婚約破棄のその場で転生前の記憶が戻り、悪役令嬢として反撃開始いたします

タマ マコト

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第11話「飢饉の冬と、かすかな温もり」

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 最初の雪は、静かに王都を呑み込んだ。

 白い、というより、灰色に濁った雪だった。
 空はずっと低く垂れ込め、太陽は一日中、雲の向こう側でくぐもった丸い影にしか見えない。
 吐く息は白く、鼻の奥がつんと痛む。

 冬――。

 前世の記憶では、「革命前夜を決定的に押し進めた季節」。
 不作、凍える民衆、燃料不足、パンの欠乏。

 その単語が、今この世界でも、同じ順番で並び始めていた。



「……今年の収穫量、やっぱりひどいわね」

 ヴァロワ公爵領から届いた報告書を、レティシアは暖炉前で広げていた。

 屋敷の執務室も、冬仕様で絨毯が厚く敷かれ、暖炉の火は絶やさないように保たれている。
 それでも、羊皮紙越しに伝わる数字の冷たさまでは、暖炉の炎でも溶かせなかった。

 テオが整えた表は、容赦なく現実を突きつけてくる。

「小麦、平年比六割……ジャガイモは五割。
 干し肉とチーズの備蓄も、去年の冬の残りが少ない」

 レティシアは、額を押さえた。

「お嬢様……」

 クロエが心配そうに湯気の立つハーブティーを差し出してくる。
 手を添えると、彼女の指も冷えていた。

「王都からも報せが届いております」

 静かに口を開いたのはギルバートだ。
 いつもどおりの無表情に見えるが、眉の間には僅かな皺が寄っている。

「パン屋が“今日は売り切れ”と告げる回数が増えているとのこと。
 薪も高騰し始め、市場では“燃料が足りない”“パンがない”という不満が日に日に大きくなっているようです」

「……前世の教科書、丸写しみたい」

 レティシアは、思わず苦笑した。

 “パンがない”――。
 “燃料が足りない”――。

 それは、ただの不満ではない。
 生活の基盤が崩れ始めている合図だ。

 もっと言えば、「怒り」が「絶望」に変換される直前のサイン。

「王都の備蓄だけじゃ、確実に足りなくなる」

 レティシアは、手元の数字を指でなぞった。

「領地側で抱えてる穀物、思い切ってこっちに回すしかないわね」

 ギルバートが、わずかに目を見開く。

「しかし、それでは領民が――」
「わかってる」

 わかっている。

 ヴァロワ領の農民たちだって、余裕があるわけじゃない。
 不作はどこも同じだ。
 その中で無理やり穀物をかき集めれば、今度は領民が「余裕ギリギリ」になる。

(“どこかから持ってくる”ってことは、“どこかが削れる”ってこと)

 当たり前の理屈。
 でも、数字として突きつけられると、胃が捻られるように痛む。

「……それでも、王都で暴動が起きて、兵が出て、血が流れるよりはマシ」

 レティシアは、自分に言い聞かせるように呟いた。

「領地には、まだ人のつながりがある。
 私の名前も顔も知ってる。
 事情を話せば、“今年だけは耐えよう”って言ってくれる人もいるはず」

 けれど、王都の民衆は――。

 彼らにとって「王家」や「公爵家」は、遠い存在だ。
 顔も見えない、ただの権力の象徴。
 そこから見捨てられたと感じた瞬間、怒りは憎悪に変わる。

 燃え上がった憎悪は、雪よりも早く国中を駆け巡る。

 前世で、文字列として読んだその光景が、今は生々しい映像として脳裏に焼き付いて離れなかった。

「ギルバート、ロジェ商会に連絡。
 領から王都への輸送ルートを優先で押さえて。
 多少割高でも構わないわ。――その分、支払いは私の個人資産から出す」

「お嬢様の個人資産は、すでにかなり……」

「わかってるってば」

 レティシアは苦笑した。

「私、結婚持参金として貯めてた分、もうほとんど使っちゃってるんだよね」

 婚約破棄とともに宙に浮いた“王太子妃予算”。
 そのほとんどを、彼女は貧民街と穀物ルートにつぎ込んでいた。

(前世での私が聞いたら、絶対「バカじゃないの」って言う)

 安全圏から歴史を眺めていた女の子と、今ここで汗をかいている自分。
 どっちが賢いのかなんて、正直わからない。

 でも、今は――。

「バカでいい。
 “何もしないで後悔するよりマシ”って、前に決めちゃったしね」

 テオが作ったグラフの線は、まだ下向きだ。
 それを少しだけ緩やかにするために、自分の心と財布を削っている。

 それが、今のレティシアの「生き方」になっていた。



 数日後。

 ヴァロワ領は、王都よりも静かだった。

 雪に包まれた畑は、眠っているように白く、時折吹き抜ける風が、粉雪を細かく巻き上げる。
 木々の枝は霜で光り、遠くの森からは、薪を切る音だけがかすかに響いていた。

 領主館の玄関前に、一台の馬車が止まる。

 深い青の紋章――王家の二番目の色。

「第二王子殿下、ご到着です!」

 呼び声に、使用人たちが慌てて玄関に並ぶ。

 レティシアは、マントの襟を正し、玄関ホールの中央で待っていた。

 扉が開き、冷たい空気が流れ込む。

 雪を背にして現れたシャルルは、いつものように静かな顔をしていた。
 ただ、その頬に当たる風が、王都よりも鋭い。

「遠路はるばるようこそ、殿下。
 ――“視察”の名目でいらしたと伺いましたが、本音は?」

 レティシアが出迎えながら尋ねると、シャルルは肩をすくめた。

「半分は本当に視察だ。
 もう半分は……お前の顔を見るため」

「殿下、それ、サラッと言うと誤解されるやつです」

 クロエが、後ろで小さく「ひゃっ」と変な声を漏らした。
 ギルバートがさりげなく彼女を廊下の奥へ連れて行く。

 レティシアは、苦笑しながらも手を差し出した。

「せっかくですし、“飢饉の現場”ツアーにお連れしますわ。
 暖かい部屋で数字だけ見てても、あんまり実感湧かないでしょう?」

「それはお前にも言えることだと思うが」

 それでも、シャルルはその手を取った。



 馬車は、雪を踏みしめながらゆっくりと進んだ。

 窓の外には、白い世界が広がっている。
 凍った川。
 畑を覆う雪。
 遠くに見える小さな村落。

 馬車の中には、小さな暖炉が据え付けられていた。
 石炭の匂いと、火のぱちぱちと爆ぜる音。

 外側が氷の世界だからこそ、馬車の中の暖かさは、不自然なほどくっきりと意識に浮かぶ。

 レティシアは、膝にブランケットをかけ、前に座るシャルルをじっと見つめた。

「殿下、この寒さ、王都よりずっと厳しいでしょう?」
「ああ。
 ここまで肌に刺さる冷気は、王宮の石壁の中ではなかなか味わえない」

 シャルルは、窓の外を見やりながら答える。

「だからこそ、燃料の不足は致命的だ。
 王都の連中には、“寒いけどなんとかなるだろう”くらいにしか見えていないかもしれないがな」

「“見えてない”からこそ、こうしてお連れたんですよ」

 レティシアは、足元の暖炉に視線を落とした。

「この暖かさ、外の寒さを知ってる人ほどありがたく感じる。
 逆も然り。
 “ここがどれだけ寒いか”を知らない人は、“暖炉ひとつ減らしたところで大したことない”って言いかねない」

 前世の歴史本の中で、「冬の寒さ」はいつもさらっと書き飛ばされていた。
 実際には、指の感覚がなくなり、空気を吸うたび胸が痛くなる、そんな現実があるのに。

「領の倉庫を回ったが、確かに穀物は少ない」

 シャルルが報告する。

「それでも、お前は“王都に回す分”を決めた。
 あれだけの量を出せば、領の者も苦しいはずだ」

「……うん」

 レティシアは、窓の外を見た。

 小さな村の煙突から、細い煙が上がっている。
 その下で暮らす人々の顔が、頭の中に浮かんだ。

「村長たちと話しました。
 “今年はきついけど、王都で暴動が起きて軍が動くよりはマシだ”って。
 “レティシア様が正直に話してくれたから、まだ納得できる”って言ってくれた人もいます」

「“納得”と“満足”は違う」

 シャルルは、静かに言う。

「今はまだ、“我慢する理由”が辛うじて人々の中に残っている。
 だが、それがいつまで持つかはわからない」

「わかってます」

 今、レティシアがやっているのは、結局のところ「時間稼ぎ」に過ぎない。

 王都で暴動が起きるのを――
 革命が火を噴くのを――
 少しでも遅らせるための、綱渡り。

 それを支えるために、自分の領民に負担を強いている。

(これが、“正しい”と言い切れるほど、私は図太くない)

 レティシアは、指先に力を込めた。

「殿下、私、最近よく思うんです」

「何をだ」

「私、多分、自分の心を削って、その欠片を薪みたいに燃やして国を暖めようとしてるんじゃないかって」

 冗談半分、本音半分。
 シャルルは、黙って彼女を見た。

「テオに言わせれば、“非効率です”って怒られそうですけどね。
 でも、“自分の心だけは削ってもいいかな”って、どこかで思っちゃってる自分がいて」

 シャルルは、少しだけ目を細めた。

「それは、俺が言う台詞のつもりだった」

「え?」

「“君は自分の心を削って国を支えている”――だとな」

 あっさりと言われて、レティシアは目をぱちくりさせた。

「……殿下、いきなりポエム始めるのやめてもらえます?」
「事実だ」

 シャルルは肩をすくめる。

「お前は、自分が一番削りやすいと知っているから、自分から削りに行く。
 貧民街にも、領民にも、“いつか報われるかもしれない未来”のために、今を差し出させている。
 その最初の犠牲に、自分を置いている」

 言葉が、図星すぎて刺さる。

「……そんなに綺麗なものじゃないですよ」

 レティシアは笑った。

「私、けっこう自己満足で動いてますし。
 “歴史を知っているから何とかしなきゃ気が済まない”っていう、厄介な性癖です」

「自己満足でなければ、人はそこまで動けない」

 シャルルは、窓に視線を移した。

「俺も、そうだ」

 その声色が、いつもより少しだけ低い。

 レティシアは、思わず身を乗り出した。

「殿下も、“自分の心削ってる側”ですか?」

「王族は、生まれた時点で“国の罪”を背負わされる」

 シャルルは淡々と言う。

「王が失敗したことも。
 貴族がやらかしたことも。
 民が怒りをぶつける矛先も。

 “王家”という箱の中に全部詰め込まれ、その上に座るのが王であり、その隣に立つのが王太子であり――そして、“後始末役”が第二王子だ」

「後始末役」

「兄上が“見たくないもの”から目を逸らす。
 王妃が、“守りたいもの”だけを守ろうとする。
 その結果、こぼれ落ちたものを拾うのが、俺の役目だ」

 シャルルの瞳の奥に、わずかな疲労が滲む。

「戦費の帳尻。
 治安維持のための人員配置。
 過激な貴族の首の抑え方。

 全部、“王家内の問題”として片づけられる。
 “王族として当然だろう”と」

「……それって、殿下が一人で罪を分割して背負ってるってことじゃないですか」

 レティシアの声が、思わず強くなる。

「じゃあ、殿下も私と同じじゃないですか。
 自分の心削って、その灰で王家を取り繕ってるじゃないですか」

「違う。

 俺は、王家に生まれた時点で、“誰かの犠牲で立っている”と教えられてきた。
 だから、背負う覚悟は最初からあった。

 ……お前は、自分でそこに飛び込んだ」

 レティシアは、言葉に詰まった。

 前世の自分の記憶が、またひとつ浮かんでくる。

 普通の女子大生。
 歴史オタク。
 図書館とカフェを往復しながら、「フランス革命期の社会構造」とかいう論文を書いていた自分。

 あの頃は、こんな雪景色の中で、領民の配給量を計算したりしていなかった。

「……正直に言うと」

 レティシアは、目を伏せた。

「怖いです」

 言葉にした瞬間、胸の奥の何かがぷつんと切れた気がした。

「怖いし、重いし、苦しいです。
 私が選んだ選択ひとつで、誰かが助かって、誰かが苦しむ。
 領民には“今年だけだから”って言ったけど……本当に“今年だけ”で済む保証もない」

 指先が、震える。

「前世の私、こんな重さ知らずに、“革命ってこういうメカニズムで進むんですよ~”とか語ってたんですよ。
 ほんと、ぶん殴りたい。あの頃の自分」

 苦笑混じりの自嘲。
 その中に、本物の恐怖が混ざっていた。

「革命が起きるのは、多分もう止められない。
 でも、その前にどれだけ人が死ぬかは、多少変えられる。

 ――頭ではそう理解してるのに、心が追いついてこない時があるんです」

 シャルルは、黙って聞いていた。

 やがて、彼はブランケットの上に置かれていたレティシアの手に、そっと自分の手を重ねた。

 指が触れる。
 驚くほど、温かい。

「殿下……?」

「それでも、お前はここに座っている」

 シャルルの声は静かだった。

「王都に戻らず、領地に逃げず、
 “どこかだけが得をする選択”を選ばない。

 怖いまま、重いまま、苦しいまま――それでも前に進もうとしている」

 その言葉は、優しい慰めではない。
 ただの観察。
 だからこそ、重みがあった。

「怖いと思えるうちは、大丈夫だ」

 シャルルは、少しだけ握る力を強くした。

「“怖い”という感情は、自分がまだ“人間側”にいる証拠だ。
 それを捨てたら、本当にただの怪物になる」

 レティシアは、笑おうとして、うまく笑えなかった。

 喉の奥が熱くなり、視界の端が滲む。

「殿下……私、怪物になりかけたら止めるって言いましたよね」
「ああ」

「ちゃんと、止めてくださいね」

 子どもみたいな言葉が口から出る。
 自分でも信じられないくらい弱音で、情けなくて、でも止まらない。

「一人で背負いきれる自信、ないです」

 シャルルの表情が、少しだけ柔らかくなった。

「もう一度言うぞ、レティシア」

 彼は、言葉を噛みしめるように続けた。

「お前は、一人ではない」

 その声は、暖炉の火よりも温かく感じた。

 馬車の揺れが、二人の距離を微妙に近づけたり、遠ざけたりする。
 それでも、繋いだ手だけは離れない。

 雪の白さ。
 窓の曇り。
 暖炉のオレンジ色の光。

 全部が、少しだけ遠く感じるほど、その瞬間だけは、世界が小さく閉じていた。



 夜。

 ヴァロワ領の空は、重たい雲に覆われていたが、雪は一旦やんでいた。
 風の音だけが、遠くの森を抜けて屋敷の壁を撫でていく。

 レティシアは、自室の机でテオからの最新の報告書を読んでいた。

 王都の穀物価格は、彼女の介入で一時的に下がった。
 だが、燃料価格はじりじりと上がり続けている。

「薪が……ない」

 テオの書いた文字が、目に刺さる。

「防寒具の支援も考えなきゃ」

 思考が、また新たな問題に向かおうとしたとき。

 扉をノックする音がした。

「お嬢様……」

 クロエの声が震えている。

「どうしたの?」

 レティシアが扉を開けると、クロエは息を切らして立っていた。
 頬は上気し、手には一枚の電報のような簡易書状。

「王都から、急ぎの伝令が……!」

 受け取って、封を切る。
 簡潔な文章が、氷水みたいに目に飛び込んできた。

『王都・北地区にて、小規模な暴動発生。
 燃料庫襲撃未遂。
 現在、王立軍一個小隊を派遣、鎮圧中。』

 短い。
 それだけなのに、意味は重すぎた。

 レティシアは、紙を握りしめたまま、しばらく声が出なかった。

「……もう、始まってる」

 小さな暴動。
 襲撃“未遂”。
 今回は、まだ“未遂”で済んでいる。

 でも、それはきっと、“最初の一回”に過ぎない。

「お嬢様……」

 クロエの不安そうな声が、遠くに聞こえる。

 レティシアは、ゆっくりと息を吸い込んだ。

 さっき、シャルルに「一人じゃない」と言われたばかりなのに。
 現実は一瞬で、その温もりから彼女を引き剥がしにくる。

(時間が……ない)

 革命のタイムラインは、容赦なく進んでいく。

 飢饉の冬。
 燃える怒り。
 凍える夜。

 その全部が、ゆっくりと、しかし確実に、この国を包み込もうとしていた。

 レティシアは、震える指で紙を畳み、机の上に置いた。

 暖炉の火が、ぱち、と小さく音を立てる。
 その小さな炎に、彼女は目を細めた。

「……じゃあ、急ごうか」

 誰に向けたでもない言葉。

 怖くても、重くても、苦しくても。
 彼女は、もう歩き出してしまっている。

 かすかな温もりを胸に抱いたまま――
 迫り来る冬の暴風の中へ、また一歩、足を踏み出した。
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