奴隷譲渡!? 勇者パーティを追放される俺は文句を言わない代わりに、勇者が父親の遺産で貰った女奴隷を貰う事にしました。

石のやっさん

文字の大きさ
41 / 49

第41話 マリアンヌVSオルト 狂信者

しおりを挟む
「そこに居るのは聖女マリアンヌ様ではないですか?」

「あら、貴方はどなたかしら? 面識が……えっ!?」

おかしい……目がおかしくなったのかしら。

そうでなければ幻想でも見ているの……

目の前に居るのは『銀嶺の勇者 セレスタン様』にしか見えませんわ。

「僕の顔がどうかしたのかい?」

「え~とですね、私、もしかして死んじゃったのですか?」

こんな田舎街の真ん中で、伝説の勇者が居る訳はないわ。

しかも、数百年前の勇者で、歴代の勇者の中でも尤も美しいと言われた方。

流れるように風になびくシルバーブロンドが綺麗です。

「おかしな事いいますね! マリアンヌ様……死んでなど居ませんよ? どうかされたのですか?」

私、疲労からおかしくなったのかしら……

居るはずの無いセレスタン様が話しかけてくるなんて……

あり得ないわ。

ああっ、なんて神々しいのかしら、この方に比べたらライトなんて勇者に見えないわ。

勇者の中の勇者……そう呼ばれていたのだから当たり前だわ。

気のせいか、後ろに綺麗なバラやユリの花が見えてきます。

「ですが、セレスタン様がこの世に居る訳ありません……」

「あっ、僕のこの容姿のことかい? 僕はセレスタンの子孫なんだ。確かにご先祖様によく似ていると言われているけどね? 僕の名前はルディ、冒険者をしているんだ」

そういう事なのね。

でも、ルディなんて……

「クスッ、でもルディなんてご両親はロマンチストなのですね」

「はははっ、そうですね! 流石にご先祖様のセレスタンの名はつけるのに躊躇ったみたいで、物語からつけたようです」

「それでルディ、私になんのようなの? 声を掛けてきたからには何かようがあるのよね?」

「憧れのマリアンヌ様が目の前に居れば声位掛けますよ? それになんだか困ってそうでしたので……その言ってはなんですか随分窶れているようだったので……」

「そうね……確かに困っているし、窶れてもいるわね……」

「お困りなら、お話位聞きますよ」

「そうね、話しを聞いて……」


『惑わされてはいけません、マリアンヌ』

この声は、女神様。

女神様からの啓示の声が頭の中に降りてきた。

『その者は人間ではありません! 魔族です! 勇者パーティをバラバラにする為に送り込まれた存在です』

『ですが……あの容姿は伝説の』

『それも只の作り物です。 真の姿は別にあります。貴方なら真の姿を見極める事が出来る筈です……正体を暴き……どうやら時間が来たようです……頼みましたよ……マリアンヌ』

そういう事ね……薄汚い魔族が考えそうな事ですわね。

よりにもよって、私の理想の殿方に化けるなんて。

この聖女マリアンヌが討伐して差し上げますわ。

「そうね、話を聞いてくれるかしら? 場所を移しませんか?」

「そうですね」

私を騙した事後悔して死ぬといいわ。

◆◆◆

マリアンヌに連れられて街からでて草原にきた。

聖女だから手古摺るかと思ったけど、案外チョロいな。

堕天使とはいえ元は天使。

魂魄は『聖』だから当然かもしれないけど……

「良くも騙しましたわね! よりによって私の憧れの殿方、セレスタン様に化けるなんて! 絶対に許せませんわ!」

「あっ?!」

まずい、バレている。

「醜い魔族の癖に、私の純情を弄ぶなんて……殺して差し上げます!」

困った……

小娘1人殺すのは簡単だけど、殺したらアリア様に怒られそうだし……それ以上にエルダお婆さんが怖い。

どうにかしないと……

「待って……」

「待ちませんわ、何時までその姿で居るつもりですの! 良いですわ! 私が元の醜い姿に戻して差し上げます! 聖なる光よ……かの者を真実の姿に戻したまえ! トゥルース!」

まずい……女神が手を貸したのか。

人間の魔法如きでとけないメタモルフォーゼが解けていく。

「こうなっては仕方が無い! 聖女、マリアンヌ、お前……どうした? おい!」

「……」

此奴、なんで固まっているんだ。

「……天使様……」

え~と、なに?

目が狂人みたいで怖いんだけど?

「え~となにかな? 私は……」

「天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様、天使様ぁぁぁーー」

いきなり抱きつかんばかりに詰め寄られた。

「そのお姿、天使様ですよね? なんでマリアンヌに理想の男性のお姿で現れたのですか? 教えて頂けますか?」

「その……お前を誘惑しようと……」

「まぁ、そうなんですの? それなら簡単ですわ」

いきなりマリアンヌは服をポイポイと脱ぎだした。

確かに、此処は街道から離れた草原だから人は滅多に来ないけど、外だよ……良いのかそれで……

その前に私は、天使というのは間違いじゃ無いけどさぁ……堕天使なんだけど?

とうとう、最後の一枚パンティにまで手をかけてあられの無い姿になっている。

「え~と……本当によいのか? 私は……」

「構いませんわ! マリアンヌの髪の毛の先からつま先まで全部、天使様の物ですわ……OKですわ! さぁ抱いて下さいまし~」

この目は……狂信者の目だ。

この目をした奴は、拷問しようが殺そうが喜んで迎え入れる。

女神なら兎も角……なんで私なわけ?

まぁ、良い。

完全に失敗したと思ったけど、これなら何とか任務は全うできそうだ。

「まぁ、マリアンヌがそれで良いなら問題は無いけど! まずは綺麗にしような……クリーン」

流石に幾らなんでもこの状態で抱きたくはない。

天使の姿なら問題ない。

人間が使えない、綺麗に体をする魔法『クリーン』を使った。

神と言う者は身だしなみに煩い。

だから、天使はこの魔法をよく使う。

汚らしかったマリアンヌが光に包まれ綺麗な姿になっていく。

「まぁ、やはり天使様って凄いですわね! 一瞬でこんな綺麗になるなんて……折角天使様のお相手をするのに、あの姿なのは恥ずかしかっのですが……これなら幾らでもお相手できますね」

なんだか別人のようだ。

まぁ、本当に都合が良い……

「それでマリアンヌはどっちの私に相手して貰いたい? さっきまでの男の姿が良いのか? それとも今の姿が良いのか? 今の姿の場合は、この状態で生やした状態になるんだけど?」

「天使様の姿も捨てがたいですか、 その、初めてなので男性の方が……嬉しいですわ」

「そう……それじゃメタモルフォーゼ! これで良いのか?」

私は銀嶺勇者の姿に変わった。

「はい……それじゃ……ご奉仕させて頂きます……天使様……あむっ」

此奴、こう言う経験は無い筈だよな?

それがいきなり口に含むか……

催淫剤も使ってないのに……

「マリアンヌ?!」

「天使様、任せて下さい……あむっ、私経験ないですが頑張りますから……」

その後、マリアンヌはさんざん『奉仕』という名のもとにありとあらゆる事をし、最後には私に自ら跨り、快楽を貪っていた。

これじゃ聖女じゃなく性女だな。

◆◆◆

良く、人が通らなかったな……

まぁ、見られて困ることは私には無いけど。

「ハァハァ、天使様……満足して頂けましたか?」

外だと言うのにそんな事を気にしないでマリアンヌは俺の横で今も裸で横たわっている。


「ああっ、それより……良かったの? 僕は確かに天使だったけど、今は堕天使だよ」

「ええっ、構いませんわ、天使様にはかわりませんから」

女神への信仰とか普通はあるだろ……

「本当に? 僕をとると言う事は魔王討伐を辞めて、聖なる武器を捨てると言う事なんだけど……本当に良いの?」

「はい、天使様が言うならその様にしますわ。 それさえ守れば……その天使様のご寵愛を生涯頂けるのですよね?」

「はははっ、まぁね。そうだ名前を名乗ってなかったね。僕の名前は『オルト』だ! 」

理由は解らないけど……まぁ良いや。

人間の寿命は短い。

聖女が堕落して仲間になるなら、数十年位まぁ良いか。

◆◆◆

うふふふ、たまりませんわ。

まさか、堕天したとはいえ天使様に愛されるなんて、もう最高ですわ。

『聖なるものは美しい』

聖女のジョブを授かったときから、私にはそう見えてきました。

銀嶺の勇者セレスタン様の姿も美しかったし、オルト様のお姿は凛々しいを超えています。

美しいお姉さまも銀嶺の勇者様の美しい殿方に愛されるなんて、本当にたまりませんわ。

これ程美しい存在が私を寵愛して下さるなら……女神も信仰も全部捨てて構いませんわ。

これからの、めくるめく日常こそが私の理想の世界なのですから。



しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

国外追放だ!と言われたので従ってみた

れぷ
ファンタジー
 良いの?君達死ぬよ?

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

A級パーティから追放された俺はギルド職員になって安定した生活を手に入れる

国光
ファンタジー
A級パーティの裏方として全てを支えてきたリオン・アルディス。しかし、リーダーで幼馴染のカイルに「お荷物」として追放されてしまう。失意の中で再会したギルド受付嬢・エリナ・ランフォードに導かれ、リオンはギルド職員として新たな道を歩み始める。 持ち前の数字感覚と管理能力で次々と問題を解決し、ギルド内で頭角を現していくリオン。一方、彼を失った元パーティは内部崩壊の道を辿っていく――。 これは、支えることに誇りを持った男が、自らの価値を証明し、安定した未来を掴み取る物語。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~

いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。 他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。 「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。 しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。 1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化! 自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働! 「転移者が世界を良くする?」 「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」 追放された少年の第2の人生が、始まる――! ※本作品は他サイト様でも掲載中です。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

処理中です...