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3章 DT,先生じゃなく、寮父になる
88話 明日の自分の為に……らしいです
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ホーラの顔にかかる飛沫に放心する。
ギルバードは本来の身長のより高い位置に顔があり、「えっ?」と呟き、キョトンとした顔をして堰き込み血を吐き出す。
ギルバードの胸には白く大きな突起物が生えており、震える手で引き抜こうとするように両手を上げようとするが力尽きたようにダランと手を下ろす。
苦痛に歪む顔を見せるギルバードを直視した直後、どこかに行っていたホーラの心が戻り腹の底から声を上げる。
「うぁぁぁぁぁ!!!!」
ホーラは激情のままに持てるだけのナイフを取り出すと一気に投げ放つ。
急所など気にせず絨毯爆撃をするつもりのようにするが、ナイフはすぐに尽きる。
突き刺したベへモスは痛みから頭を激しく振り、牙から外れ、放物線を描きながら飛んでいくのに目を奪われたホーラであったが、テツが受け止めるのを見ると今度はパチンコを引き絞る。
本当に後先を考えていないようで、駆け引きもなにもへったくれもなく鉄球がなくなるまで打ち続ける。
「ホーラぁ! 落ち着きなさい。激情のままに戦ってどうするの!」
ポプリが溜めていた魔法を打ち放つ。
細く、細く収束された火線を指先から放ち、ベへモスを貫く。
放ってる指先を動かす事で斬り刻むようにする。
さすがにこれにはベへモスも溜まったモノじゃなかったようで痛みから絶叫する。
額に汗を浮かべ、脱力感と戦いながらポプリが力を振り絞るように切り上げるとベへモスの左腕を切り離す。
魔力を使いすぎたポプリが膝を着きながらホーラに呼び掛ける。
「今の内に距離を取りなさい! 今のアンタは丸腰なのよ」
しかし、ホーラはポプリの言葉を聞いてないかのように胸元を弄るとミチルダに作って貰った銃を取り出す。
それを見たポプリが目を見開く。
「ば、馬鹿! まだまともに打つ事もできない武器出してどうするの! 火種を作る程度の魔法の反動ですら狙いがつけれなかったでしょ」
ホーラはポプリの言葉を無視して弾を装填する。
「今、アンタが持ってる弾に籠ってるのは、そんな弱い魔法じゃない」
もうポプリの言葉は届いていないのかもしれないとポプリはテツに目配せすると頷かれる。
「ホーラ姉さん止めてください!」
テツがホーラの肩に手を置こうとした時、痛みから憎しみ色に染まったベへモスがホーラ目掛けて突進してくる。
もう、ホーラは叫び声は上げてない。ただ、ただ、無表情に銃を構えると引き金を引く。
撃った反動は凄まじく後ろで手を置こうと思っていたテツを巻き込んで吹っ飛ぶ。
転がって土塗れになった2人であったが、ホーラはすぐに立ち上がる。
立ち上がると次の弾を装填しながらベへモスを見つめる。
反動から胸を狙ったはずのモノは大きくずれて、右腕が消失していた。
ベへモスは痛みから両膝着いて鼻を強く地面に打ち付けて、痛みに、憎しみに吼える。
そんなベへモスの圧力も何も感じてないような顔をしたホーラは、口を小さく動かしながらベへモス目掛けて走り出す。
ホーラの手から淡い光が出ており、魔力の流れを感じたポプリが目を剥いて叫ぶ。
「扱えてない力を更に付加させて何考えているの、死ぬ気? テツ君、早くホーラを止めて!」
テツは吹っ飛ばされて木に頭を打ったようでふらつきながら立つのを見たポプリは自分の体に鞭打って立ち上がり、必死にホーラを追いかける。
当然、満身創痍のポプリが追い付く訳なく、ホーラはベへモスの懐に入る。
怒りに染まったベへモスが牙でホーラを薙ぎ払おうとするが、ホーラのほうが早かった。
銃を構えて、「付加するは、爆裂」と呟くと躊躇せずに引き金を引いた。
激しい爆音と閃光にホーラは包まれ、そこに生まれた力に吹っ飛ばされる。銃を持っていた両腕からは裂傷により血が噴き出す。
飛んでいくホーラの射線上にきたポプリは、「ええい、女は度胸っ!」と叫ぶと飛んでくるホーラに抱きつく。
だが、勢いは殺せず、同じように飛ばされる。
「どっせいぇい!!」
その2人を抱えるようにテツが抱き付き、見えない足場で耐えるように踏ん張るが、軽い音を響かせて割れる。
どうやら、風魔法で足場を作っているようである。
それを連続使用で徐々に威力減退させていく。
多少は減退させていったが、テツ達は大樹にぶつかって止まる。
「重たい……」
「テツ君、女の子にそのセリフは極刑だからねっ?」
とはいえ、良く頑張ったと思ったポプリの顔には笑みがあった。
ホーラは、ふらつく体でベへモスが居た場所へと歩いていく。
着いた場所には、首から下がないベへモスが白目を剥いて息絶えていた。
無表情のまま、震える手で落としていた銃を拾おうとして頑張ってるところにポプリが追い付き、ホーラに平手打ちをする。
「いい加減、正気に戻りなさい。もうベへモスは倒したわ。アンタが向きあわないといけないのはコイツじゃないでしょ!」
目に少し理性の光が戻ったホーラにポプリはギルバードがいる方向を指差す。
かなり重い足取りをしながらホーラは、ギルバードに近づいていく。
近づいて目の前にくるとホーラは、ギルバードの頭の辺りで力なく膝を着く。
「叩きのめしてまでして、来ないように説得したのに来るなんて馬鹿さ」
「ゴホッ……カッコ良く参上した男にそれはないんじゃないか?」
力なく笑うギルバードは、「確かに、一発退場、格好つかないな」と痛みに耐えながら話す。
それを遠くから見ていたテツが、シホーヌとアクアに縋る。
「傷を見てあげてください!」
それにシホーヌは目を反らし、アクアは謝りながら説明する。
「彼が受けたのはベへモスの牙による致命傷です。あの傷を治すのですら制約に引っかかりますが、ベへモスの呪いも込みで制約がなくても厳しい状態です」
アクアに縋るテツの手を取って握ると2人は謝ってくる。
テツは、「そんな……」と呟き、ホーラとギルバードを見つめた。
「なんで、こんな馬鹿したさ?」
「なんでって、男なら惚れた女に格好つけるものだからに決まってる」
必死に笑みを浮かべるギルバードにホーラは「そうかい」と答える。
「そんな俺にときめいたか?」
「……ああ」
ギルバードは、本当に嬉しそうに笑みを浮かべる。
「嬉しいな……俺が惚れた女は嘘が下手で最高だ。一度、腹を決めたら結果が出るまで寄り道しねぇ。そんな意思が籠った目をしたお前が好きになったんだから」
「騙して上げられなくて、ごめん」
力なく首を振るギルバードは、優しげな瞳をホーラに向ける。
「なぁ、ホーラ、お前は惚れた男には想いは告げたか?」
ギルバードの言葉にホーラは首を横に振る。
「駄目だな、自分の想いは告げないと意味がねぇよ。未練になっちまう。お前は強いかもしれないが、いつ逝くか分からない。未練は残しちゃ駄目だ」
ギルバードは、「俺はスッキリ未練はない、心残りはあるがな」と笑みを浮かべる。
すると、ギルバードの体に変化が現れる。干からびるように肌が割れ始める。
「どうやら、俺もそろそろらしいわ。ホーラ、想いを告げて、もっと良い女になれ……よ」
ギルバードは、炭化したミイラのようになって息絶える。
動かない感情と表情のまま、ギルバードを凝視していたホーラはおもむろに近くに落ちていた木で穴を掘り始める。
「テツ君、私達は馬車で待ってましょう」
ベへモスの象牙を取って帰ってきたテツにポプリが声をかける。
そう言われたテツは、未練を感じるようだがポプリに頷き返すとシホーヌとアクアに「お願いします」と言う。
それに黙って頷き返した2人は、ホーラに近寄って行く。
アクアはホーラの腕を掴み、引き寄せる。
本来ならこの行動ですら痛みに騒ぐほど痛いはずだが、無感情のまま、「離して」と言うだけである。
「邪魔しにきたのではありません。その怪我したままの腕では掘り辛いでしょうから治しにきただけです」
そう言うとアクアは力を行使し始める。
ホーラは時間を巻き戻すように治っていく自分の腕を揺れない感情で見つめ続けた。
シホーヌは、ギルバードの傍に来ると両膝を着いて両手を組んで祈りだす。
「この勇気ある少年が迷わないように……道を作るのですぅ」
シホーヌを中心に光の粒子がギルバードも包むようにして粒子は上がっていく。
祈りながら上空を見つめるシホーヌは送り火をする人のように祈り続けた。
それから、穴を掘るホーラを黙って見つめていた2人は、埋葬するホーラをジッと見つめ続ける。
ホーラが墓を見つめ出して1時間ぐらい経過した頃、
「そろそろ、帰りましょう」
ホーラは言われるがまま頷き、馬車へと帰る。
▼
村についてもホーラはずっとボーとして反応らしい反応を示さない。
周りの者達も今はそっとしておこうという考えで纏まっていた。
そして、次の日になってもホーラの反応は変わらず、さすがにここまでくると心配になったポプリが介入しようとするがシホーヌとアクアに止められる。
「何故、止めるんですか!」
「多分だけどホーラは、ギルバードの言葉をやり通す為に自分の感情に蓋をしてると思うのですぅ」
「本当なら、ギルバードの為に泣いてあげたいという気持ちがあるのでしょう。でも泣いて心を整理してしまって逃げる自分を抑え込もうとしてると私達は見てます」
頭のいいホーラだから、心を整理してしまえば、頭で考えて結論を出してしまうのであろう。
ポプリとテツは顔を見合わせる。
「じゃ、どうしたら?」
「そんなの決まってるのですぅ。ホーラが感情をぶつける相手の下へ急げばいいのですぅ」
シホーヌの言葉を聞いたポプリがテツに声を上げる。
「テツ君、出発の準備よっ!」
「5分くださいっ!」
ポプリが良い笑顔をして「3分で!」と言うと敬礼したテツが宿の外へと飛び出す。
そして、馬車を用意するとホーラの背中を押して乗り込む。
ホーラ達は、ダンガを目指して出発した。
ギルバードは本来の身長のより高い位置に顔があり、「えっ?」と呟き、キョトンとした顔をして堰き込み血を吐き出す。
ギルバードの胸には白く大きな突起物が生えており、震える手で引き抜こうとするように両手を上げようとするが力尽きたようにダランと手を下ろす。
苦痛に歪む顔を見せるギルバードを直視した直後、どこかに行っていたホーラの心が戻り腹の底から声を上げる。
「うぁぁぁぁぁ!!!!」
ホーラは激情のままに持てるだけのナイフを取り出すと一気に投げ放つ。
急所など気にせず絨毯爆撃をするつもりのようにするが、ナイフはすぐに尽きる。
突き刺したベへモスは痛みから頭を激しく振り、牙から外れ、放物線を描きながら飛んでいくのに目を奪われたホーラであったが、テツが受け止めるのを見ると今度はパチンコを引き絞る。
本当に後先を考えていないようで、駆け引きもなにもへったくれもなく鉄球がなくなるまで打ち続ける。
「ホーラぁ! 落ち着きなさい。激情のままに戦ってどうするの!」
ポプリが溜めていた魔法を打ち放つ。
細く、細く収束された火線を指先から放ち、ベへモスを貫く。
放ってる指先を動かす事で斬り刻むようにする。
さすがにこれにはベへモスも溜まったモノじゃなかったようで痛みから絶叫する。
額に汗を浮かべ、脱力感と戦いながらポプリが力を振り絞るように切り上げるとベへモスの左腕を切り離す。
魔力を使いすぎたポプリが膝を着きながらホーラに呼び掛ける。
「今の内に距離を取りなさい! 今のアンタは丸腰なのよ」
しかし、ホーラはポプリの言葉を聞いてないかのように胸元を弄るとミチルダに作って貰った銃を取り出す。
それを見たポプリが目を見開く。
「ば、馬鹿! まだまともに打つ事もできない武器出してどうするの! 火種を作る程度の魔法の反動ですら狙いがつけれなかったでしょ」
ホーラはポプリの言葉を無視して弾を装填する。
「今、アンタが持ってる弾に籠ってるのは、そんな弱い魔法じゃない」
もうポプリの言葉は届いていないのかもしれないとポプリはテツに目配せすると頷かれる。
「ホーラ姉さん止めてください!」
テツがホーラの肩に手を置こうとした時、痛みから憎しみ色に染まったベへモスがホーラ目掛けて突進してくる。
もう、ホーラは叫び声は上げてない。ただ、ただ、無表情に銃を構えると引き金を引く。
撃った反動は凄まじく後ろで手を置こうと思っていたテツを巻き込んで吹っ飛ぶ。
転がって土塗れになった2人であったが、ホーラはすぐに立ち上がる。
立ち上がると次の弾を装填しながらベへモスを見つめる。
反動から胸を狙ったはずのモノは大きくずれて、右腕が消失していた。
ベへモスは痛みから両膝着いて鼻を強く地面に打ち付けて、痛みに、憎しみに吼える。
そんなベへモスの圧力も何も感じてないような顔をしたホーラは、口を小さく動かしながらベへモス目掛けて走り出す。
ホーラの手から淡い光が出ており、魔力の流れを感じたポプリが目を剥いて叫ぶ。
「扱えてない力を更に付加させて何考えているの、死ぬ気? テツ君、早くホーラを止めて!」
テツは吹っ飛ばされて木に頭を打ったようでふらつきながら立つのを見たポプリは自分の体に鞭打って立ち上がり、必死にホーラを追いかける。
当然、満身創痍のポプリが追い付く訳なく、ホーラはベへモスの懐に入る。
怒りに染まったベへモスが牙でホーラを薙ぎ払おうとするが、ホーラのほうが早かった。
銃を構えて、「付加するは、爆裂」と呟くと躊躇せずに引き金を引いた。
激しい爆音と閃光にホーラは包まれ、そこに生まれた力に吹っ飛ばされる。銃を持っていた両腕からは裂傷により血が噴き出す。
飛んでいくホーラの射線上にきたポプリは、「ええい、女は度胸っ!」と叫ぶと飛んでくるホーラに抱きつく。
だが、勢いは殺せず、同じように飛ばされる。
「どっせいぇい!!」
その2人を抱えるようにテツが抱き付き、見えない足場で耐えるように踏ん張るが、軽い音を響かせて割れる。
どうやら、風魔法で足場を作っているようである。
それを連続使用で徐々に威力減退させていく。
多少は減退させていったが、テツ達は大樹にぶつかって止まる。
「重たい……」
「テツ君、女の子にそのセリフは極刑だからねっ?」
とはいえ、良く頑張ったと思ったポプリの顔には笑みがあった。
ホーラは、ふらつく体でベへモスが居た場所へと歩いていく。
着いた場所には、首から下がないベへモスが白目を剥いて息絶えていた。
無表情のまま、震える手で落としていた銃を拾おうとして頑張ってるところにポプリが追い付き、ホーラに平手打ちをする。
「いい加減、正気に戻りなさい。もうベへモスは倒したわ。アンタが向きあわないといけないのはコイツじゃないでしょ!」
目に少し理性の光が戻ったホーラにポプリはギルバードがいる方向を指差す。
かなり重い足取りをしながらホーラは、ギルバードに近づいていく。
近づいて目の前にくるとホーラは、ギルバードの頭の辺りで力なく膝を着く。
「叩きのめしてまでして、来ないように説得したのに来るなんて馬鹿さ」
「ゴホッ……カッコ良く参上した男にそれはないんじゃないか?」
力なく笑うギルバードは、「確かに、一発退場、格好つかないな」と痛みに耐えながら話す。
それを遠くから見ていたテツが、シホーヌとアクアに縋る。
「傷を見てあげてください!」
それにシホーヌは目を反らし、アクアは謝りながら説明する。
「彼が受けたのはベへモスの牙による致命傷です。あの傷を治すのですら制約に引っかかりますが、ベへモスの呪いも込みで制約がなくても厳しい状態です」
アクアに縋るテツの手を取って握ると2人は謝ってくる。
テツは、「そんな……」と呟き、ホーラとギルバードを見つめた。
「なんで、こんな馬鹿したさ?」
「なんでって、男なら惚れた女に格好つけるものだからに決まってる」
必死に笑みを浮かべるギルバードにホーラは「そうかい」と答える。
「そんな俺にときめいたか?」
「……ああ」
ギルバードは、本当に嬉しそうに笑みを浮かべる。
「嬉しいな……俺が惚れた女は嘘が下手で最高だ。一度、腹を決めたら結果が出るまで寄り道しねぇ。そんな意思が籠った目をしたお前が好きになったんだから」
「騙して上げられなくて、ごめん」
力なく首を振るギルバードは、優しげな瞳をホーラに向ける。
「なぁ、ホーラ、お前は惚れた男には想いは告げたか?」
ギルバードの言葉にホーラは首を横に振る。
「駄目だな、自分の想いは告げないと意味がねぇよ。未練になっちまう。お前は強いかもしれないが、いつ逝くか分からない。未練は残しちゃ駄目だ」
ギルバードは、「俺はスッキリ未練はない、心残りはあるがな」と笑みを浮かべる。
すると、ギルバードの体に変化が現れる。干からびるように肌が割れ始める。
「どうやら、俺もそろそろらしいわ。ホーラ、想いを告げて、もっと良い女になれ……よ」
ギルバードは、炭化したミイラのようになって息絶える。
動かない感情と表情のまま、ギルバードを凝視していたホーラはおもむろに近くに落ちていた木で穴を掘り始める。
「テツ君、私達は馬車で待ってましょう」
ベへモスの象牙を取って帰ってきたテツにポプリが声をかける。
そう言われたテツは、未練を感じるようだがポプリに頷き返すとシホーヌとアクアに「お願いします」と言う。
それに黙って頷き返した2人は、ホーラに近寄って行く。
アクアはホーラの腕を掴み、引き寄せる。
本来ならこの行動ですら痛みに騒ぐほど痛いはずだが、無感情のまま、「離して」と言うだけである。
「邪魔しにきたのではありません。その怪我したままの腕では掘り辛いでしょうから治しにきただけです」
そう言うとアクアは力を行使し始める。
ホーラは時間を巻き戻すように治っていく自分の腕を揺れない感情で見つめ続けた。
シホーヌは、ギルバードの傍に来ると両膝を着いて両手を組んで祈りだす。
「この勇気ある少年が迷わないように……道を作るのですぅ」
シホーヌを中心に光の粒子がギルバードも包むようにして粒子は上がっていく。
祈りながら上空を見つめるシホーヌは送り火をする人のように祈り続けた。
それから、穴を掘るホーラを黙って見つめていた2人は、埋葬するホーラをジッと見つめ続ける。
ホーラが墓を見つめ出して1時間ぐらい経過した頃、
「そろそろ、帰りましょう」
ホーラは言われるがまま頷き、馬車へと帰る。
▼
村についてもホーラはずっとボーとして反応らしい反応を示さない。
周りの者達も今はそっとしておこうという考えで纏まっていた。
そして、次の日になってもホーラの反応は変わらず、さすがにここまでくると心配になったポプリが介入しようとするがシホーヌとアクアに止められる。
「何故、止めるんですか!」
「多分だけどホーラは、ギルバードの言葉をやり通す為に自分の感情に蓋をしてると思うのですぅ」
「本当なら、ギルバードの為に泣いてあげたいという気持ちがあるのでしょう。でも泣いて心を整理してしまって逃げる自分を抑え込もうとしてると私達は見てます」
頭のいいホーラだから、心を整理してしまえば、頭で考えて結論を出してしまうのであろう。
ポプリとテツは顔を見合わせる。
「じゃ、どうしたら?」
「そんなの決まってるのですぅ。ホーラが感情をぶつける相手の下へ急げばいいのですぅ」
シホーヌの言葉を聞いたポプリがテツに声を上げる。
「テツ君、出発の準備よっ!」
「5分くださいっ!」
ポプリが良い笑顔をして「3分で!」と言うと敬礼したテツが宿の外へと飛び出す。
そして、馬車を用意するとホーラの背中を押して乗り込む。
ホーラ達は、ダンガを目指して出発した。
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