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第3話:図書室、静かにできません!
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放課後の図書室は、いつもより少し静かだった。
私は図書委員の当番で、返却された本を棚に戻していた。
制服の袖を少しめくって、本の背表紙を見ながら一冊ずつ差し込んでいく。
「えっと……“哲学”…“文学”…“恋愛小説”…」
高い棚の上段に手を伸ばすけど、あと少し届かない。
「うぅ、もうちょっと……」
つま先立ちしても無理で、脚立を取りに行こうとしたそのとき――
「星野さん、届かないなら手伝うよ」
ふいに背後から声。
振り返ると、同じ委員の相沢くんが立っていた。
穏やかで静かなタイプ。普段はあまり喋らないけど、真面目でちょっとかっこいい。
「え、あ、ありがとう。でも大丈夫、脚立持ってくるから」
「これくらいなら俺が——」
そう言って、私の後ろに立つ。
そのまま腕を伸ばしたから……私の背中が彼の胸に当たってしまった。
ピタ。
あ、あれ? 距離、近くない!?
いや、近いどころじゃない! ほとんど背中にくっついてる!
「……っ! あ、あの、相沢くん!?」
「ご、ごめん! でも動くと——」
ガタン。
バランスを崩した本が上から落ちてきた。
二人同時に顔を上げた瞬間、私はとっさにしゃがみこんで、彼が私の上に覆いかぶさる形に。
パサッ……。
本の山が落ちて、私たちはその中に埋もれる。
「……だ、大丈夫?」
「だい、じょうぶ……」
囁くような声。息がかかるほど近い距離。
図書室の静けさが、逆に恥ずかしさを倍増させる。
彼の手が、床に落ちた本を支えるように伸びる。
けどその手、私の肩に……!
「ちょっ、あ、あの……!」
「えっ、あ、ごめん! 本、取ろうとして——」
「は、はい! でも……ちょっと、近くて……!」
顔が熱い。
動くたびに制服の胸元が当たって、柔らかく押される感覚が伝わる。
お願いだからこの体勢、早くどうにかして……!
「相沢くん、星野さーん、どうしたの?」
図書室の入り口から、委員長の声。
その瞬間、相沢くんが慌てて立ち上がる。
「な、なんでもない! 本が落ちただけ!」
委員長が近づいてくる前に、私は立ち上がってスカートの埃を払う。
「……ほんと、図書室って静かすぎて逆に心臓に悪いね」
「う、うん。ほんとに……」
お互い顔を真っ赤にしながら、そっと視線をそらした。
閉館時間。
返却カウンターに残されたノートを見たら、相沢くんの走り書きが残っていた。
「本、また一緒に整理しよう」
その一文に、なんだか心臓がくすぐったくなる。
「……清楚系、意外と騒がしいのよね、私」
つぶやきながら、私はカバンを肩にかけて図書室を出た。
私は図書委員の当番で、返却された本を棚に戻していた。
制服の袖を少しめくって、本の背表紙を見ながら一冊ずつ差し込んでいく。
「えっと……“哲学”…“文学”…“恋愛小説”…」
高い棚の上段に手を伸ばすけど、あと少し届かない。
「うぅ、もうちょっと……」
つま先立ちしても無理で、脚立を取りに行こうとしたそのとき――
「星野さん、届かないなら手伝うよ」
ふいに背後から声。
振り返ると、同じ委員の相沢くんが立っていた。
穏やかで静かなタイプ。普段はあまり喋らないけど、真面目でちょっとかっこいい。
「え、あ、ありがとう。でも大丈夫、脚立持ってくるから」
「これくらいなら俺が——」
そう言って、私の後ろに立つ。
そのまま腕を伸ばしたから……私の背中が彼の胸に当たってしまった。
ピタ。
あ、あれ? 距離、近くない!?
いや、近いどころじゃない! ほとんど背中にくっついてる!
「……っ! あ、あの、相沢くん!?」
「ご、ごめん! でも動くと——」
ガタン。
バランスを崩した本が上から落ちてきた。
二人同時に顔を上げた瞬間、私はとっさにしゃがみこんで、彼が私の上に覆いかぶさる形に。
パサッ……。
本の山が落ちて、私たちはその中に埋もれる。
「……だ、大丈夫?」
「だい、じょうぶ……」
囁くような声。息がかかるほど近い距離。
図書室の静けさが、逆に恥ずかしさを倍増させる。
彼の手が、床に落ちた本を支えるように伸びる。
けどその手、私の肩に……!
「ちょっ、あ、あの……!」
「えっ、あ、ごめん! 本、取ろうとして——」
「は、はい! でも……ちょっと、近くて……!」
顔が熱い。
動くたびに制服の胸元が当たって、柔らかく押される感覚が伝わる。
お願いだからこの体勢、早くどうにかして……!
「相沢くん、星野さーん、どうしたの?」
図書室の入り口から、委員長の声。
その瞬間、相沢くんが慌てて立ち上がる。
「な、なんでもない! 本が落ちただけ!」
委員長が近づいてくる前に、私は立ち上がってスカートの埃を払う。
「……ほんと、図書室って静かすぎて逆に心臓に悪いね」
「う、うん。ほんとに……」
お互い顔を真っ赤にしながら、そっと視線をそらした。
閉館時間。
返却カウンターに残されたノートを見たら、相沢くんの走り書きが残っていた。
「本、また一緒に整理しよう」
その一文に、なんだか心臓がくすぐったくなる。
「……清楚系、意外と騒がしいのよね、私」
つぶやきながら、私はカバンを肩にかけて図書室を出た。
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