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第6話 かき混ぜる
しおりを挟むくっくっくっ、たまんねーな。
省吾は沢山の虐めの証拠を握っていた。
この証拠がある限り警察沙汰には簡単には出来ねー。
俺を警察に売れば、自分達の子供がした事も表に出て人生が終わる。
そこまでいかなくても進学は難しくなる。
この状況であれば、何をしても問題にならない。
守るべき物がある奴程大変だな……守る物が何も無ぇ俺は楽で良いぜ。
◆◆◆
薬局とホームセンターに寄ってから、家に戻ってきた。
女物の靴がある。
これは洋子の物じゃない。
多分、祥子がうちにきている。
そういう事か?
省吾と祥子は幼馴染……当然洋子とも幼馴染だ。
二人は省吾の話では凄く仲良かったと言う話だ。
きっと、どちらからか相談してこうして会っているのだろうな。
それなら、先にこっちを潰しておくか?
俺は静かに扉を閉め、家を後にした。
◆◆◆
俺は、三上家に向かった。
祥子が居ないなら都合が良い。
ベルを鳴らすと、すぐに三上祥子の母親、裕子が出て来た。
「あれっ省吾くん、久しぶりね!? 祥子ならまだ帰って来てないけど……あらあら、その顔どうしたの? 」
「実はその事で重要な相談がありまして、スイマセン近くの喫茶店でお話しできませんか?」
出来るだけ、神妙な顔つきで話す。
態度一つ表情一つで相手に深刻そうに思わせる。
人を騙すのに必要なテクニックだ。
「重要な事なのね……」
「はい、祥子の事です」
「解ったわ、それじゃそこの喫茶店スプーンでおばさん話を聞くわね」
俺の家から祥子の家は近い。
万が一祥子が帰ってきても問題が無いように場所を変える必要がある。
◆◆◆
喫茶店スプーンにて。
「それで省吾くん、一体どうしたと言うの? 深刻な顔をして、なんの相談?」
しかし凄く色っぽいなぁ~
若くして結婚して子供を産んだからか充分いけるなぁ。
胸は小せーけど。
まぁ、今は関係ねー。
「いや、祥子の事だけど……今、弘毅と付き合っているだろう? あの人、本当にヤバい奴だからおばさんにも教えてやろうと思って……あと、このままじゃ祥子妊娠して不味い事になるかもよ......」
俺は省吾の持っていた証拠を見せながら、詳しく都合の良い話をした。
「これ……全部本当の事なの?」
「ええっ、まぁ……」
半グレとつき合いがありどう考えても悪人の男と自分の娘がつき合っていて肉体関係にある。
さぞかしショックだろうな……
「解ったわ、詳しく聞いてみるわ、でも祥子も大人だからそういう事も仕方ないわ……」
「おばさん、問題はそこじゃない……弘毅が本当に危ない人間で祥子も今は危ない人間になりつつあるんだ! 恋愛じゃない犯罪者になるかも知れない。 それが問題なんだ」
「どう言う事なの?」
俺はボイスレコーダーをまわした。
『お前が俺に逆らうなら祥子を攫って犯すかんな~抵抗すんじゃねーよ、オラよーーっ』
「弘毅は噂だけじゃなく本当に半グレと付き合いがあるんです。そしてその親父の経営する山上建設はヤクザと付き合いがある。 余りに酷い態度に俺が注意したら、この脅し方だ。 酷いもんでしょう? 実際に、今迄に何人もの女の子が攫われて輪姦された話を聞いています。 だから、今迄は俺は祥子を守る為に、手を出さずに一方的に暴力を受けていました。今の顔の傷も弘毅の繋がりのある半グレ達に囲まれて受けたものです」
急に裕子の顔が真っ青に変わった。
祥子も高校生だ。 男女付き合い位は理解がある親なら許すだろう。
だが、相手が『悪い奴』なら話は違ってくる。
多少のヤンチャなら兎も角、此処までの相手とは流石に思わなかっただろうな。
俺のふかしだが。
馬鹿は楽で良い......自分を大きく見せる為に嘘をつきまくる。
俺はそれがさも本当の事の様に思わせれば良い。
自分が言っているんだ......これ程楽なことは無い。
「それで省吾くんはこれからどうするの? これからも祥子を助けてくれるんでしょう?」
馬鹿か?
俺はもう敵だ。
「おばさんもう、俺は貴方の娘さんとは縁をきりますので貴方達とも金輪際縁関わることはありません、今まで良くしてくれてありがとう御座いました」
これで良い。
本当は縁を切らない。
今度はこっちが搾り取る番だからな。
「どうして、こんな状態の祥子を助けてくれないの? 幼馴染でしょう?」
「今迄、助けてきたんですよ……『祥子を犯すぞ』『輪姦されたくないなら逆らうな』ってね、だから手を出さずに我慢してきた。だけど、肝心の祥子が弘毅とつき合い恋人になり、俺の虐めに加担してくる。流石の俺ももう助ける気にならない……」
「だけど、祥子は女の子なのよ! 虐めに加担したからって大した事してないでしょう」
俺は黙ってシャツを捲った。
「これは……」
俺の体は傷だらけだ。
ヤクザに半グレ、刀を使う奴からナイフを使う奴そんなのは日常的な所でやりあっていたからな。
「弘毅たちに傷つけられた傷です……幾つかは祥子につけられた傷もあります」
だが、省吾が酷い目にあっていたのは誰もが知っている。
俺がこう言ったら否定できる人間は居ないだろう。
「此処まで酷い事をする子達なの、そして娘の祥子ももう、その仲間なのね……」
こう言うのは信じさせたもん勝ちだ。
証拠を出せない祥子たちが幾ら言っても無駄。
こう言う奴だから『やるだろう』そう思われたら最後弁明なんてしても誰も聞かなくなる。
「おばさん、気がついてない訳ないでしょう? 髪を染めたり、急にミニスカートに変えたり化粧したり随分な変わりようだ。おれが気が付く事を母親の裕子さんが気がつかない訳ないだろうが」
「それは……その年頃だから、そういう事もあるのかな......そう思ったのよ」
「今迄、俺は祥子を守っていたけど、流石に守って来た敵と付き合っていたなんて馬鹿も良い所ですよね? だから、今日から俺は今迄みたいに我慢しません。やられたらやり返しますから、その結果、祥子がどうなろうと俺はもう知らないですからね」
「その……私は何も知らなかったのよ......そんな、そんな酷い事になっているなんて、それに娘の祥子がそんな酷い事をしているなんて……」
「もう、どうでも良い話です! 兎も角、これから俺は精一杯抵抗しますから、その結果祥子がどうなろうと知らない......それだけの事だ」
「省吾くん……ごめんなさい! 事情を聞いてから、あの子にちゃんと謝らせるから......この通りよ、本当にごめんなさい......」
そう言って裕子は頭を下げてきた。
ただ、謝って済むなら警察は要らないんだよ......おばさん......
「別に謝って貰う必要はないですよ! これからは俺も抵抗させて貰う。それだけです……暴力を振るわれ、数百万の金をとられ尊厳を踏みにじられてきましたからね……ただ、それは俺が祥子を守らないそれを意味しますから、おばさんやおじさんがこれから、気を付けて守って下さい」
こう言うのは言った物勝ちだ。
流石の省吾もそこ迄の金をとられていない、把握している限り60万円前後だ……だがふくまらせる。
相手は証明できないから幾らでも言ったもん勝ちだ。
「ちょっと待って! 暴力は解るけど、数百万というお金はなに……省吾くん、そんなお金持ってないでしょう……」
「言いたくないけど、正直に言いますよ……体を売って作りました」
「貴方、男よね……」
「『金を持って行かないと祥子を犯す』そう言うから男相手に体を売った金で払いました……1日で5万持って行かないといけない事もあってね……流石に男なのに男のあれを口に含んだり、体にアレを受け入れるのは地獄でしたよ」
「うちの娘がぁぁぁぁーー祥子がぁぁぁぁーーーごめんなさい! 本当にごめんなさい!」
この位生々しく、汚く話した方が良い。
彼奴らは金を脅し取っただけ。
その金をどうやって作ったのかは、どうやっても証明できない。
泉家と三上家は家族同然に過ごしてきた。
そして、死んだ省吾の母親は裕子の親友だった。
「別に謝らなくても良いですよ。俺は守らないから、これからは貴方達が気をつけて守ってあげて下さいね」
これで三上家はきっとぐちゃぐちゃだな。
「ううっううっ、うわぁぁぁぁぁーー」
泣いているけど、つけ入る隙を作る馬鹿娘がいけないんだぜ。
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