【旧作】勇者お前だけは許さない。僕が考えた最大の復讐 【復刻版】

石のやっさん

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彼女が死んだ理由 最初の復讐

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マリアが死んだと聞いて僕はパスカル家へと向かった。
「せめてマリアの死に顔がみたい」そう僕が伝えるとパスカル卿は「腐っている。マリアが可哀想だから見ないであげてくれ」そう言った。
本来はそんなおかしな話しは無い。マリアは伯爵令嬢だ、普通に遺体の輸送にはメイジがつくはずだ。そして凍らせて輸送するのがこの国の常識だった。
だが、パスカル卿に泣きながら「見ないであげて下さい」そう言われてしまえば見ることは出来ない。
僕はパスカル家の者で埋葬された後に、彼女の好きだった百合の花をそえてお別れをした。

だが、この葬儀の時がパスカル卿を見た最後だった。
その二日後パスカル卿とその一族は勇者を殺そうとして、失敗して処刑された。
僕は何があったのか気になり処刑人に金を握らせた。
処刑人の話ではパスカル卿の最後の言葉は
「あいつは勇者じゃない悪魔だ、この国なんて滅んでしまえ」だったそうだ。
その言葉は何処にも記載されていない。書類ではただ、錯乱した。そう書かれていた。
何かがおかしい。

更に最近兄の様子がおかしい。明るかった兄が塞ぎこんでいる。しかも僕を見ると涙を流し始めるのだ。
最近ではリリア様とも会っていないみたいだ。僕の事なんか気にしないで会えばよいのに、そう伝えたかった。

僕はマリアの死について知りたくなった。きっと彼女の事だから最後まで他人を守って死んだに違いない。、、幸いうちは侯爵家だ伝手もお金もある。 そして勇者パーティーに加わっていた。騎士だった男から話を聞く事が出来た。

「最初に言って置くが俺は一切加わっていない」だから恨まないでくれ。
そう前置きされた。
僕は黙ってうなずいた。
「彼女は慰み者、、、性処理させられていたんだ。」
僕は耳を疑った、そして何とか意識を持ち続けた。
話はこうだ、、、
最初、勇者は王女たちに手を出そうとした。
他の貴族の娘は勇者が怖く黙っていたが、それを阻んだのがマリアだった。
特に第二王女は僕の兄の婚約者だったこともあり良く間に入っていた。
勇者はそれを鬱陶しく感じ、いら立ちマリアに辛くあたっていた。
だが、マリアはそれでも阻み続けた。
そして業を煮やした勇者はとうとう実力行使にでた。
そしてその日が訪れた。
「だったら、お前が俺の相手をしろ」そうマリアに迫ったのだ。
勿論マリアは婚約者が居るから出来ないそう断ったのだが、勇者はここで討伐を持ち出した。
「お姫様も相手してくれず、お前まで俺の相手をしてくれないなら、魔王討伐を辞める」
そういやらしい顔でいった。
それを持ち出されたらマリアには勇者を拒むことは出来なくなった。自分が我慢しなければ、王女が穢され、国も救って貰えない。だから王女たちに手を出さない事を条件に受け入れた。
その日のうちにマリアは何回も犯された。
だが、マリアは心までは許さなかった。幾ら勇者が抱こうと人形のように声は一切出さなかった。
それが勇者は気に入らなかった。
だから、最初は心を傷つけた「中古品女」「ガラクタ女」と平気で人前でも罵る様になった。
そしてマリアを抱く時には声を出さないマリアにいら立ち、殴りながら、場合によっては刃物で傷つけながら犯した。それでもマリアは声を出さなかった。そして耐えきれない程の暴力で声をようやく出したらその声は「セレス ごめんね」だった。それが、勇者には許せなかった。いつしか勇者は彼女を裸同然で生活させるようになり、満足に食事すら与えなくなった。周りのものは彼女をさげすみ笑い。男はいやらしい目でマリアを見る様になった。その姿は性処理奴隷ですらまだまともに見える位みすぼらしい姿だった。
だが、マリアの悲劇はこれで終わらない。 これからが寧ろ本番だった。数々の冒険を繰り返して勇者と王女たちは何時しか恋仲になった。王女たちと男女の仲になった勇者にはマリアはもう要らなくなった。そして王女達には逆恨みされて、勇者と最初に寝たマリアに嫉妬された。彼女は自分を捨ててまで守ろうとした王女達に憎まれた。 そして最悪な事に勇者と王女達はマリアを騎士たちに性処理道具として貸し出した。勇者と王女はマリアを脅した。「逃げたら恋人や実家がどうなるか解らない」と「それが嫌なら騎士たちの相手をしろ」そう脅された。それからのマリアは悲惨だった。殆ど服は着せてもらえず一日中騎士の相手をさせられていた。ほぼ全員の騎士の相手を毎日させられ彼女は狂っていった。戦場の男にとって唯一自由に犯す事が許される女。それがマリアだった。毎日のように順番待ちまでされ絶え間なく犯さられる存在。貴族のお嬢様だったマリアが一日に30人近くに犯される。そこには一切の優しい言葉もない。穴という穴が毎日使われていた。それでもマリアは耐えた。
そして、勇者が魔王を打ち破った時、彼女の存在は邪魔になった。
その時には頭がおかしくなり「セレス セレス、、」それしか言わない壊れた女になっていた。
王女や勇者はこの事が発覚したら自分たちのの偉業に傷がつく。そう考えた。
そして、騎士たちに命じて綺麗に川で彼女を洗い着替えさせると殺した。
最後に、洗ったのは精子がついていたら魔獣に襲われたせいに出来ないからだ。
勇者と王女は廃棄を命じたが遺体を持って帰るとその家から金貨が貰える。だから騎士の一人が荷物に紛れこませて持ち帰った。それがマリアが腐っていた真相だった。
「以上だ」
「君は一切加わらなかったんだな?」
「神に誓って、、俺には家族がいるんだ」
「ならどうして助けてくれなかった?」
「王女や勇者が怖かったんだ」
「そうか、、、約束の金だ」
男は無言で立ち去った。


だが、、、僕は彼の後をつけ人気のない所でナイフを突き立てた。
「セレス様、、、何で?」
「お前が気に食わないから、それだけさ マリアは悪い事を何もしなくて殺されたんだよ?
何もしない君が殺されたっておかしくはないでしょう?」
セレスはナイフを更にえぐり込む。
「俺は、俺は本当に何もしてないんだ」
「あぁ、何もしていないんだろうね? だけどその場にいて助けてくれなかったんだよね?」
ナイフは更に深く刺さる。
「王家や勇者が、、、」
「あぁわかったよ。 王家や勇者が怖かったのは、だけど侯爵家は怖くないんだろう?」
「、、、、」
「うちだってさぁ侯爵なんだ。王女や勇者には手は出せないけど騎士の一生なら簡単に潰せるんだよ」
「悪かった。許して下さい。セレス卿」
「嫌だね、侯爵は怖くないんだろう?お前を殺した後、お前の妻も娘も性処理奴隷として売り払ってやるよ。 実家の親も皆殺しだ」
「な、何でもします。だから家族だけは許して下さい」
「じゃぁチャンスをやるよ。勇者や王女は殺せないだろうから、今回の騎士団の団長を含む騎士3人殺したら、お前の家族を見逃してやる。」
「できない」
「できないならそれで良いよ、さてどうしようか?まずは娘から売り払うか?」
「解りました。やります、いややらせて下さい」
「あぁ家族は押さえてあるから今すぐいけ」

その夜、騎士団の団長と副長が部下に襲われ殺された。だが、その部下も返り討ちにあい死んだ。不思議な事にその部下にはナイフを刺された跡があった。
しかも裕福そうに暮らしていたのに莫大な借金が見つかり、実家を含む家族全員が奴隷として売られる事になった。
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