『異世界は貧乳が正義でした』~だから幼馴染の勇者に追放されても問題がない~ざまぁ? しませんよ!マジで!

石のやっさん

文字の大きさ
56 / 85

第56話 死ぬかと思った。

しおりを挟む


「しかし、リヒトも過保護だよね! しっかりと装備を揃えて、ウサギ狩り? 普通はゴブリンかスライムじゃない?」

「ゴブリンじゃ万が一があったら怖いだろう?この位で充分だよ!」

「そうかな! ちゃんとした装備揃えて、まさかのウサギ…流石はリヒトだよ!」

「別に、捕まえる必要も無いよ?訓練を兼ねて追いかけまわす、そんな感じだ! 俺とエルザは最低限は捕まえるけどな」

「僕、剣聖だよ! 幾らでも捕まえられるよ」

「リヒトさん、ウサギを捕まえれば良いんですか?」

「ウサギを捕まえるのですの?」

「そうだよ! まぁ遊び感覚で楽しんで」

「あはははっ、何を言っているのかな?リヒトは、ウサギなんて楽勝でしょう?」

「俺達はな!」

それはエルザには『剣聖』というジョブの恩恵があるからだ。

一般人には結構難しい。

まして二人は化け乳の影響で『ジョブ』も『スキル』も無い。

結構難しい筈だ。

「まぁ、初めて、なんだからこれ位の依頼で充分だよ…それじゃ頑張って!悪いけどエルザ、二人を見ていてくれ」

「リヒトは何処に行くのかな?」

「ちょっと用足し…」

「あははっ、それじゃしょうがないね、うんウサギ狩りのコツは教えておくから、ごゆっくり」

「ああっ」


◆◆◆

さっきから、こちらをつけて来ている存在が居る。

多分、もう少ししたらエルザも気がつくだろう。

その前に叩くしかない。

どうやら俺に用がありそうだ。

俺の方に来なかったらどうしようか?

そう思ったが、どうやら杞憂だったようだ。

「さっきから、俺達をつけてきて!何の用かな」

「ほぉ~気がつくとは中々ですね! 流石は勇者パーティの『英雄』です。此処で死んでもらいます!」

銀仮面に黒ずくめのマントに赤い髪…恐らくは魔族。

それも中々の手練れだ。

「俺はそう簡単には死なないし、殺されるつもりも無い」

俺は剣を抜き、一気に距離を詰めた。

そいつは一瞬で距離をとると俺に話かけてきた。

「素質はありますね!だが、まだまだ未熟…育つ前に来て良かった…今なら楽に殺せる」

動きが全く見えない。

恐ろしく此奴は強い。

「そう簡単に俺は…えっ!」

嘘だろう…俺は何も出来なかった。

「弱いですね! ほら、もう貴方は戦えない…」

静かにこちらを見ている、そいつの手には俺の腕が剣ごと握られていた。

嘘だろう…俺の右手が無い!

こんな一瞬で千切られた…痛い、痛くて死にそうだ。

「うわぁぁぁぁぁー――っ俺の腕がぁぁぁぁー-」

切断された切断面からは血が溢れだしている。

勝負はついてしまった。

此処からの反撃は無理だ…

恐らくこの強さは幹部クラス、こんな序盤の街に居るような存在じゃない。

下手したら四天王クラスかも知れない。

こんな奴、勇者パーティ揃い踏みでも敵わない。

『痛覚軽減』

俺はスキルを使い痛みを軽減させた。

「ハァハァ、お前の様な存在が何故こんな所に居る!」

「私は地位を失った存在です…そして、お前達勇者パーティを心から憎む者…勇者パーティは全員殺すと決めました」

「そうか…俺は抵抗しない…今日来たメンバーには勇者パーティは『俺しかいない』俺を殺したら、残りは見逃してくれないか?」

「それは嘘ですね…少なくとも『麗しの剣聖』が居ました、最低限彼奴は殺します…」

それじゃ、やるだけやるしかない。

せめて負傷位は負わさせてやる…頼むからエルザ、二人を連れて逃げてくれよ。

「そうか?それじゃ行くしかないな…空歩」

空を飛ぶ魔法やスキルは無い。

だが、この空歩は僅かな間だが『空を歩ける』

虚を突くならこの技しかない。

そして一撃に賭ける。

頭上からの攻撃…これなら一太刀浴びせられる筈だ。

「なかなかですね。ですがまだまだ、未熟…それじゃ死んでください…」

駄目か…相手には黒い羽が生えていた。

そうか、翼を隠していたのか…魔族によっては空を飛べる種族も居る。

馬鹿な事をしたもんだ。

空は多分此奴の領域だ…俺はまた斬りつけられ今度は左足が斬り落とされ下へと落ちていった。

嘘だろう…エルザが二人を連れてこっちに向かってくる。

「エルザー――っ!二人を連れて早く、逃げろーーーっ」

「僕が、逃げるわけないだろう! 僕は親友で恋人なんだから! よくも僕のリヒトをこんな目に…残酷に殺してやるー-っ」

「駄目だ逃げろ」

俺は魔族に抱き着いた。

見苦しくても良い…少しで良いから時間を稼がないとな。

「ハァハァ…逃げろ…」

「私は、お前みたいなイケメンが大嫌いだぁぁぁー-死ね」

「リヒトさん、嘘いやぁぁぁぁぁぁー――っ」

「リヒト様ぁぁぁぁー-死なないで」

「リヒト…嘘だよ、嘘だよぉぉぉー-」


なんで泣くんだよ…俺の首が宙に舞っているからか。

そうか…俺は死ぬのか…よ。

◆◆◆

暗闇から声だけが聞こえる…

「リヒトの仇だ、絶対にお前は僕が殺す」

駄目だ、エルザ…逃げろ…

俺はもう終わりだ…皆だけでも生きてくれ…

「リヒトさん、嫌だよ嫌ぁぁぁぁっ、死なないで下さい!お願いですから」

「嫌ですわー―――っ、どうして! どうしてですの!リヒト様が死ななくてはならないのー-っ」

頼むから逃げてくれよ。

頼むよ…

「確かに才能はありますね、だが相手が悪かった! 私にはそのスピードじゃ止まって見えます…お前も死になさい…勇者パーティは全部殺すと決めています…なに…その胸は…」

「僕の化け乳がどうかしたのー-っ! だが、そんなの関係ない、お前は死ねー――っ」

「あれっ…そこの二人も良く見ると化け乳…ですね」

「殺すなら殺せば良いですよ…もう生きていくのが嫌になったから…今迄地獄みたいな生活を送ってきたの…やっと幸せが掴めたと思ったのに…リヒトさん、仇も討てないけど…ヒクグスッ、せめて死んでも傍にいますよ…」

「リヒト様、こんな化け乳女を愛してくれて嬉しかったですわ…仇は討てませんが…私もすぐ傍に参りますわ…寂しい思いはさせませんわ…ですが貴方は許せませんわ…仇は討てませんがせめて一太刀浴びせてあげますわ」



「ちょっと待って、あんたらにとっても良い話しじゃないのか? どうせ醜い胸を盾に良い様にこき使われてたんじゃないですか?」

「リヒトはそんな事はしないよ! こんな醜い僕の胸でも嬉しそうに揉むんだよ」

「剣聖エルザ…お前もなかなか醜い胸をしていますが…そうなのですか?」

「そうだよ! こんな胸の僕を唯一愛してくれたんだよ…それをお前は、お前は…」

「まぁ良い…話はあとで聞きます…そらっ」

「うぐッ…ごめんリヒト…僕、仇も討てなかったよ…死んでも傍に居るからね」

「エルザさん!よくも、よくもリヒトさんを…こんな私みたいな化け乳を唯一愛してくれた人なのに…なんでこんな事をするの…殺して、殺してよー――早く殺してぇぇぇぇっ!」

「その男は、お前の様な化け乳女でも愛していた、そう言う事なのですか?」

「そうですよ…楽しそうに揉んでくれて、最近はパフパフ迄させてくれたのに…」

「お前も、なのか?」

「そうですわ、リヒト様は私の様な化け乳でも愛してくれたのですわ…もういいですわ…さぁ一思いに、さぁ殺して下さいですわ」

「英雄リヒトは、化け乳に優しかったのですね…なら別です…ほら」

「何をかけていますの?」

「何をかけているの…」

「化け乳に優しいなら命を助けてやろう…そう思って、昔奪ったエルクサールをかけてやった…これで『英雄リヒト』は助かるよ」

「「リヒトさん(様)が」」

「ああっこれで大丈夫なはずだ! そこの剣聖エルザももう起きているのでしょう? これで英雄リヒトは助かる…少し話をしませんか?」

「リヒトを助けてくれたなら話位してもいいけど?」

「そう、それじゃ、もう皆さんを殺したりしないから話しましょうか!」

「ぷはぁ、ハァハァ死ぬかと思った…あれ、何で俺は生きているんだ」

俺は間違いなく死んだ筈なのに…
しおりを挟む
感想 129

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

俺が死んでから始まる物語

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。 だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。 余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。 そこからこの話は始まる。 セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕

僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた

黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。 その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。 曖昧なのには理由があった。 『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。 どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。 ※小説家になろうにも随時転載中。 レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。 それでも皆はレンが勇者だと思っていた。 突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。 はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。 ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。 ※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

幼馴染の勇者が一般人の僕をパーティーに入れようとするんですが

空色蜻蛉
ファンタジー
羊飼いの少年リヒトは、ある事件で勇者になってしまった幼馴染みに巻き込まれ、世界を救う旅へ……ではなく世界一周観光旅行に出発する。 「君達、僕は一般人だって何度言ったら分かるんだ?!  人間外の戦闘に巻き込まないでくれ。  魔王討伐の旅じゃなくて観光旅行なら別に良いけど……え? じゃあ観光旅行で良いって本気?」 どこまでもリヒト優先の幼馴染みと共に、人助けそっちのけで愉快な珍道中が始まる。一行のマスコット家畜メリーさんは巨大化するし、リヒト自身も秘密を抱えているがそれはそれとして。 人生は楽しまないと勿体ない!! ◇空色蜻蛉の作品一覧はhttps://kakuyomu.jp/users/25tonbo/news/1177354054882823862をご覧ください。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます

なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。 だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。 ……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。 これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

処理中です...