『異世界は貧乳が正義でした』~だから幼馴染の勇者に追放されても問題がない~ざまぁ? しませんよ!マジで!

石のやっさん

文字の大きさ
45 / 85

第45話 マリアンとリラSIDE

しおりを挟む


「リヒト行っちゃったじゃない…」

「そうだね…」

しかし、あれはなんなのよ!

下着姿で居たと言うのに何も反応しないじゃない!

少しは顔を赤くするなり、恥ずかしい顔位しなさいよ。

「しかし、下着姿の私達2人を見て、あの余裕の態度、なんだか腹が立つわね!」

「マリアン、それ仕方ないと思わないの?!」

「何がよ!」

「私もそうだけど? 今迄、自分達がリヒトをどう扱っていたのか考えた方が良いよ…」

確かにそうだわ。

私、リヒトを『男』として扱って来なかったわね。

だってしょうがないじゃない?

あの時は『好きじゃ無かった』んだから。

しかもリヒトは女子力が強すぎなのよ。

料理は美味いし、家事は得意…

ハァ…そりゃそうよね。

下着も洗わせていたし…

トイレも付き合って貰って見張りをして貰っていたし…

更に言うならガイアとイチャついている時に近くに居たし…

今更…よね。

「ハァ~確かにそうよね…元が元だから」

「余程頑張らないと難しいよ…多分女の子として見て貰えてない」

「そうね! リラの言う通りだわ」

「でしょう?」

「まぁ、それは別として、久々のリヒトの料理、堪能しましょう」

「そうね、冷めないうちに食べようか」

「うん」

久々のリヒトの料理…美味しい。

「凄く美味しいね、この料理…」

「うん、リヒトの料理だからね」

まさか、本当に世話してくれるなんて思わなかったわ。

結構、酷い事したし…我儘ばかり言っていたのに…

『幼馴染』だから?

良く考えたら、リヒトにとってあの旅は…何も良い事は無い旅だった筈だわ。

もし魔王を討伐できてもその手柄は四職の物。

しいていえば、ガイアの物だ。

多少のおこぼれはあるかも知れないけど、多分貰える物は少ない筈だわ。

恐らくリヒトは実力的に魔王城まではついて来れない。

下手したら最後まで付き合ってないからと、真面な恩賞も貰えないかも知れない。

そんな何も利益の無い旅にリヒトはついてきてくれた。

実力が劣るから、もし、最初の犠牲者が出るとしたらリヒトの筈だわ。

そんな命がけの旅なのに…

不平不満を言わず、全てを押し付けられてお金すら真面に貰えない、酷い扱いだったのに傍に居てくれたんだよね。

自分だったら…『きっとふざけるな』そう言って飛び出すわね。

どうして付いてきてくれたのかな?

そんな事は解っているわ。

『幼馴染だから』

それ以外ないじゃ無い。

何で気がつかなかったのよ…

『幼馴染が心配だからって危険な場所に無償で付いて来るような人』

それが『優しい人』じゃない訳ないじゃないの?

本当に馬鹿だわ。

そんな事、解っていた筈よ。

ううん、旅に出てから解ったわけじゃ無い。

ずうっと昔。

子供の頃から『解っていた』筈なのよ。

私は、いえ私達は…それに甘えて、色々な事をさせていた。

何も見返り無しに…

「この料理、本当に美味しいわ…うぐっスンスン、ううっ本当に美味しいわ、ううっううっうっグスっ…美味しい」

「グスっううっううっリヒトのだから…ね」

久々に食べた幼馴染の料理は…どんな料理よりも美味しかった。

これは『リヒトが私達に作った料理』だから。






しおりを挟む
感想 129

あなたにおすすめの小説

勇者の隣に住んでいただけの村人の話。

カモミール
ファンタジー
とある村に住んでいた英雄にあこがれて勇者を目指すレオという少年がいた。 だが、勇者に選ばれたのはレオの幼馴染である少女ソフィだった。 その事実にレオは打ちのめされ、自堕落な生活を送ることになる。 だがそんなある日、勇者となったソフィが死んだという知らせが届き…? 才能のない村びとである少年が、幼馴染で、好きな人でもあった勇者の少女を救うために勇気を出す物語。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)

みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。 在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...