女になった俺と、

六月 鵺

文字の大きさ
18 / 23
リッシェンリーダン

しおりを挟む
「なぁにぼさっとしてんだ鈍間!さっさと支度しろ!飛行船待たせてんだから」

親指を立てて外を示す。え?でもだって、昨日だぞ?昨日手続きしに行ったんだぞ?なのにもう、リッシェンリーダンに行くだって?

「え?ちょっと……状況がよく分かんないんだけど…」

「なぁにすっとぼけたこと言ってんだよ。簡単なことだろ?荷物を纏めてリッシェンリーダンに行くだけだ」

「そんな早く行けるもんなのか?」

「はは~ん。私が口だけだと思ってたのか?生憎、お前一人くらいの席を設けるくらい、片手で捻るくらいで済むさ。片手もいらないな、指一本で済む。リッシェンリーダンに行けるんだぞ?それとも諦めるのか?」

「そりゃ行く。すぐ準備してくる」

まさかこんな早く行けるなんて思ってもみなかった。ハイズが影響力を持ってるのは知ってたけど、リッシェンリーダンの関係者達を一日足らずで動かすなんて。
ハイズってすごかったんだな。ただの変態だと思ってたのに。

「ところで、日ノ本の魔導書とは珍しい奴がいるもんだな」

【わしかて、堕天使を初めて見たわな。未だに地上に留まってる堕天使とは、自分も珍しいわな】

「私の他にも、地上で生を謳歌してる堕天使は結構いるぞ?まぁ私みたいに地位を獲得せずに、自由気ままに流離う奴ばかりだけど」

「なぁ、準備出来たから二人共本に戻ってくれ」

話に割り込んで、本を詰め込んだ鞄を指す。

【なんじゃ。この姿のままでは不満か?】

〈リーガル〉がなぜか不満気に唇を尖らせる。ババアが何やってんだか。

「本の方が連れて行きやすいから言ってるんだよ。それとも置いて行かれたいのか?」

【冗談じゃよ。戻ってやるから、ちゃんと連れて行くんじゃぞ?】

頬杖をつき、にやにやしたまま姿が薄れていき霧のようになると、霧は本に吸い込まれるように消える。啝譚も同じように本に戻った。
〈リーガル〉と啝譚を鞄に詰めて、準備完了。ちなみにワンリアは掌サイズのサメの姿になって、肩に乗ってる。

「終わったよ」

「オッケー。じゃあ行こう!いざ!魔導師育成学院リッシェンリーダンへ!」

バァンッ!と勢いよくドアを開く。物達がいってらっしゃいと言ってくれたから、いってきますと返した。
ドアを閉めて、顔を上げる。しばらく歩いて開けた場所に、翼亀と呼ばれる空を飛べる亀に吊られている、飛行船。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす

蒼月よる
ファンタジー
七日後、この港に神罰が落ちる。 追放された元観測士イオナだけが、その事実を知っていた。 しかも災害は自然現象ではない——誰かが、意図的に引き起こそうとしている。 港の上層部はすでに手を打っていた。「下層区画を緩衝被害区として切り捨てる」秘密契約。被害を最小限に見せかけ、体制を守る冷徹な計画だ。 イオナは元護送隊長ガルム、荷運び組合長メラとともに動き出す。 犯人を暴き、証拠を公開し、住民を逃がし、工廠を止める——すべてを七日で。 被害を「選ぶ」管理か、全員を「残す」運用か。 追放観測士の、七日間の港湾カウントダウン・サスペンス。 この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。 ・世界観・設定の管理補助 ・プロット段階の壁打ち ・作者による執筆後の校正

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

道化たちの末路

希臘楽園
ファンタジー
母亡き後、継承権もない父と側室母娘が公爵家を狙い始めた。でも私には王太子という切り札がいる。半年間、道化たちが踊るのを、私たちは静かに楽しんで見ていた。AIに書かせてみた第3弾。今回も3000文字程度のお気楽な作品です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

もしかして寝てる間にざまぁしました?

ぴぴみ
ファンタジー
令嬢アリアは気が弱く、何をされても言い返せない。 内気な性格が邪魔をして本来の能力を活かせていなかった。 しかし、ある時から状況は一変する。彼女を馬鹿にし嘲笑っていた人間が怯えたように見てくるのだ。 私、寝てる間に何かしました?

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

処理中です...