【旧作】勇者お前だけは許さない。僕が考えた最大の復讐 【復刻版】

石のやっさん

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リリア...その正体

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私の名前はリリア
この国の王女で聖女の生まれ変わりと言われている。
だが、実際は違う。
私こそが、生まれ変わりではなく、聖女いや女神なのだ。
この国に現れた聖女は全員が私であり、この世界に女神などは何処にもいない。
簡単に言えば、私は転生を繰り返している。

勇者召喚などと言われているが、あれは私の使い魔を呼ぶための魔法。
つまり、勇者とは私の忠実な使い魔にしかすぎない。
だが、この事は私以外誰も知らない。

勇者召喚は、召喚の為に多くのメイジが祈りを捧げて呼び出すとされているが、
実際は私一人の魔力で呼び出している。滑稽よね。

女神がその召喚の祈りに答えて勇者を使わすと言われているが、実際は私が何処かの異世界から無理やり連れてくるだけ女神など何処にもいないのだ。そんな事も知らず教会まで作っているんだからこの国は本当に馬鹿しかいないわね。
そして連れてきた者は勇者扱いされているが、実際は本人も知らないうちに私に対して忠実になる。

魔族や魔王の討伐をするのは、私の魔力の増強の為だけで本当はこの世界に魔族の討伐は必要ない。
基本的に魔族は魔族領から出ない。そして基本人間は襲わない。
放っておけば本当は無害なものなのにいつも人間から襲い掛かる。だからむこうも攻撃してくる。
多分、人間側が襲わなければその被害は熊に襲われるよりずっと少ないと思うわ。
転生を行うには膨大な魔力が必要だから、私はより大きな魔力がある者を殺して奪っているだけ。
それなのに民衆は有難がっている。ただ、自分の為に行っているのにね。
本当に馬鹿みたい。

私が、転生を行っていたのはもう一度会いたい人が居るから。
その人の名前はセレ。最初の英雄と言われた人。
その当時の私はまだ、召喚の魔法を身につけていなかった。
少しでも大きな魔力が欲しい私は遊びで英雄付与という魔法を思いついた。
魔族領には人間の森より強くて魔力にあふれる魔物がいる。
その魔力が欲しいと常に私は考えていた。
ある村に訪れた時に魔物に悩んでいると聞き、この英雄付与を試した。
この英雄付与とは普通の人間に力を与える方法だ。
この魔法に掛かると力やスピードは通常の人間の4倍になり、まさに超人となる。
私はその村の若者セレにこの魔法を使った。
魔法により超人的な力を身につけたセレと私は魔獣を狩り続けた。
いつからか私は聖女と呼ばれ、セレは英雄と呼ばれるようになった。
セレは笑顔の可愛いい少年で私の事をリリと呼び慕ってくれた。
今まで魔力を増やす事しか考えて無かった私に初めて別の感情が芽生えた。
名声が広まり有名になると遂に王城へと呼ばれるようになった。
そして、正式にセレは英雄となり、私は聖女となった。
そして、沢山の手柄をたて、ヘンドリックという家名を貰い貴族の仲間入りを果たした。
数々の冒険を繰り返してきた私はセレを本当に好きになり本当の意味で夫婦となった。
そして、私は一人の子供を産んだ。
だが、度重なる戦いでセレは疲弊していった。普通の人間の力を4倍にも上げるのだ無理が出ない筈はない。
だが、英雄という肩書と聖女という肩書を持つ私達を国は戦いから外してはくれなかった。
私達は国に忠誠を誓う代わりに子供の将来を国王へ頼んだ。
国王は息子の将来を約束した。
そして私たちは死ぬまで魔物と戦い、、、死んだ。
だが、死んだ筈の私は不思議な事に、息子の子供へと転生していたのだ。
国王は息子を約束通り、貴族にしてはいたが手柄をたてない息子を冷遇していた。
だから、私は息子に英雄付与の呪文をかけた。
息子は今までとは違い魔物を倒してみるみる出世をしていった。
私は14歳になると家を飛び出してセレを探していた。私が転生したのだからセレだって転生したかも知れない。
だが、どんなに探してもセレは何処にもいなかった。
ここまで探してもセレは見つからないのだ、どこか遠くに転生したかも知れない。だから私は次の転生に掛ける事にした。
そして、転生魔法を確立して、影響力を持てるように王族に転生する事にした。
だが、これは失敗だった。王女に転生した私は政略結婚に使われ、外には思うように出させてもらえそうもなかった。 英雄付与を使ってもその相手が活躍するだけで、外には出して貰えないだろう。 だから、勇者召喚を編み出した。そして、王も逆らえない女神という傀儡を建てた。そして私は聖女となり、使い魔の勇者と旅を共にした。
どの位の年月、セレを探したろうだがセレは見つからなかった。
そして今度の転生では、ヘンドリック家のセレナと婚約する事になった。
自分の子孫との婚約というのも変だが、どことなく、セレの面影と自分の面影のあるセレナは憎めなかった。だが、時代が過ぎ代を重ねたヘンドリックは謀略に紛れていた。セレナは面影こそあるものの、性格はセレとは違っていた。だが、政略結婚とはいえ結婚相手、何度か行き来するうちに、セレナには大切にしている弟がいる事を聞いた。
噂によると、太陽のように明るい子だそうだ。
私は興味を持ちセレナに弟を紹介して貰った。
見つけた、見つけた、見つけた、見つけたセレだ。
あのしぐさ、あの癖、私には解る。セレス、彼こそがセレの転生した姿だった。
だが、私はあきらめた。
彼の隣にはマリアがいた。そして幸せそうにしていたから、、、あきらめたんだ。

だが、この時代にも魔王は現れた。今のセレが手に入らないなら、次の転生に掛ければ良い。そう思っていた。セレも転生していたのだから又魔力を貯めて転生すれば良い、、、だが、私が油断していた時に勇者がマリアを犯してしまった。勇者は私の使い魔だ、私の心の中にマリアに対する嫉妬があったから実行したのだろう。マリアが私を庇ったと聞いたが筋違いだリリアーヌは別として私は寝ていない。ただ、使い魔だから一緒にいるだけだ。 そして私の醜い心が使い魔に伝わり彼女をボロボロにした。 そして醜い心はボロボロに犯してもセレスへの思いを語る彼女に対して更なる嫉妬を産んだ。結局は総てを壊して殺してしまった。

正直後悔はしている。彼女についてはどうでも良いけどね。
だが、そのせいでセレスは壊れてしまった。優しかった笑顔はもうない。だから、私はセレスを治さないといけない。
考えはある。
だが、その実行には協力者が必要だ。

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