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第53話 聖教国の悲劇
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まさか、こんな事になるなんて思わなかった。
この国の最後の教皇に私がなるのかも知れない。
「教皇様、魔族の四天王の一人…死霊の女王コーネリアが死霊を率いてこちらに向かってきています」
「数は?」
死霊の怖いのはその数です…死霊の女王コーネリアの死の軍勢は…見た者は瞬時に死に…その死んだ者はその軍勢に加わる、最悪の軍勢…女限定ではある物の死んだ者は全てコーネリアの者になる。
そればかりじゃなく、恨みを持っていた者の魂もまた遺体から抜け出し軍勢に加わる。
ある意味、最悪の軍勢です。
「数万を超えて向かってきています」
「勇者、勇者達がこちらに来るのは、いつになりますか?」
「どう急いでも1週間以上はかかりそうです」
これじゃエリクサールを使って勇者達を治療して戦って貰う。
それすら出来ない。
何でこうなった。
魔王は『死霊を攻撃で使わない』そういう矜持があった筈だ。
それを使えば『最後はこの世界は死霊だらけになる』死んだ者が全て死霊になり人類の敵になるなら…人類の勝利は無い。
ある意味、最低最悪の兵器…それが『死霊』だ。
だが、今まで魔族側が死霊を攻撃に使ったことは無い。
魔王城の防御…それ以外でコーネリアが軍を使ったことは無い。
『使わない』そう思っていたのは…人類の間違いだったのか?
「この国はもうじき終わる…『聖』と『光』の力が弱まり、結界に亀裂が入った今、もう防ぐ手段は無い…終わりだ…聖教国ホムラがこれから終わる」
教皇であるロディマス三世は死を受け入れるしか無かった。
◆◆◆
「人がゴミのようじゃのう…愉快じゃ、愉快じゃ」
「コーネリア様も健気ですね~ ララア様を先回りするために、空竜の死霊まで使うなんて」
「当たり前じゃ! 我れがエリクサールを手に入れて『お兄ちゃん』に頭を…違う! 大切な新たな邪神様の器の為なのじゃ」
「はいはい…恋愛の為に大量に人を殺しまくるコーネリア様も素敵ですね!」
「違う! 大体、メアリーこの間から、我れへの口の利き方はなんなのじゃ…」
「コーネリア様、これが私の素ですよ! この間、理人様に出会ってから何故か体の調子が良いんですよね…これも愛なんですかね? 死霊になり果てた私を…死霊ですが素直に…」
もう良い…
これが『愛』なのか?
ようわからんが、あの理人の為なら『人なんて何人死んでも良い』そう思えるのじゃ。
難儀な物じゃな。
「何となく我れも解るからもう良いのじゃ」
力を抑えずに空竜から降りてから行進してきたからもうこの軍団は10万を超える…これだけ居れば一国を落とすのも容易いわい。
「それでコーネリア様、何故ここ迄の死霊を集めたのですか?」
「それはこれから聖教国を攻める為なのじゃ」
「あの…コーネリア様、基本的に我々には剣も通じませんし、魔法も『聖』と『光』しか通じません…それなのに10万超え、皆殺しにでもするつもりですか?」
「そうなのじゃ」
「あの…私はもう何も言いません…シリアルキラーと言われた殺人鬼の私ですが…」
「それでは、早速結界を…結界が無いのじゃ…何かの罠かのう」
「さぁ…ですがこの数の死霊を入れて得になることは無いと思いますが…」
なんなのじゃ、結界が無いなんて可笑しいのじゃ。
「まぁ良い、門を破ったら2000人は我れと来るのじゃ…他はこの聖都をせん滅するのじゃ」
《真面に…そんな事を、死霊を使って国を亡ぼすのは『卑怯』とされ過去の魔王様も誰一人しませんでした…ある意味チートとも言える卑怯な方法な筈です》
「あの…一つ聞いても良いでしょうか?」
「なんじゃ?」
「コーネリア様のその力、魔王様はおろか…神にすら近い、そう思えるのですが? 死んでしまえば、それが勇者であってもコーネリア様の物ですよね」
「そうじゃな! 男は我れを化け物を見る目で死んでからも見るから嫌いじゃから死霊にせんが、死ねば魔王様でも我れの者じゃ…まぁ死んだ魔王等数少ないがのぉ」
「それ、聞こえ方によっては『冥界の支配者』に近く思えるのですが」
「なんじゃ…そんな事か? そうじゃよ…まぁ転生者が語る神話のパーデスとかに我れは近いのかのぉ」
「それハーデスですよ…それが何で魔王様に従っているのですか?」
《なんですか? きょとんとして》
「したがっておらぬ、我れは自由にしておる…魔王様と言っておるが我れに本気で文句なんて言わぬよ」
「はぁ~なら何で」
「世界を支配するなんてメンドクサイのじゃ…それだけじゃ」
「あの…それじゃ…理人の中に居る邪神様より…」
「あれには絶対に勝てんのじゃ」
《冥界の支配者…なのにですか》
「なぜです」
「我が、そう星を支配する位の力じゃとしたら、あれは宇宙規模をどうにかしかねない恐ろしい存在じゃ」
「そこ迄の存在なのですか…」
「正直言えば、魔王様が仕える邪神なら、我れは戦えるかもしれんが、あれは別物じゃ…あっ我れは魔王様も邪神様も好きだから謀反は起こさんよ」
「そうですか…では『お兄ちゃん』とどっちが好きなのですかね?」
「お前!…また我れを馬鹿にしてるのか?…『おにい…ちゃんじゃ』」
「はぁ~それじゃさっさと国滅ぼして、エリクサールを分捕りますか」
「そうじゃな」
コーネリア達が攻めつつづけて数時間…女神の国、聖教国ホムラは壊滅して事実上『死霊の国』になった。
この国の最後の教皇に私がなるのかも知れない。
「教皇様、魔族の四天王の一人…死霊の女王コーネリアが死霊を率いてこちらに向かってきています」
「数は?」
死霊の怖いのはその数です…死霊の女王コーネリアの死の軍勢は…見た者は瞬時に死に…その死んだ者はその軍勢に加わる、最悪の軍勢…女限定ではある物の死んだ者は全てコーネリアの者になる。
そればかりじゃなく、恨みを持っていた者の魂もまた遺体から抜け出し軍勢に加わる。
ある意味、最悪の軍勢です。
「数万を超えて向かってきています」
「勇者、勇者達がこちらに来るのは、いつになりますか?」
「どう急いでも1週間以上はかかりそうです」
これじゃエリクサールを使って勇者達を治療して戦って貰う。
それすら出来ない。
何でこうなった。
魔王は『死霊を攻撃で使わない』そういう矜持があった筈だ。
それを使えば『最後はこの世界は死霊だらけになる』死んだ者が全て死霊になり人類の敵になるなら…人類の勝利は無い。
ある意味、最低最悪の兵器…それが『死霊』だ。
だが、今まで魔族側が死霊を攻撃に使ったことは無い。
魔王城の防御…それ以外でコーネリアが軍を使ったことは無い。
『使わない』そう思っていたのは…人類の間違いだったのか?
「この国はもうじき終わる…『聖』と『光』の力が弱まり、結界に亀裂が入った今、もう防ぐ手段は無い…終わりだ…聖教国ホムラがこれから終わる」
教皇であるロディマス三世は死を受け入れるしか無かった。
◆◆◆
「人がゴミのようじゃのう…愉快じゃ、愉快じゃ」
「コーネリア様も健気ですね~ ララア様を先回りするために、空竜の死霊まで使うなんて」
「当たり前じゃ! 我れがエリクサールを手に入れて『お兄ちゃん』に頭を…違う! 大切な新たな邪神様の器の為なのじゃ」
「はいはい…恋愛の為に大量に人を殺しまくるコーネリア様も素敵ですね!」
「違う! 大体、メアリーこの間から、我れへの口の利き方はなんなのじゃ…」
「コーネリア様、これが私の素ですよ! この間、理人様に出会ってから何故か体の調子が良いんですよね…これも愛なんですかね? 死霊になり果てた私を…死霊ですが素直に…」
もう良い…
これが『愛』なのか?
ようわからんが、あの理人の為なら『人なんて何人死んでも良い』そう思えるのじゃ。
難儀な物じゃな。
「何となく我れも解るからもう良いのじゃ」
力を抑えずに空竜から降りてから行進してきたからもうこの軍団は10万を超える…これだけ居れば一国を落とすのも容易いわい。
「それでコーネリア様、何故ここ迄の死霊を集めたのですか?」
「それはこれから聖教国を攻める為なのじゃ」
「あの…コーネリア様、基本的に我々には剣も通じませんし、魔法も『聖』と『光』しか通じません…それなのに10万超え、皆殺しにでもするつもりですか?」
「そうなのじゃ」
「あの…私はもう何も言いません…シリアルキラーと言われた殺人鬼の私ですが…」
「それでは、早速結界を…結界が無いのじゃ…何かの罠かのう」
「さぁ…ですがこの数の死霊を入れて得になることは無いと思いますが…」
なんなのじゃ、結界が無いなんて可笑しいのじゃ。
「まぁ良い、門を破ったら2000人は我れと来るのじゃ…他はこの聖都をせん滅するのじゃ」
《真面に…そんな事を、死霊を使って国を亡ぼすのは『卑怯』とされ過去の魔王様も誰一人しませんでした…ある意味チートとも言える卑怯な方法な筈です》
「あの…一つ聞いても良いでしょうか?」
「なんじゃ?」
「コーネリア様のその力、魔王様はおろか…神にすら近い、そう思えるのですが? 死んでしまえば、それが勇者であってもコーネリア様の物ですよね」
「そうじゃな! 男は我れを化け物を見る目で死んでからも見るから嫌いじゃから死霊にせんが、死ねば魔王様でも我れの者じゃ…まぁ死んだ魔王等数少ないがのぉ」
「それ、聞こえ方によっては『冥界の支配者』に近く思えるのですが」
「なんじゃ…そんな事か? そうじゃよ…まぁ転生者が語る神話のパーデスとかに我れは近いのかのぉ」
「それハーデスですよ…それが何で魔王様に従っているのですか?」
《なんですか? きょとんとして》
「したがっておらぬ、我れは自由にしておる…魔王様と言っておるが我れに本気で文句なんて言わぬよ」
「はぁ~なら何で」
「世界を支配するなんてメンドクサイのじゃ…それだけじゃ」
「あの…それじゃ…理人の中に居る邪神様より…」
「あれには絶対に勝てんのじゃ」
《冥界の支配者…なのにですか》
「なぜです」
「我が、そう星を支配する位の力じゃとしたら、あれは宇宙規模をどうにかしかねない恐ろしい存在じゃ」
「そこ迄の存在なのですか…」
「正直言えば、魔王様が仕える邪神なら、我れは戦えるかもしれんが、あれは別物じゃ…あっ我れは魔王様も邪神様も好きだから謀反は起こさんよ」
「そうですか…では『お兄ちゃん』とどっちが好きなのですかね?」
「お前!…また我れを馬鹿にしてるのか?…『おにい…ちゃんじゃ』」
「はぁ~それじゃさっさと国滅ぼして、エリクサールを分捕りますか」
「そうじゃな」
コーネリア達が攻めつつづけて数時間…女神の国、聖教国ホムラは壊滅して事実上『死霊の国』になった。
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