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第10話 「出しゃばり」って囁きは、いつも背中に刺さる
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チェックリストが現場に馴染んだ日から、ギルドの空気はゆっくり変わっていった。
ゆっくり。
本当に、ゆっくり。
急に魔法みたいに世界が良くなるわけじゃない。
紙はまだ散らばるし、怒鳴り声もゼロにはならない。
でも、“死ぬ確率”が目に見えて下がる瞬間が積み上がって、現場の顔つきが少しずつ変わる。
新人パーティが全員で帰ってきたあの日から、冒険者たちがチェックリストを嫌がりながらも無視しなくなった。
「面倒だな」
「でも、あれやっとくと迷わねぇんだよな」
「この前、毒のこと聞かれて助かったわ」
そんな声が、受付の周りで増えた。
私は、黒板の“完了”の数字がじわじわ増えていくのを見るたび、呼吸が楽になるのを感じていた。
“助かる”って言葉が、奪う言葉じゃなく、共有する言葉になっていく。
その変化が嬉しい。
……嬉しい、のに。
成果が出るほど、別のものも膨らむ。
嫉妬だ。
変化は、必ず誰かの居場所を揺らす。
誰かの“今までのやり方”を否定する。
それが正しくても、痛みは生まれる。
私はそれを、現代で嫌というほど見てきた。
ある日、ギルド長が珍しくカウンターに出てきた。
ギルド長は、腹の出た中年男で、声が大きく、汗の匂いが濃い。
常に苛立っていて、常に誰かを怒鳴っていて、常に“自分は忙しい”という顔をしている。
昨日までの私なら、この人を“黒崎マーカー系”だと認定して距離を取っていた。
でも、今日は違った。
ギルド長は、冒険者たちの前で、私を指さした。
「お前ら!最近の改善はなぁ、こいつのおかげだ!綴原ペンナ!」
どん、と胸を叩くみたいな声。
冒険者たちが「へぇ」「あいつか」とざわめく。
中には、軽く手を上げてくる者もいた。
新人パーティの青年が、照れくさそうに頷いた。
私は、反射で頭を下げた。
「ありがとうございます」
言った瞬間、心臓が嫌な跳ね方をした。
こういうの、知ってる。
“褒められる”のは嬉しい。
でも、“目立つ”のは危険だ。
現代でも、成果が出るたび、私は矢面に立たされた。
表に出され、称賛され、そして裏で刺された。
「調子に乗ってる」「出しゃばり」「空気がね」
ギルド長は満足げに笑った。
「ほら見ろ!現場は変わるんだ!この調子で回せ!」
そして、私の肩を叩いた。
手が重い。汗ばんでいる。
その重さが、妙に“責任”の重さと重なって、背中が固くなる。
ギルド長が奥へ引っ込むと、センパイが私の横で肩をすくめた。
「ギルド長、珍しく褒めたね」
「褒めるのはいいんですけど……」
「ん?」
私は言葉を選んだ。
「こういうの、後で刺されます」
センパイが目を丸くした。
「刺されるって物理で?」
「物理だったら早い。言葉で刺されます。じわじわ」
センパイが「うわ、嫌」と顔をしかめた。
「でもさ、刺すやつってだいたい暇なやつじゃん。無視無視」
無視。
無視できたら楽だ。
でも、無視って、意外と難しい。
言葉は刃じゃないのに、肉を裂くみたいに痛い。
その日の午後。
私は書庫から新しい依頼書の束を運んでいた。
チェックリストを付けるために、依頼書の形式を整える必要がある。
紙を束ね、角を揃え、棚に並べる。
その途中、背後から声が聞こえた。
「……出しゃばりだよな」
低い声。
笑いを含んだ声。
その笑いが、嫌だった。
私は足を止めずに、耳だけを立てる。
現代で身につけた、“聞こえないふりしながら全部聞く”技術が勝手に発動する。
「ギルド長に取り入ったんじゃね?」
「異界から来たってだけで、偉そうに」
「名札とか板とか、まじで鬱陶しい」
古株職員たち。
名札の下に年季の汚れが染み付いた服。
私より先にここで働いてきた人間。
私は紙束を抱えたまま、喉の奥が冷たくなるのを感じた。
——ああ、これ。
これだ。
現代でも同じだった。
改善を入れれば入れるほど、感謝も増えるけど、反発も増える。
人は、自分の居場所が揺れるとき、正しさより“自尊心”を守ろうとする。
私は、呼吸を整えた。
傷つかないふりをするのは得意だ。
得意すぎて、時々自分が本当に傷ついているのに気づかない。
紙束を棚に置き、私は振り返らずに通り過ぎた。
背中に、囁きが刺さる。
「出しゃばり」
「調子乗ってる」
「空気読め」
空気読め。
その言葉が、脳内で黒崎マーカーの声に変わった。
評価面談の冷たい空気。
白い封筒。
追放通知。
胸が、じくりと痛む。
「……慣れてる」
私は小さく言った。
誰にも聞こえないくらい、小さく。
慣れてる。
慣れてるから大丈夫。
慣れてるから、平気。
そう言い聞かせた瞬間、逆に自分が薄くなった気がした。
終電の窓に映るコピー用紙みたいな自分。
また、薄くなる。
その日の夕方、ギルドの奥で小さな会議が開かれた。
ギルド長が、職員を集めて“最近の成果”を語る。
成果。つまり、数字。
「未払いが減った!クレームが減った!死亡報告も——減ってきてる!」
ギルド長は嬉しそうに声を張る。
そして、最後にまた言う。
「ペンナのおかげだ!」
拍手はない。
でも、空気が揺れる。
称賛の矢が、また私に刺さる。
私は笑顔を作った。
現代の“平気です”の顔。
頬が引きつる。
会議が終わり、みんなが散っていく。
私は黒板の前に立ち、今日の差分を更新した。
チョークの粉が指につく。
その粉を払う動作が、妙に虚しい。
黒板は埋まっている。
仕事は見える。
流れもできている。
それなのに、胸の中に空洞がある。
孤独。
現代でも、私はこうだった。
結果を出すほど、周りから距離を取られた。
“優秀だけど扱いづらい”。
そのラベルが、私を透明な箱に閉じ込めた。
今日も、同じ箱が出来上がりそうになっている。
「……やだな」
口から漏れた。
その瞬間。
肩に、軽い衝撃。
センパイが、私の隣に立っていた。
いつもの雑な髪。
いつもの軽い笑顔。
でも、その目は、ちゃんと私を見ていた。
「新人」
「……何ですか」
声が少し硬くなって、自分で嫌になる。
センパイは、私の手元のチョークを見て、黒板を見て、それから私の顔を見た。
「今日さ、変な声聞こえたでしょ」
私は一瞬、息が止まった。
聞こえてたのか。
気づかれてたのか。
「……聞こえました」
センパイは頷く。
「だよね。あいつら、暇なんだよ。仕事できないから、口だけ動くの」
「……でも、刺さります」
私が正直に言うと、センパイは少しだけ眉を下げた。
「そっか」
その一言が、優しかった。
センパイは、周囲をちらっと見てから、私に近づいた。
声を落とす。
秘密を共有するみたいな距離。
「味方、いるから」
その言葉が、胸の奥で弾けた。
じん、と熱くなる。
火傷みたいな熱じゃない。
寒い手を温かい湯に入れたときの、じわじわした熱。
痺れるような熱。
「……味方」
私はその単語を噛みしめる。
味方って言葉、こんなに重かったっけ。
現代では、味方なんて言葉は軽く消費されて、結局誰も責任を取ってくれなかった。
でも、センパイの声には、軽さがない。
センパイは、笑いながら言う。
「私もさ、昔、出しゃばりって言われたことあるんだよね」
「センパイが?」
「うん。私、口悪いじゃん」
「自覚あるんですね」
「あるよ。でさ、そういう時って、孤独になるじゃん。だから言っとく。新人は一人じゃない」
私の喉が、きゅっと鳴った。
泣きそうになる。
でも、泣いたら負けじゃない気がした。
ここでは、泣いてもいいのかもしれない。
でも、まだ泣けない。泣く癖を失って久しい。
私は、息を吸って吐いた。
「……ありがとうございます」
声が震えた。
悔しさの震えじゃない。
救いの震え。
センパイが、いつもの調子で肩を叩く。
「礼とかいらない。ほら、明日も板更新すんでしょ。寝なよ。顔、死んでる」
「センパイも死んでます」
「うるさい。先輩に向かって」
二人で小さく笑った。
笑いの粒が、喉を通る。
久しぶりに、ちゃんと笑えた気がした。
その夜、宿舎の薄い布団に潜り込んでも、耳の奥の通知音は完全には消えなかった。
でも、昨日とは違う。
ピロン、の向こうに、別の音がある。
「味方、いるから」
センパイの声。
あの軽い声が、今夜は毛布みたいに私を包む。
孤独が、少し薄まる。
薄いコピー用紙みたいな私が、ほんの少しだけ厚みを持つ。
紙が一枚増えただけでも、本は少しだけ強くなる。
私は目を閉じて、胸の中の熱を抱えたまま、静かに眠りに落ちていった。
ゆっくり。
本当に、ゆっくり。
急に魔法みたいに世界が良くなるわけじゃない。
紙はまだ散らばるし、怒鳴り声もゼロにはならない。
でも、“死ぬ確率”が目に見えて下がる瞬間が積み上がって、現場の顔つきが少しずつ変わる。
新人パーティが全員で帰ってきたあの日から、冒険者たちがチェックリストを嫌がりながらも無視しなくなった。
「面倒だな」
「でも、あれやっとくと迷わねぇんだよな」
「この前、毒のこと聞かれて助かったわ」
そんな声が、受付の周りで増えた。
私は、黒板の“完了”の数字がじわじわ増えていくのを見るたび、呼吸が楽になるのを感じていた。
“助かる”って言葉が、奪う言葉じゃなく、共有する言葉になっていく。
その変化が嬉しい。
……嬉しい、のに。
成果が出るほど、別のものも膨らむ。
嫉妬だ。
変化は、必ず誰かの居場所を揺らす。
誰かの“今までのやり方”を否定する。
それが正しくても、痛みは生まれる。
私はそれを、現代で嫌というほど見てきた。
ある日、ギルド長が珍しくカウンターに出てきた。
ギルド長は、腹の出た中年男で、声が大きく、汗の匂いが濃い。
常に苛立っていて、常に誰かを怒鳴っていて、常に“自分は忙しい”という顔をしている。
昨日までの私なら、この人を“黒崎マーカー系”だと認定して距離を取っていた。
でも、今日は違った。
ギルド長は、冒険者たちの前で、私を指さした。
「お前ら!最近の改善はなぁ、こいつのおかげだ!綴原ペンナ!」
どん、と胸を叩くみたいな声。
冒険者たちが「へぇ」「あいつか」とざわめく。
中には、軽く手を上げてくる者もいた。
新人パーティの青年が、照れくさそうに頷いた。
私は、反射で頭を下げた。
「ありがとうございます」
言った瞬間、心臓が嫌な跳ね方をした。
こういうの、知ってる。
“褒められる”のは嬉しい。
でも、“目立つ”のは危険だ。
現代でも、成果が出るたび、私は矢面に立たされた。
表に出され、称賛され、そして裏で刺された。
「調子に乗ってる」「出しゃばり」「空気がね」
ギルド長は満足げに笑った。
「ほら見ろ!現場は変わるんだ!この調子で回せ!」
そして、私の肩を叩いた。
手が重い。汗ばんでいる。
その重さが、妙に“責任”の重さと重なって、背中が固くなる。
ギルド長が奥へ引っ込むと、センパイが私の横で肩をすくめた。
「ギルド長、珍しく褒めたね」
「褒めるのはいいんですけど……」
「ん?」
私は言葉を選んだ。
「こういうの、後で刺されます」
センパイが目を丸くした。
「刺されるって物理で?」
「物理だったら早い。言葉で刺されます。じわじわ」
センパイが「うわ、嫌」と顔をしかめた。
「でもさ、刺すやつってだいたい暇なやつじゃん。無視無視」
無視。
無視できたら楽だ。
でも、無視って、意外と難しい。
言葉は刃じゃないのに、肉を裂くみたいに痛い。
その日の午後。
私は書庫から新しい依頼書の束を運んでいた。
チェックリストを付けるために、依頼書の形式を整える必要がある。
紙を束ね、角を揃え、棚に並べる。
その途中、背後から声が聞こえた。
「……出しゃばりだよな」
低い声。
笑いを含んだ声。
その笑いが、嫌だった。
私は足を止めずに、耳だけを立てる。
現代で身につけた、“聞こえないふりしながら全部聞く”技術が勝手に発動する。
「ギルド長に取り入ったんじゃね?」
「異界から来たってだけで、偉そうに」
「名札とか板とか、まじで鬱陶しい」
古株職員たち。
名札の下に年季の汚れが染み付いた服。
私より先にここで働いてきた人間。
私は紙束を抱えたまま、喉の奥が冷たくなるのを感じた。
——ああ、これ。
これだ。
現代でも同じだった。
改善を入れれば入れるほど、感謝も増えるけど、反発も増える。
人は、自分の居場所が揺れるとき、正しさより“自尊心”を守ろうとする。
私は、呼吸を整えた。
傷つかないふりをするのは得意だ。
得意すぎて、時々自分が本当に傷ついているのに気づかない。
紙束を棚に置き、私は振り返らずに通り過ぎた。
背中に、囁きが刺さる。
「出しゃばり」
「調子乗ってる」
「空気読め」
空気読め。
その言葉が、脳内で黒崎マーカーの声に変わった。
評価面談の冷たい空気。
白い封筒。
追放通知。
胸が、じくりと痛む。
「……慣れてる」
私は小さく言った。
誰にも聞こえないくらい、小さく。
慣れてる。
慣れてるから大丈夫。
慣れてるから、平気。
そう言い聞かせた瞬間、逆に自分が薄くなった気がした。
終電の窓に映るコピー用紙みたいな自分。
また、薄くなる。
その日の夕方、ギルドの奥で小さな会議が開かれた。
ギルド長が、職員を集めて“最近の成果”を語る。
成果。つまり、数字。
「未払いが減った!クレームが減った!死亡報告も——減ってきてる!」
ギルド長は嬉しそうに声を張る。
そして、最後にまた言う。
「ペンナのおかげだ!」
拍手はない。
でも、空気が揺れる。
称賛の矢が、また私に刺さる。
私は笑顔を作った。
現代の“平気です”の顔。
頬が引きつる。
会議が終わり、みんなが散っていく。
私は黒板の前に立ち、今日の差分を更新した。
チョークの粉が指につく。
その粉を払う動作が、妙に虚しい。
黒板は埋まっている。
仕事は見える。
流れもできている。
それなのに、胸の中に空洞がある。
孤独。
現代でも、私はこうだった。
結果を出すほど、周りから距離を取られた。
“優秀だけど扱いづらい”。
そのラベルが、私を透明な箱に閉じ込めた。
今日も、同じ箱が出来上がりそうになっている。
「……やだな」
口から漏れた。
その瞬間。
肩に、軽い衝撃。
センパイが、私の隣に立っていた。
いつもの雑な髪。
いつもの軽い笑顔。
でも、その目は、ちゃんと私を見ていた。
「新人」
「……何ですか」
声が少し硬くなって、自分で嫌になる。
センパイは、私の手元のチョークを見て、黒板を見て、それから私の顔を見た。
「今日さ、変な声聞こえたでしょ」
私は一瞬、息が止まった。
聞こえてたのか。
気づかれてたのか。
「……聞こえました」
センパイは頷く。
「だよね。あいつら、暇なんだよ。仕事できないから、口だけ動くの」
「……でも、刺さります」
私が正直に言うと、センパイは少しだけ眉を下げた。
「そっか」
その一言が、優しかった。
センパイは、周囲をちらっと見てから、私に近づいた。
声を落とす。
秘密を共有するみたいな距離。
「味方、いるから」
その言葉が、胸の奥で弾けた。
じん、と熱くなる。
火傷みたいな熱じゃない。
寒い手を温かい湯に入れたときの、じわじわした熱。
痺れるような熱。
「……味方」
私はその単語を噛みしめる。
味方って言葉、こんなに重かったっけ。
現代では、味方なんて言葉は軽く消費されて、結局誰も責任を取ってくれなかった。
でも、センパイの声には、軽さがない。
センパイは、笑いながら言う。
「私もさ、昔、出しゃばりって言われたことあるんだよね」
「センパイが?」
「うん。私、口悪いじゃん」
「自覚あるんですね」
「あるよ。でさ、そういう時って、孤独になるじゃん。だから言っとく。新人は一人じゃない」
私の喉が、きゅっと鳴った。
泣きそうになる。
でも、泣いたら負けじゃない気がした。
ここでは、泣いてもいいのかもしれない。
でも、まだ泣けない。泣く癖を失って久しい。
私は、息を吸って吐いた。
「……ありがとうございます」
声が震えた。
悔しさの震えじゃない。
救いの震え。
センパイが、いつもの調子で肩を叩く。
「礼とかいらない。ほら、明日も板更新すんでしょ。寝なよ。顔、死んでる」
「センパイも死んでます」
「うるさい。先輩に向かって」
二人で小さく笑った。
笑いの粒が、喉を通る。
久しぶりに、ちゃんと笑えた気がした。
その夜、宿舎の薄い布団に潜り込んでも、耳の奥の通知音は完全には消えなかった。
でも、昨日とは違う。
ピロン、の向こうに、別の音がある。
「味方、いるから」
センパイの声。
あの軽い声が、今夜は毛布みたいに私を包む。
孤独が、少し薄まる。
薄いコピー用紙みたいな私が、ほんの少しだけ厚みを持つ。
紙が一枚増えただけでも、本は少しだけ強くなる。
私は目を閉じて、胸の中の熱を抱えたまま、静かに眠りに落ちていった。
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