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第4話 ハンティングゲーム

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一体どうなっているんだ?

頭が凄く痛い…

此処は、どうやら見た感じはさっきの場所のようだ。

僕は…嘘だろう…なんで男なのにバニーガールの様な恰好をさせられているんだ。

周りを見ると皆が騒いでいる。

「私は中年だぞ!この年齢でこの恰好はあんまりだ…ふざけるな!」

「なんで、私…こんな格好なのよ…嘘、この恰好をしているという事は…裸を見られたの…嘘、嫌ぁぁぁぁぁーーー」

「あっ、泰明くん目覚めたんだ…」

大樹さん以外はパニックになっていた。

正直、僕も訳が解らない。

さっきまで、最後の晩餐を過ごしていたら、いきなり眠くなって…バニーガールの姿なんて…しかも、これかなりのハイレグだ。

陽子さんなんて後ろから見ると網タイツ越しだがくっきりとお尻が見える。

「一体何が起きたんでしょうか?」

「解らない、私が知りたい位だ」

「知らないわよ! それより今私のお尻見ていなかった? 変態――っ」

「嫌なら壁を背にして立ってよ…正直僕も解らないんだ…」

「そうですか…そう言えば神代さんは」

「居ない…彼奴が何か仕込んだに違いない」

「そう言えば居ないわ」

「居ないね」

神代さんは一体どこにいったんだろう?

そう思い部屋を見たが、何処にも居ない。

ただ、この部屋、鍵が掛かっていて出られないようされているみたいだ。

暫く待つと急にテレビが付いた。

『幸運なウサギさん達! 君たちは凄くついているよ! これから素晴らしいゲームに参加できるんだからね!』

正直何がなんだか解らないが神代さんがノリノリでテレビに映っていた。

「神代くん、これは一体どう言う事だね、私は君に感謝していたんだが、これはなんの冗談だ」

「なんで私…こんな格好させられているの?」

「ふざけるな! 一体なんのつもりでこんな馬鹿げた事をするんだよ! 僕のスマホと服を返せよ」

怒るのも当たり前だ…これから死のうと思っていた矢先に、これは無い。

『黙れ…弱者のウサギ!』

「「「「ぎゃぁぁぁぁぁーーー」」」」

突然、首に装着されたチョーカーが電気を発し、僕たちは体が痺れた。

テレビに映った神代さん…いや神代の顔を見た瞬間、解ってしまった。

彼は『奪われる側の人間じゃない』『奪う側の人間だ』

これが僕が感じた違和感…そして事情は知らないが僕と同じ弱者だった3人も解ったようだ。

『逆らってはいけない』

それが良く解るから…黙るしか無かった。

「「「「…」」」」

『ふぅ、解っているじゃないか? いいかい?これから死のうという君達に俺から素晴らしいゲームをプレゼントしよう…そういう訳さぁ! 説明が全部終わるまで…喋るなよ!喋ったら殺しちゃうからね』

その目が本当に殺すのだ…そう物語っていた。

『死にたいという君たちに俺からのプレゼントはデスゲームだ!どうだ嬉しいだろう?』

神代は僕たちに話し始めた。

神代が用意したハンター(殺人鬼)が僕達を狩りにくる。

逃げきれたら僕たちの勝ち。

捕まって殺されたら僕たちの負け。

実にシンプルな内容だった。

「何故我々を苦しめるんだ…人生に疲れて此処に来たのに…お前はその私達を更に虐めるのか…」

「そうよ…私達は充分に苦しんだわ…最後位楽に死なせて」

「ふざけんなよ!自殺志願者の僕たちを虐めて楽しいのか?この野郎」

『はぁ、話すなと言ったよな! お前等自殺しに来たんだよな?殺してくれる人間が居るんだ幸せじゃないかよ! もし、死にたいなら、そのまま何もしなければ速やかに殺して貰えるぞ…凄くラッキーだろう! 俺は約束を破って無いよな? だが、大抵の人間はお前達みたいに生き汚ねーんだよ! いざ殺されるとなると、今のお前達みたいに泣き喚くんだ…みっともなくな!だからゲームだ…俺が用意したハンター、まぁ、そこそこ名前が売れている奴だ!そいつとハンティングゲームをして貰う! 範囲はこの山。この山の中から逃げられたらお前らの勝ち…もし逃げられたら…そうだな、今までの事が嘘のような楽しい生活をあげよう…』

「「「…」」」

これはもう『逃げられない理不尽だ』

虐めをやる人間…どんなに『止めて』と言ってもやめてくれない理不尽。

だから、もう…これはやめられない。

神代のあの顔は…人を平気で踏みつけ笑っている。

そう言う奴の顔だ。

僕はテレビに向かって手をあげた。

『なんだい? 他の奴と違って礼儀正しいじゃないか? 命乞い以外であれば聞くよ!』

「もし、僕達が逃げるだけじゃなく、ハンターを返り討ちにしたら、どうなるんですか?」

『あははははっ…それは絶対にないな!だけどもし、そんな番狂わせが起こせたなら、そうだ…お金では絶対に買えない非売品の物をやるよ…ちゃんと話をしないで聞いていた、お前だけの特典だ!勝手に喋った奴にはこれはやらない...これで良いか…それでハンターだが…此奴らだ』

嘘だろう…彼奴らは警察に捕まっている筈だ。

監禁暴君Sに斬り裂きクィーンのKじゃないか?

「冗談は止めてくれ、これは合成だよな!その二人は捕まっている筈だ」

「嘘よね…なんでそんな犯罪者が居るのよ…可笑しいよ」

「どうせ嘘だ…」

その二人は居る筈が無い。

監禁暴君Sは未成年だから正確な名前は解らないが、余りに残酷な事件を起こしたから『死刑囚』になった筈だ。
下は16歳から上は35歳まで強引に家に上がり込み女を犯し続け、飽きると殺して去って行く…強姦魔だ。
しかも、普通では考えられない位残酷で気にいった女を犯す為なら、旦那が居ようが家族が居ようがお構いなしで上がり込み…まずは家族を殺す。
ネットでの噂では家族を殺した状態で3日間女を犯し続け殺した…そんな話もあった。

被害者の数は実に18人。
未成年の犯した犯罪で珍しく残酷な事件として『死刑』になった事件だ。

斬り裂きクィーンKも同じく未成年者だから、名前は解らない。だが、このKは将来はT大学の医学部に入るのは確実と言われていた優秀な女生徒だったが、解剖に魅せられて人間を解剖したくなり、その誘惑に負けて同級生を含む10人以上の人間を切り刻んだ事で有名になった犯罪者だ。確か親は開業している外科医だったが、彼女の事を気に病み自殺した...確か、そんな話だった気がする。
尤も彼女は精神的に問題があると言う事で死刑にはなっていない。
だが、それでもこんな所に居る筈が無い。

『別に信じなくても良いぜ? 死にたいんだよな! 俺が撲殺してやるよ…特にそこの女、ブサイクだけどご無沙汰だから犯してから殺してやるから俺の方に来い』

「ヒィーーっ」

そりゃ悲鳴もあげたくなるよな。

『あはははっSって惨いよね! 楽に死にたければ私の方に来なよ!頸動脈を一瞬で斬って殺してあげるから…解剖はその後だから、Sに捕まる位ならこっちに来た方が良いよ…楽に死ねるから、お得だよ』

「「「「…」」」」

『それじゃ、これから1時間したら2人を解き放つから…楽しんでね…それじゃ』

いう事だけ言って…テレビは消えた。
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