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第二十四話 過去 義務
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私は今お父さまに呼び出されている。
一体、何があったのかな。
「ロゼ、お前、マリアから色々と譲り受けたそうだな」
「はい」
まさかお姉さま...言いつけたの?
不味い事になったのかな?
「そんな青い顔しないで大丈夫よ? ちゃんとマリアさんが『譲った』と言ってくれたからね」
「お父さま、そうです、私、ちゃんとお姉さまから貰いました」
「その件なら聞いている、問題は無い、だが家宝や国宝を取り扱う者としての心構えを教えなくては、いけないと思ってな」
「そうよ、ロゼ、今迄そんな貴重な物を触った事はないでしょう」
「はい」
「良いか、ロゼ、家宝を持つ者には、義務がある、『保管の義務』安全に保管して質を落とさないで、手入れをしながらしっかりと保管しなさいと言う事、そこには盗難や技術の漏洩を防ぐという意味も含まれる、そういう事だ」
「そんな義務があるのですか? もし、それらを怠るとどうなるのでしょうか?」
「手入れを怠った者は、貴族としての信頼を失うことになる、例えば、今、お前の手元にある宝石箱だが、稀に他家から見せて欲しいと言う依頼が入る、その時にしっかりと管理出来ていなくてお見せ出来なければ、我が家が恥をかく、ましてあれは王家ゆかりの品、場合によっては首が飛ぶ事もある」
「それは、冗談ですよね」
「何をいっている...本当の事だ、実際にあれと同等の宝剣を失ったオーディン公爵は、許されたがそれを恥とし、自害なさった、まぁ今はもう大昔の事だ」
「本当なんですね」
「ああっ、なぁに気にする事は無い、うちの侍従やメイドは優秀だ、手入れの仕方は熟知している、彼等に聞いて手入れをして、家の中で眺めたり、音を聞いて慈しむ分には問題無い、屋敷の中は俺の管轄だ、問題が起きた時は俺の責任だ、だが外で起きた時は持ち出した者の責任となる...心する事だ」
嘘、こんなに責任が重いの...それならこんな物、貰うんじゃ無かったわ。
「そんなに大変な事なのですね」
「ああっ、貴族にとっての家宝とはそう言う物だ、特に由来のある品は命より重い物も多い...まぁ気をつける事だ」
「はい」
「お前が思ったより大変な物なのだ、もういって良いぞ」
嘘でしょう...もしあの宝石箱を、あの時に無くしたり落としたりしていたら、私罰されていたと言う事なの?
これからは、もう持ち出したりしない。
お姉さまの物を欲しがったりしない...わ。
だが、ロゼの想いとは裏腹にそれはもう出来なくなっていた。
もう...既に遅かった。
一体、何があったのかな。
「ロゼ、お前、マリアから色々と譲り受けたそうだな」
「はい」
まさかお姉さま...言いつけたの?
不味い事になったのかな?
「そんな青い顔しないで大丈夫よ? ちゃんとマリアさんが『譲った』と言ってくれたからね」
「お父さま、そうです、私、ちゃんとお姉さまから貰いました」
「その件なら聞いている、問題は無い、だが家宝や国宝を取り扱う者としての心構えを教えなくては、いけないと思ってな」
「そうよ、ロゼ、今迄そんな貴重な物を触った事はないでしょう」
「はい」
「良いか、ロゼ、家宝を持つ者には、義務がある、『保管の義務』安全に保管して質を落とさないで、手入れをしながらしっかりと保管しなさいと言う事、そこには盗難や技術の漏洩を防ぐという意味も含まれる、そういう事だ」
「そんな義務があるのですか? もし、それらを怠るとどうなるのでしょうか?」
「手入れを怠った者は、貴族としての信頼を失うことになる、例えば、今、お前の手元にある宝石箱だが、稀に他家から見せて欲しいと言う依頼が入る、その時にしっかりと管理出来ていなくてお見せ出来なければ、我が家が恥をかく、ましてあれは王家ゆかりの品、場合によっては首が飛ぶ事もある」
「それは、冗談ですよね」
「何をいっている...本当の事だ、実際にあれと同等の宝剣を失ったオーディン公爵は、許されたがそれを恥とし、自害なさった、まぁ今はもう大昔の事だ」
「本当なんですね」
「ああっ、なぁに気にする事は無い、うちの侍従やメイドは優秀だ、手入れの仕方は熟知している、彼等に聞いて手入れをして、家の中で眺めたり、音を聞いて慈しむ分には問題無い、屋敷の中は俺の管轄だ、問題が起きた時は俺の責任だ、だが外で起きた時は持ち出した者の責任となる...心する事だ」
嘘、こんなに責任が重いの...それならこんな物、貰うんじゃ無かったわ。
「そんなに大変な事なのですね」
「ああっ、貴族にとっての家宝とはそう言う物だ、特に由来のある品は命より重い物も多い...まぁ気をつける事だ」
「はい」
「お前が思ったより大変な物なのだ、もういって良いぞ」
嘘でしょう...もしあの宝石箱を、あの時に無くしたり落としたりしていたら、私罰されていたと言う事なの?
これからは、もう持ち出したりしない。
お姉さまの物を欲しがったりしない...わ。
だが、ロゼの想いとは裏腹にそれはもう出来なくなっていた。
もう...既に遅かった。
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