『俺の代わりに死んでくれないか?』 死んでくれたら復讐してやるからさぁ……

石のやっさん

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第25話 弘毅SIDE 俺は......やってない

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ううっ顏が痛い……

何故、こんな事になっているんだ……

省吾の奴、いきなり鼻を折りやがって、しかも、その後、殴るけるしやがって、しかも、最後には顔まで焼きやがった。

半グレにヤクザにやられた事がなんで俺のせいなんだよ。

精々が俺がやった事は久保田達を使って、イジメの範疇の事をしただけだ。

多少調子に乗って、かなりの脅し文句を言っていたが……それだけだ。

俺は祥子が好きだった。

俺は山上の御曹司だから、誰も逆らわない。

だが、彼奴だけは俺に注意してきた。

だから、揶揄って遊んでいた。

俺は御曹司だから『女とは遊べる』だが、真剣に付き合う事は出来ない。

そのうち見合いでもさせられて、どこぞの令嬢と婚約だ。

自由気ままにいられる時間は今の高校にいる時間だけだ。

大学に行ったら、帝王学と言う名の勉強が始まり自由が無くなる。

だから……祥子の事が本当に好きでも別れがくる。

俺にとっては初恋だが……遊び、何時か別れる女と自分に言い聞かせた。

そして久保田達には『注意してくるムカつく女』が居るから落としてやる』『犯るだけ犯って捨てて終わる』そういうしか無かった。

俺が本気で誰かを好きになったなんて言ったら、久保田達が親父に告げ口するに決まっている。

彼奴らは俺の取り巻きだがお目付け役でもあるからな。

だから、手を出さない事に決めた。

もし、この恋が叶ってもプラトニックな恋で良い。

高校を卒業までの恋。

その後の責任は一切取れない俺には祥子を抱く資格はない。

そう思って行動していたんだ。

◆◆◆


恋愛を知らない俺は、祥子の気を引く為に馬鹿をやり揶揄っていた。

だが、そこに割り込んできたのが省吾だった。

俺が祥子を揶揄うと彼奴が正義感を振りかざし割り込んでくる。

本当に目障りな奴だった。

だから、つい久保田達に言ってしまった。

『省吾が邪魔だ』と……

彼奴らは俺の為に動く……直ぐに彼奴を呼び出し、警告したが……

省吾はそれでも、俺が祥子を揶揄うと飛んできて止めに入った。

だが、ある時から、彼奴は止めに入るが一切逆らわなくなった。

この時の俺はまだ久保田達が省吾に何をしていたのか知らなかったんだ。

久保田達に殴られ蹴られていて無抵抗な省吾はやがて、クラスで最底辺に落ちていった。

殴ればいう事を聞く……言えば金を出す。

そんな省吾に嫌気をさして、何時しか祥子も省吾を嫌うようになり、その結果とうとう祥子は俺とつき合う事になった。

久保田達やクラスの奴らが俺の名前を好き勝手しているのは知っていた。

だが、この時まで俺は知らなかった。

省吾が俺に逆らわなかったのは……祥子を人質にとっていたからなんて……

だが、もう俺にはどうする事も出来なかった。

祥子との恋愛を捨てる事はしたくない。

最早……俺もそこに加わるしか無かった。

それに気にくわない省吾の無様な姿を見るのは……愉快だった。

だから……つい、口から出てしまった『お前が俺に逆らうなら祥子を攫って犯すかんな~抵抗すんじゃねーよ、オラよーーっ』

祥子の事を持ちだせば、それだけで言いなりになる。

その祥子は俺とつき合っているんだ。

『愉快だ』

だが、この時俺は大変な事をしてしまった事に気が付いていなかった。

祥子を口説き落とした事……その結果、祥子も俺と一緒に省吾をいたぶるようになっていった。

結果……祥子が人質になってない事に俺も久保田達も気が付いて無かった。

そして、省吾が……俺の知らない所であそこ迄酷い事になっているとは俺は知らなかった。

本当に……知らなかったんだ。

引き篭もりになり学校に来なくなった省吾……それが、あんな恐ろしい男になって牙を剥いて来るとは......

『んでさぁ……ああっ泉、お前よく学校に来れたなぁ~』

『省吾、今更なにしに学校来たの?』

俺と祥子がにやけながら声を掛けたら……

『てめーよくもやってくれたな! 半グレを使って襲いやがってよぉーー』

一体、何のことか解らなかった。

確かに……そういう脅し方はした。

そして、俺の親父はそういう付き合いはある。

だが『俺は使ったことは無い』

そんな事を考えていると……

俺は地獄に落とされる事になる。

鼻の骨を折られた。

『お前、ふざけんなよ! 昨日、お前に頼まれたって半グレに襲われてこのざまぁだ……今迄我慢してやってたけどよぉ~……此処までやれちゃ俺だって死ぬ気で抵抗するわ……オラオラオラォーー』

そこからはひたすら蹴られ、動けなくなっても暴力は止まらない。

多分、骨も折れた……

祥子が止めても突き飛ばし、ひたすら蹴りが入る。

『祥子、俺、お前を助けて損したよ……弘毅相手に結局股開くんだからなぁ~此奴とSEXする関係なら、早くから見捨てれば良かったよ』

俺は……やってない。

そんな事……祥子にしていない。

祥子も否定していたが……

ボイスレコーダーの音が鳴り響く。

『お前が俺に逆らうなら祥子を攫って犯すかんな~抵抗すんじゃねーよ、オラよーーっ』

あれは只の脅しだ……俺はそんな事はしない……

だが、それをどうやって証明する。

祥子も否定していたが……彼奴は止まらなかった。

『俺が、お前を弘毅たちがレイプするっていうから守ってやってたんだぜ! お前を人質に取られていたから手出しできなかったんだぜ。助けなければ俺は幾らでも抵抗が出来た。幼馴染だから……死ぬ気で守っていたのによぉ~自分から弘毅の女になって股開くんだから俺も救われないよな……オラどけよ!』

祥子にすら暴力を振るっていた……

久保田達が居ない……駄目だ、此奴は止まらない。

『私、先生呼んでくる』

助かった……そう思ったが……その希望はあっさり潰された。

『お前、ふざけるなよ! 黙って見ておけ! お前はレイプを盾に脅す男側に立っていたんだぜ! 俺の邪魔をするなら次の標的はお前だ! 俺側に立てとは言わねーが黙ってろ、ブスっ! 俺の邪魔しねーなら今は我慢してやるかんよー』

恐さから席に座った……

俺を助ける奴は居ない……

『おい弘毅、目を瞑れ……瞑らなければ人生が終わるからな』

『何するの、省吾やめてよーー! やめてーーっ!』

祥子が俺を庇うが省吾は止まらない。

『お前はやっぱり俺の敵なんだな! お前をレイプすると脅され虐めに耐えてきた俺より、お前をレイプすると言った男側に立つのか……』

俺は、なんであんな事を言ったんだ……

祥子の目が泳いでいる。

そして、俺を見る目がいつもと変わっていった。

『ううっううっ、それは、知らなかったんだもん!私そんな事知らなかったんだからぁーー!うっうっ』

祥子が泣きわめいている。

俺が祥子を人質に省吾を虐めていたのがバレた。

祥子の力が抜けたように見えた。

「過去はどうでも良い! だったら、なんで弘毅を庇うんだ!どけよ! クソ女」

祥子は突き飛ばされた場所から動かなかった。

彼奴の目はまるで獣だった。

此奴が怒るのは、冷静になれば解る。

怒って当たり前だ……

人質にしていた女が相手の男と付き合っているんだ、怒らない訳が無い。

そして……省吾は俺の顔を焼いた。

『俺は今迄どんな虐めにあっても一切チクらず我慢してきた。 お前等の人生を潰せる位のネタは持っている。教師や警察にチクりやがったら、その情報を原因として言うぜ……無事に卒業したいんならこれまで通りチクるなよ』

『馬鹿だなぁ~祥子とつき合ったら俺への人質にならんだろうがっ! それで弘毅ぃぃぃチクんねーよな』

『今日の所はこれで帰る……もし誰かにチクったら覚えておけよ』

祥子はフラフラと去っていった。

そして省吾は去っていった。

俺は此処までされる事をした覚えはない。

暴力なんて、精々が突き飛ばした位だ……

だが、久保田達が何かしたのかも知れない……

半グレが動いたなら、案外、山本が気を利かして沢木に頼んだのかも知れない……

山上建設には裏の顔がある事は誰もが知っている。

『俺は本当にやってない』

だが、誰かがやっているのかも知れない。

俺が省吾を底辺に落としたから、クラスの奴らが何かしたのかも知れない。

俺の軽はずみな行動が……復讐者を作ってしまったのか……

俺は本当に、そこ迄の事はしていないんだ……

だが、誰もそれは信じないだろうな……

顔の火傷の痛みを堪えるなか……幾ら考えても答えは出なかった。






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