弓張月異聞 リアルチートは大海原を往く

Ittoh

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伊豆綺談

リアルチートは、技を映し、潮湯の湯船は淫らに溢れる

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「武は舞に通ず」という言葉がある。
  玲は、踊るように、歩を進めて、為朝を躱していく。円を描くように、歩を進めて、為朝の動きを読み切るように、躱す姿は、流麗な踊りをみているようであった。
「凄いなぁ、これが、京洛の剣舞か」
為朝が感心するように言ってくる。京洛には、都八流と呼ばれる、剣の流儀があり、大元は、鞍馬衆に辿り着くという。
「ほほほ、そうじゃな。京洛へ綱を介して伝えられた、大婆様の身技」
為朝は、突きや掌底を放ちながら、玲の動きを見極めるように感じていた。玲の周囲で為朝の動きに合わせて、風が舞っている。
風の流れが、動きを自然と流れに変えて合わせるように玲の身体を運んでいく。それこそ、風に舞う羽のように、掴もうとすれば、手の起こす風に舞い踊って手を躱すように、為朝は玲に躱されていく。
  玲の脚捌きは、風を動かさず、すり抜けるように、歩を進めていった。風を動かさず、すり抜けるか、、、
 
 為朝の動きは、徐々に変わっていった。最初は、玲の動きに翻弄されるように、動かされていたのに、少しづつ合わせるように、玲の風を、為朝が捉えていく。
「ほぅ」
玲が感心するような、声を放った。
二人の動きは、徐々に重なるように、独り舞から、為朝と玲の二人舞いへと昇華するように、それは綺麗に舞い踊り始めていた。

  一刻ほど過ぎると、為朝が玲の背中をとってから、玲の動きは、旋風のように速度が上がっていった。半端な者には追えぬくらい、玲が、素早く遅くさらに素早くと、緩急自在に舞い踊るように歩を進めても、為朝は玲を捉えて離さないように動いていった。

「凄いものよ。一刻ほどで追いつかれるとはのぉ」
すぅっと、舞終えるように、玲は、静かに止まると、後ろを振り向いて、為朝の身体を抱きしめて言った。
「妾の負けじゃ」

 為朝は、玲を抱え上げるように抱きしめて、
「戦ならば、何度死んでいたか判らぬよ。玲は凄いなぁ」
そう言って、キスを交わしていた。

  二人とも、全身がびっしょりと汗にまみれていた。舞い踊る美しい流れは、凄まじいまでの運動量であったことを物語っていた。
「桜」
玲が、稲荷衆の長を呼ぶと、狐耳の女が、側に進み出て控えた。
「潮風呂の用意はできるかや」
「はい、既に用意はできております」
「船に風呂があるのか、玲」
「十丈を超える松浦大船だけであろうな、稲荷衆を杜湯として船手に入れておるのは。湯は水ではなく潮ではあるがな」

  松浦党の大船では、京洛や外ツ国の要人が客として乗ることもあって、潮釜の杜湯が設置されている船が多かった。信太の森に住まう、信太稲荷衆は、船守稲荷とも呼ばれ、大船の杜狐として乗船していた。
昼は、塩飽兎衆と一緒に、塩釜を焚いて製塩をおこなうと共に、造水作業をおこなっていた。
  艫屋形の後ろにある、舵櫓の左右に、厠と杜湯が据付られていた。
  玲は、為朝の腕に抱かれて運ばれながら、狐火に案内されるように、艫屋形の中へと入って行った。屋形の中は、兎耳や人の耳をした女達が、酔いつぶれた男衆を介抱したりしていた。今宵は、海に投げ飛ばされた男衆も多かったから、廊下のあちこちが濡れていた。子供に乳をやっているものや、泣いている子をあやす女もいた。宵闇に男女が交接している声も聞こえてきた。一間程の仕切りが、部屋となっていて、村で言えば一軒の家になっているようであった。

  そんな状況を見て、為朝は、
 「本当にひとつの村みたいだな」
玲が、為朝の言葉に応える。
「ほほほ、渡辺や松浦の大船は、一族の数を示す故、一族郎党が集まるときは、松浦大船が集結する時よ」
  一隻の大船に、一家を乗せるのが、渡辺や松浦の大船であった。

  艫には、白漆喰の床に塩釜が据え付けられて、湯船も一緒に取り付けられていた。稲荷狐が、塩釜から潮湯を汲み出して、湯船へと注いでいた。
為朝は、玲を降ろして、
「塩釜で湯を造るのか」
「そうじゃ。長い航海ともなれば、魚を獲り、塩漬けにすることもあるからの」
そのように応えて、玲は、為朝の袴や袿を脱がして、裸に剥いていった。褌を外すと、猛り立ったモノが、飛び出してきた。玲は、為朝を床几に座らせると、嬉しそうに手を添えて、手桶で汗を流しながら、口に含んで、舌を這わせていった。稲荷狐が玲の帯を解き、衣を脱がせていった。玲は、為朝の猛り立った逸物を、手と口で洗うのを止めなかった。
  脱いだ衣は、湯女狐が畳んで、運んでいった。
「玲ぃ」
玲は、大きな胸乳おっぱいに米糠を塗り、猛り立っったった逸物を胸乳おっぱいで挟み込んで洗うように扱き上げて、突き出る頭へ舌を絡め、口に含んでいった。
  為朝が猛り立つモノから、淫気が溢れてくると、玲の口の中に膨張していった。玲は、喉奥に頬張って吸うと、為朝は淫らな気の流れが溢れるようになると、我慢できなくなって、玲を抱え上げて、為朝の腰に跨らせて、濡れぼそった、女陰に逸物を突き入れていった。
「あぁぁッ」
  玲は、自分自身の身体で腰を沈み込ませていくにつれて、逸物が根元まで呑み込まれて、女陰より蜜壺に絡めて奥宮まで突き抜けるように、突きこまれて背中を仰け反るように善がった。
  善がる玲を追い込むように、為朝は、肉襞の蠢きに吸い込まれるように、刻むように突き抜いて、突き上げ抜いていく。
「あぁッ、イィッ、、、いくぅッ」
突き抜く流れに淫気が纏わり付いて、注がれていくと、玲は、大きなうねりの中に巻き込まれるように奥宮には、淫気が溢れて、迸る子種が流れ込んでいった。玲は、注ぎ込まれた子種を奥宮へと導くように、肉襞を締め上げて、力が抜けるように為朝に身体を預けていった。
  為朝は、猛り勃った逸物を玲に納めたまま、玲を抱えて、手桶の湯をかけて米糠を洗い流し、湯船に浸かると、玲の身体を抱きしめていた。
「ほんに、凄いおのこよのぉ、為朝ぉ」
玲は、為朝の逸物に貫かれながら、キスを交わして、舌を絡めていった。
「玲の中ならば、心地良すぎて、抜かずとも何度でも放てそうじゃ」
為朝は、暖かい湯の中で、溢れるように言った。

  潮湯に淫らな気を巡らせるように、幾度となく互いを求めあった玲と為朝は、淫らに溢れるようにイき善がった。

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