8 / 20
第8話「自然と直結する魔力」
しおりを挟む――土の匂いが、やけにはっきりしていた。
湿った苔と、少し乾いた枯葉と、まだ冷たい夜気と。
いろんな匂いが混ざっているのに、不思議と嗅ぎ分けられる。
(……あれ。私、帰ったんじゃ……)
ぼんやりした頭で考えながら、クレアはゆっくりとまぶたを開けた。
視界に飛び込んできたのは、見慣れない天井――ではなく、巨大な木の表面だった。
焦げたように黒くなっている部分と、苔に覆われている部分。
さっき触れた、あの倒木。
「……まだ、森の中……」
思わず、声に出ていた。
身体を起こそうとすると、背中にじわっと痛みが走る。
どうやら、その場に崩れ落ちるみたいに倒れていたらしい。
倒木のすぐ側、苔の柔らかい場所に、クレアは横向きに寝ていた。
お陰で大怪我にはなっていないようだが、服は土だらけで、髪にも葉っぱが絡まっている。
「うわ……」
一度ため息が漏れたあと、クレアはふと周りの空気の“異変”に気づいた。
――静かだ。
森の中だから、元から人の気配は薄い。
けれど今は、それだけじゃない。
肌を刺していた瘴気のざらつきが、ほとんど感じられなかった。
(……あれ?)
ゆっくりと息を吸い込んでみる。
喉は、焼けるどころか、ひんやりと冷たい空気に満たされていく。
胸の奥まで空気が届いて、肺が軽く膨らむ感覚が気持ちいい。
立ち上がろうと、地面に手をついた。
指先に、やわらかい感触が触れる。
「……苔?」
さっきまでは、もっと乾いた土と、べたつく瘴気の感触だったはずだ。
それが今、彼女の足元一帯に、ふかふかとした苔の絨毯が広がっている。
さらに目を凝らすと、小さな異変が他にもたくさん見えた。
倒木の根元から、白くて小さな花が咲いている。
まだ夜明け前の薄暗さの中、花びらだけがうっすらと発光しているように見えた。
「さっきまで、こんなの……」
なかった。
絶対になかった。
クレアは思わず立ち上がり、周囲をぐるりと見渡した。
黒ずんでいたはずの木々の幹は、ほんのりと色を取り戻している。
枯れていたはずのツタが、倒木の表面をするすると這い上がり、小さな葉を広げていた。
そして――
「あ……」
息を飲む。
倒木そのものが、変わっていた。
朽ちた幹の、ひときわ大きく割れた部分。
その裂け目の奥で、何かが、かすかに光っている。
緑とも、金ともつかない、淡い光。
心臓の鼓動と同期しているみたいに、弱く、強く、また弱くと明滅している。
まるで、眠っていたものが“呼吸を始めた”みたいに。
「……もしかして、私が……?」
怖くて、その先を言葉にできない。
だって、それはつまり――さっきの「世界樹の末裔としての覚醒」とやらが、頭の中だけじゃなくて、現実にも影響しているってことだ。
夢じゃなかった。
見間違いでもない。
胸元でペンダントがかすかに熱を持っている。
クレアは無意識にそれを握りしめた。
「……ええと」
試すのが怖い。
でも、試さずにいるのはもっと怖い。
自分が今どんな状態なのか分からないまま村へ戻るほうが、よほど危険な気がした。
(やるなら……ここで)
森の奥。
誰もいない。
見ているのは、倒木と木々と、土と風だけ。
彼女は深く息を吸い込んだ。
「……えっと、さっきみたいに、瘴気、来たりしないよね?」
とりあえず、周囲を見回す。
黒い霧は見当たらない。
空気は、まだ重いけれど、少なくとも「即死する」ほどの濃度ではなさそうだ。
クレアは右手を胸元に当て、目を閉じた。
胸の奥には、あの“灯り”がある。
世界樹の光。
末裔の証。
(――風)
心の中で、そっと呼んでみる。
(さっき、瘴気を押し返してくれたみたいに。もう一回だけ、やってくれる?)
言葉にするというより、「願い」を送る。
次の瞬間。
ふ、と頬を撫でる感触があった。
ほんの小さな動き。
さっきみたいな爆風じゃない。
でも、そこにいる、と分かる。
「……風?」
目を開けると、クレアの髪が、誰もいないのにふわりと揺れた。
風が吹いていた。
けれど、その風は森全体に吹き渡るものではなく――彼女の身体の周りだけを、円を描くように回っている。
足元の苔が、小さく波打つ。
倒木に咲いた花びらが、くすぐったそうに揺れた。
「うそ……」
もう少しだけ、強く願ってみる。
(――風。あの、瘴気、押し流してくれたり、とか……)
「風よ」
今度は、小さな声でも言ってみた。
詠唱でもなんでもない、ただの呼びかけ。
その瞬間、風の質が変わった。
さっきまで優しく輪を描いていた空気が、ぎゅっと密度を増し、一方向へと吹き抜ける。
黒い霧の名残が、まだ森の奥のほうに薄く漂っていた。
それが、一瞬で方向を変え、押し返される。
地面にまとわりついていた瘴気が、砂埃みたいに舞い上がり、風にさらわれていく。
倒木の周囲数メートルだけ、空気が澄んだ。
「やだ、なにこれ……」
怖い。
でも、すごい。
身体の内側にある何かと、風が直結している感覚。
命令しているというより、「お願いしたら全力で助けてくれた」感覚。
ここまでで、十分に「異常」だ。
なのに、クレアは――自分で自分に驚きながら、次の言葉を口にしていた。
「……火は?」
この森で、それを試すのはかなり勇気がいる。
でも、世界樹の声がさっき言っていた。
《風モ、火モ、水モ、土モ》
全部、“一つの樹”から分かれたと。
(だったら、きっと――)
クレアは指先を、少しだけ前に出した。
人差し指の先に、意識を集中させる。
怖い。
でも、怖さより好奇心が勝ってしまった自分に、内心で苦笑する。
(小さく。とても小さく。火傷しないくらいのやつで)
慎重に、慎重に願いの“量”を調整する。
胸の奥の灯りから、指先へ。
薄く、細く、糸みたいな光が移動していくイメージを思い描く。
そして、囁くように。
「……火よ」
音になるかならないかの、掠れた声。
次の瞬間。
ぱちっ、と小さな音がした。
指先に、灯りが生まれていた。
「あっ……」
びくっと思わず手を引っ込めそうになる。
けれど、「怖いから」と反射的に払ってしまう前に、なんとか目を凝らした。
そこにあるのは――
ろうそくの先っぽくらいの、大きくも小さくもない“焔”。
赤、と呼ぶには少し透き通っていて、橙、と呼ぶには淡い色。
小さいのに、妙に存在感がある。
熱はある。
でも、指を焼くほどではない。
まるで、「ここにいるよ」と自己主張してくる、小さな生き物みたいだった。
「……すご……」
呆然と呟いた瞬間、意識が緩んだのか、焔はふっと消えた。
「わ、消えちゃった……」
思わず残念そうな声が出る。
それに応えるみたいに、指先がぴりっと痺れた。
胸の奥の灯りが、「やりすぎるなよ」とでも言うように落ち着いた波を送ってくる。
(……調子に乗りすぎるなってことね)
自分で自分に突っ込みながら、クレアはゆっくりと息を整える。
――風は、呼べた。
――火も、灯せた。
だったら。
「……水、ってどうやればいいんだろ」
森の中だし、水源は近くにない。
井戸の水を動かすようなイメージは湧きやすいけれど、ここではそれもない。
クレアは辺りを見回したあと、ふと倒木の裂け目のほうに視線を向けた。
その奥で、光がまだ微かに瞬いている。
そこから、ひんやりとした湿り気の気配が伝わってきた。
(……中、きっとまだ“生きてる”)
樹の中を通る、目に見えない水の流れ。
幹から枝へ、枝から葉へと運ばれる命の水。
それをイメージして、クレアはそっと目を閉じる。
(ちょっとだけ、借りるね)
誰にともなく、心の中で伝える。
胸の灯りから、今度は足元へ向かって光が降りていくイメージを描く。
土の中。
根の先。
そこに溜まっている水の欠片。
「……水」
そう呟いた瞬間。
足元の苔が、ふわりと色を増した。
苔の隙間から、透明な雫がぽつり、ぽつりと湧き出してくる。
生まれたばかりの小さな泉。
「わ……」
クレアは慌ててしゃがみ込み、雫が逃げないように両手で受け止めた。
冷たい。
でも、ただ冷たいだけじゃない。
井戸の水よりも、もっと柔らかくて、甘い。
指の間から溢れた水が、苔の上でまた形を変え、小さな筋になって流れていく。
それはすぐに乾いてしまいそうなくらい細い流れだったけれど、確かに「水脈」の匂いがした。
「これ以上やると、樹が枯れそう……」
申し訳なさで胸がきゅっとなる。
慌てて「もう大丈夫」と心の中で伝えると、足元からの水脈の高鳴りはすっと落ち着いた。
――最後に、残るは土。
これだけやっておいて、「もうやめとこう」で終われるほど器用じゃなかった。
ここまできたら、全部確かめないと逆に不安だ。
クレアは、手のひらで土を軽く押さえる。
ひんやりとした湿り気。
細かい石の感触。
柔らかい苔の下に隠れていた硬い地面。
(“土よ”って言ったら、地面が突然割れたりしないよね……?)
自分で自分に念押ししてから、小さく息を吸う。
さっきまでと違って、“動かす”というより“支える”イメージを強くする。
崩れかけた崖を押さえるみたいに。
ひび割れた器の隙間を埋めるみたいに。
「……土」
そっと、手のひらの中で呼んだ。
土が、震えた。
地震のような大きな揺れではない。
むしろ、猫が丸くなる前に身体をふるっと震わせるみたいな、小さな動き。
手のひらに伝わる振動と一緒に、土の中の石や根っこが「場所を探している」感覚が伝わってくる。
そして――少しだけ高くなり、少しだけ平らになった。
「……あ」
さっきまでデコボコだった地面が、クレアの足の周辺だけふんわりと盛り上がり、歩きやすそうな小さな道になっていた。
その瞬間、彼女の中で、何かの“線”が結ばれる。
風。
火。
水。
土。
それぞれが別々のものではなく――
全部が、同じ「根っこ」から伸びた枝で。
その根っこは、世界樹から伸びていて。
その枝の一本が、自分の中にも刺さっている。
「……つながってる」
ぽつりと呟いた言葉が、白い息になって消える。
森の空気が、さっきよりもずっと「生きている」ように感じられた。
木々が、本当に息をしている。
土が、本当に寝返りを打っている。
風が、本当に笑っている。
全部が、彼女の心の動きに、呼吸に、鼓動に、かすかに同期している。
感動と恐怖がいっぺんに押し寄せてきて、頭が追いつかない。
「こわ……」
思わず本音が漏れた。
怖い。
本当に、怖い。
だって、これはもう「ちょっと魔法が使える」とか、その程度の話じゃない。
詠唱もいらない。
魔法陣も描いてない。
努力して修行したわけでもない。
ただ願っただけで、世界が動く。
それは、とんでもない“規格外”。
(こんなの、もし人に知られたら――)
王都。
エルフォルト家。
貴族たち。
王族。
彼らの顔が次々に頭に浮かぶ。
利用される未来。
封じられる未来。
崇められて、怖がられて、「人」ではなく「道具」か「神様もどき」にされる未来。
どれも、息が詰まりそうになる。
「……やだ」
ぎゅっと拳を握る。
爪が掌に食い込む感覚で、なんとか自分を現実に引き戻す。
怖い。
でも、それだけじゃない。
胸の奥。
世界樹の灯りのすぐ横。
そこには、別の感情が静かに座っていた。
あの日、エルフォルト家の執務室で、「王都の役には立たない」と言われたときから――ずっと小さく、ずっと静かに、でも消えずにいた願い。
(誰かの役に立ちたい)
大それたことじゃなくていい。
世界を救うとか、国を守るとか、そういう大きい看板は正直重たい。
そうじゃなくて。
目の前の人が笑ってくれるくらいでいい。
今日を少し楽にしてあげられるくらいでいい。
でも、それが“できない自分”が、ずっと苦しかった。
「……こんな、ずるい。今さら、そんな力渡されても」
目の奥がじんじんしてくる。
膝がふわりと力を失って、クレアはその場にしゃがみ込んだ。
倒木の表面に背中を預ける。
冷たくて、少しざらざらしていて、でも、どこか安心する感触。
「ずるいよ……」
涙が、ぽろっとこぼれた。
頬を伝うそれは、熱くて、塩辛かった。
怖くて、たまらない。
これがバレたらどうしよう、って考え始めたら胃がきゅっと縮む。
でも、嬉しくて、たまらない。
ずっと欲しかった「役に立てる自分」が、今ここにいる。
自分の手で、誰かを、何かを守れるかもしれない未来が、やっと少し見えた。
「私……」
声が震える。
「ほんとは、こういうの、ずっと欲しかったんだよ……」
誰に向けた告白か、自分でも分からない。
世界樹か。
森か。
自分自身か。
胸の灯りが、少しだけ明るくなった気がした。
風が、涙をやさしく拭っていく。
さっきまでとは違う、まるで「よしよし」って頭を撫でてくるみたいな優しさ。
「……なにそれ。慰め上手」
半泣き半笑いで、クレアは空を見上げた。
森の上、木々の隙間から、うっすらと空の色が変わっていくのが見える。
夜の濃紺から、少しだけ白が混ざり始めていた。
「やば……そろそろ、戻らないと」
こんな時間まで外にいたとバレたら、マリアにどやされるどころでは済まない。
ノエルにも、絶対に何か言われる。
(ていうか、ここに来た時点で十分怒られる案件なんだけど)
今さらな事実に気づき、クレアは思わず顔を覆った。
笑える。
世界樹だの末裔だのすごいことをやっておきながら、現実レベルの「怒られる」が一番怖い。
「……とりあえず、今日は黙っておいてもらえますか」
倒木に向かって、小声でお願いしてみる。
もちろん、返事はない。
ただ、足元の花がひとつ、ぽん、と音を立てるみたいに咲いた。
「それ、返事……?」
聞き返してみると、今度は風が一陣吹き抜ける。
――たぶん、「分かった」ってことにしておく。
「……ありがと」
クレアは立ち上がり、倒木に軽く頭を下げる。
胸元のペンダントが、ふわりと光を宿した。
そこに、さっき触れた世界樹の分枝の“残り火”が少し混ざった気がした。
(私の中に、世界樹。
世界樹の傍に、私)
決して軽くない現実が、今、しっかりと自分の両足に重みを与えている。
でも、その重さは――
不思議と、前に進むための「重心」にもなっていた。
「行こう」
小さく、自分に言い聞かせる。
森の出口へ向けて、一歩。
その足元から、小さな花がひとつ、またひとつと咲いていく。
その光景を、クレアは振り返らない。
振り返ったら、たぶん戻れなくなるから。
こうして。
自然と直結した規格外の魔力を手にした少女は、誰も知らないまま、そっと村へと帰っていく。
瘴気の森の奥に――
世界樹の“鼓動”と、“末裔”の気配だけを残して。
237
あなたにおすすめの小説
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……
タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
悪女と呼ばれた死に戻り令嬢、二度目の人生は婚約破棄から始まる
冬野月子
恋愛
「私は確かに19歳で死んだの」
謎の声に導かれ馬車の事故から兄弟を守った10歳のヴェロニカは、その時に負った傷痕を理由に王太子から婚約破棄される。
けれど彼女には嫉妬から破滅し短い生涯を終えた前世の記憶があった。
なぜか死に戻ったヴェロニカは前世での過ちを繰り返さないことを望むが、婚約破棄したはずの王太子が積極的に親しくなろうとしてくる。
そして学校で再会した、馬車の事故で助けた少年は、前世で不幸な死に方をした青年だった。
恋や友情すら知らなかったヴェロニカが、前世では関わることのなかった人々との出会いや関わりの中で新たな道を進んでいく中、前世に嫉妬で殺そうとまでしたアリサが入学してきた。
【完結】聖女になり損なった刺繍令嬢は逃亡先で幸福を知る。
みやこ嬢
恋愛
「ルーナ嬢、神聖なる聖女選定の場で不正を働くとは何事だ!」
魔法国アルケイミアでは魔力の多い貴族令嬢の中から聖女を選出し、王子の妃とするという古くからの習わしがある。
ところが、最終試験まで残ったクレモント侯爵家令嬢ルーナは不正を疑われて聖女候補から外されてしまう。聖女になり損なった失意のルーナは義兄から襲われたり高齢宰相の後妻に差し出されそうになるが、身を守るために侍女ティカと共に逃げ出した。
あてのない旅に出たルーナは、身を寄せた隣国シュベルトの街で運命的な出会いをする。
【2024年3月16日完結、全58話】
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
オネエ伯爵、幼女を拾う。~実はこの子、逃げてきた聖女らしい~
雪丸
ファンタジー
アタシ、アドルディ・レッドフォード伯爵。
突然だけど今の状況を説明するわ。幼女を拾ったの。
多分年齢は6~8歳くらいの子。屋敷の前にボロ雑巾が落ちてると思ったらびっくり!人だったの。
死んでる?と思ってその辺りに落ちている木で突いたら、息をしていたから屋敷に運んで手当てをしたのよ。
「道端で倒れていた私を助け、手当を施したその所業。賞賛に値します。(盛大なキャラ作り中)」
んま~~~尊大だし図々しいし可愛くないわ~~~!!
でも聖女様だから変な扱いもできないわ~~~!!
これからアタシ、どうなっちゃうのかしら…。
な、ラブコメ&ファンタジーです。恋の進展はスローペースです。
小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。(敬称略)
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる