奴隷譲渡!? 勇者パーティを追放される俺は文句を言わない代わりに、勇者が父親の遺産で貰った女奴隷を貰う事にしました。

石のやっさん

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第32話 宴会② 滅びと竜

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エルダさんがハーデルと話している。

今がチャンスかも知れない。

多分、この場で一番エルダさんの事を知っていそうなのは、恐らくルーちゃん事、魔王ルシファードだ。

聞いて見るか?

「あの……えーと」

「リヒトくん? どうかしたのか?」

何から聞こうか?

「ちょっとエルダさんに聞きにくい事がありまして、もし宜しければ教えて貰えませんか?」

「少し位なら構わないが、本来そう言う事は当人から聞いた方が良いんだぞ! まぁ良い! 言ってみるが良い!」

「あの、エルダさんは奴隷を長年していたのですが……こんな凄い人脈があって当人も実力があるのに、なんで奴隷なんてしていたのでしょうか?」

「それはだな……多分エルダお姉さんなりの懺悔なのかも知れないな……」

懺悔?

一体どう言う事なんだろうか?

「後悔ですか?」

「ああっ! エルダお姉さん絡みで人間の国は随分と滅んでいるからな、エルダお姉さんは逆らわない事で償いをしているのかも知れないな......」

「どう言う事ですか?」

「そうだな、エルダお姉さんが古代エルフなのは知っているだろう?」

「ええっ、確かハーフだとは聞きましたが」

「ハーフであっても人族にとっては価値がある事には変わりない。今は崩れてしまったが、昔は比類なき美少女で人間の誰もが取りあった。その結果、戦争になり滅んだ国や何者かに滅ぼされた国が沢山出来た。本当はエルダ姉さんは悪くも無いがその事に気を病んで殆ど無抵抗で生きていたみたいだ」

無抵抗なのはなんとなくエルダさんの性格で解るが......

国の戦争? 『何者かに滅ぼされた?』そっちの意味が解らない。

「戦争? 何者かに滅ぼされた……」

「普通に考えてみろ。自分の家族の様に思っている存在が酷い目にあっていたら、助けたいとかその相手に報復したい……そうは思わないか?」

「確かに思いますね」

「そうだろう? まぁ普通はなかなか国ごととかは考えぬが、エルダ姉さんの場合は……知り合いが凄すぎるからな」

魔王ルシファードが凄いという人物、どんな人物なんだ。

「もしかして、もう亡くなられた大魔王バルダ―様が動いたのですか?」

「はははっ、流石の父上でもそう簡単に国は亡ぼせ……いや確か1国位は滅ぼしたか……その辺りは子供の時の事ゆえ覚えていないが、良くエルダ姉さんが話す、ビクトリア王国ってあるだろう?」

「その……性的な技術が凄い国でしたね」

「その国はエルダ姉さんを手に入れ、奴隷として王族が囲っていた為に、滅ぼされた……」

滅ぼされた……一体誰に……

「一体誰が国を滅ぼしたんですが、今迄の話では魔族ではないのですよね?」

「まぁな、実際に我が父バルダ―は動こうとしていたが、その前に何者かが動き滅ぼしてしまったそうだ……」

「詳しくは解らないのですか?」

「ああっ、子供の時に父から聞いた話だからな……だがあくまで父から聞いた話だが、本物の竜が動いたのではないか? そう聞いた。 尤も父にしても、その現場を見たのではなく、その惨劇の現状からの判断だ」

「本物の竜ですか……聞いた事がありません」

「これも憶測だが、エルダ姉さんは良く今の竜をトカゲと呼ぶだろう? エルダ姉さんは今の『竜王』ですら、トカゲの王様と呼ぶんだぞ! 知っていたか?」

「確かに良く竜をトカゲと呼んでいますが……」

「エルダ姉さんは基本的に人を貶めたりしない。 それなのに態々竜に向かってトカゲと呼ぶ。そしてあの気位の高い竜が、それに抗議しない。そこから考えるに、今の竜と違いエルダ姉さんは『本物の竜』と呼ぶべき存在を知っているんじゃないか? そう思う事がある……」

「そんな存在がいるのですか?」

「それは解らない……だが、ビクトリア王国を滅ぼした存在は今の竜より遥かに大きく比べ物にならない生物だと父から聞いた。その存在こそが『本物の竜』なのかも知れないな」

「凄い話ですね……それは置いておいて、エルダさんは竜王も知り合いなんですか?」

『本物の竜』の話は別にしてもエルダさんは『竜王』をトカゲの王様と呼ぶ事が出来るのか……それだけでも凄い。

「ああっ、良くは知らんが、随分昔からの知り合いだと聞いた事があるぞ。まぁ飛んでも無い人脈があるのは間違いない。当人に聞くのが難しいなら、ハーデルあたりに聞いてみると良い! それじゃ、ちょっと我もあっちに行って話の輪に加わるから、リヒトくんも行くか?」

「はい」

エルダさんって俺が知っている以上に凄いんだな。


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