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第19話 アナザーSIDE 『勇者様…なんで来てくれなかったの…』
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勇者カイト様達がもうじき此処に来る…そう聞いていた。
あと3日間持ちこたえればこの悪夢は終わる…その筈だった。
相手はオーク。
冒険者を雇えば狩れる存在だ…
だが、この村には、それを雇うお金が無い。
元から貧乏な村…それに近年の凶作、生きていくのがやっとだ。
領主様に幾ら手紙を送っても助けてはくれない…小さなこんな村の為に騎士団等使えない…そんな返事しか来ない。
何処まで我々は苦しめば良いのだろうか…
精一杯、守りを固め…自警団を作り、それでも殺されていく。
村から出る事は死を意味する。
だれも助けに来ない村…それが此処だ。
守る為の塀を壊され…オークが雪崩れ込んでくる。
何人もの人間が死に…女が連れ去られていき…その代償でオークを殺し塀を修復。
その繰り返し。
誰もこの村からは出られない…嘆きの村、それが此処アークだ。
夢も希望も無い村…だれも助けてくれない…
だが、そんな我々にも希望が出来た。
それは勇者だ。
正義の使者 勇者カイト様
華麗なる剣技の前には如何なる魔族も滅びるしかない 剣聖リダ様
慈愛に満ちた女神の使い 聖女フリージア様
あらゆる敵を葬る攻撃魔法の使い手 賢者ミルカ様
人類の希望の光 4人の守護者…それがあと少しでこの村に来る。
運が良かった…
この村は勇者様達が魔国に向かう通り道になっている。
慈愛に満ちた4人の守護者は、その旅に置いて絶望を希望に変えていくと聞いた。
大昔、この村が危機に陥った時にも助けて貰った事があったそうだ。
『儂は大昔に先の勇者様に会ったことがある…光り輝く聖剣を持って…それはそれは鬼神の如き戦いじゃった』
『聖女様はどんな病でも怪我でも治してくれた…女神のような方じゃ』
僕は勇者を知らない…だけど…伝説は知っているんだ…
その勇者様が近くまで来ている。
『もう大丈夫だ』
『救われた』
だが…それを知ったのか…今迄以上にオークが活発になっている。
オークは思ったより頭が良い。
勇者様に対抗する為に『数を用意したようだ』
見渡す限りのオークがこの村を囲んでいる。
そして…
「「「「「「「「「「ぶもぉぉぉぉーーーーっ」」」」」」」」」」
無数のオークが襲ってきた。
「大丈夫だ皆…もうそこ迄勇者様はきているらしい…あと3日…それだけ堪えれば、この悪夢は終わる」
大人がそう言っていた。
だが…4日たっても5日たっても…勇者様はきてくれなかった。
そして…とうとう門も塀も壊されオークが雪崩れ込んできた。
本当の終わりだ…
「お兄ちゃん怖い」
「ナタリー…もう助からない…女の子は、死より辛い思いをする…お兄ちゃんと一緒に死のう」
「…お兄ちゃんと一緒なら良いよ…」
僕はナタリーの首を絞めて殺した…ゴメンね。
そして、自分の首にナイフをあてがい引いた。
動ける最後の時間でなんとかナタリーの手を握った。
「お兄ちゃんがハァハァ一緒だから」
ナタリーは返事して来ない。
当たり前だ…僕が殺したんだから…
『勇者様…なんで来てくれなかったの…』
僕は勇者様を恨みながら…死んでいった。
あと3日間持ちこたえればこの悪夢は終わる…その筈だった。
相手はオーク。
冒険者を雇えば狩れる存在だ…
だが、この村には、それを雇うお金が無い。
元から貧乏な村…それに近年の凶作、生きていくのがやっとだ。
領主様に幾ら手紙を送っても助けてはくれない…小さなこんな村の為に騎士団等使えない…そんな返事しか来ない。
何処まで我々は苦しめば良いのだろうか…
精一杯、守りを固め…自警団を作り、それでも殺されていく。
村から出る事は死を意味する。
だれも助けに来ない村…それが此処だ。
守る為の塀を壊され…オークが雪崩れ込んでくる。
何人もの人間が死に…女が連れ去られていき…その代償でオークを殺し塀を修復。
その繰り返し。
誰もこの村からは出られない…嘆きの村、それが此処アークだ。
夢も希望も無い村…だれも助けてくれない…
だが、そんな我々にも希望が出来た。
それは勇者だ。
正義の使者 勇者カイト様
華麗なる剣技の前には如何なる魔族も滅びるしかない 剣聖リダ様
慈愛に満ちた女神の使い 聖女フリージア様
あらゆる敵を葬る攻撃魔法の使い手 賢者ミルカ様
人類の希望の光 4人の守護者…それがあと少しでこの村に来る。
運が良かった…
この村は勇者様達が魔国に向かう通り道になっている。
慈愛に満ちた4人の守護者は、その旅に置いて絶望を希望に変えていくと聞いた。
大昔、この村が危機に陥った時にも助けて貰った事があったそうだ。
『儂は大昔に先の勇者様に会ったことがある…光り輝く聖剣を持って…それはそれは鬼神の如き戦いじゃった』
『聖女様はどんな病でも怪我でも治してくれた…女神のような方じゃ』
僕は勇者を知らない…だけど…伝説は知っているんだ…
その勇者様が近くまで来ている。
『もう大丈夫だ』
『救われた』
だが…それを知ったのか…今迄以上にオークが活発になっている。
オークは思ったより頭が良い。
勇者様に対抗する為に『数を用意したようだ』
見渡す限りのオークがこの村を囲んでいる。
そして…
「「「「「「「「「「ぶもぉぉぉぉーーーーっ」」」」」」」」」」
無数のオークが襲ってきた。
「大丈夫だ皆…もうそこ迄勇者様はきているらしい…あと3日…それだけ堪えれば、この悪夢は終わる」
大人がそう言っていた。
だが…4日たっても5日たっても…勇者様はきてくれなかった。
そして…とうとう門も塀も壊されオークが雪崩れ込んできた。
本当の終わりだ…
「お兄ちゃん怖い」
「ナタリー…もう助からない…女の子は、死より辛い思いをする…お兄ちゃんと一緒に死のう」
「…お兄ちゃんと一緒なら良いよ…」
僕はナタリーの首を絞めて殺した…ゴメンね。
そして、自分の首にナイフをあてがい引いた。
動ける最後の時間でなんとかナタリーの手を握った。
「お兄ちゃんがハァハァ一緒だから」
ナタリーは返事して来ない。
当たり前だ…僕が殺したんだから…
『勇者様…なんで来てくれなかったの…』
僕は勇者様を恨みながら…死んでいった。
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