女になった俺と、

六月 鵺

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リッシェンリーダン

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【一億って凄いな。流石天使ってところか。魔獣でも億単位で生きるのドラゴンや吸血鬼くらいだぞ。後は悪魔か】

「ドラゴンも吸血鬼も悪魔も、気さくな奴は気さくだけど気性の荒い奴が多いからな。遭っても絶対に一目散に逃げろよ。話が通じるとは基本的に思わない事だ」

「それくらい知ってる。そもそもそいつらの生息域に行かなきゃいい話だろ?」

「そういう事。会いたきゃ私に言え。人に紛れて暮らしてる奴なら沢山知ってるからな」

【マジか!?ドラゴン見た事ないから会いたい!】

ワンリアが目を輝かせながらハイズを見上げる。そういえばドラゴンや吸血鬼に会いたいって何度か言ってたな。

「一番会いたいのはバハムートだっけ?」

【おおよ!空を悠々と泳ぐ巨大な魚!何千年かに一度気紛れに現れて空を覆い尽くすんだぞ!】

「バハムートか。私でも見たのは二回だけだ。しかも五百年の間に二回だからな。それ以来五千年も海の底で今もおねんねだ。でもま、もしかしたら今この瞬間に起きて空を泳ぐかも知れないぞ?なんせ気紛れな奴だからな」

【おぉー!いいねぇロマンだ!】

「生きてる間に会えたらいいな」

【な!もし会えるなら、ルーゲルの姉ちゃんと三人で会いたい】

「私は混ぜてくれねぇの?」

【そん時にいるか分かんねぇじゃん】

「それもそうだな。よしっ!そん時ゃ、お邪魔しに行ってやるよ」

「えっ、いらね」

「…………真顔で言うなよ、流石に傷つくわ。ま、冗談は置いといて降りる準備始めろ。いよいよだぞ」

眼前に広がるリッシェンリーダン。待ってろ、その懐に入ってやる。
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