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無事にお兄様達へのプレゼントも買えた私達はカフェで一息ついていた。
「昨日の今日だから落ち込んでいるんじゃないかと心配したけど元気そうで良かった!」
「ありがとうサイラス。昨日サイラスもあの場にいたんだよね?」
「これでも一応貴族だからな。最後まで見たよ。お前は偉かった。頑張ったな。」
サイラスはそういうと私の頭を撫でてくれた。
昨日泣いてもう涙が出ることはないと思っていたのに、サイラスの優しさに触れてまた溢れてきてしまった。
「サイラス…ご、ごめん。泣くつもりなかったの…。自分でも…もう平気だと思っていたんだけど…サイラスが優しいから…。」
「いいよ。泣き止むまで付き合うから。大変だったもんな。よく耐えたよアンリは。」
「ありがとう…。」
私が礼を言うとサイラスは自分の頭をくしゃくしゃと掻き乱した後、私に真剣な目を向けた。
「こんな時に言うのは狡いって自分でも分かっているけど、言わせてくれ。俺はアンリと新しい家族になりたいと思っている。今すぐでなくていい。あんな家で苦しんだアンリが安らげるような、毎日笑顔で過ごせるような家庭を作りたいんだ。いや、本当にごめん。俺の願望ばかり押し付けて…しかも泣いてる時に…ごめん。でも俺ならもうアンリを泣かせないから!それだけは伝えさせてくれ。あぁ!!本当にごめん!今じゃないよな?今言っちゃダメなタイミングだったよな?まぁ、気長に待つから考えてくれたら嬉しいデス…。」
サイラスが赤い顔で、身振り手振り慌てて話すものだからアンリは笑ってしまった。
「そんなに慌てなくても大丈夫だよ。ありがとう。私ね、今はトパゾライト公爵家でお世話になっているけどいつかは自分の家族を持ちたいって思っているの。それはさっきサイラスが言ったみたいな暖かい家庭なの。まだ学生だし、今すぐって話じゃないけど…私はサイラスとのお付き合いを前向きに考えたいと思ってます…。これ本当に照れるね…。」
お互い照れて無言で紅茶を飲んでいるとそこにエマの咳払いが聞こえてきた。
あ、エマの存在忘れてた…。
やっちゃった…。
「お二人の気持ちが通じあって本当に良かったと思います。今後の事もありますし、本日旦那様にお伝えしようと思うのですがよろしいでしょうか?」
「待て待て!エマ!お父様今かなり忙しい時期だよね?」
「そうですね。人員不足だと聞いております。」
「なら今は言うのやめておこう?迷惑かけてしまうから…。」
「いえ、逆に伝えるなら今です。この事を伝えない方が迷惑になる可能性が高いと思われます。」
「なんで?」
本当になんで?
断罪されたカルサイト元侯爵家の一員だった私に興味を持つ人などサイラスぐらいでしょう?
あ、レオポルト殿下もいたか!
「今現在お嬢様に沢山の釣書が届いています。没落を免れたい貴族等が必死になって食らいついてきているのもありますが、レオポルト殿下等の王族または高位貴族からの申し出も多いのです。既に決まった相手がいると伝えた方が旦那様も断りやすいでしょう。元々旦那様は婚約者はお嬢様の好きにして良いと仰ってましたし、以前よりお嬢様がサイラス様の事が気になっているのは皆気づいておりました。もうさっさとくっついてください。」
エマさん!?ちょっと待って!?
私よりも先に私の気持ちについて皆が把握してたの!?
え?
私そんなに前から!?
なんで!?
私そんなに分かりやすかった!?
うわぁー!!
恥ずかしい!!
どこかに隠れたいよ!!!
「昨日の今日だから落ち込んでいるんじゃないかと心配したけど元気そうで良かった!」
「ありがとうサイラス。昨日サイラスもあの場にいたんだよね?」
「これでも一応貴族だからな。最後まで見たよ。お前は偉かった。頑張ったな。」
サイラスはそういうと私の頭を撫でてくれた。
昨日泣いてもう涙が出ることはないと思っていたのに、サイラスの優しさに触れてまた溢れてきてしまった。
「サイラス…ご、ごめん。泣くつもりなかったの…。自分でも…もう平気だと思っていたんだけど…サイラスが優しいから…。」
「いいよ。泣き止むまで付き合うから。大変だったもんな。よく耐えたよアンリは。」
「ありがとう…。」
私が礼を言うとサイラスは自分の頭をくしゃくしゃと掻き乱した後、私に真剣な目を向けた。
「こんな時に言うのは狡いって自分でも分かっているけど、言わせてくれ。俺はアンリと新しい家族になりたいと思っている。今すぐでなくていい。あんな家で苦しんだアンリが安らげるような、毎日笑顔で過ごせるような家庭を作りたいんだ。いや、本当にごめん。俺の願望ばかり押し付けて…しかも泣いてる時に…ごめん。でも俺ならもうアンリを泣かせないから!それだけは伝えさせてくれ。あぁ!!本当にごめん!今じゃないよな?今言っちゃダメなタイミングだったよな?まぁ、気長に待つから考えてくれたら嬉しいデス…。」
サイラスが赤い顔で、身振り手振り慌てて話すものだからアンリは笑ってしまった。
「そんなに慌てなくても大丈夫だよ。ありがとう。私ね、今はトパゾライト公爵家でお世話になっているけどいつかは自分の家族を持ちたいって思っているの。それはさっきサイラスが言ったみたいな暖かい家庭なの。まだ学生だし、今すぐって話じゃないけど…私はサイラスとのお付き合いを前向きに考えたいと思ってます…。これ本当に照れるね…。」
お互い照れて無言で紅茶を飲んでいるとそこにエマの咳払いが聞こえてきた。
あ、エマの存在忘れてた…。
やっちゃった…。
「お二人の気持ちが通じあって本当に良かったと思います。今後の事もありますし、本日旦那様にお伝えしようと思うのですがよろしいでしょうか?」
「待て待て!エマ!お父様今かなり忙しい時期だよね?」
「そうですね。人員不足だと聞いております。」
「なら今は言うのやめておこう?迷惑かけてしまうから…。」
「いえ、逆に伝えるなら今です。この事を伝えない方が迷惑になる可能性が高いと思われます。」
「なんで?」
本当になんで?
断罪されたカルサイト元侯爵家の一員だった私に興味を持つ人などサイラスぐらいでしょう?
あ、レオポルト殿下もいたか!
「今現在お嬢様に沢山の釣書が届いています。没落を免れたい貴族等が必死になって食らいついてきているのもありますが、レオポルト殿下等の王族または高位貴族からの申し出も多いのです。既に決まった相手がいると伝えた方が旦那様も断りやすいでしょう。元々旦那様は婚約者はお嬢様の好きにして良いと仰ってましたし、以前よりお嬢様がサイラス様の事が気になっているのは皆気づいておりました。もうさっさとくっついてください。」
エマさん!?ちょっと待って!?
私よりも先に私の気持ちについて皆が把握してたの!?
え?
私そんなに前から!?
なんで!?
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うわぁー!!
恥ずかしい!!
どこかに隠れたいよ!!!
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