ブレークザハートリベンジ! その「ざまぁ」は誰にも知られずに行われている!

石のやっさん

文字の大きさ
40 / 66

第40話 この世界でロリは好まれないし言葉も存在しない。

しおりを挟む

『お兄ちゃん』か、久しぶりにそう呼ばれた気がする。

これは、少し前に付き合っていた時でも呼ばれていない。

背が低く幼い顔立ちのリタはコンプレックスを抱えていた。

簡単に言えば、胸が小さい、背が低い、顔が幼い…これだ。

この世界に『ロリコン』という言葉は無い。

前の世界なら『ロリータ』という映画がヒットしてそういう思考が発達したが…そもそもその映画が無いんだから、そう言う言葉自体が無い。

更に言うなら都心部は兎も角『村』では嫁として嫌われるタイプが正にリタだ。

農村部では実際の所はそのタイプが働き者と限らないが、体が大きくて胸がでかくて働き者に見える女性が好まれる…前世でいうなら肝っ玉母ちゃんタイプだな。

だから背が低くてチビのリタは『嫁』として人気は無い。

まぁ『賢者』になったから途中からは関係ないが…

俺がガイアとの旅の中で『リタ』を選んだのも、ガイアは村で育ったから、リタの容姿が好きでない…実際に俺が付き合い始めるまでは見向きもせず…マリアとエルザとばかり話していた。

まぁあぶれた者同士がくっついた…そんな所だ。

そんなリタだが…『そんなのは俺には関係ない』

俺の前世の世界は『ロリコン大国』そう言っても過言で無い世界だ。

※理人のいた日本は1970年代80年代の世界観の日本です。

俺も言えないが、大人がアニメでは『魔女っ子』に嵌まりコミケでは、それの薄くてエロい本が高値で売られていて人気のあるサークルの物は即完売する位だ。

そのヒロインは小学3年生~5年生だった。

多分リタが居たら、彼氏にコスプレとかやらされていそうな気がする。

現実世界でもイチゴちゃんと言って15歳未満の女の子を口説いて投稿雑誌に投稿自慢するナンパ師もいた。

そんな世界で生きてきた俺には、リタの容姿は関係ない。

だが…その需要性はこの世界では俺位しか知らない。

だから俺は『妹みたいで可愛い』そういう元気づけをしていた。

そこから…リタはマリアと逆に『妹キャラ』を押し出すようになった。

実際に『お姉ちゃん風邪をこじらした』マリアから結構おやつをせしめていた記憶がある。

しかし、年頃になったからか賢者になったからか…もうそう言う行動は無くなったんだが…

◆◆◆

「理人お兄ちゃん、早く、早く」

「そんなに理人くんを引っ張らないでよ」


「マリアが遅いんだよ…そうだよねお兄ちゃん!」

「そんなに早く引っ張ったら理人くんが転んじゃうじゃない」

「手を離せば、良いんじゃないか?」

「なんで…離す必要ないよねリタ」

「そうだよね、ちゃんと支えているから平気だもん!」

「そうか、なら良いけど転ばないように注意してくれ」

何だか、あの輪の中に入っていけない。

それになんだ…リタの呼ぶ『お兄ちゃん』って。

確かに小さい頃にリタは理人の事をそう呼んでいたが…

そんな呼び方する齢じゃないだろう…

まるで子供に戻ってしまったみたいだ。

「あの…一体なにがあったんだ」

「エルザ、あのな…」

「大丈夫ですよ! エルザも今夜経験すれば、私たちの気持ちが解るわ」

「うん、そうだよ…あんな事やこんな事、経験しちゃったらもう、お兄ちゃんから離れたくなくなっちゃうよ」

「そう…なのか?」

私だって理人を愛している。

既にもう妻だし、旦那様だと思っている。

だが、これは異常に思える。

マリアはもう少しなんというか『聖女』っぽさが無くなった。

まるで、姉といって大人ぶっているが…あれはそう…女の顔だ。

リタにしてもそうだ、妹みたいに振舞っているが、良く理人に体を密着している。

一体、何が変わったんだ。

確かに男女の営みは大切だと私だって思う。

だが、母親から聞いた話や、既に結婚した村の女性から聞いた話では…そこ迄凄い物と思えない。

なんであそこ迄懸想しているんだ…

「うん、うん『愛してる』と囁かれて」

「あんな事やそんな事されたら…もう駄目、愛さずにはいられないわよ…」

「そうか…」

何だこの疎外感は…こんな1人だけ疎外感を味わう位なら『最後なんて選ぶんじゃなかった』

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...