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第13話「王都からの召喚命令」
しおりを挟むその日、フィルナの空は、いやに澄みきっていた。
真っ青。
雲は薄くちぎれた綿みたいに浮かんでて、風はほどよく涼しくて。
――場違いなほど、いい天気だった。
「……なんか、嫌な予感する」
洗濯物を干しながら、クレアはぽつりと呟いた。
胸の奥で、世界樹の灯りが、妙に落ち着かない。
遠くの森や湖のざわめきじゃない。
もっと近く、もっと人間くさいざわざわ。
そのとき――
「来たぞーっ!!」
見張り台から、ノエルのがなり声が飛んできた。
村の入口側から、土煙。
それも、見慣れた行商人の荷馬車とは違う、整ったリズムの車輪の音。
クレアは思わず手を止めて、丘の上から村道を見る。
「……あれは」
陽光を反射して、ぎらりと光る金属。
手入れの行き届いた黒い馬。
磨き上げられた車輪。
真っ白な車体の側面には、王家の紋章――王都の正門で何度か見たことのある、あの模様がくっきりと描かれていた。
(王都の……馬車)
ひゅっと喉が細くなる。
フィルナなんて地図の端っこみたいな場所に、王都の紋章を掲げた馬車が来る。
それ自体が、もう普通じゃない。
駐屯地のほうから、鎧の擦れる音がばたばたと近づいてくる。
「クレア」
マリアが短く名前を呼んだ。すでに鎧をつけ、外套を羽織っている。
「はい」
「洗濯物は後回しだ。駐屯地前に来い。……おそらく、お前の用だ」
お前の用。
その言葉が、妙に冷たく胸に刺さる。
クレアは喉を鳴らし、小さく頷いた。
「……分かりました」
◇ ◇ ◇
駐屯地前の広場。
王都からの馬車は、そこにゆっくりと停まった。
馬の蹄鉄が石を打った最後の音のあと、空気がぴんと張り詰める。
村人たちは距離を取りながらも、好奇心を隠せずに集まってきていた。
馬車の扉が開く。
現れたのは、絹のような黒いマントを纏った男だった。
年の頃は三十代前半。
金の刺繍が施された服。
深緑の瞳に、よく整えられた口ひげ。
いかにも――「王都の人間」という空気をまとっている。
腰には立派な剣。
だけど、その剣よりも手になじんでいそうなのは、きっちり束ねられた巻物のほうだった。
「辺境フィルナ駐屯地隊長はどなたかな」
よく通る、よく鍛えられた声。
マリアが一歩前に出る。
「私がマリア・ヘルドマンだ。王都からの使者と見ていいか?」
「はい。王都直轄、王宮使節局より派遣されました、エドガー・ハウゼンと申します」
男――エドガーは、完璧な角度で礼をする。
笑顔は丁寧。
でも、その笑みは、目だけが笑っていない種類のものだった。
磨かれた金属みたいに、隙のない笑顔。
(……ああ、この感じ)
クレアの背筋に、冷たいものが走る。
覚えがある。
エルフォルト家の応接室。
父の机の前で、似たような笑顔をした役人が書類を差し出していた光景。
その笑顔の裏にあるのは――好意でも、尊敬でもない。
「管理」
「査定」
「評価」
そういう種類の視線。
「本日は、王都より正式な召喚命令をお持ちいたしました」
エドガーは、ゆっくりと巻物を掲げた。
その仕草には、無駄な動きが一つもない。
「自分は今、重大なことをしている」という自覚と誇りが、嫌でも伝わってくる。
「召喚命令?」
マリアの声が低くなる。
「誰にだ」
「こちらに――」
エドガーの視線が、ゆっくりと周囲をなぞる。
集まっている兵士たち。
ちらちらと見ている村人たち。
そして――
「クレア・エルフォルト殿」
ぴたり、と視線が止まった。
名指し。
クレアの心臓が、大きく跳ねる。
「っ……はい」
自然と一歩前に出ていた。
目立ちたくない。
でも、呼ばれた以上、出ないわけにもいかない。
兵士たちの視線が、一斉にクレアに集まる。
森を浄化した少女。
“緑の魔女”だの、“命の恩人”だの、あれこれ噂されている存在。
その彼女のもとに、王都からの馬車。
あまりにも分かりやすい図。
エドガーは、にこりと笑った。
「初めまして、クレア・エルフォルト殿。遠路はるばるご苦労さまでした」
「い、いえ……」
礼儀作法が身体のどこかに染み付いている。
背筋を伸ばし、スカートの裾をつまんで小さく一礼する。
その仕草は、王都の貴族の娘として徹底的に叩き込まれたものだ。
無意識に――“従順な娘”の顔を引っ張りだしてしまう。
頬の筋肉が、久しぶりに「家族に向けるときの笑み」を形作ろうとしていた。
それは、「わたしは大丈夫です」「ご期待に添えるよう頑張ります」という、あの薄くて、よく割れるガラスみたいな笑顔――
――を、浮かべかけたところで。
指先に、ざらりとした感触が残っているのを、思い出した。
朝、洗濯物を干す前に触れた、土の感触。
水汲みのとき、井戸の縁をなぞった、ひんやりとした石。
森から吹いてきた風の、湿った匂い。
フィルナの空気。
あの屋敷の、閉ざされたカーテンと薬草の匂いとは、まるで違う。
(……ここは、エルフォルト家じゃない)
喉に引っかかっていた笑みが、ゆっくりと溶けていく。
クレアは、無理に口角を上げるのをやめた。
代わりに、ごく普通に、少しだけ硬い表情でエドガーを見る。
「……召喚命令と、仰いましたか」
「はい」
エドガーは優雅に頷いた。
巻物の封を解き、広げる。
羊皮紙の上に、整然と並ぶ文字。
隅に押された王家の紋章。
彼は、朗読するというより、「聞かせるため」に声を作った。
「『王都王宮は、辺境フィルナにおける瘴気森の異常な浄化現象に鑑み、クレア・エルフォルトを王都に召還する』」
“召喚”ではなく、“召還”。
「呼び出す」のではなく、「元あった場所に戻す」。
その字面が、妙に重たく胸にのしかかる。
「『王家は、クレア・エルフォルトの特異な能力を認め、その身を王家の保護下に置き、その力を国のために役立てる機会を与えるものである』」
美辞麗句。
ひとつひとつの言葉は、聞こえだけは柔らかくて綺麗だ。
“保護”
“認める”
“力を国のために役立てる機会”
――でも。
(“保護”って……“管理”ってことだよね)
クレアは、言葉の隙間に沈んでいる“本音”の匂いを嗅ぎ取ってしまう。
王家の保護。
それはつまり、王家の監視。
力を認める。
それはつまり、その力を分類し、枠にはめて、必要なときに引き出せるようにする。
国のために役立てる。
それはつまり――
(“国の都合のいいように、使う”)
頭の奥が、きゅっと痛んだ。
世界樹の声が、かすかにざわめく。
《管理。拘束。利用》
そんな感情の色を含んだニュアンスが、彼女の胸の灯りを通して伝わってくる。
エドガーは、続けた。
「『なお、クレア・エルフォルトがこの召還命令に応じる場合、王都において最上級の待遇と安全を保証する』」
安全。
待遇。
そこだけ、妙に強調するような言い方だった。
ご褒美を見せて、首輪をちらつかせる声。
巻物の最後には、王家の名と、王太子の名、政府高官の名前が連なっている。
その中に――
「……エルフォルト侯爵家 当主 アルベルト・エルフォルトの署名をもって、本命令の正統性を保証する」
父の名。
胸のどこかが、一瞬で冷たくなった。
(お父様……)
彼が、この召喚命令に関与している。
その事実だけで、息が詰まる。
かつて、彼に「辺境送り」を言い渡された日のことが、鮮やかによみがえってくる。
『お前は王都の役には立たない』
そう言って、彼はクレアを切り離した。
その彼が、今度は「王都に戻ってこい」と言っている。
理由は――
「家のため」。
「エルフォルト家の名誉のため」。
「国のため」。
そういう言葉で包装されているのだろう。
彼が、彼女を「ひとりの人間」として案じたことなど、一度でもあっただろうか。
(……たぶん、ない)
気づいてしまった。
気づいて、しまっていた。
◇ ◇ ◇
「以上が、王都からの正式な命令です」
巻物を巻き取りながら、エドガーはにこやかに言った。
「ご安心ください、クレア殿。王家はあなたを“危険な存在”としてではなく、“国を救い得る貴重な存在”として受け入れます」
言い換えれば――「危険な存在」だからこそ、ここで野放しにしておくつもりはない、ということだ。
「王都にお戻りになれば、専属の護衛、専門の医師、魔術師たちによる研究班――いえ、協力班が、あなたを支えるでしょう」
“研究”を、“協力”と言い換えた。
言葉は綺麗。
でも、表情の奥に、好奇と計算の光が見える。
「そして、瘴気の森を浄化なさった力を、国全体のために――」
「待て」
マリアが、低く割って入った。
「話は理解した。王家からの正式な命令だということもな」
「ええ」
「ひとつ確認しておきたい」
マリアは、エドガーをまっすぐに睨む。
「この“召還命令”は――クレア本人の意思を、どこまで尊重する内容だ?」
空気が、ぴんと張り詰めた。
村人たちも兵士たちも、息を呑んで見守っている。
エドガーは、一瞬だけ目を細めた。
その表情の変化は、ごくわずかだったが、見る者が見れば分かる。
「もちろん、王家としては強制など望みません」
選び抜かれた言葉。
「我々はあくまで、“王家の保護下”という安全な場所で、クレア殿がその才能を存分に発揮できるよう、お誘いしているに過ぎません」
「誘い、ね」
マリアの声には棘があった。
「だが、王家の命令に逆らった場合、クレアがどう扱われるか――“辺境の一駐屯地隊長”である私にも、容易に想像はつく」
エドガーは、少しだけ肩を竦める。
「そのような不幸な事態にならないよう、説得させていただくのが、私の役目です」
やんわりと言いながら、結局“逃げ道はない”と宣言している。
クレアは、胸の奥に冷たいものと熱いものが同時に広がるのを感じた。
(こうやって、また“家のため”って言われるんだ)
王家のため。
国のため。
エルフォルト家の名誉のため。
そして――「あなたのため」。
そうやって、いろんな「ため」が積み重なって、最後に押しつぶされるのは、いつだって「わたし自身」だ。
指先に、まだ土のざらつきが残っている。
フィルナの風の匂いが、肺の奥まで届いている。
水汲み。
皿洗い。
洗濯物。
マリアのぶっきらぼうな声。
ノエルのしょうもない冗談。
村の子どもたちの笑い声。
(ここに、いたい)
胸の奥で、静かな願いが芽生えていた。
世界樹の声が、「欠片を探せ」と囁く一方で。
クレアの心のどこかは、「ここで静かに暮らしたい」とちいさく祈っていた。
そのふたつが、今、真正面からぶつかっている。
◇ ◇ ◇
「クレア」
マリアが、彼女のほうを見た。
その視線は、エドガーに向けたときのような鋭さではなく――
もっと静かで、しかし逃がさない強さを持っていた。
「行くか行かないかは、お前が決めろ」
「……え」
思わず聞き返してしまう。
王家からの命令。
エルフォルト家からの“保証”。
家族の署名。
そんなものを前に、「決めろ」と言うなんて。
マリアは肩を竦めた。
「王都の命令は絶対だ。逆らえば、面倒なことになる。私たちも無傷では済まんかもしれん」
淡々と事実を並べながらも、視線はクレアから逸らさない。
「それでも、だ。
“お前の人生”だ。誰にどう言われようが――最初に決める権利は、お前にある」
その言葉は、王都で一度も聞いたことのない種類のものだった。
エルフォルト家の娘だった頃。
彼女に与えられていたのは常に、「決定」ではなく「通告」だった。
“お前はこうしろ”
“お前はこうあるべきだ”
「どうしたい?」と問われる機会などなかった。
だから――
「わたしが、決めても……いいんですか」
声が震える。
マリアは当然のように頷いた。
「当たり前だ」
「でも……王家からの命令で、エルフォルト家の名まで出ていて……」
「王家がどうだろうが、お前の父親がどう言おうが、まず“お前が”どうしたいかを聞いている」
食い気味に言われる。
その強さが、クレアの胸にじんじん染みていく。
そこへ、いつの間にか近づいてきていたノエルが、ひょいと顔を出した。
「ま、俺の意見を言うならだな」
「ノエル」
「隊長が真面目なこと言った後でアレだけどさ」
ノエルは、にやりと笑った。
「嫌なら、逃げちまえよ」
さらっと、とんでもないことを口にする。
「……え?」
「いや、マジで」
肩をすくめる。
「もちろん“王家相手に真っ向から喧嘩買え”とは言わねえよ? さすがにそれやると、俺ら全員首飛ぶし」
「飛ぶで済めばいいがな」
マリアがぼそっと突っ込みを入れる。
「でも、“嫌なのに従う”くらいなら、“嫌だから逃げる”選択肢もあるって話だ」
ノエルは、クレアの目をまっすぐに見た。
「森だってそうだったろ。
“普通は入っちゃいけない場所”に、お前は勝手に行った。
結果として、森は助かって、瘴気は薄くなって、村は生き延びた」
「それは……たまたま、です」
「かもな。でも、“たまたま”は、足を動かしたやつにしか起きねえ」
あっけらかんと言い切る。
「だからさ。
“王都に行く道”だけが正解じゃねえし、“王都から逃げる道”だけが正解でもねえ。
どっちにしろ、“自分で足動かして選べ”って話だよ」
マリアが、肩をすくめた。
「……お前の言い方はいつも極端だ」
「褒め言葉として受け取っとく」
「褒めてない」
「ですよねー」
いつもの調子の掛け合い。
緊張で張り詰めていた空気が、少しだけ和らぐ。
村人たち、兵士たちも、それぞれの表情でクレアを見守っている。
尊敬。
感謝。
心配。
不安。
いろんな感情が混ざった視線。
その全部が、「どうする?」と問いかけているように感じた。
エドガーは、その輪から少し距離を取った位置で、静かに様子を見ていた。
笑顔を崩さず、しかしその目には「早く答えを出してほしい」という苛立ちの影も見える。
王都側の時間。
辺境の時間。
ふたつの時間が、フィルナの空の下でぶつかり合っていた。
◇ ◇ ◇
(わたしは――どうしたいんだろう)
頭の中で、何度もその問いを繰り返す。
王都に行けば、たしかに「安全」は保証されるかもしれない。
エルフォルト家にとっても、“名誉挽回の切り札”として扱われるだろう。
世界樹の欠片を探すためにも、王都の情報網を使ったほうが効率がいい、という考え方もある。
(でも、きっと――)
そこに行けば、もう「クレア」としては生きられない。
末裔。
道具。
国のための兵器。
どんなに柔らかい言葉で包んでも、その中身は変えられない。
一方で、この村での生活は。
雑役。
皿洗い。
水汲み。
見た目は地味で、王都から見れば「何の価値もない日々」に見えるかもしれない。
それでも――
(ここでなら、“クレア”でいられる)
世界樹の末裔でも、エルフォルト家の娘でもない、ただの「クレア」。
マリアに怒られて、ノエルに笑われて、村の子どもたちに泥玉を投げられる日々。
胸の奥の灯りが、静かに揺れた。
世界樹の声が、かすかに囁く。
《選ベ》
短い、ただ一言。
“欠片を探せ”と急かす声ではなかった。
ただ、「自分で決めろ」と突き放すでもなく、背中を押すでもない、妙にフラットな声。
(……決めなきゃ、なんだ)
逃げたい。
見ないふりをしたい。
でも、もう――
あの日、朽ちた巨木に触れてしまった時点で、世界との繋がりは切れない。
ならせめて、その繋がりの先を、自分で選びたい。
王都か、フィルナか。
管理か、自由か。
大きな使命か、小さな願いか。
どちらも、嘘じゃない。
どちらも、本音だ。
だからこそ、苦しい。
「……少しだけ、時間をいただけますか」
クレアは、静かな声で口を開いた。
エドガーが、わずかに眉を上げる。
「時間、ですか?」
「はい。
王都から来ていただいておいて、こんなことを言うのは失礼かもしれませんが……」
クレアは胸元のペンダントを握り締めた。
世界樹の木片と、誰かの想いと、自分の選択と。
いろんなものが詰まっている大切なもの。
「これからのことを――ちゃんと、自分で考えたいんです」
マリアの瞳が、僅かに和らぐ。
ノエルは「いいぞ」とでも言うように頷いた。
エドガーは、少しだけ黙り込んだあと、仕方なさそうにため息をついた。
「……本来であれば、“即時の返答”を求めたいところですが」
言いつつ、巻物を軽く指で叩く。
「王都からの命令にも、“状況に応じて柔軟に対応せよ”とあります。
了解しました。猶予を――三日。差し上げましょう」
三日。
短い。
でも、ゼロよりは、ずっとマシだ。
「ありがとうございます」
クレアは深く頭を下げた。
頭を下げながら、胸の奥で何かがぐるりと回転する。
王都。
フィルナ。
世界樹。
家族。
全部が、彼女の答えを待っている。
そして――
マリアとノエルと、村の人たちも。
フィルナの風が、ざあと吹いた。
洗濯物が、一斉にぱたぱたと鳴る音。
森の木々が揺れる音。
遠くで鳥が飛び立つ羽音。
その全部が、彼女の背中を押すのでも、引き留めるのでもなく――ただ、「見ている」。
クレアは、ぎゅっと唇を結んだ。
(決めなきゃ)
世界樹の末裔として。
エルフォルト家の娘として。
そして、“クレア”として。
王都からの召喚命令は、白い巻物の上で静かに文字になっている。
その文字の冷たさに、フィルナの土のぬくもりと風の匂いが、静かに対抗していた。
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