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「春菜」
と背後から声が聞こえた。
振り向くと30代前半くらいの女性がいた。白いシャツにジーンズというラフな格好をしている。美人といっても言いような整った顔立ちをしている。
「お母さん」
春菜が少し驚いて言う。
お母さん・・・
「こんなところで何やってるの?その高校生は誰?もしかしてナンパされてたの?」
母親は疑わしそうな目で僕を見る。
「違うよ」
「ホントに?」
母親はさらに疑わしそうな目で僕を見る。
「ホントだよ。飯島さんはそんな軽薄な人じゃないよ」
「飯島さんね。ずいぶんと親しげに彼の名を呼ぶね。春菜、もしかして、彼と付き合ってるんじゃないでしょうね?」
僕は動揺する。動揺のせいで良い言い訳が思い付かない。
「付き合ってるって言ったらどうする?」
春菜が真剣な表情で言う。
僕の動揺がさらに酷くなる。あまりの動揺のせいで気が遠くなる。
母親が笑う。そして言う。「セックスするときはゴムをしろよなと言うね」
「・・・はっ?」
僕は思わず言う。
「セックスするときはゴムしろよなと言ったのよ」
「何言ってるんですか?」
僕はさらにツッコむ。
ツッコまずにはいられなかったのだ。
「何って・・・可愛い娘が未成熟な体で妊娠したらツライだろうと思ったからセックスするときはゴムをしろと言ったのよ」
「それが母親の言うセリフですか?小学生の女の子が高校生と付き合ってると言ったんですよ。母親ならまずそこを心配するんじゃないですか?」
「普通の母親ならそうだろうね。でも私は違う。小学生の頃に担任の先生を好きになったような変わりものだからね。そしてその担任と結婚したような変わりものだからね。だから娘が高校生と付き合おうが心配はしない。私の娘だ。変な男を選んだりはしないと信じているからね」
僕は唖然とする。
「お母さんの言ってることは本当です。お母さんは本当に担任の先生と結婚したんです」
「ふふん。すごいだろ。愛は年齢の壁を容易く超えることができるんだよ。飯島くん」
「・・・」
「春菜は本気だよ。本気で飯島くんのことが好きなんだ。私が担任の先生を愛したときと同じくらい好きだと思う。だから子供の一時的な熱病だと思わないでやってほしい。好きな人にそう思われるのって意外と傷つくんだよ。だから娘と付き合う道を選んだのなら真剣に付き合ってやってほしい」
「・・・お母さん」
春菜は感動している。
「そしてセックスのときはゴムをつけてやってほしい」
「・・・お母さん、どうしていつも余計な一言を言うの。せっかく途中まで良い話だったのに」
「私には関西人の血が流れてるんだよ。だからどうしても笑いをとりたくなっちまうんだよ。それにセックスのときにゴムつけることは大事なことだろ」
「ああ、もう。お母さん、黙って」僕は我慢できずに言った。「ここは住宅地なんですよ。言葉を選んで話してください」
「飯島くんは真面目だな。私の夫みたいだ。春菜、さては父親に似た人を選んだな」
「違うよ。私を助けてくれた人が偶然、父親と似ているところがある人だったってだけだよ」
「なんか運命を感じさせるね。良いね。私、そういうの好きだよ」
「私も好き」
「私達、気が合うね」
母親が笑う。
「親子だからね」
「そうだね。飯島くんとも親子になれそうな気がするよ」
「もうお母さん、気が早いよ」
「私の勘は意外と当たるんだよ。私はこの担任の先生と結婚する気がするって思っていたらホントに結婚したしね」
「飯島さんにプレッシャーをかけないで」
「ごめんごめん。でも飯島くん。私の予感はよく当たるから覚悟しておいたほうがいいよ」
「お母さん!」
春菜が怒ったように言う。
「へへっ。じゃあ、私は行くね。お店の準備しなくちゃいけないからね。じゃあね。飯島くん。また会える日を楽しみにしてるわ。そのときは今より春菜との仲が進展してると嬉しいな」
「お母さん、早く行って」
「はいはい。じゃあね。二人とも。セックスのときにはゴムしなさいよ」
「お母さん!」
母親は笑いながら行ってしまった。
と背後から声が聞こえた。
振り向くと30代前半くらいの女性がいた。白いシャツにジーンズというラフな格好をしている。美人といっても言いような整った顔立ちをしている。
「お母さん」
春菜が少し驚いて言う。
お母さん・・・
「こんなところで何やってるの?その高校生は誰?もしかしてナンパされてたの?」
母親は疑わしそうな目で僕を見る。
「違うよ」
「ホントに?」
母親はさらに疑わしそうな目で僕を見る。
「ホントだよ。飯島さんはそんな軽薄な人じゃないよ」
「飯島さんね。ずいぶんと親しげに彼の名を呼ぶね。春菜、もしかして、彼と付き合ってるんじゃないでしょうね?」
僕は動揺する。動揺のせいで良い言い訳が思い付かない。
「付き合ってるって言ったらどうする?」
春菜が真剣な表情で言う。
僕の動揺がさらに酷くなる。あまりの動揺のせいで気が遠くなる。
母親が笑う。そして言う。「セックスするときはゴムをしろよなと言うね」
「・・・はっ?」
僕は思わず言う。
「セックスするときはゴムしろよなと言ったのよ」
「何言ってるんですか?」
僕はさらにツッコむ。
ツッコまずにはいられなかったのだ。
「何って・・・可愛い娘が未成熟な体で妊娠したらツライだろうと思ったからセックスするときはゴムをしろと言ったのよ」
「それが母親の言うセリフですか?小学生の女の子が高校生と付き合ってると言ったんですよ。母親ならまずそこを心配するんじゃないですか?」
「普通の母親ならそうだろうね。でも私は違う。小学生の頃に担任の先生を好きになったような変わりものだからね。そしてその担任と結婚したような変わりものだからね。だから娘が高校生と付き合おうが心配はしない。私の娘だ。変な男を選んだりはしないと信じているからね」
僕は唖然とする。
「お母さんの言ってることは本当です。お母さんは本当に担任の先生と結婚したんです」
「ふふん。すごいだろ。愛は年齢の壁を容易く超えることができるんだよ。飯島くん」
「・・・」
「春菜は本気だよ。本気で飯島くんのことが好きなんだ。私が担任の先生を愛したときと同じくらい好きだと思う。だから子供の一時的な熱病だと思わないでやってほしい。好きな人にそう思われるのって意外と傷つくんだよ。だから娘と付き合う道を選んだのなら真剣に付き合ってやってほしい」
「・・・お母さん」
春菜は感動している。
「そしてセックスのときはゴムをつけてやってほしい」
「・・・お母さん、どうしていつも余計な一言を言うの。せっかく途中まで良い話だったのに」
「私には関西人の血が流れてるんだよ。だからどうしても笑いをとりたくなっちまうんだよ。それにセックスのときにゴムつけることは大事なことだろ」
「ああ、もう。お母さん、黙って」僕は我慢できずに言った。「ここは住宅地なんですよ。言葉を選んで話してください」
「飯島くんは真面目だな。私の夫みたいだ。春菜、さては父親に似た人を選んだな」
「違うよ。私を助けてくれた人が偶然、父親と似ているところがある人だったってだけだよ」
「なんか運命を感じさせるね。良いね。私、そういうの好きだよ」
「私も好き」
「私達、気が合うね」
母親が笑う。
「親子だからね」
「そうだね。飯島くんとも親子になれそうな気がするよ」
「もうお母さん、気が早いよ」
「私の勘は意外と当たるんだよ。私はこの担任の先生と結婚する気がするって思っていたらホントに結婚したしね」
「飯島さんにプレッシャーをかけないで」
「ごめんごめん。でも飯島くん。私の予感はよく当たるから覚悟しておいたほうがいいよ」
「お母さん!」
春菜が怒ったように言う。
「へへっ。じゃあ、私は行くね。お店の準備しなくちゃいけないからね。じゃあね。飯島くん。また会える日を楽しみにしてるわ。そのときは今より春菜との仲が進展してると嬉しいな」
「お母さん、早く行って」
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「お母さん!」
母親は笑いながら行ってしまった。
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