第25文化部――活動内容、未定。

椿谷あずる

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18.恐怖の絶叫爆音集

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 図書室のテーブルの一つに座りながら、私たち第25文化部は一旦待機していた。
 お喋り集団への説得は失敗。生徒会長の注意も、きれいにスルーされたままだ。

「他人を説得させるってのは、難しいですねぇ」

 カチャカチャとキーボードを叩きながら、七海君がぼやく。
 彼のモニターには何やら「説得 心理 効果的」といった検索履歴が並んでいた。努力家なのか、ただの興味本位なのかは微妙なところだ。

「生徒会長が注意して効果が無いなら、もう無理なのかな」
「ねえ……」

 ちらりと会長を見ると、彼は静かに腕を組んでいた。
 何か真剣に考え込んでいる。たぶん、新しい説得案を練っている――と思いたい。

 どうしようか、と七海君と顔を見合わせていると、視界の端にみーくんが映った。
 彼はこの状況などまるで他人事のように、本棚から借りてきた分厚い本を読んでいる。

「この問題の解決に関わる気ゼロです、ってオーラ出てるね……」
「まあさっき、頑張ったから」

 確かに、花壇の件では犬にまで懐かれていたし、今日くらい静観でもいいのかもしれない。
 ……でもそれにしたって、図書室中がざわついてるのに眉一つ動かさないのはおかしい。

「でもさ、よく冷静でいられるよね」
「確かに」

 七海君も小声で頷いた。
 この空気に平然としていられるのは、もはや悟りの領域だ。

「よく見たまえ」

 不意に、背後から二千翔君の声が割り込んだ。
 私と七海君は同時に振り返る。彼は腕を組んで、みーくんの後ろ姿を指差していた。

「耳栓をしている」
「あー」
「なるほど」

 よく見ると、確かに耳の奥に小さな青い耳栓が見える。
 さすがというか、発想がシンプルすぎるというか……。

「そっか、耳栓か。でも、『うるさい人達がいるから、これで我慢してください』って、みんなに耳栓を配るのも変だよね」

 正直、結果としては効果的だけど、なんか間違ってる気がする。

「じゃあ逆に、彼らよりもうるさい音を流して、お喋りを封じるのはどうです?」

 七海君が軽くモニターをこちらに向けた。
 そこには『恐怖の絶叫爆音集』と書かれたファイル名。

「それじゃ、七海君が締め出されちゃうよ」
「確かに」

 七海君は苦笑い。
 そんな彼を見ながら、私も小さくため息をついた。
 ――正攻法では無理。奇策もダメ。もはや打つ手なし。

「はい、じゃあ次は二千翔君の番。どうぞ」

 完全に行き詰まった私は、冗談半分で話を振った。
 けれどその瞬間、二千翔君がニヤリと口の端を上げる。

「なるほど。僕の出番か」

 ……この笑い方、嫌な予感しかしない。
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