異世界で双子の娘の父親になった16歳DT-女神に魔法使いにされそうですー

バイブルさん

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5章 DT、本気みせます!

151話 会談という名の……らしいです

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 緊張でガチガチで一杯一杯といった有様で王の間の前まで案内された。

 その余りにもガチガチの兵士を憐れに思った雄一が正面を向いた時に肩に手を置くと言い含めるように話しかける。

「そう緊張するな、俺達は同じ戦場に立った者同士、言うなれば戦友だ。次、会う時はもっと気楽に構えてくれ」

 そう言いつつ微笑むと肩を叩き、「職務お疲れさん」と送り出してやると更にガチガチになった兵士が角を曲がる事で姿が消えた先から奇声が聞こえてくる。

 その奇声を聞いた雄一は頬を掻く。

「緊張を解してやろうと思ったが失敗に終わったな」
「いいんじゃないですか? 兵士さんはとても喜んでたと思いますよ」

 難しい顔をする雄一に誇らしげに笑みを浮かべるテツは雄一を見上げる。

 やれやれ、といった表情をする雄一を半眼で見つめていたホーラがぼやく。

「ユウって、ああやって無意識に人たらしな事をする事があるさ。今回は相手が男だったから良い様なものを……」
「言われてみれば、わらわの時も口説かれるようなセリフは一切なかったのに気付いたらメロメロにされてたのじゃ」

 惚ける顔をしながら語るリューリカが我に返るとホーラに手を差し出す。

「今後は力を合わせて、阻止していこう。わらわ達は手を携えていけるはずじゃ」
「いや、アンタは火の精霊神殿に帰るさ?」

 差し出された手を弾くホーラ。

 2人の間に痛い沈黙がおり、雄一とテツは生唾を飲み込み見守る。

 そして突如始まる女のバトルが開催される。

 2人は、歯を剥き出しにして力比べをして拮抗する。

 普通に考えれば、火の精霊獣であるリューリカの圧勝のはずだが、リューリカがなんらかの制限をかけているのか、もしくは、それをしてないリューリカと拮抗できているホーラがおかしいのかは不明である。

 熱い女のバトルに尻込みするテツは手を口に入れて、アワワッ、と後ずさり、当の雄一は、目を反らすと抱っこしてるアリアと肩車をしているミュウを下ろす。

「これから入る所では立ってるか椅子に座るかしないといけないから降りような?」

 素直に頷く良い子の2人に笑みを浮かべる。

 ミュウが女のバトルを続ける2人に指差すが雄一は動かない笑みのままその指をそっと下ろさせると首を横に振る。

「放っておいていいの?」

 首を傾げて聞いてくるアリアに雄一は、涙を耐えるような仕草をしながら答える。

「あの間に割って入ったら命に関わる……」

 そういう雄一の困った顔を見たアリアは、男というのはいくら好意を寄せてくれていると思っても、あんな風になると引くんだ、と学習して心に刻むようにそんな2人を見つめた。

 幼い子というのは教えられた事より、自分の目で見たモノから学習していくものである。

「さあ、中に入ろう。テツ、後は任せた」
「無茶言わないでくださいよ、僕も一緒に行きますっ!」

 そう叫び返したテツの声に反応した2人が置いて行かれると気付いて雄一の下へと走ってくる。

 そして、何故、自分達を置いていくのかと噛みついてくるので雄一は嘆息すると説明してやる。

「これから何をしにいくか忘れてないか? 確かに俺達の力仕事は終わってるかもしれないが、ここから俺達の家族のポプリの本番なんだぞ? 少しは空気を読め」

 そう言われたホーラは反省したように、俯くと「悪かった」と言ってくるが、リューリカは、

「わらわには人と同士のやり取りなんぞ関係ないのじゃ!」
「じゃ、火の精霊神殿に帰れ」

 そう言われたリューリカは目の端に涙を盛り上げると雄一の足に縋りつく。

「わらわが悪かったのじゃ、見捨てないで欲しいのじゃぁ!」

 それを見て雄一は顔を顰めて眉間を揉む。

 今のリューリカの姿を見て、金髪アホ毛と青い残念娘を思い出してしまったのである。

 マズい、マズ過ぎる……

 これ以上、あの手の存在が増えるのは耐えれるか分からない。

 只でさえ、電波娘も参入していて手に負えない状態だというのに……なんとか、お帰り願える方法を考えないと思うが、思い付かない雄一はいつものように先送りにする事にする。

 雄一にはいつまでも解けない数式のようなものである。

「せめて、おとなしくしておけよ?」

 そう言うと素直に頷く2人を見ると雄一は王の間の前で見張りをしていた兵士に苦笑される。

 その苦笑に気付かないフリをする。そして、兵士に「通して貰うぞ?」と言うと道を開けて扉も開かれる。


 中に入ると中に居る者全ての視線が雄一達に注がれる。

 いつもならオドオドしそうなテツであるが、一回、腹に決めた時の胆力はさすが北川家、長男である。

 ホーラもリューリカも涼しい顔をして雄一に続いて入っていく。

 そして、雄一に手を引かれるアリアとミュウも平常運転であった。アリアなど、雄一の手を握り返して、「大丈夫、ユウさんには私がいる」と励ますほどの成長を見せられた、雄一は、お父さん涙を流す直前まで追い込まれる。

 勿論、泣く事は許されない雄一は、笑顔で「ありがとう」と告げると壁際にある椅子に2人を座らせると2人を挟むようにして雄一とテツが陣取る。

 雄一は腕を組むと壁に凭れながら周りの様子を見始める。

 先程から気になっていたが兵士達の自分を見つめる熱い瞳が気になる。兵士達の間で自分がどういう評価を受けているかがすこぶる気になるがそれを脇に置く。

 王の間の中央では兵士に四方を固められながらも拘束はされてない女性が4名いた。全ての女性が赤い髪、ポプリと同じ色なところからアレがポプリの姉妹だと判断する。

 その中の巻いて巻いてソフトクリームのような髪型をした女性が雄一を睨みつけて噛みつくように声を荒立てる。

「兵達の反応からして、一角の者のようですが、入ってきて王族の私達に自己紹介もないのですか? この無礼モノ!」

 そう叫んだと同時に、四方を固めていた兵達が剣を抜くと肌に触れるか触れないかのところで止めると静かに睨みながら言葉を発する。

「無礼モノは貴方のほうです。この国の第一王女だろうが、我らが英雄、戦神と崇める方に畏れ多い」

 据わった目で見つめられた第一王女、確か、ポプリが言ってた名前はサラだったと思う王女が、情けない声で、ひぃ、と声を上げると後ろに下がると別の兵士が剣の腹を首筋に当てて止める。

「勘違いしないで頂きたい。我らは貴方の命を守ってる訳ではない。逃がさないようにしてるだけで、傷つけるのを禁止されてる訳ではないのです」

 もう傷つける気が満々だと目が語りながらサラを追い詰めていく。

 サラの言動より、兵士の言葉のほうが余程聞き流すのが危険に感じる雄一は頭痛を覚える。

 そして、嘆息した雄一が手を叩いて兵士達の意識をこちらに向けさせる。

「いい、そんな事ぐらいでどうこう思ったりしない。捨て置け」

 そう言う雄一に剣を収めて臣下の礼を取るのに驚いた雄一は眉を寄せて問う。

「なんで臣下の礼を取ってるんだ? 俺はお前達の主人じゃないぞ?」

 そう言う雄一の言葉に嬉しそうに笑みを浮かべるが誰もそれについて言及する者がいなかった。

 何故か突いたら駄目な気がする雄一は、再び、王女達の観察に戻る。

 解放された事で尻モチを着いているのが、第一王女サラ、そして、状況が飲み込めないが虚勢を張っているドリルを2つ持っているような髪型をする女性がおそらく第二王女ネリートであろう。

 その後ろではお互い抱き締め合ってるショートヘアの少女2人が第三王女と第四王女であろう。お互い顔を見合せながら、見つめ合う瞳を見るだけで何を考えてるか透けて見えるようである。

 『どうして、何もしてない私達がこんな目に遭うの?』

 と考えてそうなのが傍から見てるだけでも良く分かった。

 そんな2人に敢えて言葉をかけてやるとすれば、

 『何もしなかったから、そういう事になった』

 であろう。

 それを見ていて雄一はつくづく思う。

 ポプリは幼い内にこの国を出てて本当に良かったと。

 この面子に毒されたら最低と分類される人間が出来上がったと思われるからである。


 そんな事を考えていると入り口の方から兵の声が響き渡る。

「女王陛下一同の入場」

 その言葉と共に扉が開かれ、中に入ってくる。

 先頭に騎士風の男が前を歩き、その後ろに白を基調の豪華なドレスを纏った女王が凛とした立ち振る舞いで滑るようにカーペットの上を歩く。

 馬車で見た時の姿とも違い、初めて王城で会った時よりも美しく見え、胸元の切れ込みもキツく入っており、そこから見える瑞々しいモノに思わず、雄一は視線を泳がせてしまう。

 そんな雄一の様子に気付いた女王はチラッと目を向けて目を細めて笑みを一瞬だけ浮かべると玉座を目指して歩く。

 女王から少し遅れて入場してくる者がいた。

 赤い髪をボブ風に纏め、髪の色より強い赤いドレスを纏った自信を感じさせる微笑を浮かべた少女が入ってくる。

 一瞬、雄一も誰か分からなかった。

「ポプリ、綺麗さ……」

 そう呟くホーラの言葉と同時に雄一も目の前の少女がポプリと認識する。

 見違えたポプリが女王が歩いた道を歩く。

 その過程で上の姉妹2人はポプリを裏切り者と叫びたいが我慢しているような表情で睨み、下の2人はポプリに助けをか細い声で求めていた。

 その両方どちらにも視線すらやらないポプリが玉座に座った女王の隣に立つ。

 隣にポプリが来たのを確認した女王が4人の王女を睥睨する。

「では、始めましょう。手始めに平伏しなさい」

 そう静かな怒りを見せる女王の言葉を聞いた王女の周りにいた兵士が頭を掴み、力づくでカーペットに王女達の顔を押し付けた。
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