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第14話 初めての仕事
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次の日から俺は仕事に出る事にした。
「理人くん、本当に良いの?」
「ああっ、パーティならどちらかが2日間に1回依頼を受ければ良いから、俺が頑張ってみるよ、月子は暫くゆっくりすれば良いよ」
「だけど、私も頑張るよ」
「大丈夫だから、また体を壊すと大変だからね昔は凄く病弱だったんでしょう? とりあえず今日はゆっくり休んでて、今後については今夜にでも話そう」
「理人くんがそこ迄言うなら…うん、甘えさせて貰おうかな」
「それが良いよ…それじゃ行ってきます」
「行ってらっしゃい」
俺と会った時、月子は凄く体の調子が悪かった。
昔はもっと酷く、寝たきりだった時期もあったそうだ。
俺や美瑠子と仲良くなってから、随分と体は良くなっていった。
最初は良く気を失っていたが、途中からは健康になり普通になっていった。
医学の進歩は凄いな…本当にそう思う。
だがこの世界は中世に近い『もし体調を崩したら』そう考えたら、怖い物がある…恐らくは前ほどの医療技術は期待できない。
まぁ、その代りポーションとか謎の物はあるけど、月子の病気に効くかは不明だから、無理はさせない…
そう思っている。
◆◆◆
「理人さん、早速お仕事ですね、どちらにしますか?」
「どちらにするかって…どういう事でしょうか?」
まるで仕事が決まっているみたいだ。
「理人さんはまだ冒険者として新人です、ですので受付の方で実力を見させて頂きます。これは無駄に冒険者に犠牲を出さない為の処置ですご理解下さい」
そういう事か…これはありがたいな。
「解りました」
「今日は初めてのお仕事なので定番の薬草採取かゴブリンの討伐をお受け下さい、どちらも失敗したときのペナルティはありませんからご安心下さい! 薬草採取の場合は初めてなので特別に無料で薬草図鑑を御貸し致します」
碌な武器が無いから…此処は薬草採取の一択だな。
「それじゃ薬草採取で」
「はい、それじゃ頑張って下さい! あと、この世界は理人さんが居た世界より危ない世界です…魔物を見たら逃げる事、それを忘れてはいけませんよ、絶対に周りに気を使いながら、採取する事を心がけて下さいね」
確かに日本での山菜採りと危なさは比較にならないだろうな。
「解りました」
受付のお姉さんに見送られ、俺はギルドを後にした。
《今日は仕事にならない筈です…ですが頑張って下さいね》
◆◆◆
しかし、近場には余り生えていない物なんだな。
見つけた薬草は安い物…それもたった3本。
図鑑によるとこれは小銅貨3枚(300円)だから900円か。
こんなんじゃ、生活費も稼げないな。
何処か、奥に行かないと駄目か…
そうだ、王城から街に向かう途中にあった森。
あそこは随分と草木があった気がする。
魔物は怖いが、これじゃ月子を養う所か自分の生活費も稼げない。
行くしか無いな。
◆◆◆
「やっぱり此処は凄いな…沢山の薬草が密集している」
思わず口に出てしまう位に生えている。
この薬草は銅貨8枚(約8千円)これなんか銀貨5枚(約5万円)じゃないか?
こんな簡単に採取出来て良いのか?
アイテム収納は凄く便利だ。
どの位の収納力があるのか知らないが幾らでも入っていく。
そして…入っている物の名前が解る。
これなら間違った草を採取することはない。
最高級薬草 30 8000円×30=240000円
高級薬草 72 3000円×72=216000円
薬草102 300円×102=30600円
毒消し草 200 300円×200=60000円
生命の雫草15 50000円×15=750000
2時間も採取したらこれだ。
この世界では解らないけど、日本だと採りすぎると無くなるからある程度で止めるのが確かマナーだった気がする。
この位で良いか…頭の中の計算では日本円にして130万円稼いだ事になる。
刈り尽くしたら問題だが、これで暫くの生活費も稼げた。
こんなに楽に稼げるからこそ、金貨3枚しかくれなかったのかも知れない
◆◆◆
「アレの正体が何となく解った、あの者は邪心様か上級魔族の宿り木の可能性がある、オークキング様、ゴブリンキング様からの命令だ。絶対に手を出してはならない」
「ナイトサマ…ソノヨウナソンザイ…テナドダシマセン」
「ああっ、この辺り住むオークやゴブリン全員に伝え、必ずや守れ良いな」
「「ハハッ」」
◆◆◆
「え~とこれ全部1人で採取してきたのですか?」
「はい、良い場所を見つけたので」
「凄いわ、薬草採取の新記録ですよ、凄いですね~」
薬草の採取場所は、階級の低い冒険者の命綱。
良い場所は内緒にして口外しません。
少なくとも私の知り得た情報ではこの辺りに安全な場所でこんな薬草を刈れる場所はない筈です。
採れる場所と言えば、黒の森ですが、あそこはオークやゴブリンが沢山居て…かなり上の冒険者でも死にかねない場所です。
行くと必ず死ぬことから『死の森』と言われています。
一説によると人間を誘い出し捕獲食料にする魔物の罠という話もあります。
「そんな事無いですよ、たまたま、ついていただけです」
冒険者にとって貴重な採取場所は財産。
ジョブやスキルを教えないのは当たり前です。
聞くのはマナー違反ですね。
多分、異世界人なので、何か特殊なスキルがあるのかも知れませんね。
「そうですか、ラッキーですね、この調子で頑張って下さい」
「はい頑張ります」
顔に出さずに笑顔で私は彼を見送りました。
「理人くん、本当に良いの?」
「ああっ、パーティならどちらかが2日間に1回依頼を受ければ良いから、俺が頑張ってみるよ、月子は暫くゆっくりすれば良いよ」
「だけど、私も頑張るよ」
「大丈夫だから、また体を壊すと大変だからね昔は凄く病弱だったんでしょう? とりあえず今日はゆっくり休んでて、今後については今夜にでも話そう」
「理人くんがそこ迄言うなら…うん、甘えさせて貰おうかな」
「それが良いよ…それじゃ行ってきます」
「行ってらっしゃい」
俺と会った時、月子は凄く体の調子が悪かった。
昔はもっと酷く、寝たきりだった時期もあったそうだ。
俺や美瑠子と仲良くなってから、随分と体は良くなっていった。
最初は良く気を失っていたが、途中からは健康になり普通になっていった。
医学の進歩は凄いな…本当にそう思う。
だがこの世界は中世に近い『もし体調を崩したら』そう考えたら、怖い物がある…恐らくは前ほどの医療技術は期待できない。
まぁ、その代りポーションとか謎の物はあるけど、月子の病気に効くかは不明だから、無理はさせない…
そう思っている。
◆◆◆
「理人さん、早速お仕事ですね、どちらにしますか?」
「どちらにするかって…どういう事でしょうか?」
まるで仕事が決まっているみたいだ。
「理人さんはまだ冒険者として新人です、ですので受付の方で実力を見させて頂きます。これは無駄に冒険者に犠牲を出さない為の処置ですご理解下さい」
そういう事か…これはありがたいな。
「解りました」
「今日は初めてのお仕事なので定番の薬草採取かゴブリンの討伐をお受け下さい、どちらも失敗したときのペナルティはありませんからご安心下さい! 薬草採取の場合は初めてなので特別に無料で薬草図鑑を御貸し致します」
碌な武器が無いから…此処は薬草採取の一択だな。
「それじゃ薬草採取で」
「はい、それじゃ頑張って下さい! あと、この世界は理人さんが居た世界より危ない世界です…魔物を見たら逃げる事、それを忘れてはいけませんよ、絶対に周りに気を使いながら、採取する事を心がけて下さいね」
確かに日本での山菜採りと危なさは比較にならないだろうな。
「解りました」
受付のお姉さんに見送られ、俺はギルドを後にした。
《今日は仕事にならない筈です…ですが頑張って下さいね》
◆◆◆
しかし、近場には余り生えていない物なんだな。
見つけた薬草は安い物…それもたった3本。
図鑑によるとこれは小銅貨3枚(300円)だから900円か。
こんなんじゃ、生活費も稼げないな。
何処か、奥に行かないと駄目か…
そうだ、王城から街に向かう途中にあった森。
あそこは随分と草木があった気がする。
魔物は怖いが、これじゃ月子を養う所か自分の生活費も稼げない。
行くしか無いな。
◆◆◆
「やっぱり此処は凄いな…沢山の薬草が密集している」
思わず口に出てしまう位に生えている。
この薬草は銅貨8枚(約8千円)これなんか銀貨5枚(約5万円)じゃないか?
こんな簡単に採取出来て良いのか?
アイテム収納は凄く便利だ。
どの位の収納力があるのか知らないが幾らでも入っていく。
そして…入っている物の名前が解る。
これなら間違った草を採取することはない。
最高級薬草 30 8000円×30=240000円
高級薬草 72 3000円×72=216000円
薬草102 300円×102=30600円
毒消し草 200 300円×200=60000円
生命の雫草15 50000円×15=750000
2時間も採取したらこれだ。
この世界では解らないけど、日本だと採りすぎると無くなるからある程度で止めるのが確かマナーだった気がする。
この位で良いか…頭の中の計算では日本円にして130万円稼いだ事になる。
刈り尽くしたら問題だが、これで暫くの生活費も稼げた。
こんなに楽に稼げるからこそ、金貨3枚しかくれなかったのかも知れない
◆◆◆
「アレの正体が何となく解った、あの者は邪心様か上級魔族の宿り木の可能性がある、オークキング様、ゴブリンキング様からの命令だ。絶対に手を出してはならない」
「ナイトサマ…ソノヨウナソンザイ…テナドダシマセン」
「ああっ、この辺り住むオークやゴブリン全員に伝え、必ずや守れ良いな」
「「ハハッ」」
◆◆◆
「え~とこれ全部1人で採取してきたのですか?」
「はい、良い場所を見つけたので」
「凄いわ、薬草採取の新記録ですよ、凄いですね~」
薬草の採取場所は、階級の低い冒険者の命綱。
良い場所は内緒にして口外しません。
少なくとも私の知り得た情報ではこの辺りに安全な場所でこんな薬草を刈れる場所はない筈です。
採れる場所と言えば、黒の森ですが、あそこはオークやゴブリンが沢山居て…かなり上の冒険者でも死にかねない場所です。
行くと必ず死ぬことから『死の森』と言われています。
一説によると人間を誘い出し捕獲食料にする魔物の罠という話もあります。
「そんな事無いですよ、たまたま、ついていただけです」
冒険者にとって貴重な採取場所は財産。
ジョブやスキルを教えないのは当たり前です。
聞くのはマナー違反ですね。
多分、異世界人なので、何か特殊なスキルがあるのかも知れませんね。
「そうですか、ラッキーですね、この調子で頑張って下さい」
「はい頑張ります」
顔に出さずに笑顔で私は彼を見送りました。
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