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13.部活問答②
しおりを挟む「俺は付き合うよ」
場を和ませるように、四季先輩が小さく手を挙げた。
いつもの穏やかな笑み。こういう時、先輩がいるだけで空気が落ち着く。
これで人員が一人確定した。「ああ、良かった」と安堵して胸を撫で下ろしていたところだった、けれど。
ピーンポーンパーンポーン。
『三年一組、菜ノ春四季君。至急職員室にお越しください』
無情にも、校内放送が現実を告げた。
「……ごめん。後で合流出来たらするね」
そう言って四季先輩は、静かに立ちあがり部室を後にする。
扉の閉まる音がやけに重たく響いた。
これで四季先輩も離脱か。
気付けば、本日の活動は人口減少が止まらない過疎現象と化していた。
「ふん、兄様がいないのに、僕だけ付き合うはずないだろ」
そっけなく言い放つみーくん。まあ、予想は出来ていたけど。
「え、え、みんな不参加なんですか? じゃ、じゃあ私も不参加で……ごめんなさぃー!」
というわけで、みーくん、そして八雲ちゃんも辞退してしまった。
これでもう八人も離脱してしまった。
……え、これもう活動どころじゃなくない?
「い、一応聞くけど、二千翔君はどうするの?」
「もちろん参加するよ。こまり君もだろ?」
「そ、そうだね」
一応、活動方針を決めてしまった身として、参加しない訳にはいかないだろう。
「よし、じゃあこれで全員ですね。会長、問題解決に向かいましょう」
二千翔君がご機嫌に会長に話しかける。
ん? でも誰か忘れている気が……?
そう思ったその時、タイミングを見計らったかのように、教室の扉ががらりと開いた。
「すいませーん、遅れました!」
現れたのは土下座系美少女Vtuber、七海翠君。
彼はパソコン片手にぺこりと頭を下げる。
「いやあ、日直の仕事が長引いちゃって。あの今日の部活って一体何……」
「ああ、七海君か。ちょうどいいところに」
七海君が教室に入ろうと足を延ばした瞬間、それを退けるように、すかさず二千翔君が彼の肩をつかんで、180度方向転換させた。
「え?」
「今日の活動は部室外で行うことになってね。さあ、行こうか」
「あっそうなんだー。……あれ? でもみんななんだかまだ部室に……?」
「いいからいいから」
七海君が事情を察するよりも早く、二千翔君の勢いが強引に彼を教室から押し出す。
こうして二人は半ば強制的に部室を後にした。
「では行ってくる」
会長の一言と共に、私も慌てて後に続く。
流れで仕方なくこうなったけど、やっぱりなんかおかしいかも。
そう思った時にはすでに遅く、運命の歯車は回り始めていた。
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