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第11話 追い出される。
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その後、俺と月子だけが別室に呼ばれライア王女と話をする事になった。
「さてお二人ですが、適性が無い事がはっきりしました…残念ながら貴方達は魔王軍と戦う力がありません、数日のちこの城を出て行って貰う事になります」
まぁ、お針子と冒険者じゃ戦力にはならない…
「それは解りますが、先程生活の保障をして下さると聞きましたが」
何だかこの王女様目つきが悪いな。
「ハァ? 貴方達は戦力外です、召喚された方を優遇するのは魔王軍と戦って下さるからです。戦う事も出来ない貴方達を優遇する意味はありません…とはいえこのまま追い出すのは無情ですね、一か月の生活費と国からの身分証明書を特別に与えます。今日は特別に晩餐への参加を認め、城へも泊めてあげますわ」
「姫様のご配慮に感謝するんだな役立たず」
余りにも馬鹿にしている。
月子なんて今にも泣きだしそうだ。
美瑠子と和也位しか俺たちの友達は居ない。
「なぁ、月子、今更晩餐に出ても仕方ないよな」
「そうだね、なんで私お針子なんだろう」
「まぁ、僕も冒険者だ、聞こえは良いが役立たずらしい…ライア姫様、晩餐は辞退します、友人に挨拶だけしたら出て行きますので、生活費と身分証明書、あとすいませんが外で食べるのでお弁当でも下さい」
和也と美瑠子に会えれば充分だ、特に勇者である大樹達からは嫌われているから、この方が良いだろう。
「貴方達がそれで良いなら構いません…もう会う事も無いでしょう、それでは」
「ふん、役立たずがお金や身分保証が貰えるのだ、ありがたく思うのだな」
本当に腹が立つな。
まぁ何を言っても負け惜しみだし、向こうは権力者だ。
「ありがとうございます」
それだけ伝えた。
◆◆◆
「そんな事があったのか? 酷いな」
「幾らなんでもあんまりだよ…二人とも大丈夫なの」
「それでね、美瑠子ちゃん、ちょっと二人で話しがあるの」
「良いわよ」
女同士、これで最後だ、きっと話したい事があるのだろう。
「それじゃ俺は和也と二人話すさ」
◆◆美瑠子と月子◆◆
「美瑠子ちゃん…これでお別れだね、私どうなっちゃうのかな? 折角、犬神の呪いから解き放たれたのに…」
「そうね、あの女神きっと貴方が元犬神憑きだったからこんな事、したのね…本当に慈悲もないわね」
「確かに神様からしたら汚らわしいのかも…」
「そんなのは呼び出した相手の勝手だよ」
「うん、だけど私は理人くんに出会わなければきっともう死んでいたから…此処で死んでも元は取れたのかな」
「月子、そんな事言わないの、貴方が死んだら私は悲しいわ」
「ありがとう…だけど私より理人くんが心配だよ…美瑠子ちゃん、理人くんの中に『ナニカ』は居ないんでしょう」
「ジョブやスキルのせいか、今、霊視が出来なくなっちゃったみたいなんだ…多分一時的な物だと思う、だけど幾ら『ナニカ』でも女神には勝てないと思うよ」
「だけど理人くんのナニカは『犬神』すら勝てなかったし、美瑠子ちゃんのおばさん宜保数子ですら払えなかった『牛首村』の呪いすら払った、じゃなくて逃げ出したんでしょう」
「ええっ数子おばさん曰く、平将門の霊なんて雑魚に思える存在とは聞いたわ…だけど世界を管理する程の女神には流石に勝てると思えないわ」
「そうだよね…私は良いの、だけど理人くんが…」
「犬神憑きだったせいか『ナニカ』を怖がらずに傍にいる位だもんね…好きなんでしょう」
「うん…だって命の恩人だもん」
「まぁ心配なのは解るけど…好きな子と二人きりの生活、それを楽しむのね」
「…うん、そうね、そうする」
理人くんと二人…今はそれを楽しむしかないよね。
◆◆和也と理人◆◆
「まぁ理人頑張れよ」
「ああ頑張るさ」
「月子ちゃん体が弱いから、まぁ養ってやれよ、夫婦みたいな者だろう」
「何言っているんだ? 養う気はあるが『夫婦』そんなの月子が嫌がるよ」
相変わらずの朴念仁だな。
お前が誰かから告白されるだけで…泣きそうな顔をするのに…
本当に鈍感だな…良い奴だけど。
「まぁ気が付いて無いなら良いよ! ただ異世界に二人きりなんだ、助けてやるんだぞ」
「解っている、当たり前だ」
◆◆◆
最後は4人で再会の約束をし、俺と月子は城を出て行った。
頑張るしかない…うつむく月子を見た瞬間俺は、そう決意した。
「さてお二人ですが、適性が無い事がはっきりしました…残念ながら貴方達は魔王軍と戦う力がありません、数日のちこの城を出て行って貰う事になります」
まぁ、お針子と冒険者じゃ戦力にはならない…
「それは解りますが、先程生活の保障をして下さると聞きましたが」
何だかこの王女様目つきが悪いな。
「ハァ? 貴方達は戦力外です、召喚された方を優遇するのは魔王軍と戦って下さるからです。戦う事も出来ない貴方達を優遇する意味はありません…とはいえこのまま追い出すのは無情ですね、一か月の生活費と国からの身分証明書を特別に与えます。今日は特別に晩餐への参加を認め、城へも泊めてあげますわ」
「姫様のご配慮に感謝するんだな役立たず」
余りにも馬鹿にしている。
月子なんて今にも泣きだしそうだ。
美瑠子と和也位しか俺たちの友達は居ない。
「なぁ、月子、今更晩餐に出ても仕方ないよな」
「そうだね、なんで私お針子なんだろう」
「まぁ、僕も冒険者だ、聞こえは良いが役立たずらしい…ライア姫様、晩餐は辞退します、友人に挨拶だけしたら出て行きますので、生活費と身分証明書、あとすいませんが外で食べるのでお弁当でも下さい」
和也と美瑠子に会えれば充分だ、特に勇者である大樹達からは嫌われているから、この方が良いだろう。
「貴方達がそれで良いなら構いません…もう会う事も無いでしょう、それでは」
「ふん、役立たずがお金や身分保証が貰えるのだ、ありがたく思うのだな」
本当に腹が立つな。
まぁ何を言っても負け惜しみだし、向こうは権力者だ。
「ありがとうございます」
それだけ伝えた。
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「そんな事があったのか? 酷いな」
「幾らなんでもあんまりだよ…二人とも大丈夫なの」
「それでね、美瑠子ちゃん、ちょっと二人で話しがあるの」
「良いわよ」
女同士、これで最後だ、きっと話したい事があるのだろう。
「それじゃ俺は和也と二人話すさ」
◆◆美瑠子と月子◆◆
「美瑠子ちゃん…これでお別れだね、私どうなっちゃうのかな? 折角、犬神の呪いから解き放たれたのに…」
「そうね、あの女神きっと貴方が元犬神憑きだったからこんな事、したのね…本当に慈悲もないわね」
「確かに神様からしたら汚らわしいのかも…」
「そんなのは呼び出した相手の勝手だよ」
「うん、だけど私は理人くんに出会わなければきっともう死んでいたから…此処で死んでも元は取れたのかな」
「月子、そんな事言わないの、貴方が死んだら私は悲しいわ」
「ありがとう…だけど私より理人くんが心配だよ…美瑠子ちゃん、理人くんの中に『ナニカ』は居ないんでしょう」
「ジョブやスキルのせいか、今、霊視が出来なくなっちゃったみたいなんだ…多分一時的な物だと思う、だけど幾ら『ナニカ』でも女神には勝てないと思うよ」
「だけど理人くんのナニカは『犬神』すら勝てなかったし、美瑠子ちゃんのおばさん宜保数子ですら払えなかった『牛首村』の呪いすら払った、じゃなくて逃げ出したんでしょう」
「ええっ数子おばさん曰く、平将門の霊なんて雑魚に思える存在とは聞いたわ…だけど世界を管理する程の女神には流石に勝てると思えないわ」
「そうだよね…私は良いの、だけど理人くんが…」
「犬神憑きだったせいか『ナニカ』を怖がらずに傍にいる位だもんね…好きなんでしょう」
「うん…だって命の恩人だもん」
「まぁ心配なのは解るけど…好きな子と二人きりの生活、それを楽しむのね」
「…うん、そうね、そうする」
理人くんと二人…今はそれを楽しむしかないよね。
◆◆和也と理人◆◆
「まぁ理人頑張れよ」
「ああ頑張るさ」
「月子ちゃん体が弱いから、まぁ養ってやれよ、夫婦みたいな者だろう」
「何言っているんだ? 養う気はあるが『夫婦』そんなの月子が嫌がるよ」
相変わらずの朴念仁だな。
お前が誰かから告白されるだけで…泣きそうな顔をするのに…
本当に鈍感だな…良い奴だけど。
「まぁ気が付いて無いなら良いよ! ただ異世界に二人きりなんだ、助けてやるんだぞ」
「解っている、当たり前だ」
◆◆◆
最後は4人で再会の約束をし、俺と月子は城を出て行った。
頑張るしかない…うつむく月子を見た瞬間俺は、そう決意した。
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