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第20話「新しい国と、“悪役令嬢”のその後」
しおりを挟む時代は、ある日突然変わるわけじゃない。
処刑台の上で世界をひっくり返したとしても、
翌朝の空は、ちゃんといつものように青いし、
人は相変わらず腹を空かせる。
ただ――その青さの裏で、少しずつ何かが組み替えられていく。
◆
あの日から、いくつかの季節が過ぎた。
リュミエール王国は、
形の上では相変わらず“王国”だけれど、
中身はだいぶ様変わりしていた。
王は、今も玉座に座っている。
けれど、その手はもう、昔みたいに何でも握り締めてはいない。
王印が押される文書の数は減り、
代わりに増えたのは――
議会の印と、宰相の署名。
「“立憲王政”って言うんでしたっけ、こういうの」
レティシア・ド・ヴァロワは、議事堂のバルコニーから、
賑わいを取り戻しつつある王都を見下ろしながら呟いた。
石畳の上を行き交う人々。
以前より少しだけ大きくなったパン。
市場には、まだ不安定ながらも、ちゃんと並ぶ野菜と果物。
嫌な匂いは相変わらずあるけれど、
その中にちゃんと、焼きたてのパンの匂いが戻ってきている。
「君の前世の世界の言葉だろう?」
隣に立つのは、シャルル・ド・リュミエール――現・宰相殿下。
王太子という肩書きを剥がされた兄に代わり、
彼が国政の実務を担う立場になった。
王は“名目的な権威”。
“象徴”。
その下で、議会と宰相が、
法律と予算と制度を回していく。
紙とペンと、終わらない会議。
(革命の後の世界って、地味ね……)
レティシアは、心の中で小さく笑った。
血の匂いと、叫び声と、処刑台の影――
そういうドラマチックなものは、
あの日にほとんど使いきってしまった。
今は、もっと退屈で、
でも、ずっと大事な仕事が山ほど残っている。
「私の正式な肩書きなんでしたっけ、殿下」
「“殿下”はやめろ」
シャルルは、疲れたように額を押さえた。
「一応、今の公式な肩書きは――宰相。
そして、君はその“宰相補佐”。
制度改革担当、教育政策担当、貧民対策担当、その他もろもろ」
「“その他もろもろ”が一番多い気がするんですけど」
「実際そうだ」
苦笑が二つ、重なる。
◆
宰相府の執務室。
机の上には、いつものように書類の山。
税制改革案。
議会選出方法の見直し案。
貴族特権撤廃の細則。
教育制度の標準化計画。
レティシアはそれらを片端からめくり、
赤ペン……ではなく、赤いインクのペンで書き込みを入れていく。
「この条文だと、“書類上の身分だけ貴族じゃない人”を作る抜け道が生まれます。
“実質貴族”を許したくなければ、“一定以上の土地と資産を持つ者”で括ったほうがいいです」
「了解」
向こう側の机では、テオ・ランベールが数字を叩き、
新しい税率パターンを計算している。
かつては平民出身の文官として肩身を狭くしていた青年は、
今や“財務担当官”として堂々と働いていた。
「貴族からの税収は、一時的に落ちます。
その代わり、商人や職人からの税負担を少し軽減できる。
中長期的に見れば、
経済全体が回復する可能性は高いです」
「“長期的に見れば”って言葉、
政治家は大体嫌うんだけどね」
レティシアは肩をすくめた。
「今まで短期的な利益ばかり追ってた結果が、あの暴動なんだから。
多少は未来を見てもらわないと」
「……僕、たまに思うんです」
テオが、ペン先を止める。
「もし、あのままレティシア様が処刑されていたら、
今この数字を見てる人、誰もいなかったな、って」
「やめなさいよ、縁起でもない」
そう言いながらも、
レティシアは、ふと喉の奥が苦くなるのを感じた。
(処刑台の上と、ここ。
ほんの数分の違いで、
私は“死んだ悪女”にも、“生きてる補佐官”にもなれた)
紙一重。
本当に、紙一枚分くらいの差で、
道は分かれた。
「まあ、私は、“英雄”でもないですし」
わざと軽い声で言う。
「ただ、歴史に喧嘩売っただけです」
その言葉に、テオはくすりと笑った。
「喧嘩の規模が、少し常軌を逸してますけどね」
「悪役令嬢ですから」
レティシアも、苦笑で返した。
英雄扱いは、正直こそばゆい。
処刑台の日以来、
広場を歩けば「レティシア様だ!」と名前を呼ばれ、
子どもたちには「かっこよかった!」と目を輝かされる。
花束。
感謝の手紙。
その一つひとつが嬉しくないわけじゃない。
でも、そのたびに、
「その裏で死んだ人たち」の顔が、どうしても頭をよぎってしまう。
(私が英雄なら、“もっと賢く美しく、誰も死なせずに”変えられてたはず)
だから――
「私は英雄じゃなくて、“だいぶ頭の悪い歴史オタク”でいいんです」
そう心の中で言い換えておく。
◆
人のその後は、やっぱり気になる。
ルネは、今や立派な“情報屋兼議会雑務係”だ。
議事堂の廊下を、書類を抱えて走り回り、
議員たちの噂話を拾っては、時々レティシアに耳打ちしてくる。
「なぁレティ、あそこの議員、裏で貴族と繋がってるっぽいぞ。
“俺たちの味方ですよ”みたいな顔してたけど」
「ありがとう。
じゃあ、その人には“わざと難しい質問”を投げてみましょうか」
「性格悪ぃな」
「悪役令嬢なので」
ルネの妹は、王都の新しい病院で治療を受け、
今は元気に走り回っている。
彼女を追いかけるルネの顔は、
かつて貧民街で盗みを働いていた少年のものではなく、
“家族を守る兄”のものになっていた。
ギルバートは、相変わらず執事服でうろうろしている。
立場上は「宰相付き秘書兼警護責任者」として王宮に常駐し、
影では今もあちこちの情報を集めてくる。
「“今も”って言うと、なんか犯罪っぽいですね」
「実際、ギリギリのところを走っておられますから」
クロエは――
「お嬢様、今日の議会用のドレス、こっちとこっち、どっちが“民を味方につける悪役感”ありますかね!?」
「そんなジャンル存在しないから」
相変わらずである。
元侍女の肩書きに加えて、
今は“市民相談窓口”の職員も兼任している。
貧しい家庭の相談を聞き、
時に涙を流しながら、
レティシアのところまで繋いでくる。
「お嬢様、あの人たち、本当にどうにかしてあげたいんです」
「全部は無理でも、“仕組みとして”少しずつね」
そうやって、
今日も宰相府の廊下は騒がしい。
◆
ダミアンのその後は――少し複雑だった。
処刑台の日。
王太子への怒りをあれほど正面からぶつけた以上、
何のお咎めもなし、というわけにはいかない。
彼は一度、“暴動の首謀者”として拘束された。
ただ、それは“形式上”だった。
牢の中にいた彼を訪ねていったときのことは、
レティシアは多分、一生忘れない。
「どう? 牢屋の寝心地は」
「最悪だ」
鉄格子の向こうで、
ダミアンはいつも通りの皮肉っぽい笑みを浮かべていた。
「でも、“王妃派と同じ牢”じゃないだけマシだな」
「お気に召さないなら、出てきていただいてもいいんですけど?」
「……条件が気に入らねぇ」
「“暴力じゃなく、言葉で火を管理してください”って条件?」
「俺に向いてる仕事だってことくらい、
自分が一番よく分かってるからムカつく」
結局、彼は釈放された。
その代わり――
「ダミアン・ルグラン。
リュミエール新報の、“政治欄担当記者兼コラムニスト”に任命します」
ギヨームが、妙に偉そうに辞令を読み上げる。
「ついでに、広場の演説は禁止しねぇけど、
“暴力を扇動する言葉”は禁止な。
言葉で燃やした炎は、言葉で管理しろ」
「……くそったれ」
ダミアンは、宣誓書にサインしながら吐き捨てた。
「でもまあ、“黙れ”って言われるよりはマシだ」
彼の記事は、辛辣で、時にレティシアたちにも容赦がない。
『新税制、貴族の抵抗で一部骨抜きに――“革命の理想はどこへ行った?”』
「うるさいわね、あの男……」
新聞を机に叩きつけるレティシアを見て、
シャルルは小さく笑う。
「君が処刑台で“好きに暴れていい”って言ったからだろう」
「……言いましたね、そういえば」
それでも、
紙の上で燃え続ける炎は、
以前のように何でもかんでも焼き尽くしはしない。
“管理された火”は、
ときどき焦がしながらも、
この国に必要な熱を保っている。
◆
失脚したアルマンとマリエルのことも、
触れないわけにはいかない。
アルマン・ド・リュミエールは、
王都から遠く離れた小さな領地へ送られた。
名目上は、“療養”。
実際には、“半ば幽閉”。
彼は、最後まで、自分の過ちを完全には認めなかった。
“王族として当然のことをした”。
“民は理解が足りない”。
そんな言葉を何度も繰り返し、
時折、「あの女が」とレティシアの名を口にする。
ただ――
彼の周囲には、もはや何の権力も残っていない。
その言葉は、
広い庭の空気に溶けて消えるだけだ。
マリエルは、別の土地へ嫁ぐことになった。
王妃派の一部がまだ持っていたコネを使っての、
“政治的な撤退”。
噂によれば――
最初の頃、彼女は新しい土地で“完璧な善女”を演じ続けたという。
孤児院に通い、
慈善を行い、
人々に微笑み続けた。
でも、ある日ふと、鏡に映る自分の顔を見て、
ぼろぼろと泣き出したらしい。
『私、何してきたんだろう』
その呟きが本物かどうかは、
レティシアには確認のしようがない。
ただ、もしそれが事実なら――
(遅れてでも、自分の物語を読み直す人がいるのは、悪くない)
そう、どこかで思っていた。
◆
新しい議会は、完璧にはほど遠い。
議員の中には、
昔ながらの貴族根性を捨てきれず、
隙あらば特権を取り戻そうとする者もいる。
選挙も、識字率も、
まだ偏りだらけだ。
でも――
議事堂の傍らに作られた“ギャラリー”には、
常に民衆の姿がある。
自分たちの代表が何を言い、
どう票を投じたか。
それを見に来る人々。
その視線が、
議員たちの背中に、確かに刺さっている。
「ここから先は、“私だけの喧嘩”じゃないですから」
レティシアは、バルコニーから広場を見下ろしながらつぶやく。
「歴史に喧嘩売る人、私以外にも増えてくれるといいんですけど」
「もう増えているよ」
シャルルが、隣で言った。
「議会で声を上げる者も、
広場で意見を言う者も、
新聞に投書する者も。
皆、少しずつ“この国の形”に文句を言い始めている」
それは、かつて彼女が恐れていた“無秩序な怒り”ではなく、
“自分の場所を持った者の、ささやかな主張”だ。
「君が最初にやったのは、
“歴史に喧嘩を売る”ことじゃなくて――
“喧嘩の仕方を変える”ことだったのかもしれないな」
「……うまいこと言いましたね、殿下」
「宰相だ」
「はいはい、宰相殿」
◆
その日の仕事が、一段落した夕方。
議事堂の屋上――王宮の塔ほどではないが、
王都を一望できる場所。
まだ少し冷たい風が吹く中で、
レティシアはコートの襟を立てながら空を見上げていた。
夕焼けが、
街の屋根を薄く染めている。
血の色とは違う、柔らかい赤。
「ここ、好きだね」
背後から、足音。
振り返らなくても分かる。
「最近、君がよくここにいるから、
俺もつられて好きになってきた」
シャルルが、隣に並ぶ。
しばし、沈黙。
風の音と、遠くの市場のざわめきだけが聞こえる。
「……殿下」
「だから宰相だと」
「今だけ“殿下”でいいです」
レティシアは、深く息を吸い込んだ。
処刑台の上で喋るよりも、
何倍も緊張する瞬間。
でも、これは、
ちゃんと口にしなければいけない話だと思った。
「私、この数年で、
自分が歩いてきた道を、何度も振り返りました」
王都の煌びやかな舞踏会。
婚約破棄。
弾劾。
追放。
辺境でのミニ国家運営。
暴動。
処刑台。
どこを切り取っても、
血と怒りと涙の匂いがこびりついている。
「正直、“間違えなかった”なんて思える日は、多分一生来ません」
誰かを救うために、
誰かを切り捨てたこともある。
自分なりに最善を選んだつもりでも、
きっとどこかで、別の選択肢もあった。
「それでも――」
レティシアは、空から視線を外し、
隣の男を見た。
「それでも私は、“この世界で生きる”って決めたんです」
前世の自分は、
ただ歴史を眺めるだけだった。
今は、
その歴史の中で、息をして、選んで、失敗して、
それでも前に進んでいる。
「悪役令嬢として、始まった物語ですけどね」
シャルルが、目を細める。
「……それについて、少し、話がある」
彼は、まっすぐにレティシアを見た。
宰相としての顔ではない。
王族としての顔でもない。
ただ、一人の男としての顔。
「レティシア」
名前を呼ばれるだけで、
心臓がうるさくなる。
「君は、“悪役令嬢”としてこの物語を始めた。
王太子の婚約者として、
嫌われ役を一手に引き受けて、
歴史にも、王宮にも、民衆にも喧嘩を売ってきた」
彼は、少しだけ笑った。
「なら、これからは――」
一歩、近づく。
夕焼けの光が、
彼の横顔を柔らかく照らす。
「この国の“未来のヒロイン”として、
俺の隣に立ってくれないか」
風の音が、一瞬だけ遠ざかった気がした。
“ヒロイン”。
自分には、似合わない言葉だと思っていた。
ヒロインといえば、
もっと優しくて、
もっときれいで、
もっと人に好かれる存在。
自分は、悪役で、
口が悪くて、
人のことを駒扱いしたこともある。
そんな自分が、“未来のヒロイン”。
「……ハードル高くないですか」
思わず、笑ってしまった。
シャルルも笑う。
「ハードルが高いほうが、君は燃えるだろう」
「それ、悪役令嬢扱いの延長ですよね」
「悪役令嬢でもヒロインでも、
君は君だ」
彼は、真面目な顔に戻った。
「“宰相”としてじゃなく、
一人の男として頼む。
これからの、この国の未来を――
一緒に見てほしい」
返事は、ちゃんと考えてあったわけじゃない。
でも、
処刑台の上で死ぬ覚悟までして、
それでも生き残ってここにいるのに、
この申し出から逃げる理由は、どこにもなかった。
「……分かりました」
レティシアは、静かに頷いた。
「悪役令嬢なりに、
未来のヒロイン、
やってみます」
彼女の手に、
シャルルの手が伸びる。
迷いのない、温かい手。
前世の教室で、
本をめくっていただけの自分には、
決して触れられなかったもの。
レティシアは、
自分のこれまで歩いてきた血の匂いのする道を、
一瞬だけ振り返った。
婚約破棄のパーティー。
嘲笑。
追放。
暴動。
処刑台。
どれも、楽な道ではなかった。
でも、その全部の果てに――
今、この手がある。
(……もう、いいや)
彼女は、心の中でそっと笑った。
前世の記憶を抱えている自分にも、
今世の自分にも、
同時に、最後のひとことを投げる。
――もう二度とこの国を教科書にはしたくない。
だって――今は、私たちが生きている世界なのだから。
心の中でそう呟き、
隣に差し出されたシャルルの手を、
レティシアは今度こそ迷わず、強く握り返した。
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悪役令嬢が「良薬口に苦し」的な意味での「悪役」をまっとうしていて、こういう切り口もあるのかと感心しました。
これからも少しでもマシな未来のために地味で大変な日々を積み重ねていくっていうしめ方も余韻があってとても好きです。
欲を言えば人々のその後のところで、レティシアが去った後の辺境の様子も読みたかった。