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【SIDEストーリー】 ケインバブル
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「平和ですね~」
「平和ね」
「暇ですね~」
「暇ね」
「この冒険者ギルドどうなっちゃうんでしょうか?」
「さぁ、これからは、凄く暇になるのは確かね...恐らく上級冒険者も少なくなるわ」
ケインが竜王と話しを付けた為に王国周辺には竜種は居なくなった。
今ではワイバーンすらも居ないので、この辺りで一番怖い獲物はオーガになる。
そのオーガもだが、此処に武神マルス様が度々来るせいか、その気配を感じていたのか居なくなった。
元々は戦う事が好きな種族だけに絶対強者の気でも感じたのかも知れない、あるいは英雄王ケインがワイバーンを殺す様な景色を見て恐れをなして逃げたのかも知れない。
オークやゴブリンも恐れをなしてか居なくなった。
まぁ魔物にしても、竜が悲鳴を上げて殺されるような光景やワイバーンが殺される風景を見たら逃げるに決まっている。
これらは全て憶測だが、この辺りには殆ど魔物が居なくなった。
被害でいうなら、今や熊や大型の蜂等、野生動物や虫の被害の方が多い位だ。
「これ依頼受けたいんだけど」
「猪の駆除ですね、頑張って下さいね!」
「はい」
「これ受けます」
「スズメ蜂の巣の撤去ですね、頑張って下さい」
「はい」
「あーあ、本当に平和で暇ね」
「その代わり、収入は減ったけどね」
「もう充分稼いだし欲しい物は手に入ったから良いわ」
「確かにね、元に戻っただけだわ」
「ケイン様達、自由の翼が居た頃が懐かしいわ」
「私は先日採用されたばかりだから解りませんが、金貨の臨時報酬がしょっちゅうあったと聞きました」
「本当に凄かったわ、王都のアパートメントがねギルドで働いていると現金で買えちゃうのよ? 中にはエルフの奴隷迄買った人も居たわ」
「マジですか~ それ完全に勝ち組じゃないですか? 羨ましいな、私なんて寮生活ですよ」
「その代わり、家に帰れない位忙しかったけどね」
「先輩、それは我儘ですよ、金貨を沢山貰えるなら当たり前じゃないですか? 金貨1枚あれば高級娼婦が1日買えるんですよ、まっとうな仕事で娼婦以上に稼げていた、そんな幸せまずないです」
「あの頃は狂っていたのよね」
「そうですよ、私の給料は月金貨2枚と銀貨3枚(約23万円) 金貨2枚なんて臨時報酬くれるなら靴だってぺろぺろします」
「あはははっ冗談」
「冗談でありませんよ! 金貨2枚貰える仕事なんてどの位の倍率だと思うんですか? 50倍でしたよ? 先輩達は《忙しくて死にそうだった》とか《地獄だった》なんていうけど私達新しい者には《自慢》と《天国》にしか思えません、もう少し謙虚になった方が良いですよ」
ベテラン受付嬢は自分を見た。
自由の翼が居た時に買ったから、貴金属も身に着け、服も高級品だ。
それに比べて新人達は貴金属も身に着けて無く、服も質素だ。
「そうね、あの頃は天国だった、貴方の言う通りだわ」
自由の翼が居た頃が懐かしい、王国は平和になったけど、冒険者ギルドは本当に暇になった。
もう金貨を簡単にチップにくれるような人や高級品のミノタウルスのステーキをくれるような人は居ないだろう。
あの時は忙しくて暇が欲しかった。
お金よりも時間が欲しかった。
「美少女(美少年)の誘惑よりも布団の誘惑の方がはるかに凄い」なんて笑いながら話していた。
本当に狂っていたとしか思えない。
私は気がついて留まったけど《この生活が続く》と思い、博打や異性に走り、身を崩した人間も多い。
本当に可笑しかったんだわ、まるで一瞬で消える泡の様な物だったのに。
普通に考えれば、そのうち終わる解り切った事だ。
「過去を気にしても仕方ないわ、今日も暇だけど頑張りますか」
「そうですよ、頑張りましょう」
今日も暇なギルドで私は頑張っている。
後に泡のように消えてしまったこの景気を《ケインバブル》と呼ぶようになり、王国の歴史書に正式に《ケインバブル時代》と記載された。
「平和ね」
「暇ですね~」
「暇ね」
「この冒険者ギルドどうなっちゃうんでしょうか?」
「さぁ、これからは、凄く暇になるのは確かね...恐らく上級冒険者も少なくなるわ」
ケインが竜王と話しを付けた為に王国周辺には竜種は居なくなった。
今ではワイバーンすらも居ないので、この辺りで一番怖い獲物はオーガになる。
そのオーガもだが、此処に武神マルス様が度々来るせいか、その気配を感じていたのか居なくなった。
元々は戦う事が好きな種族だけに絶対強者の気でも感じたのかも知れない、あるいは英雄王ケインがワイバーンを殺す様な景色を見て恐れをなして逃げたのかも知れない。
オークやゴブリンも恐れをなしてか居なくなった。
まぁ魔物にしても、竜が悲鳴を上げて殺されるような光景やワイバーンが殺される風景を見たら逃げるに決まっている。
これらは全て憶測だが、この辺りには殆ど魔物が居なくなった。
被害でいうなら、今や熊や大型の蜂等、野生動物や虫の被害の方が多い位だ。
「これ依頼受けたいんだけど」
「猪の駆除ですね、頑張って下さいね!」
「はい」
「これ受けます」
「スズメ蜂の巣の撤去ですね、頑張って下さい」
「はい」
「あーあ、本当に平和で暇ね」
「その代わり、収入は減ったけどね」
「もう充分稼いだし欲しい物は手に入ったから良いわ」
「確かにね、元に戻っただけだわ」
「ケイン様達、自由の翼が居た頃が懐かしいわ」
「私は先日採用されたばかりだから解りませんが、金貨の臨時報酬がしょっちゅうあったと聞きました」
「本当に凄かったわ、王都のアパートメントがねギルドで働いていると現金で買えちゃうのよ? 中にはエルフの奴隷迄買った人も居たわ」
「マジですか~ それ完全に勝ち組じゃないですか? 羨ましいな、私なんて寮生活ですよ」
「その代わり、家に帰れない位忙しかったけどね」
「先輩、それは我儘ですよ、金貨を沢山貰えるなら当たり前じゃないですか? 金貨1枚あれば高級娼婦が1日買えるんですよ、まっとうな仕事で娼婦以上に稼げていた、そんな幸せまずないです」
「あの頃は狂っていたのよね」
「そうですよ、私の給料は月金貨2枚と銀貨3枚(約23万円) 金貨2枚なんて臨時報酬くれるなら靴だってぺろぺろします」
「あはははっ冗談」
「冗談でありませんよ! 金貨2枚貰える仕事なんてどの位の倍率だと思うんですか? 50倍でしたよ? 先輩達は《忙しくて死にそうだった》とか《地獄だった》なんていうけど私達新しい者には《自慢》と《天国》にしか思えません、もう少し謙虚になった方が良いですよ」
ベテラン受付嬢は自分を見た。
自由の翼が居た時に買ったから、貴金属も身に着け、服も高級品だ。
それに比べて新人達は貴金属も身に着けて無く、服も質素だ。
「そうね、あの頃は天国だった、貴方の言う通りだわ」
自由の翼が居た頃が懐かしい、王国は平和になったけど、冒険者ギルドは本当に暇になった。
もう金貨を簡単にチップにくれるような人や高級品のミノタウルスのステーキをくれるような人は居ないだろう。
あの時は忙しくて暇が欲しかった。
お金よりも時間が欲しかった。
「美少女(美少年)の誘惑よりも布団の誘惑の方がはるかに凄い」なんて笑いながら話していた。
本当に狂っていたとしか思えない。
私は気がついて留まったけど《この生活が続く》と思い、博打や異性に走り、身を崩した人間も多い。
本当に可笑しかったんだわ、まるで一瞬で消える泡の様な物だったのに。
普通に考えれば、そのうち終わる解り切った事だ。
「過去を気にしても仕方ないわ、今日も暇だけど頑張りますか」
「そうですよ、頑張りましょう」
今日も暇なギルドで私は頑張っている。
後に泡のように消えてしまったこの景気を《ケインバブル》と呼ぶようになり、王国の歴史書に正式に《ケインバブル時代》と記載された。
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