妹しか愛していない母親への仕返しに「わたくしはお母様が男に無理矢理に犯されてできた子」だと言ってやった。

ラララキヲ

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16>> 応接室・3 

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 ルナリアは厳しい目で姉を見る。

「わたくしが当主となるのだから、当主の仕事はわたくしの物よ……!
 お姉様に実権を握らせて、わたくしがお飾りになるなんて絶対に嫌……っ!
 わたくしは馬鹿じゃないし子供を産むだけの道具じゃない……!!
 次期当主がわたくしなら、この家の全てはわたくしの物よ!!
 お姉様には何一つ触らせないっ!!」

 その言葉に焦ったのは両親だ。

「だ、だが、お前には当主の仕事の仕方は何一つ教えていないじゃないか……っ」

「そうよっ、ルナリアが大変な仕事をする必要はないわっ!
 嫌な事は全部アリーチェに任せて、貴女は楽しくグリドくんと笑って愛し合えばいいのよ……!」

 可愛い末娘の為に必死に説得しようとする両親の言葉を補足するようにアリーチェは言葉を続ける。

「貴女は『男と裸で腰を振っていればいい』、ですって」

 その極端な表現にその場に居たアリーチェ以外の目が見開かれる。ルナリアはその言葉に唖然とした。

「アリーチェっ!!」
「黙りなさい!!」

 ロッチェンとサバサはアリーチェを叱る。アリーチェがおかしな言い方をする所為で自分たちが悪者にされようとしている。何故こんな言い方をされなければいけないのかとロッチェンとサバサは焦った。
 このままではルナリアに誤解されてしまう。どうにかしなければと考えを巡らせるが、動揺した頭では適した言葉が浮かばなかった。
 そんな二人を更に追い詰める声がする。
 ルナリアの口から……

「……黙るのはお母様とお父様よ……」

 静かに発せられたルナリアの言葉にロッチェンとサバサは青い顔を更に青くして愕然とルナリアを見た。

「なっ?!」「ルナリアっ!!」

 しかしそんな二人に視線を向ける事もなく、ルナリアは静かな、しかし強い視線をアリーチェに向ける。

「出て行くのよね、お姉様」

 落ち着いたその声にアリーチェもただ静かに返事をした。

「えぇ。だってわたくし、お父様の血を引いていないのですもの」

 サラッと告げられた言葉にルナリアは目を見開く。玄関でのやり取りを聞いていなかったルナリアには初耳の言葉だった。




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