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第55話 パーティ解散
しおりを挟む鼻血が止まらない。
「あのさぁ、リヒト僕たちの事は気にしないで良いんだよ…あんまり無理は良くないよ」
「リヒトさん、こんな気持ち悪い行為を男性が喜ぶわけ無いです! 止められた方が良いですよ!」
「リヒト様、ご無理はされて居ませんか? 私凄く心配ですわ」
彼女達は、いつもすまなそうな顔をしながらパフパフをしている。
特に鼻血を出すと更に申し訳なさそうな顔になる。
顔に何となくだが悲しみが見え隠れする気がする。
俺からしたらまさに天国、極楽みたいな時間にしか過ぎない。
だが、彼女達からしたら『自分の一番醜い所を男性に押し付けている』そんな風に思っているみたいだ。
『好きな人には醜い場所や汚い場所は無い、君の全てを俺は愛せる』そう言われている気がしてパフパフが止められないらしい。
『俺がかなり無理している』そう思いながらも、申し訳なさそうな顔をしながら動きを止められず行為が止まらない。
俺が頼んでして貰っている訳だが、顔と両腕をいっぺんにして貰える行為は、最高としか言いようが無い。
だが、それが終わると三人は賢者タイムになる。
「僕は一体何をしているんだろう…幾らリヒトが人が良いからって、あんな醜い物を押し付けるなんて…最低だよ…」
「私はなんでリヒトさんにあんな事が出来るのかな…多分同じ事されたら、耐えられない位酷い事なのに…」
「私は本当に酷い女なのですわ…幾ら愛を感じたいからってあのような事を…業の深い女なのですわ」
行為が終わった後は一気に落ち込むんだよな。
俺からしたら天国気分を味わっただけなのに。
そして…
「リヒト、僕何でもしてあげるからね! 僕に何かして欲しいこと無い?」
「私、リヒトさんがして欲しい事、何でもします!」
「私にして欲しい事があったら言って下さいですわ!」
そして、凄く三人は俺に優しくなる。
それが最近の俺の日常だ。
◆◆◆
この日俺達は、冒険者ギルドに来ていた。
新しく仲間になったロザリアを登録する為だ。
「えーと勇者パーティ『希望の翼』はついさっき正式に解散届けを出されて…はい綺麗さっぱり無くなりました」
えーと勇者パーティって解散出来る物なのか?
「詳しい事情を教えて貰えませんか?」
「ギルドの方でも詳しい事情は解りませんが、何でも勇者様と聖女様達が揉めたそうですよ? その結果、聖女様と賢者様が教会に行き『魔王討伐を正式に拒否』…そして、こうなったそうです。それ以上は解りませんが…普通に考えて大変な事だと思いますよ」
「教えてくれてありがとう! それで俺はどうすれば良い?」
「そうですね、リヒト様の場合は、勇者パーティから抜けて、新しいパーティのリーダー扱いになっています。特に何かする必要は無いですね。しいて言うなら『パーティ』の名前を決める位ですね」
「そうですか…」
名前か、どうしようか…
「それなら、簡単『希望の翼』で頼もうよ」
「おい、エルザ幾らなんでも問題あるだろう?」
「なんでさ?! 僕もリヒトも正式メンバーだったし、過去に無くなったパーティの名前を使ったパーティもあるよ?そうだよね?」
「確かに、こう言うのは早い者勝ちですし、縁もゆかりもなければ問題ですがメンバーのうち過半数の3名が在籍していたのですから、問題はありません! それじゃ登録しておきますね」
そうか…アイカも一応メンバーだったな。
「それじゃ、それでお願いします。あとこのロザリアを冒険者登録して新メンバーとして加えて下さい!」
「解りました、それじゃ手続きをさせて頂きます」
「凄いですわ…私があの希望の翼の冒険者メンバーなんて驚きですわ」
「まぁ名前だけしか残ってないけどな」
「そうでもありませんよ! エルザ様とリヒト様には王や貴族階級への予約無しの謁見行為が許されますし、リヒト様には初代オークマン様と同じ複数婚の権利があります。資金的援助は全くありませんが、他にも細々した権利は残っていますね。『在籍したため得られる』その権利は残ります」
「結構な権利が残るんだな」
「そうですね…はい登録も終わりました。ロザリア様もFランクからですが頑張って下さいね」
これで手続きは終わりだな。
◆◆◆
折角だから、簡単な依頼でも受けていくか?
少し位、練習を兼ねて依頼を受けても良いだろう。
アイカとロザリアの練習になりそうな依頼は…これだ。
「すいません、この依頼を受けさせて貰って良いですか?」
「これ…ですか? S級なのに?」
「はいお願いします」
俺達は冒険者ギルドを後にした。
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