3 / 20
第3話 婚約破棄宣言の夜
しおりを挟むホールの光は熱を持っていた。天井から降る粒は蜂蜜みたいに粘って、肌に薄い膜を作る。音楽は礼儀正しく背景に回り、笑い声は泡になってグラスの縁で弾ける。私は“正解の角度”で立ち、“正解の返答”を重ねた。写真が一枚、二枚、三枚。シャッター音は祝砲にも銃声にも聞こえる。今は――祝砲側だ、と自分に言い聞かせる。
「白崎様、視線こちらにお願いします」 「はい」 右上、半歩だけ肩を落とす。隣の悠真が「完璧」と小さく言い、私は「ありがとう」と返す。その会話は、ガラスのテーブルに置いたカードみたいに薄くて、形だけは美しい。
乾杯が終わり、賓客がほどよく温まってきたころ、司会が進行台本をめくる音が遠くでささやいた。予定では、あと軽い挨拶が一つ、楽団の曲、そして散会。予定は人を安心させる。安心は柔らかい毒だ。ゆっくり芯に回って、判断の輪郭を丸める。
ホール奥の出入口で、流れがわずかに乱れた。私は振り返らない。振り返らないことも礼儀の一部で、嵐の前は静かに立つのが白崎家の作法である。視界の端を、久遠が横切った。目が合う。刹那、彼の視線に「想定外」を測る微かな温度が走り、すぐに消えた。スタッフに手信号、ケーブルが一本、床を離れる。鳥語のような合図が重なって、空気の密度が一段だけ変わる。
悠真が、前へ出た。司会者が一瞬だけ言葉を飲み、彼にマイクを渡す。予定外。音楽が小さくなった。光が彼の背に縁取りを作り、会場は自然に静まった。 「本日はお集まりいただき、ありがとうございます」 よく通る、暖炉の前の朗読の温度。私は微笑みの温度を一目盛りだけ下げて、呼吸を整える。彼は会場全体を見渡し、私を見る。頬に軽い視線の重さ。次の瞬間、その視線は真白へ滑った。順番が、胸の中で記録される。
「皆さまに、一つだけ大切なお知らせがあります」 周囲の空気が、浅く吸い込まれて止まる。私はグラスの脚に指を添えた。冷たい。現実には冷たさが効く。 「僕は――本日をもちまして、白崎莉桜さんとの婚約を解消します」 音が消えた。沈黙がホールを深く覆い、次に、抑えた驚きのざわめきが波紋になって広がる。グラスの中で氷が微かな音を立てた。氷の音が、やけに大きく聞こえる。 「理由は一つ。僕は別の人を選びます」 別の人。言葉が宙で一回転し、鈍い刃になって落ちた。 「――白崎真白さん。僕は君を愛しています」 拍手も歓声も、起きなかった。誰かの息が詰まり、誰かの視線が鋭くなる音がした。真白は、マイクも照明も持たない素の明るさで立ち尽くしていた。顔から血の気が引いて、目がひどく大きい。彼女は、今この瞬間に初めて知った――そんな顔だった。
「ちょっと、待ってください」 久遠の声が、司会者の影から短く飛ぶ。音の高さは一定、言葉数は少ない。だが悠真は引かない。彼の手はマイクを固く握り、関節が白く浮かぶ。 「これは僕の個人的な決断です。会社の方針とも関係はありません。責任はすべて、僕が負います」 責任。便利な言葉である。どこまでが「負う」のか、具体はいつも曖昧だ。
ざわめきの中で、私は笑っていた。顔の筋肉が、訓練通りに反応した。笑いは防波堤であり、最後の制服である。制服を着ていれば、心はまだ外に出ない。出さなければ、濡れない。濡れなければ、凍えない。
父は、どこにいる。視線を巡らせると、ホールの中ほどで会釈が一つ、二つと崩れる地点が見えた。白崎蓮司。顔は石、目は数字。今はただ、状況を計算している目。怒鳴らない。怒鳴らないのが、この人の最大火力だと知っている人は少ない。
真白がふらりと一歩、小さく首を振った。迷子が地図を否定するみたいな動き。 「違う、悠真さん。私、そんな、聞いてないよ……」 「驚かせてごめん。でも、僕は隠したくなかった」 彼女の肩が小鳥みたいに震える。私の足は床に縫い付けられたように動かない。動かないように育てられてきた。大勢の前で、動揺を見せるな。家の重さで立て。そういう訓練が、私の膝を棒にする。
司会が震えかけの声で進行に戻そうとし、久遠がその背後でスタッフに指示を散らす。照明が一段落ち、音楽が安全な音階を探して滑る。私は呼吸をもう一度、正しい長さに切りそろえた。笑う。頷く。視線を散らす。やってはいけないことのリストに「感情の名前を口にする」が追加される。
誰かが近づく気配。振り返ると、朝霧会長が静かに立っていた。老齢の光が目尻に溜まり、言葉は丁寧で、鋭い。 「この度は息子の勝手な振る舞いをお詫び申し上げます。白崎様、そして皆々様」 会釈の角度は完璧。完璧は謝罪を薄くする。薄まった謝罪は、場を整えるには十分だが、傷に沁みない。私は微笑みの角度を保ったまま、会長へ一礼した。
「莉桜」 低い声が耳元に届く。悠真の声。彼はこちらに一歩近づいて、私を正面から見た。きれいな目だと思った。整っている人間の目は、だいたいきれいだ。 「……すまない」 「謝罪の相手を間違えている」 自分でも驚くほど、声は静かだった。氷水に落とした銀のスプーンみたいに、澄んで硬い。 「誰に?」 「真白に、である」 彼は一瞬だけ目を伏せ、戻した。 「彼女にも、君にも、だ」 「順番を間違えると、言葉は軽くなる」 彼は息をひとつだけ呑んだ。喉仏が小さく動く。その動きが、なぜか、嫌いではなかった。人間だ、と確認できるからかもしれない。
真白が私の袖を掴んだ。指の震えが布越しに伝わる。息が熱くて浅い。 「お姉ちゃん……私、どうしたら……」 「大丈夫。深呼吸」 「すぅ……はぁ……」 「背中まっすぐ。視線はまっすぐ」 「うん……」 姉の役割は、身体の使い方を思い出させることだ。心が迷子でも、身体は従順だ。従順さは最後のロープである。
会場の別の端で、つぶやきが増える。「白崎家、終わったな」「いや、次女の時代でしょ」「長女、顔色ひとつ変えないのすごい」。人の言葉は空調に混ざって、耳の裏で形を変える。私は受け取らない。受け取らなければ、毒にも薬にもならない。
「進行を戻します」 久遠が短く告げ、司会がそれをなぞる。音楽が無難な曲へ滑り込む。スタッフの動きが個々の迷いを飲み込み、全体の秩序へ回収していく。プロの手際。私は一歩進み、会場中央へ。微笑む。会釈。白崎家の看板は立て直る――そう見える角度を選ぶ。それが、今できる最善だった。
「本日はお騒がせしました。最後に、皆さまのお時間に感謝を申し上げます」 自分の声が、少し低く聞こえる。低さは落ち着きの演出であり、動揺のカバーであり、祈りの反対側だ。私が言葉を締めると、会場は整った拍手で答えた。拍手は丸く、私の周りで落ちる。丸いものは転がる。転がって、出口へ向かう。人の流れが散会の形を取り戻す。
控えの通路へ移る瞬間、久遠が歩幅を合わせた。立ち止まりも早い、目線も必要最小限。 「先ほどは、申し訳ありません」 「あなたが謝ることではない」 「場は、人間でできています。誰かの“想定外”は、全員の仕事になる」 「そうだろうな」 私の声が乾いているのを、彼は聞き分けたはずだ。聞き分けて、何も言わない。説明を省く誠実、という種類の沈黙。 「白崎様」 「なに」 「立っているだけで、十分でした」 「立つしか、できない」 「それが、できる人は少ない」 彼はそれだけ言って、会釈を一枚置いて去る。去り際、手元で何かが光った。時計だ。時間の針は、いつも通り進む。いつも通りの速度で、いつもと違う場所へ私を連れていく。
控室に入ると、真白がソファの端で縮こまっていた。ドレスの白が、今はやけに薄い。隣に座ると、空気が少しだけ温かくなる。 「お姉ちゃん……私、どうしたらいいの」 「水を飲む」 「それだけ?」 「それが、最初」 紙コップに注いだ水を渡す。指がコップの薄さを確かめるように震え、やがて持ち直す。喉が一度、二度と動く。私も同じだけ、息を吐いた。 「私、知らなかった。本当に、さっき初めて……」 「知っている」 「怒ってる?」 「怒っていない」 「嘘」 「怒りは、あとで使う」 真白が顔を上げる。涙の縁には、まだ幼い光が残っている。守れ、と朝に言われた言葉が、胸の内側で形を変える。盾は重いが、持てる。持つ手を、私は持っている。
ドアがノックされた。西園寺が控えめに頭を下げる。 「お嬢様、車の準備が整っております」 「ありがとう」 立ち上がる。足が、少しだけ軽い。笑いの筋肉が疲労で震えるのを、首元のパールが隠す。鏡を見る。そこには、まだ正解の顔がいる。ひびは、内側からしか見えない。
地下駐車場の風は冷たく、排気と鉄の匂いが混ざる。ドアが閉まる音が丸く響いた。車内の明かりで、私の指先が白く見える。白は光と喧嘩しない。けれど、今夜は喧嘩を売られた。ならば、返す順番が来るのだろう。
「さっきの、ほんとに怒ってないの?」 真白が怖々と聞く。車窓に映る彼女の顔は、街灯を拾って薄く揺れる。 「怒ってないわけではない」 「だよね」 「でも、今いちばん必要なのは、怒りではない」 「何?」 「冷たさ」 自分で言って、喉の奥が少しだけ温かくなった。温かいのは、真白の手が私の指を探してきたからだ。握る。細い骨が触れ合う。生きてる音がする。
屋敷に着くと、玄関の香りが夜の配合に切り替わっていた。西園寺が外套を受け取り、「お休みの準備を」とだけ言って姿を消す。階段の途中で真白が止まり、振り向く。 「お姉ちゃん」 「なに」 「ごめんなさい」 「謝るのは、あなたではない」 「でも……」 「謝るなら、強くなることに」 「……うん」 彼女はうなずいて、自室へ消えた。扉が静かに閉じる。残っているのは、甘い香りと、薄い疲れ。
自室。ドレッサーに座り、ピアスを外す。耳朶が軽くなって、頭の中まで少し軽くなる。化粧をゆっくり落とす。綿に吸い込まれていく色は、今日の顔の表面。表面を剝がしても、内側は残る。鏡は善悪を言わない。ただ、事実を置く。事実は冷たい机の上の水滴みたいに輪を広げる。
カーテンを少しだけ開ける。庭に白い月。白は光と喧嘩しない。だが、今夜は喧嘩を買う側に回るだろう。買うなら、勝つ準備をする。勝つ準備は、感情を冷やすことから始まる。
携帯が震えた。メッセージがいくつも。憐憫、好奇、興奮、偽善。音のない感情が画面の中で跳ねる。私は一つも開かない。開けば、溶ける。溶けたら、凍らない。凍らなければ、立てない。
天井を見上げる。模様は昨日と同じ。私の目は、昨日と違う。違いは、壊れる前の予感ではなく、壊れたあとの静けさだ。音はした。確かに、今夜、音はした。ガラスが割れるあの冷たい、澄んだ音。誰かの拍手と、誰かの嗤いの間をすり抜けて、まっすぐ私の胸へ落ちた。
私は目を閉じる。暗闇は均一で、呼吸はそこで整う。整った呼吸の底で、言葉がひとつだけ形になる。 「もう、終わりである」 完璧な令嬢の契約は、今夜ここで終わり。明日からは別の契約だ。私が自分と結ぶ契約。署名は私の手、印は私の心拍。条件はひとつ――「誰のためにも微笑まない」。その代わり、私のために笑う。
目を開ける。鏡の中で、私が私を見返す。まぶたの縁に眠気がかかっているのに、目の奥は妙に冴えている。脳のどこかで、まだ音が鳴りやまない。あの冷たい音。私の名前を新しく彫り直す音。
ベッドに入る。シーツの冷たさが背中をまっすぐにする。明日の朝、新聞は何を言うだろう。世間は何を求めるだろう。知らない。知らないが、私は知っている。自分が何をするか、だけは。盾のまま、刃になる。守るために、切る。切るために、立つ。立つために、笑わない。笑わない代わりに、選ぶ。選んで、壊す。壊して、作る。
そういう夜に、ようやく到達した。遅すぎず、早すぎず。必要なときに、必要な音で。私は静かに息を吐き、眠りの浅瀬へ体を沈めた。外の月が白く、私の内側は黒く、ちょうどよかった。どちらも、喧嘩をしない。けれど、次に目を開けたとき、喧嘩は始まる。私が選ぶ、私の喧嘩である。
10
あなたにおすすめの小説
『生きた骨董品』と婚約破棄されたので、世界最高の魔導ドレスでざまぁします。私を捨てた元婚約者が後悔しても、隣には天才公爵様がいますので!
aozora
恋愛
『時代遅れの飾り人形』――。
そう罵られ、公衆の面前でエリート婚約者に婚約を破棄された子爵令嬢セラフィナ。家からも見放され、全てを失った彼女には、しかし誰にも知られていない秘密の顔があった。
それは、世界の常識すら書き換える、禁断の魔導技術《エーテル織演算》を操る天才技術者としての顔。
淑女の仮面を捨て、一人の職人として再起を誓った彼女の前に現れたのは、革新派を率いる『冷徹公爵』セバスチャン。彼は、誰もが気づかなかった彼女の才能にいち早く価値を見出し、その最大の理解者となる。
古いしがらみが支配する王都で、二人は小さなアトリエから、やがて王国の流行と常識を覆す壮大な革命を巻き起こしていく。
知性と技術だけを武器に、彼女を奈落に突き落とした者たちへ、最も華麗で痛快な復讐を果たすことはできるのか。
これは、絶望の淵から這い上がった天才令嬢が、運命のパートナーと共に自らの手で輝かしい未来を掴む、愛と革命の物語。
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
没落寸前でしたが、先祖の遺産が見つかったおかげで持ち直すことができました。私を見捨てた皆さん、今更手のひらを返しても遅いのです。
木山楽斗
恋愛
両親が亡くなってすぐに兄が失踪した。
不幸が重なると思っていた私に、さらにさらなる不幸が降りかかってきた。兄が失踪したのは子爵家の財産のほとんどを手放さなければならい程の借金を抱えていたからだったのだ。
当然のことながら、使用人達は解雇しなければならなくなった。
多くの使用人が、私のことを罵倒してきた。子爵家の勝手のせいで、職を失うことになったからである。
しかし、中には私のことを心配してくれる者もいた。
その中の一人、フェリオスは私の元から決して離れようとしなかった。彼は、私のためにその人生を捧げる覚悟を決めていたのだ。
私は、そんな彼とともにとあるものを見つけた。
それは、先祖が密かに残していた遺産である。
驚くべきことに、それは子爵家の財産をも上回る程のものだった。おかげで、子爵家は存続することができたのである。
そんな中、私の元に帰ってくる者達がいた。
それは、かつて私を罵倒してきた使用人達である。
彼らは、私に媚を売ってきた。もう一度雇って欲しいとそう言ってきたのである。
しかし、流石に私もそんな彼らのことは受け入れられない。
「今更、掌を返しても遅い」
それが、私の素直な気持ちだった。
※2021/12/25 改題しました。(旧題:没落貴族一歩手前でしたが、先祖の遺産が見つかったおかげで持ち直すことができました。私を見捨てた皆さん、今更掌を返してももう遅いのです。)
【完結】ひとつだけ、ご褒美いただけますか?――没落令嬢、氷の王子にお願いしたら溺愛されました。
猫屋敷 むぎ
恋愛
没落伯爵家の娘の私、ノエル・カスティーユにとっては少し眩しすぎる学院の舞踏会で――
私の願いは一瞬にして踏みにじられました。
母が苦労して買ってくれた唯一の白いドレスは赤ワインに染められ、
婚約者ジルベールは私を見下ろしてこう言ったのです。
「君は、僕に恥をかかせたいのかい?」
まさか――あの優しい彼が?
そんなはずはない。そう信じていた私に、現実は冷たく突きつけられました。
子爵令嬢カトリーヌの冷笑と取り巻きの嘲笑。
でも、私には、味方など誰もいませんでした。
ただ一人、“氷の王子”カスパル殿下だけが。
白いハンカチを差し出し――その瞬間、止まっていた時間が静かに動き出したのです。
「……ひとつだけ、ご褒美いただけますか?」
やがて、勇気を振り絞って願った、小さな言葉。
それは、水底に沈んでいた私の人生をすくい上げ、
冷たい王子の心をそっと溶かしていく――最初の奇跡でした。
没落令嬢ノエルと、孤独な氷の王子カスパル。
これは、そんなじれじれなふたりが“本当の幸せを掴むまで”のお話です。
※全10話+番外編・約2.5万字の短編。一気読みもどうぞ
※わんこが繋ぐ恋物語です
※因果応報ざまぁ。最後は甘く、後味スッキリ
【完結】男装して会いに行ったら婚約破棄されていたので、近衛として地味に復讐したいと思います。
銀杏鹿
恋愛
次期皇后のアイリスは、婚約者である王に会うついでに驚かせようと、男に変装し近衛として近づく。
しかし、王が自分以外の者と結婚しようとしていると知り、怒りに震えた彼女は、男装を解かないまま、復讐しようと考える。
しかし、男装が完璧過ぎたのか、王の意中の相手やら、王弟殿下やら、その従者に目をつけられてしまい……
お掃除侍女ですが、婚約破棄されたので辺境で「浄化」スキルを極めたら、氷の騎士様が「綺麗すぎて目が離せない」と溺愛してきます
咲月ねむと
恋愛
王宮で侍女として働く私、アリシアは、前世の記憶を持つ転生者。清掃員だった前世の知識を活かし、お掃除に情熱を燃やす日々を送っていた。その情熱はいつしか「浄化」というユニークスキルにまで開花!…したことに本人は全く気づいていない。
そんなある日、婚約者である第二王子から「お前の周りだけ綺麗すぎて不気味だ!俺の完璧な美貌が霞む!」という理不尽な理由で婚約破棄され、瘴気が漂うという辺境の地へ追放されてしまう。
しかし、アリシアはへこたれない。「これで思う存分お掃除ができる!」と目を輝かせ、意気揚々と辺境へ。そこで出会ったのは、「氷の騎士」と恐れられるほど冷徹で、実は極度の綺麗好きである辺境伯カイだった。
アリシアがただただ夢中で掃除をすると、瘴気に汚染された土地は浄化され、作物も豊かに実り始める。呪われた森は聖域に変わり、魔物さえも彼女に懐いてしまう。本人はただ掃除をしているだけなのに、周囲からは「伝説の浄化の聖女様」と崇められていく。
一方、カイはアリシアの完璧な仕事ぶり(浄化スキル)に心酔。「君の磨き上げた床は宝石よりも美しい。君こそ私の女神だ」と、猛烈なアタックを開始。アリシアは「お掃除道具をたくさんくれるなんて、なんて良いご主人様!」と、これまた盛大に勘違い。
これは、お掃除大好き侍女が、無自覚な浄化スキルで辺境をピカピカに改革し、綺麗好きなハイスペックヒーローに溺愛される、勘違いから始まる心温まる異世界ラブコメディ。
悪役令嬢は調理場に左遷されましたが、激ウマご飯で氷の魔公爵様を餌付けしてしまったようです~「もう離さない」って、胃袋の話ですか?~
咲月ねむと
恋愛
「君のような地味な女は、王太子妃にふさわしくない。辺境の『魔公爵』のもとへ嫁げ!」
卒業パーティーで婚約破棄を突きつけられた悪役令嬢レティシア。
しかし、前世で日本人調理師だった彼女にとって、堅苦しい王妃教育から解放されることはご褒美でしかなかった。
「これで好きな料理が作れる!」
ウキウキで辺境へ向かった彼女を待っていたのは、荒れ果てた別邸と「氷の魔公爵」と恐れられるジルベール公爵。
冷酷無慈悲と噂される彼だったが――その正体は、ただの「極度の偏食家で、常に空腹で不機嫌なだけ」だった!?
レティシアが作る『肉汁溢れるハンバーグ』『とろとろオムライス』『伝説のプリン』に公爵の胃袋は即陥落。
「君の料理なしでは生きられない」
「一生そばにいてくれ」
と求愛されるが、色気より食い気のレティシアは「最高の就職先ゲット!」と勘違いして……?
一方、レティシアを追放した王太子たちは、王宮の食事が不味くなりすぎて絶望の淵に。今さら「戻ってきてくれ」と言われても、もう遅いです!
美味しいご飯で幸せを掴む、空腹厳禁の異世界クッキング・ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる