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56.独り占め片思い④(ローションガーゼ)
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朝礼で新入社員の男が深々と頭を下げると、まばらな拍手が起きた。俺もとりあえず手を叩く。
「イトウ カズナリと申します。
製造業に興味があり、また地元企業に貢献したいという思いから当社を希望しました。
よろしくお願いいたします」
整った顔立ちにハキハキした声。背筋もピンとしてて、面接の見本みたいな挨拶だった。
「いい男ね~」
「ジャニーズにいそう」
おばさんたちがすぐさまざわつく。今年の採用は製造部門に1人。イケメンで大卒。なんでこんなヤツがしみったれた工場に……。
でも即採用なのもわかる。社長も「こういう人材を求めてた」「箔がついた」ってふんぞり返ってたし。
「上西、お前が色々教えてやれ」
課長に指示され、俺が指導係になった。
「君、名前は?」
「あ、上西です」
「下の名前は?」
「秋雄です」
「よろしくね、秋雄くん」
「……よろしくお願いします」
キラキラ笑顔で握手を求められ、とっさに応えてしまった。
うわー、こういうタイプか。こっちが一定の距離置いてるのに平気でグイグイくる雰囲気。直感で苦手だと感じた。
「とりあえず手は絶対消毒して」
「うん」
「で、こっちにいろいろ置いてます」
「うん、そうなんだ。へー」
「これは雑巾、こっちはラインの清掃用ダスターです。ちゃんと絞ってから使ってください」
「うん」
「次なんですけど……あの、メモとかしなくても大丈夫ですか」
笑顔でうなずくばかりで、メモひとつ取らない。
もしかしてテンポが早くてメモ取る暇がなかったか?
「頭で覚えるタイプだからね、これくらい平気だよ」
「はぁ」
まぁ、大卒だし。頭良いからこんなこと一生懸命書いて覚えるまでもないのか。
イトウのことは食堂のおばちゃんたちの間でも話題になっていた。
「今年は偉いイケメンが来たらしいわね~!
仕事もやる気出るわぁ~。
あっ……上西くんもいい男だから!ウチの息子に似てる!」
「……どーも」
無駄に気遣われながらソースカツ丼を受け取る。1人で食べてると龍崎さんが隣に座ってきた。
「お前も先輩になるって感慨深いなぁ」
「あ、お疲れさまです」
「どうよ?新人は」
「なんかすごいっすね。頭いいしカッコイイし」
「ふーん、俺より?」
「えっ、いや、そういうことじゃなくて」
「なに焦ってんだよ。……アイツ、すぐやめるよ」
龍崎さんはしば漬けをつつきながら薄ら笑いを浮かべた。
「え、なんでですか?」
「仕事できるやつがこんなショボい会社来るわけねーだろ。頭いいだけで使えねえタイプだな、アイツ」
半日しか一緒に働いてないのにハッキリ言い切るから驚いたけど、すぐに意味がわかった。
簡単なことしか教えてないのに全然覚えてない。
「ちょ、それ雑巾です!ダスターは青いのですって」
「え、そうだっけ?」
「それくらい覚えてください。あと、」
「あっ、休憩の時間だ。それじゃ」
「…………」
少しでも注意されるとふてくされていなくなる。俺みたいな年下のバカに指図されるのがムカつくんだろう。
それがイヤならちゃんと仕事覚えろよ。
そのうえ、俺に絡んでた先輩たちにタメ口を使ったせいで、案の定いびられはじめた。
「てかさ、先輩にタメ口?」
「大学出たってのはそんなに偉いことなのかよ?おい」
「僕は上下関係とか気にしないタイプだから。学歴ない人を見下しはしないから安心してよ」
「……はぁ?」
「あ?」
……こんな感じ。
半月もすると、おばさんたちも相手にしなくなったし、上司たちも遠慮をやめた。
怒鳴られたり邪険にされたり……当然の結果だが、イトウは耐えられなかった。
「秋雄くん!この会社はおかしい!労働環境を改善するために二人で立ち上がらないか?!」
「いや……田舎の工場ってこんなもんでしょ」
「でも君だって毎日辛いだろう?」
「別に。この程度で辛いとか、どんな甘ったれた人生送ってんだよ」
「秋雄くん……」
このあたりから俺もタメ口になっていた。翌日、イトウは来なかった。無断欠勤。そのままバックレたと朝から上司たちがイライラしていた。
礼儀も根性もない、龍崎さんの言った通り。
また龍崎さんは薄ら笑みを浮かべていた。
「イケメンとお別れしてさみしいか?」
「そんなこと……」
「ふーん?浮かれてた罰与えねぇとな」
***
仕事が終わって龍崎さんのアパートに着くなり風呂場に連れて行かれた。
「近所に迷惑かけんなよ」って念を押されたけど、声が……いや悲鳴が我慢できない。
「も゛う、無理ですっ」
「はぁ?なめてんのか」
「だっでぇ、あ゛っーーー!!」
亀頭がこすれてまたプシャッと小便か潮かわからないモノが吹き出す。
脳天を貫く痛みと紙一重の快感に叫ぶ。
最初は風呂に沈められたり冷水か熱湯をかけられるかと思ったけど、渡されたのはローションとガーゼのタオルだった。
ローションを染み込ませたガーゼを亀頭に当てて往復させる……。たったそれだけ。 ローションも普通のだし、ガーゼもふわふわしてるのに、組み合わせるとこんなことになるなんて……。
「あうっ…………」
またプシャッと漏らす。もう何度目かわからない……。床も俺の体もびしょびしょだ。
龍崎さんには「俺が飽きるまでって」言われたけど、手加減してるとか腰が引けてるとかで何回もやり直しを食らって、このザマだ。
「し、しぬ……」
「死ぬわけねぇから死ぬ気でやれ」
「あっ、ううう……」
泣きながら自分で亀頭をいじめ抜いた。潮も小便も出なくなったら、わざわざ水を飲まされた。
他の人とヤれないようにイクたびに漏らすように調教してやるって言ってたけど、本当らしい。
調教が続いたら俺の体はどうなってしまうのかと、思わなくはないけど、嫉妬されてるって喜びが大きい。
俺はもう龍崎さんしか見えてないのに……この人は不安になってる。
支配されてるようで支配してるのは俺なのかもしれない。今、この瞬間だけは。
「ぐぅうぅう゛~ッ!!」
「休むなよ」
地獄は続いた。
「イトウ カズナリと申します。
製造業に興味があり、また地元企業に貢献したいという思いから当社を希望しました。
よろしくお願いいたします」
整った顔立ちにハキハキした声。背筋もピンとしてて、面接の見本みたいな挨拶だった。
「いい男ね~」
「ジャニーズにいそう」
おばさんたちがすぐさまざわつく。今年の採用は製造部門に1人。イケメンで大卒。なんでこんなヤツがしみったれた工場に……。
でも即採用なのもわかる。社長も「こういう人材を求めてた」「箔がついた」ってふんぞり返ってたし。
「上西、お前が色々教えてやれ」
課長に指示され、俺が指導係になった。
「君、名前は?」
「あ、上西です」
「下の名前は?」
「秋雄です」
「よろしくね、秋雄くん」
「……よろしくお願いします」
キラキラ笑顔で握手を求められ、とっさに応えてしまった。
うわー、こういうタイプか。こっちが一定の距離置いてるのに平気でグイグイくる雰囲気。直感で苦手だと感じた。
「とりあえず手は絶対消毒して」
「うん」
「で、こっちにいろいろ置いてます」
「うん、そうなんだ。へー」
「これは雑巾、こっちはラインの清掃用ダスターです。ちゃんと絞ってから使ってください」
「うん」
「次なんですけど……あの、メモとかしなくても大丈夫ですか」
笑顔でうなずくばかりで、メモひとつ取らない。
もしかしてテンポが早くてメモ取る暇がなかったか?
「頭で覚えるタイプだからね、これくらい平気だよ」
「はぁ」
まぁ、大卒だし。頭良いからこんなこと一生懸命書いて覚えるまでもないのか。
イトウのことは食堂のおばちゃんたちの間でも話題になっていた。
「今年は偉いイケメンが来たらしいわね~!
仕事もやる気出るわぁ~。
あっ……上西くんもいい男だから!ウチの息子に似てる!」
「……どーも」
無駄に気遣われながらソースカツ丼を受け取る。1人で食べてると龍崎さんが隣に座ってきた。
「お前も先輩になるって感慨深いなぁ」
「あ、お疲れさまです」
「どうよ?新人は」
「なんかすごいっすね。頭いいしカッコイイし」
「ふーん、俺より?」
「えっ、いや、そういうことじゃなくて」
「なに焦ってんだよ。……アイツ、すぐやめるよ」
龍崎さんはしば漬けをつつきながら薄ら笑いを浮かべた。
「え、なんでですか?」
「仕事できるやつがこんなショボい会社来るわけねーだろ。頭いいだけで使えねえタイプだな、アイツ」
半日しか一緒に働いてないのにハッキリ言い切るから驚いたけど、すぐに意味がわかった。
簡単なことしか教えてないのに全然覚えてない。
「ちょ、それ雑巾です!ダスターは青いのですって」
「え、そうだっけ?」
「それくらい覚えてください。あと、」
「あっ、休憩の時間だ。それじゃ」
「…………」
少しでも注意されるとふてくされていなくなる。俺みたいな年下のバカに指図されるのがムカつくんだろう。
それがイヤならちゃんと仕事覚えろよ。
そのうえ、俺に絡んでた先輩たちにタメ口を使ったせいで、案の定いびられはじめた。
「てかさ、先輩にタメ口?」
「大学出たってのはそんなに偉いことなのかよ?おい」
「僕は上下関係とか気にしないタイプだから。学歴ない人を見下しはしないから安心してよ」
「……はぁ?」
「あ?」
……こんな感じ。
半月もすると、おばさんたちも相手にしなくなったし、上司たちも遠慮をやめた。
怒鳴られたり邪険にされたり……当然の結果だが、イトウは耐えられなかった。
「秋雄くん!この会社はおかしい!労働環境を改善するために二人で立ち上がらないか?!」
「いや……田舎の工場ってこんなもんでしょ」
「でも君だって毎日辛いだろう?」
「別に。この程度で辛いとか、どんな甘ったれた人生送ってんだよ」
「秋雄くん……」
このあたりから俺もタメ口になっていた。翌日、イトウは来なかった。無断欠勤。そのままバックレたと朝から上司たちがイライラしていた。
礼儀も根性もない、龍崎さんの言った通り。
また龍崎さんは薄ら笑みを浮かべていた。
「イケメンとお別れしてさみしいか?」
「そんなこと……」
「ふーん?浮かれてた罰与えねぇとな」
***
仕事が終わって龍崎さんのアパートに着くなり風呂場に連れて行かれた。
「近所に迷惑かけんなよ」って念を押されたけど、声が……いや悲鳴が我慢できない。
「も゛う、無理ですっ」
「はぁ?なめてんのか」
「だっでぇ、あ゛っーーー!!」
亀頭がこすれてまたプシャッと小便か潮かわからないモノが吹き出す。
脳天を貫く痛みと紙一重の快感に叫ぶ。
最初は風呂に沈められたり冷水か熱湯をかけられるかと思ったけど、渡されたのはローションとガーゼのタオルだった。
ローションを染み込ませたガーゼを亀頭に当てて往復させる……。たったそれだけ。 ローションも普通のだし、ガーゼもふわふわしてるのに、組み合わせるとこんなことになるなんて……。
「あうっ…………」
またプシャッと漏らす。もう何度目かわからない……。床も俺の体もびしょびしょだ。
龍崎さんには「俺が飽きるまでって」言われたけど、手加減してるとか腰が引けてるとかで何回もやり直しを食らって、このザマだ。
「し、しぬ……」
「死ぬわけねぇから死ぬ気でやれ」
「あっ、ううう……」
泣きながら自分で亀頭をいじめ抜いた。潮も小便も出なくなったら、わざわざ水を飲まされた。
他の人とヤれないようにイクたびに漏らすように調教してやるって言ってたけど、本当らしい。
調教が続いたら俺の体はどうなってしまうのかと、思わなくはないけど、嫉妬されてるって喜びが大きい。
俺はもう龍崎さんしか見えてないのに……この人は不安になってる。
支配されてるようで支配してるのは俺なのかもしれない。今、この瞬間だけは。
「ぐぅうぅう゛~ッ!!」
「休むなよ」
地獄は続いた。
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