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伊豆紀行外伝
伊豆紀行外伝 ミヅチ早船は海原を飛び、流しミズチが海へ還される
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竹籠造りの五丈船は、舳先籠と艫籠を合わせて編んで、白漆喰で固めて造った五丈(十五メートル)の船である。百貫程の荷を載せれるので、水や食料等を載せてミズチに曳いて貰うように造られた船である。伊豆大島の梃子衆が始まりとなって、伊豆大島を中心として、沼津、下田、神津、式根などの伊豆の島々を渡る交易船として使われた。
後にミヅチ早船と呼ばれる五丈船は、一刻(約二時間)で二十里(80キロ)駆ける早船であり、交代で航行する早船であれば、一刻(約二時間)で三十里(120キロ)駆けることもできたという。
朝になって、迎えに来た為朝達と共に、竹籠造りで造った五丈船で、女護島へと向かった。琉威、冴、瞳、将が交代で五丈船を曳いて、周囲を他のミヅチが並走し、水上を駆けるように走っていった。紀平治と柊が、護衛として櫂と良に魚奇乗し、左右を護っていた。南天に陽が過ぎる頃には、女護島の島影が見えるようになっていった。
五丈船は、一艘に乗れるのは、数人ではあった。女護島には、為朝と玲だけで良いと言ったが、紀平治と柊は、どうしてもと言ってついてきた。
「新年の儀とは、間引きのことか、玲」
「そうじゃな、為朝」
「人になれぬミヅチは、間引かれるのか。なぜだ」
「為朝、我らあやかしは、昔であれば、人の姿をとれねば間引かれておったそうじゃ」
かつてあやかしは、人に仕え、人と交わるに、人と同じ姿を取る。人と仕事をおこなうのに、人の姿をとれねばならぬとしていた。人の姿が取れねば、間引かれるか、山奥の隠れ里に住まうような生活をしなければならなかったのが、あやかしであった。湯女狐が生まれ、カワラモノが生まれ、多少は人の姿と異なっても、人と交わり生きることができるようになったのは、京洛、難波といった大きな町や湊町くらいであった。今でも、ミヅチや土蜘蛛のように人とかけ離れた姿をしているあやかしは、町には入らぬようにしていて、間引かれたりすることが多かったのである。
「為朝。ミヅチは死すれば、人に還るそうじゃ。水気を奪えば人に戻すことはできよう。されど、ミヅチには戻れぬ。かの者達を八幡衆として受け入れねばならぬが、良いか」
「あぁ、構わんぞ、玲」
「あと一つ。水気を奪い、人に戻るを拒否するミヅチは、命を間引かねばならぬ。その覚悟はあるか」
「ミヅチであることを望む者か」
「そうじゃ。ミヅチであるを望み、人の姿を取れぬではなく、取らぬモノは退治すべきあやかしとなる」
「取らぬモノは退治すべきあやかしか、、、」
「どうじゃ、為朝」
「あぁ、わかった。玲」
日の出と共に出て、陽が南天から傾いた頃、女護島の島影が見えてきた。
為朝は、舳先に立って風を受ける玲に見惚れていた。今日は萌黄を金糸で刺繍を施した長羽織を纏い、大きな胸乳に晒しを巻いて下帯だけの姿は、女の芳香が匂い立つようだった。
「どうした、為朝」
少し玲が、振り返って訊ねると、
「玲が、ほんとに綺麗なので、見惚れていた」
玲は、赤く頬を染めながら、
「為朝に言われるのは、嬉しいものじゃ」
そう笑って、大きくなっていく島影を見ていた。
「しかし早いものじゃな、二日かかったものを、半日で届いたのぉ」
大きくなっていく島影に、合わせる様に大きな波がうねり、早船が飛ぶように駆けていく。舫い綱が波間を貫く様に曳き込まれて、波を斬るように抜けるとそのまま飛び出していく。
「為朝、将ッ」
「「おぉっッ」」
玲は、後ろを見ずに二人に怒鳴る。為朝と将は、艫に駆けて飛んで艫に自身の身体を叩き突けて船の着水角度を変える。五丈早船が艫を下げると、船底を打つように軋みながら着水する。大きく波飛沫が割れる様に広がって、次の波へと向かっていく。玲は、舳先に立ったまま、五丈早船を曳く、冴の手綱を引く。島影が、島となって眼前に広がっていって、左舷に白漆喰で固めた桟橋が見えてくる。冴の曳く力が弱まり、飛ぶように進んでいった船の動きが落ち着いていく。
船の姿を見ると、島の者達が、桟橋へと集まって来る。紀平治と櫂が、先触れとなって、浜へと上がっていく。琉威が、島長の下へと駆けていく。
冴から、舫い綱を受け取った柊が、桟橋に五丈早船を繋いでいく。
玲が、息を吐いて整えると、為朝と将へ声をかける。
「すまん。冴がはしゃいだのを止めれなんだ」
波間から顔を出した冴が、
「え。姐さん。そんなにはしゃいでないよ」
「冴。あやうく海に突っ込んで、そのまま沈むところであったぞ」
「えっ。ゴメン」
しょんぼりする冴に、為朝が宥める。
「玲。無事であったのだ。俺は面白かったぞ」
「そ、そうか」
「冴、為朝」
将が、ちょっと面白そうに玲に声をかける
「ん。もうちょっと振り回せるくらいの船が欲しいかな。玲」
「これ、将まで、、、困ったものじゃ。そなたらならともかく、普通の舵手には無理じゃ」
「うん。そうだね、玲」
将の応えに、玲は、ちょっと呆れた感じとなったが、頭を振って、
「まぁ、南天から少し傾く程度で、女護島へ着いたのだ、よしとしようか」
そんなこんなで言っていると、館より、島長斎が琉威に伴われてやってきた。紀平治と櫂、柊と良が島長斎を桟橋へ通して、桟橋を塞ぐように立って、他の者達を止めた。冴と瞳が五丈早船に近づく、ミズチを止めていた。
島長斎が、地の底から響くように低き声で、問いかける
「玲、為朝。年越しの儀に異議を唱えるか」
玲は、怯むことなく、応える。
「斎様。年越しの儀に異議は無い。ただ、参加するミヅチ衆を八幡衆に欲しいのじゃ」
「八幡衆へか」
「そうじゃ。為朝が八幡衆は、生まれたばかり故、人手が足りぬ。ミヅチの力が無くとも構わぬ。欲しい」
「為朝も、同じか」
「あぁ、頼む。斎様」
「今年の年越し儀は、新たな賀茂斎宮家姫宮の勤めじゃ」
「供儀の法要は、供儀が無ければならぬということではあるまい」
「それは、そうじゃが」
「将ッ」
玲が呼びかけると、将は、砂金十貫の袋と、藁編の船に乗せたミズチを象った細工と一緒に、島長斎の前へと置いた。
「京洛には、流し雛という風習があると聞く、これを供儀の贄として欲しい」
流し雛、瘴気を纏わせて、川へと流し、穢れを祓う京洛に古来より伝わる風習である。
島長斎が、確認するように、問いかける。
「ほんとうに、良いか。ミズチとしては島へ還すことはできぬぞ」
「「わかっておる」」
為朝と玲の声が揃って応える。
島長斎は、考え込むように、瞼を閉じた。
線香一本が燃え尽きるくらいの時が過ぎ、島長斎は、
「此度のこと、イシバ様より、この身に任せると言うてくれた」
静かに、応える。
「斎様」
「玲、為朝、ミヅチ衆を八幡衆とするは構わぬ。されど、ミヅチであることを望む者は、この斎に預けよ。それでも良いか」
玲と為朝が、互いを見合わせて、頷くと、
「「委細、承知」」
揃って、斎に応えた。
帰りの船では、斎が年越しの儀に加わる、ミズチ衆を率いてイシバ様と共に、鵜渡根島へと向かった。五丈早船を瞳に曳いてもらって、玲と為朝達はそのまま出港していった。鵜渡根島での儀の結果として、八十三人中、五人のミヅチがイシバ様の腕に抱かれて、女護島へと還っていった。
そして、七十八人が、八幡衆へと加わったのである。
後にミヅチ早船と呼ばれる五丈船は、一刻(約二時間)で二十里(80キロ)駆ける早船であり、交代で航行する早船であれば、一刻(約二時間)で三十里(120キロ)駆けることもできたという。
朝になって、迎えに来た為朝達と共に、竹籠造りで造った五丈船で、女護島へと向かった。琉威、冴、瞳、将が交代で五丈船を曳いて、周囲を他のミヅチが並走し、水上を駆けるように走っていった。紀平治と柊が、護衛として櫂と良に魚奇乗し、左右を護っていた。南天に陽が過ぎる頃には、女護島の島影が見えるようになっていった。
五丈船は、一艘に乗れるのは、数人ではあった。女護島には、為朝と玲だけで良いと言ったが、紀平治と柊は、どうしてもと言ってついてきた。
「新年の儀とは、間引きのことか、玲」
「そうじゃな、為朝」
「人になれぬミヅチは、間引かれるのか。なぜだ」
「為朝、我らあやかしは、昔であれば、人の姿をとれねば間引かれておったそうじゃ」
かつてあやかしは、人に仕え、人と交わるに、人と同じ姿を取る。人と仕事をおこなうのに、人の姿をとれねばならぬとしていた。人の姿が取れねば、間引かれるか、山奥の隠れ里に住まうような生活をしなければならなかったのが、あやかしであった。湯女狐が生まれ、カワラモノが生まれ、多少は人の姿と異なっても、人と交わり生きることができるようになったのは、京洛、難波といった大きな町や湊町くらいであった。今でも、ミヅチや土蜘蛛のように人とかけ離れた姿をしているあやかしは、町には入らぬようにしていて、間引かれたりすることが多かったのである。
「為朝。ミヅチは死すれば、人に還るそうじゃ。水気を奪えば人に戻すことはできよう。されど、ミヅチには戻れぬ。かの者達を八幡衆として受け入れねばならぬが、良いか」
「あぁ、構わんぞ、玲」
「あと一つ。水気を奪い、人に戻るを拒否するミヅチは、命を間引かねばならぬ。その覚悟はあるか」
「ミヅチであることを望む者か」
「そうじゃ。ミヅチであるを望み、人の姿を取れぬではなく、取らぬモノは退治すべきあやかしとなる」
「取らぬモノは退治すべきあやかしか、、、」
「どうじゃ、為朝」
「あぁ、わかった。玲」
日の出と共に出て、陽が南天から傾いた頃、女護島の島影が見えてきた。
為朝は、舳先に立って風を受ける玲に見惚れていた。今日は萌黄を金糸で刺繍を施した長羽織を纏い、大きな胸乳に晒しを巻いて下帯だけの姿は、女の芳香が匂い立つようだった。
「どうした、為朝」
少し玲が、振り返って訊ねると、
「玲が、ほんとに綺麗なので、見惚れていた」
玲は、赤く頬を染めながら、
「為朝に言われるのは、嬉しいものじゃ」
そう笑って、大きくなっていく島影を見ていた。
「しかし早いものじゃな、二日かかったものを、半日で届いたのぉ」
大きくなっていく島影に、合わせる様に大きな波がうねり、早船が飛ぶように駆けていく。舫い綱が波間を貫く様に曳き込まれて、波を斬るように抜けるとそのまま飛び出していく。
「為朝、将ッ」
「「おぉっッ」」
玲は、後ろを見ずに二人に怒鳴る。為朝と将は、艫に駆けて飛んで艫に自身の身体を叩き突けて船の着水角度を変える。五丈早船が艫を下げると、船底を打つように軋みながら着水する。大きく波飛沫が割れる様に広がって、次の波へと向かっていく。玲は、舳先に立ったまま、五丈早船を曳く、冴の手綱を引く。島影が、島となって眼前に広がっていって、左舷に白漆喰で固めた桟橋が見えてくる。冴の曳く力が弱まり、飛ぶように進んでいった船の動きが落ち着いていく。
船の姿を見ると、島の者達が、桟橋へと集まって来る。紀平治と櫂が、先触れとなって、浜へと上がっていく。琉威が、島長の下へと駆けていく。
冴から、舫い綱を受け取った柊が、桟橋に五丈早船を繋いでいく。
玲が、息を吐いて整えると、為朝と将へ声をかける。
「すまん。冴がはしゃいだのを止めれなんだ」
波間から顔を出した冴が、
「え。姐さん。そんなにはしゃいでないよ」
「冴。あやうく海に突っ込んで、そのまま沈むところであったぞ」
「えっ。ゴメン」
しょんぼりする冴に、為朝が宥める。
「玲。無事であったのだ。俺は面白かったぞ」
「そ、そうか」
「冴、為朝」
将が、ちょっと面白そうに玲に声をかける
「ん。もうちょっと振り回せるくらいの船が欲しいかな。玲」
「これ、将まで、、、困ったものじゃ。そなたらならともかく、普通の舵手には無理じゃ」
「うん。そうだね、玲」
将の応えに、玲は、ちょっと呆れた感じとなったが、頭を振って、
「まぁ、南天から少し傾く程度で、女護島へ着いたのだ、よしとしようか」
そんなこんなで言っていると、館より、島長斎が琉威に伴われてやってきた。紀平治と櫂、柊と良が島長斎を桟橋へ通して、桟橋を塞ぐように立って、他の者達を止めた。冴と瞳が五丈早船に近づく、ミズチを止めていた。
島長斎が、地の底から響くように低き声で、問いかける
「玲、為朝。年越しの儀に異議を唱えるか」
玲は、怯むことなく、応える。
「斎様。年越しの儀に異議は無い。ただ、参加するミヅチ衆を八幡衆に欲しいのじゃ」
「八幡衆へか」
「そうじゃ。為朝が八幡衆は、生まれたばかり故、人手が足りぬ。ミヅチの力が無くとも構わぬ。欲しい」
「為朝も、同じか」
「あぁ、頼む。斎様」
「今年の年越し儀は、新たな賀茂斎宮家姫宮の勤めじゃ」
「供儀の法要は、供儀が無ければならぬということではあるまい」
「それは、そうじゃが」
「将ッ」
玲が呼びかけると、将は、砂金十貫の袋と、藁編の船に乗せたミズチを象った細工と一緒に、島長斎の前へと置いた。
「京洛には、流し雛という風習があると聞く、これを供儀の贄として欲しい」
流し雛、瘴気を纏わせて、川へと流し、穢れを祓う京洛に古来より伝わる風習である。
島長斎が、確認するように、問いかける。
「ほんとうに、良いか。ミズチとしては島へ還すことはできぬぞ」
「「わかっておる」」
為朝と玲の声が揃って応える。
島長斎は、考え込むように、瞼を閉じた。
線香一本が燃え尽きるくらいの時が過ぎ、島長斎は、
「此度のこと、イシバ様より、この身に任せると言うてくれた」
静かに、応える。
「斎様」
「玲、為朝、ミヅチ衆を八幡衆とするは構わぬ。されど、ミヅチであることを望む者は、この斎に預けよ。それでも良いか」
玲と為朝が、互いを見合わせて、頷くと、
「「委細、承知」」
揃って、斎に応えた。
帰りの船では、斎が年越しの儀に加わる、ミズチ衆を率いてイシバ様と共に、鵜渡根島へと向かった。五丈早船を瞳に曳いてもらって、玲と為朝達はそのまま出港していった。鵜渡根島での儀の結果として、八十三人中、五人のミヅチがイシバ様の腕に抱かれて、女護島へと還っていった。
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