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WWⅡの太平洋戦争は、始まる前に負けていた戦争であった

オマケ 利益を得た最大国家、ソビエト連邦

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 第一次世界大戦後、共産国家にとって、脅威となる敵は大日本帝国とアメリカだったのです。つまり、第一次世界大戦で被害を大きく受けず、共産主義殲滅の出兵を実行し、共産国家の国益を蹂躙する国家は、大日本帝国であり、アメリカでした。シベリア出兵をおこなったすべての国家は、共産主義者にとっての敵なのです。

 そういった意味では、ソビエト連邦による、「二虎日米競食の計」を食らったとも言えるのです。

 ソビエト連邦による「二虎日米競食の計」に、日米は見事に嵌ったのです。第二次世界大戦では、日米戦争の結果、中国共産党が満洲を占拠して国力を拡大し、大日本帝国は滅び、アメリカも非常に大きく国力を消耗しつつ、ソビエト連邦への支援を継続して勝ち取り、ソビエト連邦が大国になる道を開いたのです。

 ソビエト連邦にとって、大日本帝国は、国際法を護る、とっても都合が良い国であったのです。

 アメリカの対ソ支援の30%が、太平洋を経由して、アメリカからウラジオストックに運ばれたと言われています。

 大日本帝国は、アメリカによる対ソ支援を阻止するため、海上臨検を実施し、一時的に大日本帝国内に拘束し、積み荷の点検と称して数カ月拘束後、支援物資の内容をドイツに向けて公開するといった嫌がらせは可能であるし、武器等の輸出については、満洲を護る大日本帝国の国益上認めることはできないとして、アメリカへ返品することも可能であったハズです。大日本帝国が必要とした、ガソリン等の石油製品や武器類は、大日本帝国が買い取って、代金をソビエトに大日本帝国の国債で払うということも可能であったでしょう。

 こういった外交上の嫌がらせすらできず、日本の排他的な経済水域および領海を通過する輸送を認めたのです。ソビエト連邦にとって、大日本帝国は、とっても都合の良い国だったのです。

 独ソ戦では、百万を単位にするような人的被害を、独ソ両方が背負い込んで戦っていたのです。ソビエト連邦は、ウラル山脈東方、バイカル湖周辺まで追われても、ドイツに対して降伏することは無かったと考えられます。



 第二次世界戦における、ソビエト連邦の誤算は、二つあります。
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 ① 日ソ中立条約を破りながら、満洲での権益を得られず、大日本帝国の権益はほとんど得られなかったこと。
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 ② 日本をアメリカ単独で占領してしまい、口を出せないまま、大日本帝国の権益をアメリカに奪われたこと。
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 ソビエト連邦としては、大日本帝国が本土決戦をおこなって、アメリカが苦戦している間に、占領地域を最大限に拡大することにありました。

 昭和20年8月15日、玉音放送は、ソビエト連邦の野望をつぶした放送でもあったのです。
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