『体の中にナニカが居る』 1人だけ安全な異世界転移

石のやっさん

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第10話  測定

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その後すぐに測定が始まった。

水晶の玉を持つ鑑定士という職業の人の前に順番に並んだ。

俺の事を気にしてくれている和也、美瑠子、月子は一緒の列に並んでくれた。

「理人お前マジか? 女神なんだぜ、そんな事はしないだろう」

俺は確かにジョブやスキルを貰っていない。

『女神は死んだのかも知れない』それは話す必要は無いだろう。

「いや、本当に貰って無いんだ」

『美瑠子ちゃん、やっぱり『あれ』のせいなんじゃないのかな?』

何だか月子が美瑠子に小声で話している。

上手く聞き取れない。

『月子、流石にそれは無いよ…幾ら『あれ』でも相手は神だよ。流石に勝てないって』

『そうだよね、だけど私に憑いていたのだって『神』と呼ばれていたし、女神様からかなり嫌味を言われたの…邪悪な存在を宿していましたねって、過去だからって許しては貰えたけど…』

『ちょっと待って…それじゃ、もしかして理人は『女神があれをどうにかしたけど』 邪悪な者を宿していたから…ジョブやスキルを貰えなかったの?』

『そうかも知れないよ…』

『当たっているかも知れない…私が見たあれは凄く邪悪な感じがした、何故か理人はケロッとしているけど』

『犬神がただ居るだけで怖がる存在…間違い無いんじゃない』

『まぁ、流石に『あれ』でも女神には敵わないと思うけど…そうか、それなら貰えないかもね』

何をこそこそ話しているんだろう…

「二人ともどうかした?」

「何でもないよ?」

「女の子同士の秘密」

「そう?」

『『気の毒過ぎて流石に言えないよ(ね)』』

和也の番がきた。

「一番手は俺だな、さて俺はどんなジョブなんだろうな?」

しかし、貰った時点でどんなジョブかは解らないのか。

「さぁ、この水晶に手をかざして下さい」

「ああっ」

「これは…凄い、貴方は『聖騎士』です」

水晶には
木梨和也
LV1
HP 1200
MP 50
ジョブ:聖騎士
スキル:翻訳、アイテム収納、剣技の才能、聖魔法

そう浮かんでいた。

鑑定士が更に手をかざすと紙にそれが転写された。

これは多分、当たりじゃないか?

「さぁ、次は美瑠子の番だ…」

「そうね、楽しみだわ」

「貴方は…黒魔法使い」
「もしかしてハズレなのかな?」

「滅相もありません、この世界で魔法が使える人間は10人に一人充分凄いですよ」

宜保美瑠子
LV1
HP 100
MP 600
ジョブ:黒魔法使い
スキル:翻訳、アイテム収納、黒魔法の才能、死霊使い。

何となく邪悪に感じるが、そうでは無いようだ。

その証拠に様子が可笑しくなっていない。

「そう、良かった、次は月子ね」

「うん…」

月子が手をかざすと明らかに鑑定士が落胆した。

「貴方のジョブはお針子です」

水晶には
弱井月子
LV1
HP 30
MP 0
ジョブ:お針子
スキル:翻訳、アイテム収納、裁縫の才能

「あの…これ」

「ああ? 異世界人でこんなの見たことが無い、お前は戦えないし、城で使える様なレベルじゃないな…つまりハズレだ」

あの女神やりやがった。

何が癪に障ったのか…こんな事するなんて、ふざけるな。

「そんな、私…どうしたら良いの?」

二人は黙っている。

「月子、多分俺はそれ以下だ、もしお前が出て行くなら、俺も一緒だよ」

「理人くん…」

月子はかよわい…今にも泣きそうだ。

「この列ではお前が最後だ…さぁ」

「解った」

俺が手をかざすと同じように文字が水晶に浮かんできた。

「お前のジョブは冒険者だ、なんだあるじゃないか勘違いだったな」

間 理人
LV1
HP 50
MP 5
ジョブ:冒険者
スキル:翻訳、アイテム収納、※※※※※が居る 

「これもハズレだろう? しかし※※※※ってなんだ」

「ああっハズレだな、お前もきっと城には居られない、しかし召喚でこんなクズジョブ…ああっ済まない、まずありえないな、お前何言っているんだ、そんなの見えないぞ」

※※※※は見えていないのか…

まぁどうせ碌な物じゃないんだろうな。

「おい、どうにかならないのかよ!」

「そうよ、勝手に呼んだくせに」

「俺はただの鑑定士だ、その辺りの事は後で王か王女に相談してくれ」

確かにただの役人じゃ、何の権利も無いだろうな。

多分、俺と月子は追い出されるのだろう。

月子が泣きそうな顔で俺を見てくる。

「役立たずかもしれないが俺も一緒だ」

「うん、そうだよね…ありがとう」

真っ青な顔で月子は俺を見つめていた。

後ろで大樹が勇者に選ばれ、大河が剣聖、塔子が聖女、聖人が賢者に選ばれたと聞こえてきたが…もう俺たちには関係ないだろう。
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