3 / 7
第3話:図書室、静かにできません!
しおりを挟む
放課後の図書室は、いつもより少し静かだった。
私は図書委員の当番で、返却された本を棚に戻していた。
制服の袖を少しめくって、本の背表紙を見ながら一冊ずつ差し込んでいく。
「えっと……“哲学”…“文学”…“恋愛小説”…」
高い棚の上段に手を伸ばすけど、あと少し届かない。
「うぅ、もうちょっと……」
つま先立ちしても無理で、脚立を取りに行こうとしたそのとき――
「星野さん、届かないなら手伝うよ」
ふいに背後から声。
振り返ると、同じ委員の相沢くんが立っていた。
穏やかで静かなタイプ。普段はあまり喋らないけど、真面目でちょっとかっこいい。
「え、あ、ありがとう。でも大丈夫、脚立持ってくるから」
「これくらいなら俺が——」
そう言って、私の後ろに立つ。
そのまま腕を伸ばしたから……私の背中が彼の胸に当たってしまった。
ピタ。
あ、あれ? 距離、近くない!?
いや、近いどころじゃない! ほとんど背中にくっついてる!
「……っ! あ、あの、相沢くん!?」
「ご、ごめん! でも動くと——」
ガタン。
バランスを崩した本が上から落ちてきた。
二人同時に顔を上げた瞬間、私はとっさにしゃがみこんで、彼が私の上に覆いかぶさる形に。
パサッ……。
本の山が落ちて、私たちはその中に埋もれる。
「……だ、大丈夫?」
「だい、じょうぶ……」
囁くような声。息がかかるほど近い距離。
図書室の静けさが、逆に恥ずかしさを倍増させる。
彼の手が、床に落ちた本を支えるように伸びる。
けどその手、私の肩に……!
「ちょっ、あ、あの……!」
「えっ、あ、ごめん! 本、取ろうとして——」
「は、はい! でも……ちょっと、近くて……!」
顔が熱い。
動くたびに制服の胸元が当たって、柔らかく押される感覚が伝わる。
お願いだからこの体勢、早くどうにかして……!
「相沢くん、星野さーん、どうしたの?」
図書室の入り口から、委員長の声。
その瞬間、相沢くんが慌てて立ち上がる。
「な、なんでもない! 本が落ちただけ!」
委員長が近づいてくる前に、私は立ち上がってスカートの埃を払う。
「……ほんと、図書室って静かすぎて逆に心臓に悪いね」
「う、うん。ほんとに……」
お互い顔を真っ赤にしながら、そっと視線をそらした。
閉館時間。
返却カウンターに残されたノートを見たら、相沢くんの走り書きが残っていた。
「本、また一緒に整理しよう」
その一文に、なんだか心臓がくすぐったくなる。
「……清楚系、意外と騒がしいのよね、私」
つぶやきながら、私はカバンを肩にかけて図書室を出た。
私は図書委員の当番で、返却された本を棚に戻していた。
制服の袖を少しめくって、本の背表紙を見ながら一冊ずつ差し込んでいく。
「えっと……“哲学”…“文学”…“恋愛小説”…」
高い棚の上段に手を伸ばすけど、あと少し届かない。
「うぅ、もうちょっと……」
つま先立ちしても無理で、脚立を取りに行こうとしたそのとき――
「星野さん、届かないなら手伝うよ」
ふいに背後から声。
振り返ると、同じ委員の相沢くんが立っていた。
穏やかで静かなタイプ。普段はあまり喋らないけど、真面目でちょっとかっこいい。
「え、あ、ありがとう。でも大丈夫、脚立持ってくるから」
「これくらいなら俺が——」
そう言って、私の後ろに立つ。
そのまま腕を伸ばしたから……私の背中が彼の胸に当たってしまった。
ピタ。
あ、あれ? 距離、近くない!?
いや、近いどころじゃない! ほとんど背中にくっついてる!
「……っ! あ、あの、相沢くん!?」
「ご、ごめん! でも動くと——」
ガタン。
バランスを崩した本が上から落ちてきた。
二人同時に顔を上げた瞬間、私はとっさにしゃがみこんで、彼が私の上に覆いかぶさる形に。
パサッ……。
本の山が落ちて、私たちはその中に埋もれる。
「……だ、大丈夫?」
「だい、じょうぶ……」
囁くような声。息がかかるほど近い距離。
図書室の静けさが、逆に恥ずかしさを倍増させる。
彼の手が、床に落ちた本を支えるように伸びる。
けどその手、私の肩に……!
「ちょっ、あ、あの……!」
「えっ、あ、ごめん! 本、取ろうとして——」
「は、はい! でも……ちょっと、近くて……!」
顔が熱い。
動くたびに制服の胸元が当たって、柔らかく押される感覚が伝わる。
お願いだからこの体勢、早くどうにかして……!
「相沢くん、星野さーん、どうしたの?」
図書室の入り口から、委員長の声。
その瞬間、相沢くんが慌てて立ち上がる。
「な、なんでもない! 本が落ちただけ!」
委員長が近づいてくる前に、私は立ち上がってスカートの埃を払う。
「……ほんと、図書室って静かすぎて逆に心臓に悪いね」
「う、うん。ほんとに……」
お互い顔を真っ赤にしながら、そっと視線をそらした。
閉館時間。
返却カウンターに残されたノートを見たら、相沢くんの走り書きが残っていた。
「本、また一緒に整理しよう」
その一文に、なんだか心臓がくすぐったくなる。
「……清楚系、意外と騒がしいのよね、私」
つぶやきながら、私はカバンを肩にかけて図書室を出た。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる