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【閑話】奴隷の憂鬱
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「お母さま、これからどうなってしまうでしょうか?」
「大丈夫よテレジア、そんな酷い事にはならないと思うからね、ほら生活も今迄と変わらないわ」
マリアーヌ元王妃はこれは宛にならない事を知っている。
王族は軟禁されていてもそれなりの対応は受ける。
だが、それで安全が保証されている訳では無い。
豪華な部屋で過ごしフルコースを食べる生活をしていても、いきなり縛り首になる事やギロチンに掛けられる事がある。
それが王族には多様にある。
そして自分達は、かなり不味い立場にある。
本来は慈悲を掛けてくれる立場の教会は完全に向こう側の味方。
自分達にはもう《この世で味方になってくれる人》は居ない。
勇者であるルディウス様に嫌われた時点で、恐らく死が待っている。
だから、私は娘達を守る為には何でもするつもりだ。
豚の真似をしろと言うなら喜んでやる。
裸になって踊れというなら笑顔で踊って見せる。
勿論、伽をしろと言うなら自分から笑顔で腰を振って見せる。
夫を殺された事など忘れて《オモチャ》になるしかない。
多分、私と言うオモチャが楽しませていれば、少なくとも娘に矛先は向かわない。
だから...だから...そうするつもりだ。
それしか家族を守る方法が無いのだから、仕方がないわ。
だけど...
こんな体で満足して貰えるのでしょうか?
確かに昔は王国一の美女と言われた事もありますが...もう30半ば、最早あの頃の美貌はない。
体だってくたびれた体をしていますし《そう言う行為》もテレジアが生まれてからしていません。
王との伽も最後は義務でしていました...慰み者としてしか価値は無さそうですね。
無様な姿を晒して痣家笑う、そういう存在なのでしょう。
せめて、10年前の美貌があれば、本当にそう思え泣けてきます。
間もなく此処に、嫁いだフランソワーズにエレノワールも来るそうです、同じ奴隷として。
勇者を殺した男の娘だから、離婚して国外追放の末奴隷ですか?
どちらも王族に嫁いだのに誰も守ってくれない...本当の意味では愛されてなかったのかも知れません。
...無理ですね。
教会を敵に回したら国が潰れる。
王族としては...当たり前の事です。
ですが...誰も気概が無いんですか...《必ず幸せにしてみせます》《必ずや生涯変らぬ愛を》全てが嘘。
そんな者しか居なかった。
諦めるしかありません。
もう、王妃としてのマリアーヌは死にました。
これからは母として子供を守らなくてはなりません。
「テレジア、大丈夫よ、貴方はお母さまが守ってあげるわ」
せめてこの子は側室にしなくては、奴隷にはさせません。
【合流】
「お母さま、話は此処に来るまでに聞きました、テレジア気をしっかりお持ちなさい」
「これからどうするか考えなくては」
「はい、フランソワーズお姉さまにエレノワールお姉さま」
フランソワーズは栗毛色の髪に優しそうな顔立ちの優しそうな感じで、逆にエレノワールは目がきつい感じの金髪だ。
どちらも方向性は違えど美女ではある。
「そうね、まずは今の生活は王族と何だ変わりないわ、此処から出られない事いがいわね」
「そうですか? 少し安心しました」
「牢獄には入らないで良いのですね」
「ええっ、ただこの生活は勇者であるルディウス様の機嫌を損ねる事で崩れ落ちます」
「確かにそうだわね」
「確かにそうでしょうね」
「ええっ、だから貴方達には本当に申し訳ありませんが、奴隷として誠心誠意ルディウス様に仕えて欲しいのです」
「お父様を殺した男ににですか、果たして私に出来るでしょうか?」
「私には自信がありません」
「ですが、やるしかありません、そうしなければ...母はもう覚悟を決めています、ですが愛する者と引き裂かれた貴方達に言うのは酷でしたね...すみません」
《テレジアの為か》
《テレジアにはまだ奴隷にならない道があるのですね》
「別に愛されて居なかったようですよ、お父様が勇者の家族に手を掛けた日からまるで罪人扱いです、この汚らしいドレスを見れば何となく察しがつくと思います、大国の王の娘だから小国にとって価値があっただけ、それだけの様ですよ? 困った時に助けなかった位ですから、愛などなかったのでしょう...愛そうと努力した私が馬鹿みたいでした」
「フランソワーズの所は大変だったのですね、エレノワールの所はオシドリ夫婦さぞかし辛かったでしょう」
「同じような者ですよ? 教会を敵に回した人間は人では無いみたいですね? 愛なんてとっくに覚めました」
「本当に不甲斐ない母親ですみません、赦してね」
「別に良いですよ、お母さまが悪いんじゃないですから、噂によると勇者様は美形らしいですね、抱かれるならあんな青瓢箪みたいな人より勇者様の方が良いですよ」
「そうね、綺麗な方の方が良いですわ」
と言いながら三人とも体が震えていた。
それ以外の運命は無い、だからこういう事で《諦めをつけていた》
「お母さま、お姉さま」
「テレジアは気にしてもしかたないわよ」
「そうよ」
「勇者様にあってからですよ」
王妃や王女たちは自分達のこれからの運命を考えると気が気でなかった。
「大丈夫よテレジア、そんな酷い事にはならないと思うからね、ほら生活も今迄と変わらないわ」
マリアーヌ元王妃はこれは宛にならない事を知っている。
王族は軟禁されていてもそれなりの対応は受ける。
だが、それで安全が保証されている訳では無い。
豪華な部屋で過ごしフルコースを食べる生活をしていても、いきなり縛り首になる事やギロチンに掛けられる事がある。
それが王族には多様にある。
そして自分達は、かなり不味い立場にある。
本来は慈悲を掛けてくれる立場の教会は完全に向こう側の味方。
自分達にはもう《この世で味方になってくれる人》は居ない。
勇者であるルディウス様に嫌われた時点で、恐らく死が待っている。
だから、私は娘達を守る為には何でもするつもりだ。
豚の真似をしろと言うなら喜んでやる。
裸になって踊れというなら笑顔で踊って見せる。
勿論、伽をしろと言うなら自分から笑顔で腰を振って見せる。
夫を殺された事など忘れて《オモチャ》になるしかない。
多分、私と言うオモチャが楽しませていれば、少なくとも娘に矛先は向かわない。
だから...だから...そうするつもりだ。
それしか家族を守る方法が無いのだから、仕方がないわ。
だけど...
こんな体で満足して貰えるのでしょうか?
確かに昔は王国一の美女と言われた事もありますが...もう30半ば、最早あの頃の美貌はない。
体だってくたびれた体をしていますし《そう言う行為》もテレジアが生まれてからしていません。
王との伽も最後は義務でしていました...慰み者としてしか価値は無さそうですね。
無様な姿を晒して痣家笑う、そういう存在なのでしょう。
せめて、10年前の美貌があれば、本当にそう思え泣けてきます。
間もなく此処に、嫁いだフランソワーズにエレノワールも来るそうです、同じ奴隷として。
勇者を殺した男の娘だから、離婚して国外追放の末奴隷ですか?
どちらも王族に嫁いだのに誰も守ってくれない...本当の意味では愛されてなかったのかも知れません。
...無理ですね。
教会を敵に回したら国が潰れる。
王族としては...当たり前の事です。
ですが...誰も気概が無いんですか...《必ず幸せにしてみせます》《必ずや生涯変らぬ愛を》全てが嘘。
そんな者しか居なかった。
諦めるしかありません。
もう、王妃としてのマリアーヌは死にました。
これからは母として子供を守らなくてはなりません。
「テレジア、大丈夫よ、貴方はお母さまが守ってあげるわ」
せめてこの子は側室にしなくては、奴隷にはさせません。
【合流】
「お母さま、話は此処に来るまでに聞きました、テレジア気をしっかりお持ちなさい」
「これからどうするか考えなくては」
「はい、フランソワーズお姉さまにエレノワールお姉さま」
フランソワーズは栗毛色の髪に優しそうな顔立ちの優しそうな感じで、逆にエレノワールは目がきつい感じの金髪だ。
どちらも方向性は違えど美女ではある。
「そうね、まずは今の生活は王族と何だ変わりないわ、此処から出られない事いがいわね」
「そうですか? 少し安心しました」
「牢獄には入らないで良いのですね」
「ええっ、ただこの生活は勇者であるルディウス様の機嫌を損ねる事で崩れ落ちます」
「確かにそうだわね」
「確かにそうでしょうね」
「ええっ、だから貴方達には本当に申し訳ありませんが、奴隷として誠心誠意ルディウス様に仕えて欲しいのです」
「お父様を殺した男ににですか、果たして私に出来るでしょうか?」
「私には自信がありません」
「ですが、やるしかありません、そうしなければ...母はもう覚悟を決めています、ですが愛する者と引き裂かれた貴方達に言うのは酷でしたね...すみません」
《テレジアの為か》
《テレジアにはまだ奴隷にならない道があるのですね》
「別に愛されて居なかったようですよ、お父様が勇者の家族に手を掛けた日からまるで罪人扱いです、この汚らしいドレスを見れば何となく察しがつくと思います、大国の王の娘だから小国にとって価値があっただけ、それだけの様ですよ? 困った時に助けなかった位ですから、愛などなかったのでしょう...愛そうと努力した私が馬鹿みたいでした」
「フランソワーズの所は大変だったのですね、エレノワールの所はオシドリ夫婦さぞかし辛かったでしょう」
「同じような者ですよ? 教会を敵に回した人間は人では無いみたいですね? 愛なんてとっくに覚めました」
「本当に不甲斐ない母親ですみません、赦してね」
「別に良いですよ、お母さまが悪いんじゃないですから、噂によると勇者様は美形らしいですね、抱かれるならあんな青瓢箪みたいな人より勇者様の方が良いですよ」
「そうね、綺麗な方の方が良いですわ」
と言いながら三人とも体が震えていた。
それ以外の運命は無い、だからこういう事で《諦めをつけていた》
「お母さま、お姉さま」
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「そうよ」
「勇者様にあってからですよ」
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