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第10話 買い物
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――異世界、か。
荒癇 応供は街を歩きながらぼんやりとそう思った。
これでもそれなりに濃い経験をしてきたので大抵の事には驚かない自信はあったが、流石にこれは予想外だ。 それ以前に応供はここに来る前に死んだはずだった。
敵の攻勢は激しく、味方が一人、また一人と倒れていく中、応供は自らの命を使っての状況打開を選んだ。
応供は自らの命は女神ズヴィオーズの為にあると心の底から信じていた。 だからこそ彼女の為になると思う事なら何でもしようと思っており、その過程で救われる人間が出るというのなら最良だ。
そんな考えで星運教という組織を運営して来た。 正確には運営自体は他に任せ、彼は女神の素晴らしさと教え、そして美しさを広める活動をただひたすらに行ってきた。
女神の絵画を描き、彫刻を造り、ありとあらゆる手段を用いて視覚的にその偉大さと美しさを広めようと芸術的なセンスをひたすらに磨き続けたのだ。 その甲斐あって、彼の作った芸術品はそこそこ以上の値で取引され、世界のあちこちを旅する事となった。
星運教は彼女の為だけに用意した場所だ。 それを守る為ならば命程度何度でもかけられる。
応供は自分が死ぬ事に対して欠片の躊躇も葛藤も存在しなかった。
だから、死んだ所でそこまでの苦しみはなかったのだ。 あるとすればもう女神様を想う事ができない悲しみぐらいだろうか。
全ての力を解き放った自爆に等しい攻撃により彼の意識は無に還るはずだったのだが、気が付けば異なる世界。 そして目の前には女神の残り香を纏った女性がいるではないか。
応供は運命だと感じた。 恐らくは女神ズヴィオーズは自分に生きろと言っているのだ。
その為に加護を与えた存在を目の前に遣わした。
――女神様はずっと俺の事を見守ってくれていた。 これまでの行動は無駄じゃなかったのだ。
そう考えると目頭が熱くなる。 応供は一つ大きく呼吸して気持ちを落ち着けた。
女神ズヴィオーズの無限の愛を感じ、応供は幸せを感じる。
幸福を意識すると周りの景色ですら煌めいて見えるのだから不思議だ。
やるべき事は決まっている。 女神の眷属たる朱里を守り、自らの信仰心を証明するのだ。
その朱里と離れるのはあまり好ましい事とは思えないが、今は緊急時。
急いで事を済ませて戻らなければならない。 ミュリエルは信用できないが加護を失った以上、朱里を殺す理由がない。
――それに――
何かあった場合の対策は講じてあるので問題はない。
応供はまずは二人の服を調達する為に服屋へと入る。 朱里の服装はこの世界では非常に目立つ上、ミュリエルに至ってはドレスだ。 行動するに当たって目立ちすぎるのは良くない。
その為、地味な服を探す。
店内は畳まれた服が大雑把なサイズ別に積み上がっており、高級品は広げて壁に掛けてある。
「いらっしゃい。 何を――ってあんた酷い格好だな」
店員に指摘され、応供はおやと首を傾げ視線を落とすと確かに酷い格好だった。
ズボンだけは辛うじて原型を留めているが上半身はほぼ裸だ。 あまりにもどうでもよかったので意識していなかった。 これでは少し目立ってしまうので自分の服も調達する必要がある。
「俺が着られる服を一着とそうだな……」
応供はすっと目を閉じる。 脳裏に朱里とミュリエルの姿をイメージした。
二人のサイズは抱えた際に大雑把ではあるが分かっている。 身長、体重は完璧に把握している。
スリーサイズはもう少し触らないと分からないが他が分かっていれば割とどうにかなるので問題はない。 該当するサイズの服を手に取る。
「この二着とそこの大きなバッグを貰う」
「女物だが、あんたが着るのか?」
「いや、連れの服だ。 ちょっと急ぎで必要になったんだ」
「ふーん。 まぁ、買ってくれるならお客様だ」
そう言って店員が指定した額を支払い自分の分はそのまま身に付け、二人の分は一緒に買ったバッグに詰める。 店員の視線が応供の腰に括りつけた袋に向かっていたが努めて無視をした。
オートゥイユ王国、王都オートゥイユ。 比較対象がないので何とも言えないが、大国と自称するだけあって栄えているのは活気を見れば良く分かる。
だが、応供からすればあまり居心地がいいとは言えない環境だった。
国民一人一人から程度の差こそあるが力神プーバーの気配を感じるのだ。
気、魔力、霊力と様々な呼び方があるが、生命由来のエネルギーはどんな生き物も放っているが、この世界は異様としか言いようがなかった。 本来の気配と神の気配が混ざって強い違和感を感じる。
神、応供は総称して「神格」と呼称しているが、それが放つエネルギーは非常に独特だ。
感覚的なものなので上手く言語化できないが、生物のそれよりも非常に気配が濃い。
恐らくは世界の外側――要は理の外から来る存在に共通しているそれは応供からすれば非常にユニークだ。 気配が違う、匂いが違う。 敵意を向けられれば威圧感が違う。
何もかもが違うのだ。 だから、一度覚えた気配はまず間違えない。
力神プーバーの何かが焼けるような焦げ臭い気配はかなり特徴的だ。
これをどう間違えろと言うのか。 小さく溜息を吐いて、自らのステータス画面を展開。
自身の能力が数値化、技能が言語化されている目録を見て凄まじいと小さく呟く。
これは――形になりかけた思考が外的要因によって霧散する。
気付かれないように平静を保ったまま道を歩く。 後方から数名が付いてきていたからだ。
意識と視線が応供に向かっているので間違いないだろう。
可能性は二つ。 王国の者かさっきの服屋の店員の差し金か。
前者であるならオートゥイユの勢力圏内から急いで逃げる必要がある。
そうでないならまだ猶予があるが、こんな簡単に絡んでくる輩が多い街にはあまり長居はしたくない。 どちらにせよこの王都からは早々に離れるべきだろう。
捕えて吐かせるべきかとも思ったが、騒ぎになっても困るので撒くのがいい。
路地に入ったと同時に跳躍して建物の上へ。
これは彼の能力の一つで念動力の一種で、視界内の物体に干渉する能力だ。
自身に使えば疑似的に空を飛ぶ事も可能で使い勝手も良い。 建物の上から下を見ると柄の悪そうな男達が応供を見失ってキョロキョロと辺りを見回していた。
問題なさそうと判断した応供は建物の屋根から屋根へと飛び移って次の目的地へと向かった。
荒癇 応供は街を歩きながらぼんやりとそう思った。
これでもそれなりに濃い経験をしてきたので大抵の事には驚かない自信はあったが、流石にこれは予想外だ。 それ以前に応供はここに来る前に死んだはずだった。
敵の攻勢は激しく、味方が一人、また一人と倒れていく中、応供は自らの命を使っての状況打開を選んだ。
応供は自らの命は女神ズヴィオーズの為にあると心の底から信じていた。 だからこそ彼女の為になると思う事なら何でもしようと思っており、その過程で救われる人間が出るというのなら最良だ。
そんな考えで星運教という組織を運営して来た。 正確には運営自体は他に任せ、彼は女神の素晴らしさと教え、そして美しさを広める活動をただひたすらに行ってきた。
女神の絵画を描き、彫刻を造り、ありとあらゆる手段を用いて視覚的にその偉大さと美しさを広めようと芸術的なセンスをひたすらに磨き続けたのだ。 その甲斐あって、彼の作った芸術品はそこそこ以上の値で取引され、世界のあちこちを旅する事となった。
星運教は彼女の為だけに用意した場所だ。 それを守る為ならば命程度何度でもかけられる。
応供は自分が死ぬ事に対して欠片の躊躇も葛藤も存在しなかった。
だから、死んだ所でそこまでの苦しみはなかったのだ。 あるとすればもう女神様を想う事ができない悲しみぐらいだろうか。
全ての力を解き放った自爆に等しい攻撃により彼の意識は無に還るはずだったのだが、気が付けば異なる世界。 そして目の前には女神の残り香を纏った女性がいるではないか。
応供は運命だと感じた。 恐らくは女神ズヴィオーズは自分に生きろと言っているのだ。
その為に加護を与えた存在を目の前に遣わした。
――女神様はずっと俺の事を見守ってくれていた。 これまでの行動は無駄じゃなかったのだ。
そう考えると目頭が熱くなる。 応供は一つ大きく呼吸して気持ちを落ち着けた。
女神ズヴィオーズの無限の愛を感じ、応供は幸せを感じる。
幸福を意識すると周りの景色ですら煌めいて見えるのだから不思議だ。
やるべき事は決まっている。 女神の眷属たる朱里を守り、自らの信仰心を証明するのだ。
その朱里と離れるのはあまり好ましい事とは思えないが、今は緊急時。
急いで事を済ませて戻らなければならない。 ミュリエルは信用できないが加護を失った以上、朱里を殺す理由がない。
――それに――
何かあった場合の対策は講じてあるので問題はない。
応供はまずは二人の服を調達する為に服屋へと入る。 朱里の服装はこの世界では非常に目立つ上、ミュリエルに至ってはドレスだ。 行動するに当たって目立ちすぎるのは良くない。
その為、地味な服を探す。
店内は畳まれた服が大雑把なサイズ別に積み上がっており、高級品は広げて壁に掛けてある。
「いらっしゃい。 何を――ってあんた酷い格好だな」
店員に指摘され、応供はおやと首を傾げ視線を落とすと確かに酷い格好だった。
ズボンだけは辛うじて原型を留めているが上半身はほぼ裸だ。 あまりにもどうでもよかったので意識していなかった。 これでは少し目立ってしまうので自分の服も調達する必要がある。
「俺が着られる服を一着とそうだな……」
応供はすっと目を閉じる。 脳裏に朱里とミュリエルの姿をイメージした。
二人のサイズは抱えた際に大雑把ではあるが分かっている。 身長、体重は完璧に把握している。
スリーサイズはもう少し触らないと分からないが他が分かっていれば割とどうにかなるので問題はない。 該当するサイズの服を手に取る。
「この二着とそこの大きなバッグを貰う」
「女物だが、あんたが着るのか?」
「いや、連れの服だ。 ちょっと急ぎで必要になったんだ」
「ふーん。 まぁ、買ってくれるならお客様だ」
そう言って店員が指定した額を支払い自分の分はそのまま身に付け、二人の分は一緒に買ったバッグに詰める。 店員の視線が応供の腰に括りつけた袋に向かっていたが努めて無視をした。
オートゥイユ王国、王都オートゥイユ。 比較対象がないので何とも言えないが、大国と自称するだけあって栄えているのは活気を見れば良く分かる。
だが、応供からすればあまり居心地がいいとは言えない環境だった。
国民一人一人から程度の差こそあるが力神プーバーの気配を感じるのだ。
気、魔力、霊力と様々な呼び方があるが、生命由来のエネルギーはどんな生き物も放っているが、この世界は異様としか言いようがなかった。 本来の気配と神の気配が混ざって強い違和感を感じる。
神、応供は総称して「神格」と呼称しているが、それが放つエネルギーは非常に独特だ。
感覚的なものなので上手く言語化できないが、生物のそれよりも非常に気配が濃い。
恐らくは世界の外側――要は理の外から来る存在に共通しているそれは応供からすれば非常にユニークだ。 気配が違う、匂いが違う。 敵意を向けられれば威圧感が違う。
何もかもが違うのだ。 だから、一度覚えた気配はまず間違えない。
力神プーバーの何かが焼けるような焦げ臭い気配はかなり特徴的だ。
これをどう間違えろと言うのか。 小さく溜息を吐いて、自らのステータス画面を展開。
自身の能力が数値化、技能が言語化されている目録を見て凄まじいと小さく呟く。
これは――形になりかけた思考が外的要因によって霧散する。
気付かれないように平静を保ったまま道を歩く。 後方から数名が付いてきていたからだ。
意識と視線が応供に向かっているので間違いないだろう。
可能性は二つ。 王国の者かさっきの服屋の店員の差し金か。
前者であるならオートゥイユの勢力圏内から急いで逃げる必要がある。
そうでないならまだ猶予があるが、こんな簡単に絡んでくる輩が多い街にはあまり長居はしたくない。 どちらにせよこの王都からは早々に離れるべきだろう。
捕えて吐かせるべきかとも思ったが、騒ぎになっても困るので撒くのがいい。
路地に入ったと同時に跳躍して建物の上へ。
これは彼の能力の一つで念動力の一種で、視界内の物体に干渉する能力だ。
自身に使えば疑似的に空を飛ぶ事も可能で使い勝手も良い。 建物の上から下を見ると柄の悪そうな男達が応供を見失ってキョロキョロと辺りを見回していた。
問題なさそうと判断した応供は建物の屋根から屋根へと飛び移って次の目的地へと向かった。
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