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9話 繰り返す事
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「ねぇ友君、本当にどうしたの? 悩み事?」
学校近くの神社。
日本数万ヶ所に点在する八幡と刻まれた神社の境内で、友作と三河さゆりは座り込んでいた。
約一年前。
最早何の一年前なのか友作にはよくわからなくなっていたが、以前ここで三河と交わした雑談の時のような気持ちにはとてもなれなかった。
だが今はそこに三河がいる事。
それだけが友作の心をなんとか支えていた。
「三河……その、さっきはごめん」
「本当にどうしたのかと思ったぁ! びっくりしたけど、大丈夫? 何かあったの?」
「いや、三河が」
そこまで言おうとして、脳裏にリアルな三河の死が蘇る。
「なぁにぃ? 私がぁ? あ、分かった。恋の悩みだ!」
「いや、ちが」
「あぁ! もしかして友君……私の事、好き? とか!?」
楽しそうにそう言うと、三河さゆりは境内の階段をぴょんと飛んで見せた。
どこかで見た光景。
「ね、今から家に来ない?」
「え……」
あの時と同じ言葉なのに何故か足が震えた。
ドキドキとは違う。
何故その台詞を今言うんだ、と。
「友君に見せたいものがあるんだ! きっと元気出ると思うよ、私、ほら、友達いないから、さ……落ち込んだときはね、いつもそれを見るの」
息を飲む。
その音が外にまで聞こえていそうなほど、そこは静寂と三河の嘘くさい笑顔に満ちていた。
――――
同じ景色、同じ展開に友作は少しだけ恐怖を感じた。
それでも生きている三河と、うるさい宏に大地がそこにいる事で友作は段々と冷静さを取り戻していた。
確かにあの記憶が友作の中から消えることは無い。
しかし今が、元通り友作が死んだあの時、あの時間から再度やり直しになっている事も間違いない。
そもそも32年の人生を過ごし死んだ筈の自分が、またこの時代をやり直している事自体おかしなことだ。
今更それがもう一度やり直しになった所でなにも驚く事など無い筈ではないかと。
むしろあんな悲惨な所で、何故だかは分からないが時が戻ってくれて良かったと友作はそれだけを考える事にした。
誰もが切望して叶わないタイムリープを2回もした。それは感謝しても、恐れる事など無い筈だと。
「みんな、ありがとね。友達になってくれて」
そう、この景色。
そしてこの時間。
友作にとっても、この時間からは絶対に逃げる訳には行かなかった。
もしこの歴史を変えてしまえば、三河さゆりは友作達悪ガキ三人集の仲間になる事なく、本当の笑顔を作れないまま過ごす事になってしまうのではと思ったからだ。
言葉を、行動を多少変えても同じように進もうとする歴史。
それに恐れを感じる必要はない。
自分がやるべき歴史をそのままに、あの時の、自分の態度さえ間違えなければ三河は死なない。
大丈夫だ。
元々友作が歩んだ歴史の中で、この三河さゆりは成人式の夜、同窓会で一度会っている。
本来であればあんな所で死ぬ事など無かった。
大体校門前にトラックが突っ込む等と言う歴史が過去にあっただろうかとも思う。
しかし自分が関わっていないような歴史等、人は記憶に残さないだろう。
その程度の容量しか持ち合わせてはいないのだから。
「なぁ、このあとどうする? どっかいこぉーぜ!」
「友君家行くか!」
「それいい!」
「それはやめとけ」
友作は悪ふざけで自分の家に行こうとする三人を制止した。
母親の事。
あの日の出来事を思うと、今このタイミングで無いにしろ何となくそれは断る事にした友作だった。
学校近くの神社。
日本数万ヶ所に点在する八幡と刻まれた神社の境内で、友作と三河さゆりは座り込んでいた。
約一年前。
最早何の一年前なのか友作にはよくわからなくなっていたが、以前ここで三河と交わした雑談の時のような気持ちにはとてもなれなかった。
だが今はそこに三河がいる事。
それだけが友作の心をなんとか支えていた。
「三河……その、さっきはごめん」
「本当にどうしたのかと思ったぁ! びっくりしたけど、大丈夫? 何かあったの?」
「いや、三河が」
そこまで言おうとして、脳裏にリアルな三河の死が蘇る。
「なぁにぃ? 私がぁ? あ、分かった。恋の悩みだ!」
「いや、ちが」
「あぁ! もしかして友君……私の事、好き? とか!?」
楽しそうにそう言うと、三河さゆりは境内の階段をぴょんと飛んで見せた。
どこかで見た光景。
「ね、今から家に来ない?」
「え……」
あの時と同じ言葉なのに何故か足が震えた。
ドキドキとは違う。
何故その台詞を今言うんだ、と。
「友君に見せたいものがあるんだ! きっと元気出ると思うよ、私、ほら、友達いないから、さ……落ち込んだときはね、いつもそれを見るの」
息を飲む。
その音が外にまで聞こえていそうなほど、そこは静寂と三河の嘘くさい笑顔に満ちていた。
――――
同じ景色、同じ展開に友作は少しだけ恐怖を感じた。
それでも生きている三河と、うるさい宏に大地がそこにいる事で友作は段々と冷静さを取り戻していた。
確かにあの記憶が友作の中から消えることは無い。
しかし今が、元通り友作が死んだあの時、あの時間から再度やり直しになっている事も間違いない。
そもそも32年の人生を過ごし死んだ筈の自分が、またこの時代をやり直している事自体おかしなことだ。
今更それがもう一度やり直しになった所でなにも驚く事など無い筈ではないかと。
むしろあんな悲惨な所で、何故だかは分からないが時が戻ってくれて良かったと友作はそれだけを考える事にした。
誰もが切望して叶わないタイムリープを2回もした。それは感謝しても、恐れる事など無い筈だと。
「みんな、ありがとね。友達になってくれて」
そう、この景色。
そしてこの時間。
友作にとっても、この時間からは絶対に逃げる訳には行かなかった。
もしこの歴史を変えてしまえば、三河さゆりは友作達悪ガキ三人集の仲間になる事なく、本当の笑顔を作れないまま過ごす事になってしまうのではと思ったからだ。
言葉を、行動を多少変えても同じように進もうとする歴史。
それに恐れを感じる必要はない。
自分がやるべき歴史をそのままに、あの時の、自分の態度さえ間違えなければ三河は死なない。
大丈夫だ。
元々友作が歩んだ歴史の中で、この三河さゆりは成人式の夜、同窓会で一度会っている。
本来であればあんな所で死ぬ事など無かった。
大体校門前にトラックが突っ込む等と言う歴史が過去にあっただろうかとも思う。
しかし自分が関わっていないような歴史等、人は記憶に残さないだろう。
その程度の容量しか持ち合わせてはいないのだから。
「なぁ、このあとどうする? どっかいこぉーぜ!」
「友君家行くか!」
「それいい!」
「それはやめとけ」
友作は悪ふざけで自分の家に行こうとする三人を制止した。
母親の事。
あの日の出来事を思うと、今このタイミングで無いにしろ何となくそれは断る事にした友作だった。
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