無能令嬢、『雑役係』として辺境送りされたけど、世界樹の加護を受けて規格外に成長する

タマ マコト

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第8話「自然と直結する魔力」

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 ――土の匂いが、やけにはっきりしていた。

 湿った苔と、少し乾いた枯葉と、まだ冷たい夜気と。
 いろんな匂いが混ざっているのに、不思議と嗅ぎ分けられる。

(……あれ。私、帰ったんじゃ……)

 ぼんやりした頭で考えながら、クレアはゆっくりとまぶたを開けた。

 視界に飛び込んできたのは、見慣れない天井――ではなく、巨大な木の表面だった。

 焦げたように黒くなっている部分と、苔に覆われている部分。
 さっき触れた、あの倒木。

「……まだ、森の中……」

 思わず、声に出ていた。

 身体を起こそうとすると、背中にじわっと痛みが走る。
 どうやら、その場に崩れ落ちるみたいに倒れていたらしい。

 倒木のすぐ側、苔の柔らかい場所に、クレアは横向きに寝ていた。
 お陰で大怪我にはなっていないようだが、服は土だらけで、髪にも葉っぱが絡まっている。

「うわ……」

 一度ため息が漏れたあと、クレアはふと周りの空気の“異変”に気づいた。

 ――静かだ。

 森の中だから、元から人の気配は薄い。
 けれど今は、それだけじゃない。

 肌を刺していた瘴気のざらつきが、ほとんど感じられなかった。

(……あれ?)

 ゆっくりと息を吸い込んでみる。
 喉は、焼けるどころか、ひんやりと冷たい空気に満たされていく。

 胸の奥まで空気が届いて、肺が軽く膨らむ感覚が気持ちいい。

 立ち上がろうと、地面に手をついた。

 指先に、やわらかい感触が触れる。

「……苔?」

 さっきまでは、もっと乾いた土と、べたつく瘴気の感触だったはずだ。
 それが今、彼女の足元一帯に、ふかふかとした苔の絨毯が広がっている。

 さらに目を凝らすと、小さな異変が他にもたくさん見えた。

 倒木の根元から、白くて小さな花が咲いている。
 まだ夜明け前の薄暗さの中、花びらだけがうっすらと発光しているように見えた。

「さっきまで、こんなの……」

 なかった。
 絶対になかった。

 クレアは思わず立ち上がり、周囲をぐるりと見渡した。

 黒ずんでいたはずの木々の幹は、ほんのりと色を取り戻している。
 枯れていたはずのツタが、倒木の表面をするすると這い上がり、小さな葉を広げていた。

 そして――

「あ……」

 息を飲む。

 倒木そのものが、変わっていた。

 朽ちた幹の、ひときわ大きく割れた部分。
 その裂け目の奥で、何かが、かすかに光っている。

 緑とも、金ともつかない、淡い光。
 心臓の鼓動と同期しているみたいに、弱く、強く、また弱くと明滅している。

 まるで、眠っていたものが“呼吸を始めた”みたいに。

「……もしかして、私が……?」

 怖くて、その先を言葉にできない。

 だって、それはつまり――さっきの「世界樹の末裔としての覚醒」とやらが、頭の中だけじゃなくて、現実にも影響しているってことだ。

 夢じゃなかった。
 見間違いでもない。

 胸元でペンダントがかすかに熱を持っている。
 クレアは無意識にそれを握りしめた。

「……ええと」

 試すのが怖い。
 でも、試さずにいるのはもっと怖い。

 自分が今どんな状態なのか分からないまま村へ戻るほうが、よほど危険な気がした。

(やるなら……ここで)

 森の奥。
 誰もいない。
 見ているのは、倒木と木々と、土と風だけ。

 彼女は深く息を吸い込んだ。

「……えっと、さっきみたいに、瘴気、来たりしないよね?」

 とりあえず、周囲を見回す。
 黒い霧は見当たらない。
 空気は、まだ重いけれど、少なくとも「即死する」ほどの濃度ではなさそうだ。

 クレアは右手を胸元に当て、目を閉じた。

 胸の奥には、あの“灯り”がある。
 世界樹の光。
 末裔の証。

(――風)

 心の中で、そっと呼んでみる。

(さっき、瘴気を押し返してくれたみたいに。もう一回だけ、やってくれる?)

 言葉にするというより、「願い」を送る。

 次の瞬間。

 ふ、と頬を撫でる感触があった。

 ほんの小さな動き。
 さっきみたいな爆風じゃない。
 でも、そこにいる、と分かる。

「……風?」

 目を開けると、クレアの髪が、誰もいないのにふわりと揺れた。

 風が吹いていた。
 けれど、その風は森全体に吹き渡るものではなく――彼女の身体の周りだけを、円を描くように回っている。

 足元の苔が、小さく波打つ。
 倒木に咲いた花びらが、くすぐったそうに揺れた。

「うそ……」

 もう少しだけ、強く願ってみる。

(――風。あの、瘴気、押し流してくれたり、とか……)

「風よ」

 今度は、小さな声でも言ってみた。
 詠唱でもなんでもない、ただの呼びかけ。

 その瞬間、風の質が変わった。

 さっきまで優しく輪を描いていた空気が、ぎゅっと密度を増し、一方向へと吹き抜ける。

 黒い霧の名残が、まだ森の奥のほうに薄く漂っていた。
 それが、一瞬で方向を変え、押し返される。

 地面にまとわりついていた瘴気が、砂埃みたいに舞い上がり、風にさらわれていく。
 倒木の周囲数メートルだけ、空気が澄んだ。

「やだ、なにこれ……」

 怖い。
 でも、すごい。

 身体の内側にある何かと、風が直結している感覚。
 命令しているというより、「お願いしたら全力で助けてくれた」感覚。

 ここまでで、十分に「異常」だ。

 なのに、クレアは――自分で自分に驚きながら、次の言葉を口にしていた。

「……火は?」

 この森で、それを試すのはかなり勇気がいる。
 でも、世界樹の声がさっき言っていた。

《風モ、火モ、水モ、土モ》

 全部、“一つの樹”から分かれたと。

(だったら、きっと――)

 クレアは指先を、少しだけ前に出した。
 人差し指の先に、意識を集中させる。

 怖い。
 でも、怖さより好奇心が勝ってしまった自分に、内心で苦笑する。

(小さく。とても小さく。火傷しないくらいのやつで)

 慎重に、慎重に願いの“量”を調整する。

 胸の奥の灯りから、指先へ。
 薄く、細く、糸みたいな光が移動していくイメージを思い描く。

 そして、囁くように。

「……火よ」

 音になるかならないかの、掠れた声。

 次の瞬間。

 ぱちっ、と小さな音がした。

 指先に、灯りが生まれていた。

「あっ……」

 びくっと思わず手を引っ込めそうになる。
 けれど、「怖いから」と反射的に払ってしまう前に、なんとか目を凝らした。

 そこにあるのは――
 ろうそくの先っぽくらいの、大きくも小さくもない“焔”。

 赤、と呼ぶには少し透き通っていて、橙、と呼ぶには淡い色。
 小さいのに、妙に存在感がある。

 熱はある。
 でも、指を焼くほどではない。

 まるで、「ここにいるよ」と自己主張してくる、小さな生き物みたいだった。

「……すご……」

 呆然と呟いた瞬間、意識が緩んだのか、焔はふっと消えた。

「わ、消えちゃった……」

 思わず残念そうな声が出る。

 それに応えるみたいに、指先がぴりっと痺れた。
 胸の奥の灯りが、「やりすぎるなよ」とでも言うように落ち着いた波を送ってくる。

(……調子に乗りすぎるなってことね)

 自分で自分に突っ込みながら、クレアはゆっくりと息を整える。

 ――風は、呼べた。
 ――火も、灯せた。

 だったら。

「……水、ってどうやればいいんだろ」

 森の中だし、水源は近くにない。
 井戸の水を動かすようなイメージは湧きやすいけれど、ここではそれもない。

 クレアは辺りを見回したあと、ふと倒木の裂け目のほうに視線を向けた。

 その奥で、光がまだ微かに瞬いている。
 そこから、ひんやりとした湿り気の気配が伝わってきた。

(……中、きっとまだ“生きてる”)

 樹の中を通る、目に見えない水の流れ。
 幹から枝へ、枝から葉へと運ばれる命の水。

 それをイメージして、クレアはそっと目を閉じる。

(ちょっとだけ、借りるね)

 誰にともなく、心の中で伝える。

 胸の灯りから、今度は足元へ向かって光が降りていくイメージを描く。
 土の中。
 根の先。
 そこに溜まっている水の欠片。

「……水」

 そう呟いた瞬間。

 足元の苔が、ふわりと色を増した。

 苔の隙間から、透明な雫がぽつり、ぽつりと湧き出してくる。
 生まれたばかりの小さな泉。

「わ……」

 クレアは慌ててしゃがみ込み、雫が逃げないように両手で受け止めた。

 冷たい。
 でも、ただ冷たいだけじゃない。

 井戸の水よりも、もっと柔らかくて、甘い。
 指の間から溢れた水が、苔の上でまた形を変え、小さな筋になって流れていく。

 それはすぐに乾いてしまいそうなくらい細い流れだったけれど、確かに「水脈」の匂いがした。

「これ以上やると、樹が枯れそう……」

 申し訳なさで胸がきゅっとなる。
 慌てて「もう大丈夫」と心の中で伝えると、足元からの水脈の高鳴りはすっと落ち着いた。

 ――最後に、残るは土。

 これだけやっておいて、「もうやめとこう」で終われるほど器用じゃなかった。
 ここまできたら、全部確かめないと逆に不安だ。

 クレアは、手のひらで土を軽く押さえる。

 ひんやりとした湿り気。
 細かい石の感触。
 柔らかい苔の下に隠れていた硬い地面。

(“土よ”って言ったら、地面が突然割れたりしないよね……?)

 自分で自分に念押ししてから、小さく息を吸う。

 さっきまでと違って、“動かす”というより“支える”イメージを強くする。

 崩れかけた崖を押さえるみたいに。
 ひび割れた器の隙間を埋めるみたいに。

「……土」

 そっと、手のひらの中で呼んだ。

 土が、震えた。

 地震のような大きな揺れではない。
 むしろ、猫が丸くなる前に身体をふるっと震わせるみたいな、小さな動き。

 手のひらに伝わる振動と一緒に、土の中の石や根っこが「場所を探している」感覚が伝わってくる。

 そして――少しだけ高くなり、少しだけ平らになった。

「……あ」

 さっきまでデコボコだった地面が、クレアの足の周辺だけふんわりと盛り上がり、歩きやすそうな小さな道になっていた。

 その瞬間、彼女の中で、何かの“線”が結ばれる。

 風。
 火。
 水。
 土。

 それぞれが別々のものではなく――
 全部が、同じ「根っこ」から伸びた枝で。

 その根っこは、世界樹から伸びていて。

 その枝の一本が、自分の中にも刺さっている。

「……つながってる」

 ぽつりと呟いた言葉が、白い息になって消える。

 森の空気が、さっきよりもずっと「生きている」ように感じられた。

 木々が、本当に息をしている。
 土が、本当に寝返りを打っている。
 風が、本当に笑っている。

 全部が、彼女の心の動きに、呼吸に、鼓動に、かすかに同期している。

 感動と恐怖がいっぺんに押し寄せてきて、頭が追いつかない。

「こわ……」

 思わず本音が漏れた。

 怖い。
 本当に、怖い。

 だって、これはもう「ちょっと魔法が使える」とか、その程度の話じゃない。

 詠唱もいらない。
 魔法陣も描いてない。
 努力して修行したわけでもない。

 ただ願っただけで、世界が動く。

 それは、とんでもない“規格外”。

(こんなの、もし人に知られたら――)

 王都。
 エルフォルト家。
 貴族たち。
 王族。

 彼らの顔が次々に頭に浮かぶ。

 利用される未来。
 封じられる未来。
 崇められて、怖がられて、「人」ではなく「道具」か「神様もどき」にされる未来。

 どれも、息が詰まりそうになる。

「……やだ」

 ぎゅっと拳を握る。
 爪が掌に食い込む感覚で、なんとか自分を現実に引き戻す。

 怖い。
 でも、それだけじゃない。

 胸の奥。
 世界樹の灯りのすぐ横。

 そこには、別の感情が静かに座っていた。

 あの日、エルフォルト家の執務室で、「王都の役には立たない」と言われたときから――ずっと小さく、ずっと静かに、でも消えずにいた願い。

(誰かの役に立ちたい)

 大それたことじゃなくていい。
 世界を救うとか、国を守るとか、そういう大きい看板は正直重たい。

 そうじゃなくて。

 目の前の人が笑ってくれるくらいでいい。
 今日を少し楽にしてあげられるくらいでいい。

 でも、それが“できない自分”が、ずっと苦しかった。

「……こんな、ずるい。今さら、そんな力渡されても」

 目の奥がじんじんしてくる。

 膝がふわりと力を失って、クレアはその場にしゃがみ込んだ。
 倒木の表面に背中を預ける。

 冷たくて、少しざらざらしていて、でも、どこか安心する感触。

「ずるいよ……」

 涙が、ぽろっとこぼれた。

 頬を伝うそれは、熱くて、塩辛かった。

 怖くて、たまらない。
 これがバレたらどうしよう、って考え始めたら胃がきゅっと縮む。

 でも、嬉しくて、たまらない。

 ずっと欲しかった「役に立てる自分」が、今ここにいる。
 自分の手で、誰かを、何かを守れるかもしれない未来が、やっと少し見えた。

「私……」

 声が震える。

「ほんとは、こういうの、ずっと欲しかったんだよ……」

 誰に向けた告白か、自分でも分からない。

 世界樹か。
 森か。
 自分自身か。

 胸の灯りが、少しだけ明るくなった気がした。

 風が、涙をやさしく拭っていく。
 さっきまでとは違う、まるで「よしよし」って頭を撫でてくるみたいな優しさ。

「……なにそれ。慰め上手」

 半泣き半笑いで、クレアは空を見上げた。

 森の上、木々の隙間から、うっすらと空の色が変わっていくのが見える。
 夜の濃紺から、少しだけ白が混ざり始めていた。

「やば……そろそろ、戻らないと」

 こんな時間まで外にいたとバレたら、マリアにどやされるどころでは済まない。
 ノエルにも、絶対に何か言われる。

(ていうか、ここに来た時点で十分怒られる案件なんだけど)

 今さらな事実に気づき、クレアは思わず顔を覆った。

 笑える。
 世界樹だの末裔だのすごいことをやっておきながら、現実レベルの「怒られる」が一番怖い。

「……とりあえず、今日は黙っておいてもらえますか」

 倒木に向かって、小声でお願いしてみる。

 もちろん、返事はない。
 ただ、足元の花がひとつ、ぽん、と音を立てるみたいに咲いた。

「それ、返事……?」

 聞き返してみると、今度は風が一陣吹き抜ける。

 ――たぶん、「分かった」ってことにしておく。

「……ありがと」

 クレアは立ち上がり、倒木に軽く頭を下げる。

 胸元のペンダントが、ふわりと光を宿した。
 そこに、さっき触れた世界樹の分枝の“残り火”が少し混ざった気がした。

(私の中に、世界樹。
 世界樹の傍に、私)

 決して軽くない現実が、今、しっかりと自分の両足に重みを与えている。

 でも、その重さは――
 不思議と、前に進むための「重心」にもなっていた。

「行こう」

 小さく、自分に言い聞かせる。

 森の出口へ向けて、一歩。
 その足元から、小さな花がひとつ、またひとつと咲いていく。

 その光景を、クレアは振り返らない。

 振り返ったら、たぶん戻れなくなるから。

 こうして。

 自然と直結した規格外の魔力を手にした少女は、誰も知らないまま、そっと村へと帰っていく。

 瘴気の森の奥に――
 世界樹の“鼓動”と、“末裔”の気配だけを残して。
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