、勝手だよね……」
「勝手だけど」
カイは、きっぱりと言った。
「その“勝手さ”がなかったら、干ばつの村は、井戸を掘り当てられなかった」
「……」
「竜骨の森で、古い竜の記憶に触れようとしたのも、
城塞の鎖を拒んで飛び出したのも、
全部、“エリーナの勝手さ”の延長線上なんだと思う」
「褒めてる?」
「半分は」
「半分は……?」
「もう半分は、“心配してる”」
カイは、正直に言った。
「拒絶される痛みに弱いのに、
その痛みをわざわざ抱えに行くような人だから」
だから、心配だ。
でも、その「痛みを抱えに行く」姿を見て、胸が掴まれるように動く自分がいる。
「エリーナ」
「……」
「今すぐ答えを出さなくていい。
この村をどうするか、この国とどう向き合うか。
時間がかかってもいい」
彼は、少し笑う。
「その間、泣きたいなら、何回でも泣いていいから」
「なにそれ」
「泣き虫の意地ってやつ、俺は嫌いじゃないから」
「……泣き虫は余計……」
嗚咽混じりに、いつものツッコミを返す。
それだけで、少しだけ呼吸が楽になった。
◆
その夜。
村の人たちは早くに戸を閉めた。
また揺れるかもしれない恐怖に備えて、灯りも控えめだ。
エリーナは、宿の裏手、誰もいない木陰に隠れるように座り込んでいた。
膝を抱え、額を埋める。
(痛いなぁ)
胸が、ずきずきと痛い。
あの女性の顔。
石碑の名前。
「竜の主なんて、二度とこの土地に足を踏み入れないで」という言葉。
その全部が、頭の中で何度もリピートされる。
「……っ」
気づけば、また涙が伝っていた。
ぽた、と地面に落ちる水滴。
止めようとしても、うまく止まらない。
「わたし……拒絶されるの、ほんとに弱いなぁ……」
自嘲気味の声が、夜に溶ける。
王宮を追い出されたあの日も。
“無魔力”と笑われていた幼い頃も。
いつだって、「いらない」と言われるたびに心が軋んだ。
泣き虫で。
打たれ弱くて。
なのに、歩みを止めるのは嫌いで。
「……でも」
エリーナは、しゃくり上げながらも、ぼそりと言った。
「だからって、何もしないで見てるだけは、もっと嫌だ」
ここで引き下がって、「あの人に嫌われたくないから」と何もせずに村を去ることも、できる。
そのほうが、心は楽かもしれない。
でも、その選択をした自分を、きっと一生許せない。
(また、あの井戸のほうで、大きな揺れが起きて。
家が潰れて。
誰かが泣いて)
そのとき、「あのとき、見て見ぬふりしたよね」と、未来の自分が責めてくるのが目に見える。
「嫌われても……」
膝に額を押しつけたまま、呟く。
「怖がられても……
この国の人たちが、また何かを失うの、見るのは嫌だ……」
泣きながら、それでも、意地を曲げようとしない。
その矛盾が、自分でもややこしくて情けなくて、それでも、どうしても捨てられない。
『主』
柔らかい声が、頭の奥に落ちてきた。
『この土地を離れたいなら、今すぐにでも飛び去ろう』
「……アークヴァン」
『主が望むなら、我は山の上から降り、翼でこの国を越えよう』
竜の提案は、いつもどこまでもシンプルだ。
『この国の人間たちの恐怖も憎しみも、主が背負う必要はない』
「……逃げろって、言うの?」
『逃げるとも言う』
正直な竜だ。
『主は、すでに多くの場所で、多くのものを抱えてきた。
これ以上、傷を増やさずともよい』
その言葉には、優しさがあった。
痛みから遠ざけてやりたい、という願い。
『この国は、竜を禁じる国。
主の存在そのものが、ここでは毒にもなる』
「うん……」
『ならば、離れるのもまたひとつの選択だ』
逃げることが、いつも悪いわけではない。
実際、王宮を飛び出したときの「逃げ」は、ひとつの正解だった。
でも。
「……やだ」
エリーナは、首を振った。
「やだよ」
『主』
「嫌われても、怖がられても──」
涙に濡れた目を、夜空に向けて開く。
星が、滲んで見える。
「この国の人たちが、また何か失うの見るの、嫌だもん」
『…………』
アークヴァンは、黙った。
その沈黙の中にも、感情の揺れが伝わってくる。
「わたし、逃げるのはきっと“許される”んだと思う。
王宮を飛び出したときみたいに、“よくやったね”って言ってくれる人もいるかもしれない」
カイとか。
アークヴァンとか。
「でも、“この国で何か起きるかもしれない”って知っちゃった以上、
何もせずに背中向けるのは、わたし的にはアウト」
泣きながら、妙な言い回しになる。
「自分で自分に、“はい、それはなし”って言いたくなる」
『主は……頑固だな』
「うん、自覚ある」
泣き虫のくせに、諦めが悪い。
それが、自分の嫌いなところであり、好きなところでもある。
『……分かった』
アークヴァンが、静かに息を吐いた。
『主が、ここに留まるというなら、我はその決定を尊重する』
「うん……」
『主が、この国で何をすると決めるかは、まだ分からぬ。
だが、どの道を選んでも──』
竜の声が、少しだけ柔らかくなる。
『主が泣きながら前に進むのなら、我はその後ろで翼を広げよう』
「泣きながらって前提なんだ……」
『主が泣かぬときのほうが少ない』
「ぐさっと来ること言わないで……」
それでも、口元が少しだけ緩む。
涙はまだ止まらないけれど、心のどこかに、小さな灯がともる。
◆
少し離れた木陰。
カイは、エリーナに声をかけずに、その様子をそっと見ていた。
膝を抱えて泣く後ろ姿。
空に向けて伸びた視線。
それでも、「逃げたくない」と言う声。
(……ああ)
胸の奥で、何かが、静かにカチリとはまった。
いろんな瞬間が、頭の中で連鎖する。
干ばつの村で、水に濡れて笑った顔。
竜骨の森で、古い骨に触れて震えた手。
城塞を飛び出すと決めたときの、あの真剣な瞳。
暴走しかけたとき、それでも「守るために」と叫んだ声。
全部が、一本の線になって繋がっていく。
(俺は──)
驚くほど静かな確信が、胸に落ちた。
(ああ、俺はこの人に恋をしてるんだな)
誰かに「好きだ」と自覚するときって、もっと劇的な何かがあるのかと思っていた。
キスをした瞬間とか。
手を繋いだ瞬間とか。
命を救われた瞬間とか。
でも、実際は。
泣きながら、それでも意地で前を向こうとする横顔を見て、「ああ」と思った。
この人が、「嫌われても、怖がられても」と言いながら、それでも誰かのために動こうとする姿が。
どうしようもなく、愛しくて、誇らしくて、怖かった。
(ほんと、面倒な人を好きになったな)
自嘲とも愛情ともつかない笑みが、唇に浮かぶ。
言葉にはしない。
今ここで、「好きだ」と言っても、彼女をさらに縛ってしまう気がした。
だから、胸の中にそっとしまう。
(それでも──)
その気持ちは、隠しきれずに表情の端々に滲んでいた。
エリーナの選んだ「泣きながらでも進む道」の隣で、自分も足を進める覚悟を、ひとり静かに固めながら。
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