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24.買収の買収
しおりを挟む結局、私たちは特に進展もないまま、普通に部室で昼食を終えた。
四季先輩にいたってはあんぱんの袋を丁寧に畳んでいる。さすがだ。気持ちの込め方が違う。
「では――次回の活動だが」
会長が、お弁当のお箸を片づけながら、妙に張り切った声で切り出した。
「購買部のあんぱん売れ残り問題を、更に調査する」
「えっ、まだ他に調査することが?」
私は思わず聞き返した。
今日の調査で、犯人はスペシャルデラックスゴージャスパン(SDGパン)だと分かったはずだ。
「今日わかったのは犯人だけだ。ここから対策を練っていく」
会長は真顔で胸を張る。
あ、これは長期戦になる流れだ。絶対。
「というわけで――次回、我々は購買部に潜入する」
その宣言を聞いた瞬間、七海くんがサンドイッチの袋を落としそうになった。
「えっ、今日も潜入したじゃないですか」
「今日のはあくまで様子見だ。次回は本当に潜入する」
会長が机を軽く叩いて熱弁する。
こういう時だけ、めちゃくちゃ生徒会長っぽい。
「潜入して、何をするんですか? まさか例のSGDパンに異物でも混入させて評判をガタ落ちさせようと!?」
そう言って青ざめる七海君。でもそれは流石に発想が怖い。
「あとはー……あ! いっそあんぱんを販売終了にするとか!」
問題の排除。
確かにそれも答えの一つではあるけど……。
「あんぱんが……販売終了」
「貴様……僕に社会的に葬られたいのか?」
ほら、先輩悲しんでるよ。
みーくんはみーくんで殺意を感じるし。
これは今日は本当に駄目だなって思って伸びをしたら、偶然二千翔君と目が合った。
「……ところで二千翔君」
「ん?」
「そのスペシャルなんとかパン、まだ食べないの?」
彼は黒い笑みを浮かべたまま、手元のパンをひらひらさせた。
「なんだい、こまり君。食べたいのかい?」
「いや、別にそういうわけじゃなくてね……」
買収までして買ったくせに、何故かこの場では食べない。それが不思議だっただけである。
「これはね」
二千翔君はパンを軽く回して、言った。
「この後、情報を得るために、買収に使う」
「買収したものを、更に買収に使うの!?」
何その悪徳詐欺師みたいな使い方。単なるパンの話なのに……!
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