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不都合な真実

不都合な真実・06 前編<<漢字を活用した、国家による、教育プログラム>>

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<<漢字を活用した、国家による、教育プログラム>>





 WGIPという話がある、War Guild Information Programは、第二次世界大戦後に日本が占領された結果、戦争を罪とする政策であったと言われている。WGIPが、非常に強く働いた結果として、日本人は戦争そのものを悪とする忌避感を持つようになったとされる。

 しかしながら、日本では、元々殺人が罪であり、正義の殺人などという世迷言が、存在しない国である。

 愛する者を護るため、子を護るため、国を護るため、殺人という罪を犯すことは、是非なきことであるという考え方である。だからと言って、殺人の罪が無くなるのではなく、殺人を犯せば罪人である。罰を受けることの「在る/無し」についてが、時代や状況に法というモノで定義されるに過ぎない。

 日本の戦争では、「古事記」の昔から、暗殺も戦術であり、騙し討ちもまた、戦術として許容されている。だからこそ、幕末の殺し合いは、暗殺合戦まで起きていて、大津でロシア皇太子殺害未遂といった事件となり、原敬首相の暗殺、選挙への殴り込みなど、日本人は目的達成の手段を選ばないことについては、一切の妥協というモノが無い民族だったりする。

 この一切の制約が無い、日本の戦争という行為に、枠を構築したのが、「海律全書」や「ハーグ陸戦条約」といった、様々な国際法であった。

 日本人に戦争を悪だと教えるのは簡単で、殺人が罪であり、戦争は強制的な殺人と定義することで、結果的に日本人は、戦争を忌避することになる。また、戦中戦後にアメリカ軍がやらかした、「原爆投下」「東京大空襲」等の殲滅戦争が、戦争そのものを忌避する原因となっている。つまりは、海外の人間は、手段を選ばないだけでなく、民族そのものを絶滅させることに、忌避感が存在しない、極悪な外道であるという教育を施せば、結果として日本人は戦争そのものを嫌うようになったのである。

 日本に戦後に教育されたのは、日本に存在していなかった、民族虐殺という行為であり、欧米列強や大陸の人間が、極悪な外道であるという認識だったのである。困ったことに、この認識は事実であり、日本で憲法九条の改変に反対するのは、戦争を起こすことで、仮想敵に「民族虐殺」の枠を外すことに対する恐怖でもある。

 「聖書」を知り「十字軍」を調べ、「インディアス破壊についての簡潔な報告」を読むと、「正義の殺人」が存在する欧米人は、本質として「虐殺者Conqistdor」であると認識することができる。「虐殺者Conqistdor」に対して、反撃する側の考え方もまた「虐殺者Conqistdor」であることから、負の連鎖が止まることは無いと認識することができる。

 東西冷戦は、「相互確証破壊」という代紋を背負った、「虐殺者Conqistdor」同士の対立であり、朝鮮戦争やベトナム戦争は、「虐殺者Conqistdor」の代理戦争ということになる。

 真っ当な日本人であれば、このような世界と、関わり合いを持ちたいと思うだろうか。

 日本人が、海外の人間を忌避する背景は、「虐殺者Conqistdor」に敵対するために、自分自身が「虐殺者Conqistdor」になることである。「虐殺者Conqistdor」を敵にすることもなく、自分が「虐殺者Conqistdor」になることもなく、日常生活を暮らせるのは日本国だけだったりする。

 日本は、国家支配を確立するために、教育体制を確立した、世界でも最も稀有な国である。

 日本は歴史的に、識字率が高い国であり続けたのは、国家支配体制を教育で確立した国家だからである。

 日本国の支配を受ける、国民の根本は、「祀ろう民」となることである。

 地のすべてを、主上おかみが象徴する、日本国の支配と認め、それ以外の選択肢を持たないことが、日本国民である定義となっている。これは、日本制覇が達成された、神功陛下の御代以来の伝統であり、天平期に、国家の支配体制が確立された結果である。

 「古事記」「日本書紀」は、国史の編纂であり、国史を受け入れて、「祀ろう民」となることを示すための知識となる。「風土記」は、「祀ろう民」となったことを地誌に記し、「祀ろわぬ民」をあやかしひとあらざるものとして、征伐する理由である。

 つまりは、日本国もまた、「祀ろわぬ民」を征伐虐殺することは、許される行為となるが、「祀ろう民」となれば容赦するのも、日本国ということになる。

 このことを知らしめるために、国分寺国分尼寺を築き、都に戒壇を設置して、漢字を日本語として普及したのである。

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