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スタンピート7
「レティシアが倒れただと!?大丈夫なのか!?」
「安心してください。アルバート皇太子殿下。レティシア様は魔力切れで意識を失ったようですが、身体に異常はないそうです。それで、肝心のスタンピートの事ですがお話しても宜しいでしょうか?」
「すまない。重要な事なのに取り乱してしまった。報告を聞こう。」
「大丈夫です。それでは説明させていただきます。ダンジョン内において、こちらはダンジョンに潜った班が、全ての黒い水晶を解呪にて白に変えたそうです。またダンジョンコアと最後の層の黒い水晶は解呪だけでは不可能だった為、レティシア様の考えでと浄化をかけたとの事です。解呪と浄化によってどちらも白くなったとの事です。ダンジョンコアと水晶が白に変わってから、魔物の出現はまだ見られないと。現在レティシア様をこちらに運ぶためガイル達のパーティはこちらに真っ直ぐに帰還してきています。他のダンジョンに入っていたメンバーでしばらくダンジョン内を見回った後、皆も帰還する予定です。地上班はおいては、ダンジョンから森を包む様な白い光を確認しています。そしてその光が落ち着いた後には魔物が全て消えていました。全員で確認したのですが、鹿などの動物はいますが、魔物は1匹も見当たりませんでした。あと、これはレティシア様が目覚めてからの話になりますが、ダンジョンコアと黒い水晶を解呪や浄化した時に何か感じなかったかを、魔導師団団長と話のすり合わせをする予定です。こちらに派遣されている冒険者の意見としては、現在の状態からみてスタンピートは収束したと考えられます。まだ魔導師団団長とのすり合わせや数日後のダンジョン内の調査などやるべき事はありますが一段落したと考えられます。どう思われますか?」
「確かに…魔物が消えたというならスタンピートは収束したと考えていいだろう。ダンジョン内が今後どうなるかはまだ分からないが、一番の危機は去ったと考えていいだろう。あとは、ライラロックに逃げた魔物がどうなったかの確認だな…。ダンジョンから森に広がった光は見ていてどの辺まで広がったかとかは分かるか?」
「詳しくは分かりません。国境までは行きましたがその先は不明です。申し訳ございません。」
「いや、大丈夫だ。こちらから確認をしておこう。まだしばらくそちらで調査をしてもらう事になる。食料等は明日の朝そちらに向かう。もうしばらくの間よろしく頼む。」
「わかりました。何か指示があればいつでも連絡ください。失礼します。」
ダラスは通話を切り一息をついた。
最初はどうなるかと不安だったスタンピートが収束した。
だが、原因が分かっていない。
魔導師団団長もまだ水晶の所に留まっており詳しい情報は何も得られていない。
これが人為的なものなら、それを防ぐ対策をしなければならない。
…しかし、今一人で考えても何もできない。
全ての情報を集めてからの話になる。
「連絡も終わったし、夕飯にするか!食料の追加が来るようだから安心して食べろ!今後の話をするにしてもダンジョン班と魔導師団団長達が戻ってきてからだ。休める時に休んでおこう!」
その後、帝国のセーフティエリアでは大きな笑い声が聞こえるようになった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ライラロックside
森の中で魔物と戦っていたステファン達は白い光に包まれ目を閉じた。
光が収まり目を開けると先程まで戦っていた魔物がなぜか消えていた。
周囲を見渡すがそこに魔物は1匹も存在していなかった。
「どういう事だ?今何が起こった?」
「私にもさっぱり…ただ光が眩しくて目を閉じてしまい…慌てて目を開けたのですが、開けた時には魔物がいなくなっていた。」
「「「「「私も…」」」」」
とりあえず皆傷まみれだった為ポーションを飲み少し座って話し合うことにした。
話し合ったが何が起きたのか誰にも分からなかった。
ただ森には魔物はいないということだけは理解できた。
「ここで私たちだけで話していてもダメだな。冒険者ギルドなら何か分かるかもしれない。冒険者ギルドに行ってみよう。」
ステファン達は情報収集の為冒険者ギルドに向かうことにした。
森から出たステファン達は街中にはまだ魔物が存在していることに気がついた。
慌てて臨戦体制をとり、近くの魔物から屠っていく。
そして森から少し離れた所に魔物が集まっているのが見えた。
ステファン達が焦って攻撃を仕掛けようとした時、肩を後ろから叩かれた。
振り向くとそこには、冒険者ギルドが招集したのであろう冒険者達がいた。
「お疲れ様。あそこは俺達がやるからお前らは冒険者ギルドに行け。お前達がやる必要がない。」
「しかし!「いいから!!ここは先輩の俺達に任せろ。いいか?何が聞こえても振り返るな!走れ!」…はい…。」
ステファン達は言われた通りに振り返らず冒険者ギルドに向かって走った。
後ろから聞き覚えがある声がしたが…聞こえないフリをして走った。
涙を堪えながら…。
冒険者ギルドから派遣された冒険者たちは、哀れな貴族達の成れの果てを見ていた。
もう魔物に食べられ原型は留めていないが辛うじて元王子や一緒に追放されたもの達なのだと判断できた。
そしてその魔物に紛れる1人の少女…。
その少女は黒いオーラを纏い不気味な笑顔でそこに立っていた。
『ワタシがヒロインなの…ワタシの世界なの…』
ただそう呟く少女に向かって聖騎士が剣を振るった。
『なんで…』
そう言い残して少女は消えた。
まるで初めから存在しなかったかのように…。
こうしてこの世界のヒロインだと豪語していた少女マリアはこの世界から塵1つなく消え去ったのだった。
「安心してください。アルバート皇太子殿下。レティシア様は魔力切れで意識を失ったようですが、身体に異常はないそうです。それで、肝心のスタンピートの事ですがお話しても宜しいでしょうか?」
「すまない。重要な事なのに取り乱してしまった。報告を聞こう。」
「大丈夫です。それでは説明させていただきます。ダンジョン内において、こちらはダンジョンに潜った班が、全ての黒い水晶を解呪にて白に変えたそうです。またダンジョンコアと最後の層の黒い水晶は解呪だけでは不可能だった為、レティシア様の考えでと浄化をかけたとの事です。解呪と浄化によってどちらも白くなったとの事です。ダンジョンコアと水晶が白に変わってから、魔物の出現はまだ見られないと。現在レティシア様をこちらに運ぶためガイル達のパーティはこちらに真っ直ぐに帰還してきています。他のダンジョンに入っていたメンバーでしばらくダンジョン内を見回った後、皆も帰還する予定です。地上班はおいては、ダンジョンから森を包む様な白い光を確認しています。そしてその光が落ち着いた後には魔物が全て消えていました。全員で確認したのですが、鹿などの動物はいますが、魔物は1匹も見当たりませんでした。あと、これはレティシア様が目覚めてからの話になりますが、ダンジョンコアと黒い水晶を解呪や浄化した時に何か感じなかったかを、魔導師団団長と話のすり合わせをする予定です。こちらに派遣されている冒険者の意見としては、現在の状態からみてスタンピートは収束したと考えられます。まだ魔導師団団長とのすり合わせや数日後のダンジョン内の調査などやるべき事はありますが一段落したと考えられます。どう思われますか?」
「確かに…魔物が消えたというならスタンピートは収束したと考えていいだろう。ダンジョン内が今後どうなるかはまだ分からないが、一番の危機は去ったと考えていいだろう。あとは、ライラロックに逃げた魔物がどうなったかの確認だな…。ダンジョンから森に広がった光は見ていてどの辺まで広がったかとかは分かるか?」
「詳しくは分かりません。国境までは行きましたがその先は不明です。申し訳ございません。」
「いや、大丈夫だ。こちらから確認をしておこう。まだしばらくそちらで調査をしてもらう事になる。食料等は明日の朝そちらに向かう。もうしばらくの間よろしく頼む。」
「わかりました。何か指示があればいつでも連絡ください。失礼します。」
ダラスは通話を切り一息をついた。
最初はどうなるかと不安だったスタンピートが収束した。
だが、原因が分かっていない。
魔導師団団長もまだ水晶の所に留まっており詳しい情報は何も得られていない。
これが人為的なものなら、それを防ぐ対策をしなければならない。
…しかし、今一人で考えても何もできない。
全ての情報を集めてからの話になる。
「連絡も終わったし、夕飯にするか!食料の追加が来るようだから安心して食べろ!今後の話をするにしてもダンジョン班と魔導師団団長達が戻ってきてからだ。休める時に休んでおこう!」
その後、帝国のセーフティエリアでは大きな笑い声が聞こえるようになった。
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ライラロックside
森の中で魔物と戦っていたステファン達は白い光に包まれ目を閉じた。
光が収まり目を開けると先程まで戦っていた魔物がなぜか消えていた。
周囲を見渡すがそこに魔物は1匹も存在していなかった。
「どういう事だ?今何が起こった?」
「私にもさっぱり…ただ光が眩しくて目を閉じてしまい…慌てて目を開けたのですが、開けた時には魔物がいなくなっていた。」
「「「「「私も…」」」」」
とりあえず皆傷まみれだった為ポーションを飲み少し座って話し合うことにした。
話し合ったが何が起きたのか誰にも分からなかった。
ただ森には魔物はいないということだけは理解できた。
「ここで私たちだけで話していてもダメだな。冒険者ギルドなら何か分かるかもしれない。冒険者ギルドに行ってみよう。」
ステファン達は情報収集の為冒険者ギルドに向かうことにした。
森から出たステファン達は街中にはまだ魔物が存在していることに気がついた。
慌てて臨戦体制をとり、近くの魔物から屠っていく。
そして森から少し離れた所に魔物が集まっているのが見えた。
ステファン達が焦って攻撃を仕掛けようとした時、肩を後ろから叩かれた。
振り向くとそこには、冒険者ギルドが招集したのであろう冒険者達がいた。
「お疲れ様。あそこは俺達がやるからお前らは冒険者ギルドに行け。お前達がやる必要がない。」
「しかし!「いいから!!ここは先輩の俺達に任せろ。いいか?何が聞こえても振り返るな!走れ!」…はい…。」
ステファン達は言われた通りに振り返らず冒険者ギルドに向かって走った。
後ろから聞き覚えがある声がしたが…聞こえないフリをして走った。
涙を堪えながら…。
冒険者ギルドから派遣された冒険者たちは、哀れな貴族達の成れの果てを見ていた。
もう魔物に食べられ原型は留めていないが辛うじて元王子や一緒に追放されたもの達なのだと判断できた。
そしてその魔物に紛れる1人の少女…。
その少女は黒いオーラを纏い不気味な笑顔でそこに立っていた。
『ワタシがヒロインなの…ワタシの世界なの…』
ただそう呟く少女に向かって聖騎士が剣を振るった。
『なんで…』
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こうしてこの世界のヒロインだと豪語していた少女マリアはこの世界から塵1つなく消え去ったのだった。
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