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三章 魔界の門と二人の妹
8 横やり作戦を考える
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1・
「ノア様、一言よろしいでしょうか」
先ほどの叔父さん並みの妖気が、ウィリアムさんから発せられている。
「その前に、受けるとは言ってませんよ?」
「流れとしては引き受けたように聞こえました」
「さっきのは、叔父さんがそう持っていっただけです。私の意見ではありません」
「ならば安心いたしました」
ウィリアムさんが笑顔になり、僕から一歩下がって距離を取ってくれた。
立ち聞きしていたんだろう他の三人が廊下から玄関ホールに来て、微妙な笑顔を見せた。
「ノア様」
「はい」
笑顔なのに一番怖いウィリアムさんが、距離は置いてくれたものの気合い十分に呼びかけてきた。
「ミネットティオルの麒麟は、戦闘などいたしません」
「分かっています。戦闘はしません。横やりを入れます」
「それは、引き受けたという意味合いですか?」
「いや、叔父さんの頼みを聞いての事ではありません。魔界の国家公務員さんたちの手伝いをしようかなと思いまして」
「きっと彼らは、手伝いはいらないと言います」
「それでも、ミネットティオルの麒麟としては、何人たりとも血を流してもらいたくないのです」
僕は泣き真似をした。
カイさんが、いつも理論武装が凄いよなとロレンスさんに囁いたのが聞こえた。
「駄目です。私は猛反対いたします。ガラス球は入手されたのですし、このまま帰還いたしましょう」
「だけど、私の同級生や先輩後輩、家族の話なんです。戦場に出ないでいい援助ならば、したいのです」
演技は止めて、本音を語った。
ウィリアムさんは、一瞬ひるんだ。
「そう言いつつ、戦場のど真ん中に降り立つのがノア様の気質ですので、やはり関与を認めません。お帰り頂きます」
「そこを何とか」
「なりません。さあ早く、そのガラス球を壊して下さい。それとも魔界に戻ってから壊されますか?」
「……」
僕は回れ右し、逃げ出した。
隣に。
2・
もう会えないと覚悟した姫に懐かれ、叔母さんの美味しい料理を堪能。
お風呂まで頂き、久しぶりの本格的な一家団らんに癒された。
応接間でテレビの前のソファーに座り、両脇に姫と叔母さんがいる。
国営放送で、夜七時のテレビニュースをしている。
もうあまり見たくないテレビニュースなんだけれど、ウィリアムさんが姫と叔母さんから応接間の立ち入り禁止を命じられたので、ここにいる方が都合が良い。
別の番組がいいんじゃと思ったものの、チャンネル権を姫が持っているために口出しできない。
目と耳を塞ごうにも、両腕が拘束されている。
少し嫌な状況なのだが、ここ以外の逃げ場を知らない。明日まで生き長らえる為には、いるしかない。
「そういえばノアお兄ちゃん、あの事件の起きる前に一緒に買い物に行くって約束してくれたじゃない? でももう夏休み過ぎちゃったのよね。だから今度は、お正月にデートして!」
「うん。そういえばそう……ん?」
「その時には、龍馬お兄ちゃんの姿でお願いね? 私、向こうの方が大好きなのよ!」
「向こう。って……あれ?」
何かがおかしい?
「姫……ちゃん? 私とは約束してないよ?」
「龍馬お兄ちゃん、家ではその変装しなくて良いわよ? 母さんも同じ意見なんだから」
「龍馬ちゃん、叔母さんも前の方が格好いいと思うのよ。外出用の気遣いでその姿なのは仕方ないんだけれども、家の中では普通にいてくれない?」
「…………いつ、バレて、ました?」
「えっと、昨日再会して抱きついた時」
姫の答えで、最初からバレていたのが判明した。
「何故? この幻術はほぼ完璧なのに!」
「だって、匂いがお兄ちゃんのまんまなんだもの。そこまで隠さないと、親しい人は騙せないわよ」
「それは……僕の私物を根こそぎ持っていった姫と叔母さんだからねえ……」
姿を変える意味、全くなかった。
まあ、バレていたからこその歓迎ぶりで、全く見知らぬ存在にあそこまで愛想良くしたのではないと判り、安心はした。
しかしそれならば、昼間に僕がカリスマ能力を意図的に使用しようとした時は、効果がなかったのでは? 大魔王様が、親しい人には効果がないような事を言っていたのに。
「姫。あの、昼間にした話なんだけれども」
「それなら大丈夫。私は将来お兄ちゃんにお嫁に貰ってもらうから、進学も就職も関係ないしね。明日は掃討作戦に行かないわ!」
「将来の約束までは、できないよ……」
カリスマ能力なんて関係なくガチだったと気付いた僕は、力無く小声で答えた。僕が泣いた意味、全くなかった……。
落ち込んでいる間に、テレビニュースは終わってくれた。
重要な内容は、今日の午前零時から明日の零時まで、外出禁止令が出るとのことと、午前二時から掃討作戦が開始されることの二つあった。
もう時間はない。
僕は周囲を見回し、応接間の隣の台所でカイさんがいて、リンゴを食べているのを発見した。
「カイさん、昨日の事なんですが、何故私が麒麟の能力を使用しようとした時に逃げたんですか?」
「ああそれは、私が自分の固有スキルの効果中だったからですよ。固有スキルについては、ご存じですか?」
「魔人が種族別に持っている能力のことですよね? 時空召喚士は、時空に関する魔法に生まれ付き優れているというような」
「そうです。私の家系の固有スキルは、反転させることなんです。魔法やそれと同等の物理的効果を反転させる事ができます。つまり麒麟の浄化能力で、私は毒を受けることができます」
「それ先に教えて下さいよ! 危険じゃないですか!」
カイさんは、首をすぼめた。
「主人となる麒麟様は、普通は戦闘に参加せず逃げるはずですから、お教えする必要はないかと思いまして」
今の自分にとり、物凄く痛い答えが返ってきた。
玄関に続く廊下で座布団敷いて座っているウィリアムさんが笑うのが、視界の隅っこで確認できた。
僕はどうするか考えながら、本来ならば叔父さんが座っている筈の一人掛けソファーに座るセシリア王女を見た。
セシリア王女は、カップのバニラアイスのおかげで上機嫌だ。
「セシリア様、封印を解いた時に何かしらのダメージがありましたか?」
「そういえば、丸一日ほどは寝込みましたわね」
とすると、今すぐガラス球を破壊するよりも今ある能力で対応するのが良さそうだ。僕の作戦なら、それでも何とかなるだろう。
「レオネルさん、少しお使いを頼みたいのですが」
「はい。何でしょうか」
応接間に入ることが許可されている格好いいスポーツマン風の衣装のレオネルさんは、廊下にいるウィリアムさんと僕を見比べつつも普通に答えてくれた。
「国家公務員さんたちに、魔物を封印するツボを幾つか譲って頂けるかと、頼んでみてください。あと、九月御堂市の魔物の分布図と、逮捕すべき魔人の情報も頂けるか聞いてみてください」
「分かりました」
喋っている途中でウィリアムさんが駄目ですと連呼したので、廊下に繋がる扉が叔母さんにより閉じられた。
しばらく皆とおしゃべりしながら待っていると、レオネルさんは地図を片手に、国家公務員さんも連れて戻って来てくれた。
ソファーとテレビの間の机に地図を置き、国家公務員さんから魔物と魔人の犯罪者情報の説明をしてもらった。
作戦に参加する予定だった姫が言うには、この地図には日本政府が知らない情報が多く掲載されているという。
それならば、見回り巡回の魔術師たちに発見される前に、こちらが先に回収できそうだ。
「作戦を説明します。掃討作戦が始まるまでにできる限り魔物の回収と、魔人の逮捕を行います。そして作戦が始まってからは、人間の魔術師たちを適度に追い払いつつ、同じく回収作業を進めます。できる限り、全ての被害を最小限に抑えましょう」
「それを、我々だけで行うのですか?」
無難な高校生風衣装のロレンスさんの質問が来た。実年齢はその二倍は有るのに、さすがにエルフは若い。
「はい。時間がありませんので、三つの班に分かれましょう。言葉の問題があるので、ロレンスさんとレオネルさんは共に行動してください」
「ということは、私とノア様は単独行動ですか」
カイさんが言ったので、黙って頷いた。
しかし扉は押し開かれた。
「ノア様を一人にするなど言語道断! 私がお供いたします!」
「はい。頼みますね」
ここは素直に、ウィリアムさんに頼ることにした。
それから、それぞれの班の獲物の割り当てを先に決めた。実際には事はそう上手く運ばないものと思われるが、目安にはなるし、お互いの居場所も掴み易いし。
そしてまず狙うのは、市内で一番強いものと弱いもの。上と下の間引きをすれば、人間の魔術師たちと戦うのは適度な強さのものとなり、僕らが横やりを入れるまでの間に接戦にさせて被害を最小限に抑えられるだろう。
ただここで問題が。やはり強いとはいえ、足になってくれる国家公務員さん以外の主戦力がカイさん一人の班は不安要素が残る。
もう一人居たらなと思って陸君を思い浮かべたが、頼みに行った先で僕が彼に退治されそうだ。
「はい。私も同行いたします」
突然、傍観者だったセシリア王女が挙手した。
「いえ、王女はご遠慮下さい」
「嫌です。ついていきます。お父様にも、お兄様のお世話を頼まれてもおりますので」
「しかし――」
「大丈夫よ」
僕が困ると、何故か姫が得意げに言った。
「私も行くからね!」
「え! いやちょっと、作戦に参加しないって言ったじゃないか!」
「何だか訳の分からない、新しい妹には負けないわ!」
「家で大人しくしてなさい!」
僕は叫んだ。
幾らかの説得ののち、姫はやはり居残りになったが。
セシリア王女が主犯になり、班のメンバー入れ替えが実行された。
カイさんには、ウィリアムさんが同行することになった。
僕はルナさんと共に、セシリア王女の面倒を責任持って見ることになった。
ウィリアムさんがこの班分けで納得してくれたから、正式決定となった。
きっとセシリア王女が僕の足を引っ張っている間に、彼が僕らの獲物を横取りする事で僕を戦闘から離そうという作戦だろうが……実際にどうなるかは、分からない。
「ノア様、一言よろしいでしょうか」
先ほどの叔父さん並みの妖気が、ウィリアムさんから発せられている。
「その前に、受けるとは言ってませんよ?」
「流れとしては引き受けたように聞こえました」
「さっきのは、叔父さんがそう持っていっただけです。私の意見ではありません」
「ならば安心いたしました」
ウィリアムさんが笑顔になり、僕から一歩下がって距離を取ってくれた。
立ち聞きしていたんだろう他の三人が廊下から玄関ホールに来て、微妙な笑顔を見せた。
「ノア様」
「はい」
笑顔なのに一番怖いウィリアムさんが、距離は置いてくれたものの気合い十分に呼びかけてきた。
「ミネットティオルの麒麟は、戦闘などいたしません」
「分かっています。戦闘はしません。横やりを入れます」
「それは、引き受けたという意味合いですか?」
「いや、叔父さんの頼みを聞いての事ではありません。魔界の国家公務員さんたちの手伝いをしようかなと思いまして」
「きっと彼らは、手伝いはいらないと言います」
「それでも、ミネットティオルの麒麟としては、何人たりとも血を流してもらいたくないのです」
僕は泣き真似をした。
カイさんが、いつも理論武装が凄いよなとロレンスさんに囁いたのが聞こえた。
「駄目です。私は猛反対いたします。ガラス球は入手されたのですし、このまま帰還いたしましょう」
「だけど、私の同級生や先輩後輩、家族の話なんです。戦場に出ないでいい援助ならば、したいのです」
演技は止めて、本音を語った。
ウィリアムさんは、一瞬ひるんだ。
「そう言いつつ、戦場のど真ん中に降り立つのがノア様の気質ですので、やはり関与を認めません。お帰り頂きます」
「そこを何とか」
「なりません。さあ早く、そのガラス球を壊して下さい。それとも魔界に戻ってから壊されますか?」
「……」
僕は回れ右し、逃げ出した。
隣に。
2・
もう会えないと覚悟した姫に懐かれ、叔母さんの美味しい料理を堪能。
お風呂まで頂き、久しぶりの本格的な一家団らんに癒された。
応接間でテレビの前のソファーに座り、両脇に姫と叔母さんがいる。
国営放送で、夜七時のテレビニュースをしている。
もうあまり見たくないテレビニュースなんだけれど、ウィリアムさんが姫と叔母さんから応接間の立ち入り禁止を命じられたので、ここにいる方が都合が良い。
別の番組がいいんじゃと思ったものの、チャンネル権を姫が持っているために口出しできない。
目と耳を塞ごうにも、両腕が拘束されている。
少し嫌な状況なのだが、ここ以外の逃げ場を知らない。明日まで生き長らえる為には、いるしかない。
「そういえばノアお兄ちゃん、あの事件の起きる前に一緒に買い物に行くって約束してくれたじゃない? でももう夏休み過ぎちゃったのよね。だから今度は、お正月にデートして!」
「うん。そういえばそう……ん?」
「その時には、龍馬お兄ちゃんの姿でお願いね? 私、向こうの方が大好きなのよ!」
「向こう。って……あれ?」
何かがおかしい?
「姫……ちゃん? 私とは約束してないよ?」
「龍馬お兄ちゃん、家ではその変装しなくて良いわよ? 母さんも同じ意見なんだから」
「龍馬ちゃん、叔母さんも前の方が格好いいと思うのよ。外出用の気遣いでその姿なのは仕方ないんだけれども、家の中では普通にいてくれない?」
「…………いつ、バレて、ました?」
「えっと、昨日再会して抱きついた時」
姫の答えで、最初からバレていたのが判明した。
「何故? この幻術はほぼ完璧なのに!」
「だって、匂いがお兄ちゃんのまんまなんだもの。そこまで隠さないと、親しい人は騙せないわよ」
「それは……僕の私物を根こそぎ持っていった姫と叔母さんだからねえ……」
姿を変える意味、全くなかった。
まあ、バレていたからこその歓迎ぶりで、全く見知らぬ存在にあそこまで愛想良くしたのではないと判り、安心はした。
しかしそれならば、昼間に僕がカリスマ能力を意図的に使用しようとした時は、効果がなかったのでは? 大魔王様が、親しい人には効果がないような事を言っていたのに。
「姫。あの、昼間にした話なんだけれども」
「それなら大丈夫。私は将来お兄ちゃんにお嫁に貰ってもらうから、進学も就職も関係ないしね。明日は掃討作戦に行かないわ!」
「将来の約束までは、できないよ……」
カリスマ能力なんて関係なくガチだったと気付いた僕は、力無く小声で答えた。僕が泣いた意味、全くなかった……。
落ち込んでいる間に、テレビニュースは終わってくれた。
重要な内容は、今日の午前零時から明日の零時まで、外出禁止令が出るとのことと、午前二時から掃討作戦が開始されることの二つあった。
もう時間はない。
僕は周囲を見回し、応接間の隣の台所でカイさんがいて、リンゴを食べているのを発見した。
「カイさん、昨日の事なんですが、何故私が麒麟の能力を使用しようとした時に逃げたんですか?」
「ああそれは、私が自分の固有スキルの効果中だったからですよ。固有スキルについては、ご存じですか?」
「魔人が種族別に持っている能力のことですよね? 時空召喚士は、時空に関する魔法に生まれ付き優れているというような」
「そうです。私の家系の固有スキルは、反転させることなんです。魔法やそれと同等の物理的効果を反転させる事ができます。つまり麒麟の浄化能力で、私は毒を受けることができます」
「それ先に教えて下さいよ! 危険じゃないですか!」
カイさんは、首をすぼめた。
「主人となる麒麟様は、普通は戦闘に参加せず逃げるはずですから、お教えする必要はないかと思いまして」
今の自分にとり、物凄く痛い答えが返ってきた。
玄関に続く廊下で座布団敷いて座っているウィリアムさんが笑うのが、視界の隅っこで確認できた。
僕はどうするか考えながら、本来ならば叔父さんが座っている筈の一人掛けソファーに座るセシリア王女を見た。
セシリア王女は、カップのバニラアイスのおかげで上機嫌だ。
「セシリア様、封印を解いた時に何かしらのダメージがありましたか?」
「そういえば、丸一日ほどは寝込みましたわね」
とすると、今すぐガラス球を破壊するよりも今ある能力で対応するのが良さそうだ。僕の作戦なら、それでも何とかなるだろう。
「レオネルさん、少しお使いを頼みたいのですが」
「はい。何でしょうか」
応接間に入ることが許可されている格好いいスポーツマン風の衣装のレオネルさんは、廊下にいるウィリアムさんと僕を見比べつつも普通に答えてくれた。
「国家公務員さんたちに、魔物を封印するツボを幾つか譲って頂けるかと、頼んでみてください。あと、九月御堂市の魔物の分布図と、逮捕すべき魔人の情報も頂けるか聞いてみてください」
「分かりました」
喋っている途中でウィリアムさんが駄目ですと連呼したので、廊下に繋がる扉が叔母さんにより閉じられた。
しばらく皆とおしゃべりしながら待っていると、レオネルさんは地図を片手に、国家公務員さんも連れて戻って来てくれた。
ソファーとテレビの間の机に地図を置き、国家公務員さんから魔物と魔人の犯罪者情報の説明をしてもらった。
作戦に参加する予定だった姫が言うには、この地図には日本政府が知らない情報が多く掲載されているという。
それならば、見回り巡回の魔術師たちに発見される前に、こちらが先に回収できそうだ。
「作戦を説明します。掃討作戦が始まるまでにできる限り魔物の回収と、魔人の逮捕を行います。そして作戦が始まってからは、人間の魔術師たちを適度に追い払いつつ、同じく回収作業を進めます。できる限り、全ての被害を最小限に抑えましょう」
「それを、我々だけで行うのですか?」
無難な高校生風衣装のロレンスさんの質問が来た。実年齢はその二倍は有るのに、さすがにエルフは若い。
「はい。時間がありませんので、三つの班に分かれましょう。言葉の問題があるので、ロレンスさんとレオネルさんは共に行動してください」
「ということは、私とノア様は単独行動ですか」
カイさんが言ったので、黙って頷いた。
しかし扉は押し開かれた。
「ノア様を一人にするなど言語道断! 私がお供いたします!」
「はい。頼みますね」
ここは素直に、ウィリアムさんに頼ることにした。
それから、それぞれの班の獲物の割り当てを先に決めた。実際には事はそう上手く運ばないものと思われるが、目安にはなるし、お互いの居場所も掴み易いし。
そしてまず狙うのは、市内で一番強いものと弱いもの。上と下の間引きをすれば、人間の魔術師たちと戦うのは適度な強さのものとなり、僕らが横やりを入れるまでの間に接戦にさせて被害を最小限に抑えられるだろう。
ただここで問題が。やはり強いとはいえ、足になってくれる国家公務員さん以外の主戦力がカイさん一人の班は不安要素が残る。
もう一人居たらなと思って陸君を思い浮かべたが、頼みに行った先で僕が彼に退治されそうだ。
「はい。私も同行いたします」
突然、傍観者だったセシリア王女が挙手した。
「いえ、王女はご遠慮下さい」
「嫌です。ついていきます。お父様にも、お兄様のお世話を頼まれてもおりますので」
「しかし――」
「大丈夫よ」
僕が困ると、何故か姫が得意げに言った。
「私も行くからね!」
「え! いやちょっと、作戦に参加しないって言ったじゃないか!」
「何だか訳の分からない、新しい妹には負けないわ!」
「家で大人しくしてなさい!」
僕は叫んだ。
幾らかの説得ののち、姫はやはり居残りになったが。
セシリア王女が主犯になり、班のメンバー入れ替えが実行された。
カイさんには、ウィリアムさんが同行することになった。
僕はルナさんと共に、セシリア王女の面倒を責任持って見ることになった。
ウィリアムさんがこの班分けで納得してくれたから、正式決定となった。
きっとセシリア王女が僕の足を引っ張っている間に、彼が僕らの獲物を横取りする事で僕を戦闘から離そうという作戦だろうが……実際にどうなるかは、分からない。
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